Open Close

妻夫木聡『宝島』宣伝アンバサダーに就任!「映画を超える存在! “人生のバトン”の物語」 映画『宝島』完成報告会見

DSC_9708

映画『宝島』の完成報告会見が、5月5日、東京・丸の内TOEIにて行われ、主演の妻夫木聡をはじめ、共演の広瀬すず、窪田正孝と、大友啓史監督が登壇した。

戦後沖縄を舞台に、史実に記されない真実を描き切った真藤順丈の傑作小説「宝島」を大友啓史監督がメガホンを取り、実写映画化。本作は、戦後から本土返還の1972年までのアメリカ統治下の沖縄を舞台に、混沌とした時代を全力で駆け抜けた若者たちの姿を描く、衝撃と感動のエンタテインメント超大作。姿を消した英雄オンの親友で、彼の行方を追うために刑事となった主人公・グスクを妻夫木聡、オンの恋人であり、教師になって彼の帰りを待つ幼馴染のヤマコを広瀬すず、オンの弟でありヤクザになって兄の背中を追うレイを窪田正孝、姿を消した英雄・オンを永山瑛太が演じる。

DSC_9644

会見冒頭で、妻夫木は「この映画は2回ほど延期になりまして、3度目の正直でやっと完成できました」と報告し、この日を迎えたことに感慨深げ。大友監督も「この企画はいろんなことがありまして、作品が成立するまでに紆余曲折ありました。俳優たちがちゃんと待ってくれて素晴らしい演技をしてくれて、今日こうしてお披露目できることを嬉しく思います」と思いの丈を口にした。

DSC_9659

完成した作品を観て、妻夫木は「作品が持つ圧倒的な生命力を感じました」と声を絞りだし、「観終わったときに、生きていかなければならないと心の底から思いました。死というものは終わりを意味すると思っていたけれど、死があるからこそ生があり、死が生きる糧になる。そして受け継がれるものを僕らは持っていて、それに支えられて生きているんじゃないのかと。だからこそ僕たちは精一杯生きていかなくてはいけない」と思いを噛みしめる。

DSC_9649

DSC_9724

広瀬は「良い意味ですごく疲れました」と一言。続けて「血が騒ぐようなシーンがとても多くて。自分が知らなかったシーンも大変だっただろうなと思ったし、撮影をした日々も濃厚だったなと思い返す瞬間もたくさんありました。いい疲れがあります」と笑顔を見せた。

DSC_9672

DSC_9665

窪田は妻夫木の言葉に続けて、「みんな全力で生きていて、彼らの死という概念が今の僕らとは違う感覚なのかなと思っていて。次の瞬間に命を奪われるかもしれなかったり、(生きることと)死というものが隣り合わせになっているからこそ、全力で今を生きている。時間を超えて、その若き沖縄のうちなんちゅたちの、生きる魂を感じたのが大きかったですね」としみじみ。

DSC_9714

監督は「原作を一気に読んで、その生きるエネルギーを痛切に感じました」と言い、「沖縄に宿る魂が、現代の我々に時空を超えて語りかけてくるような、原作から感じたパワーをどうやって映像に活かしていくか。色んな人生、色んなことがあるなか、僕も含めて日々生きていくんだという決意を一人一人が自覚するということ、その決意を誰かと連帯し共有して、また大きなパワーになり、一つの歴史となって、今の我々とも繋がっているということ。それを映画を通して彼らの人生を追体験してもらいたい。役者たちがそれを感じて演じてくれたんだなと、改めて心強く思いました。」と熱く語り、俳優たちへ感謝の気持ちを表した。

DSC_9716

出演オファーを受けた時の心境を、妻夫木は「以前出演した『涙そうそう』でもゴザだったので、縁があるなと感じていました。自分はコザに導かれたのかもしれないと思いました。ゴザの人たちとは今でも仲良くしていて、沖縄には今なお続く問題もあり、現地の方の声にならない言葉を表現する使命感を感じました」と、運命的な巡りあわせを実感。ゴザに住む親友たちからも協力を得て、また沖縄を深く知る事で琴線に触れたようだった。

DSC_9668

広瀬は「沖縄にある問題を体現し、表現することは凄く覚悟のいることであり、難しいことだと思いました。原作では登場人物は男性が多く、その中で太陽のような存在で生きているヤマコが眩しくて。彼女の覚悟を自分ができれば良いなと素直に思いました」と役と向き合い、「濃厚な毎日を過ごしていく中で、いろんな感情にまた出会えてエネルギッシュな体験ができたシーンもあって、もがきながらも自分にとって嬉しい体験でした」と充実感を滲ませる。

DSC_9646

窪田は「偉大な兄・オンの弟のレイを演じて、“レイではなく、オンの弟”と呼ばれるジレンマを感じていたし、彼はそのコンプレックスを抱えていたと思う。兄への尊敬もありつつ、それ故に人生を狂わされたのかと」と分析。そして、「戦争や当時のものを舞台にした作品を演じる役者にとって、死という概念の価値観の違いを認識しなければいけない。暴力という選択肢しかなかった時代と便利ゆえに失って気付かなくなっているものがあり、役者という仕事を通して、大友監督の元で『宝島』と言う作品で演じることで改めて、人間の生き様を荒々しく表現できることが画面から出ていると思いました」と吐露した。

