映画『火喰鳥を、喰う』の完成披露試写会が、8月19日、東京・大手町の日経ホールにて行われ、主演の水上恒司をはじめ、共演の山下美月、宮舘涼太(Snow Man)、森田望智、豊田裕大と、本木克英監督が舞台挨拶に登壇した。
作家・原浩による第40回横溝正史ミステリ&ホラー大賞の大賞受賞作『火喰鳥を、喰う』を『超高速!参勤交代』シリーズや、『シャイロックの子供たち』(23)などの本木克英監督がメガホンをとり実写映画化。本作は、戦死した祖先の久喜貞市の「ヒクイドリ、クイタイ」の文字が綴られた日記が届いた夫婦が怪異に巻き込まれる、先読み不能なミステリー。
主演の久喜雄司を本作が映画単独初主演作となる水上恒司、その妻・夕里子を山下美月、彼らと共に怪異の謎を探る超常現象専門家・北斗総一郎を、映画単独初出演となる宮舘涼太(Snow Man)が演じ、雄司らとともに、“得体の知れない怪異”に巻き込まれていく人々に、森田望智、豊田裕大、麻生祐未、吉澤健ら豪華キャストが顔を揃えた。脚本は『ラーゲリより愛を込めて』(22)や『ディア・ファミリー』(24)などの林民夫が担当した。
観客の拍手と歓声に迎えられ、キャスト・監督が本作をイメージした浴衣姿で登場!
映画実写化にあたり、本木監督は「いくつかの世界を、ここに並ぶ才能ある若手俳優さんたちをどのように描きわけていくのかをこだわりました」と話す。
初の本木組の参加となる水上と山下。大学で化学を教える助教役を演じた水上は、「僕自身はバリバリの文系で、数学が嫌いで避けてきた人生だったのに」と苦笑いしつつ、「それぞれのキャラクターを立たせるためにも、僕がどんなリアクションをするのかが大事だと考えていました。どんな“キャッチャー”になれるのかが楽しみでした」と野球経験者の表現で撮影を回顧。
山下は、自身が演じた女性を「一言で表すならば、ミステリアス美女」と表現し、「久喜雄司と北斗総一郎を演じるお二人が、お芝居のアプローチが異なっていたので、私はその中間をいけばいいと思いました。二人に引っ張られる役だからこそ、お二人のお芝居を見て日々刺激を受けていました。不思議な世界観のお話なので、自然体で考え過ぎずに演じていました」と役と向き合った様子。
『映画 少年たち』(19)以来本木監督とは再タッグとなり、映画単独初出演となる宮舘は「皆さんがクランクインした2週間後に現場に入ったのですでにチームが出来上がっていて、僕は夏休み明けの転校生のような気持ちでやらせていただきました」とジョークを交えて話しつつ、「カフェでの長セリフの場面(の撮影)は僕から『ひと回しでやらせてください』というオーダーを監督にさせていただきました。難しい役であり、挑戦させてもらう役だったので光栄に思っています」と自身のこだわりも。役柄の“うさん臭さ”と説得力を両立するために、「眉毛の演技にも挑戦しています。その様子をご覧いただけたら。その場面で笑わないでくださいね」と注目ポイントもアピールした。
死者の日記を届ける地元記者・与沢一香を演じた森田は、初めて新聞記者役に挑戦。「あまり色がつきすぎないようにとは思いつつも、記者として真実を見極めて、恐怖に打ち勝つくらいの力の強さが大事だと意識して臨みました」と明かす。
森田から、宮舘に「長い説明セリフはその作品の色を決めてしまうので難しいと思うのですが、なぜ一連で撮って欲しいとオーダーしたんですか?」と質問が。宮舘は「演技の技術があまりないと思ったので、全部音でセリフを覚えるようにしました。自分のリズムや間合いを監督と相談させていただいて」と説明。本木監督から「どうやってあの長いセリフを覚えるんですか?」と聞かれると、宮館は「やりましょうか?」と言って「台本を右手で持ちますでしょう?それを持ったまま、セリフを言いながら回ってまた同じところに戻ってくる」と舞台上でその動作を生披露し、会場を沸かす場面も。
夕里子の弟の大学生・瀧田亮を演じた豊田は、実年齢は水上と山下と同い年。「お二人ともドシッと構えたお芝居をしてくださったので、懐に入ってニコニコしていれば弟に見えるかなと思いました(笑)」と楽しそうに笑った。
また、本作のキャッチコピー「この恐怖、ビミナリ」にちなんで、それぞれの「美味ナリ」なことやものを発表することに。水上は「鯣の下足美味ナリ」と明かし「スルメのゲソです。昔から好きでよく食べるので」と。難しい漢字にしたのは?「知識のひけらかしです」と笑う。山下は「キムチマヨ牛丼美味ナリ」と。「今まではネギ玉ラー油牛丼しか頼まなかったんですが、最近キムチマヨ牛丼に乗り換えました。常にバッグの中に牛丼屋さんのトッピング無料券を5枚ほど持ち歩いています。街中で私を見つけて声をかけてくださったら、トッピング券を差し上げます」と言って笑いを誘っていた。
森田は「お清めグッズ美味ナリ」といい、「自分の住んでいる場所以外の撮影地に行くこときは持ち歩いています」と答え、豊田は「鉱物」が美味ナリ。「昔から好きなんです」とハマっているものを発表。宮舘は「わさび美味なり」と言い、「僕が本当に大好きなわさび会社がこの映画のロケ地・長野県にありまして、いつもお取り寄せをしていました。みなさん、調べて買ったりしないでくださいね。僕の分がなくなるから」と注意を促していた。
さらに、イベントではスペシャルゲストが! ステージ上に運び込まれたのは大きな卵型の巨大バルーン。観客とともに「ヒクイドリ、美味ナリ~!」とコールすると、この作品のもう1つの主役とも言える原寸大の火喰鳥の模型が登場。かなり大掛かりな制作と演出に水上と宮館は大笑い。水上は「どこにお金をかけているんですか!?」と大はしゃぎしていた。
最後はその火