あくまで俳優の感情に任せたという大友監督。広瀬は「テイクを重ねて、いろんな角度からシーンを撮影するのではなく、一連をほぼ一発撮りで撮影しました。」と明かし、大友監督は「僕の歴史のなかであまりないことだったんだけど、5日用意されていたシーンを2日で撮っちゃったんです(笑)。窪田くんとのシーンは最高でした!」と満足気に笑顔を浮かべる。

DSC_9697

特に終盤のゴザ暴動シーンは延べ2000人を超えるエキストラが参加して撮影されたそうで、「ロケでは撮影が難しく大きいスタジオで撮影したのですが、監督の『好きなことやるぜ!という気持ちが見えた」と監督気合いを感じたという。また、“ゴザ暴動”は沖縄の人たちにとっても重要な出来事であり、「コザ暴動は暴動だと捉えていない方も多いことを知りました。実際に経験された方の中には、“ただの憎しみや怒りだけはない”とおっしゃる方も多くいました」と現地の方々の複雑な感情を受けて臨んでいた様子。

DSC_9679

それでも、ゴザ暴動のシーンの撮影を目の前にして「色んな感情が入り混じってできた混沌とした感情が一つの塊となって流れていくような様を目の当たりにして、しびれました!これを大友監督がやりたかったんだ」と監督の手腕を絶賛し、太鼓判を押す。

妻夫木の言葉を受け、大友監督は「コザ暴動はコザ騒動ともいわれていて、沖縄の穏やかな方が騒動を起こしたのは1回だけ。朝には終わっているんです。あの一晩に皆さんが色んな感情をぶつけているんです。これは沖縄じゃなくても、あの時代だったらああいうカオスな状態になっていたと思う。色んな感情のごった煮であり、感情のうねりがどこに向かうのかということ。いかに現場を混乱させるかが僕の演出のテーマでした」と述べた。

DSC_9682

また、残念ながら会見に出席できなかった永山瑛太よりビデオメッセージが届き、「この役を演じるということの重圧にどう向き合えばいいかという葛藤はありましたが、大友監督や共演者の妻夫木くん、窪田くん、すずちゃんに全部委ねてもいいかなというつもりで、身を投げるような気持ちで今回は役に挑みました」と話し、完成作品を観て大泣きしたという。何度となく共演を果たしている妻夫木は「彼がいるということが僕にとって心強かった。彼に助けられました」と言い、広瀬は「作品でも現場でも、どう見てもヒーローでカッコ良かった!」と惚れ惚れ、窪田は「瑛太さんにしかできない偉大なオンちゃんでした沖縄で誰よりも大きい背中で、誰よりも自由に、誰よりも駆け抜けていった姿が目に残っています」と大絶賛。

DSC_9688

妻夫木は、全国にこの作品を届けるべく、6月7日の沖縄プレミアを皮切りに静岡、富山、長野、北海道など全国を監督とともに巡ることを明かし、本作の宣伝アンバサダーに就任。「映画の力を信じています。映画を越える存在になっているこの作品を体感してほしいです。この映画は沖縄を舞台にしていますが、日本の物語です。そして皆さんの物語だと思っています。人生のバトンの物語として受け継がれていって、未来にバトンを渡すため、皆さんに直に届けに行こうと思います!」と意気込み、スクリーンに「『宝島』宣伝アンバサダー 妻夫木聡」と記された名刺が映し出された。

DSC_9704

『宝島』最新ビジュアル①(全3種)

■作品情報
・作品タイトル:『宝島』
・出演:妻夫木聡、広瀬すず、窪田正孝、永山瑛太
・監督:大友啓史
・原作:真藤順丈「宝島」(講談社文庫)
・公開表記:2025年9月19日(金)より全国公開
・配給:東映/ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
・コピーライト:©真藤順丈/講談社 ©2025「宝島」製作委員会

■ストーリー
1952年、沖縄がアメリカだった時代。米軍基地から奪った物資を住民らに分け与える‟戦果アギヤー“と呼ばれる若者たちがいた。いつか「でっかい戦果」を上げることを夢見る幼馴染のグスク(妻夫木聡)、ヤマコ(広瀬すず)、レイ(窪田正孝)の三人。そして、彼らの英雄的存在であり、リーダーとしてみんなを引っ張っていたのが、一番年上のオン(永山瑛太)だった。全てを懸けて臨んだある襲撃の夜、オンは「予定外の戦果」を手に入れ、突然消息を絶つ…。残された3人はやがて、憧れのオンの失踪の謎を追いながらも、「オンが目指した本物の英雄」を心に秘め、やがて警察、ヤクザ、小学校の先生になり、それぞれの道を歩み始める。しかし、アメリカに支配され、本土からも見捨てられた環境では何も思い通りにならない現実に、やり場のない怒りを募らせ、ある事件をきっかけに抑えていた感情が爆発する。
そして、オンが基地から持ち出した”何か“を追い、米軍も動き出すー。
消えた英雄が手にした“予定外の戦果”とは何だったのか?そして、20年の歳月を経て明かされる衝撃の真実とはーー。

■公式サイト&SNS
・オフィシャルサイト:https://www.takarajima-movie.jp
・オフィシャルX:https://x.com/takarajimamovie
・オフィシャルInstagram:https://www.instagram.com/takarajimamovie/

2025年 9月19日(金)より全国公開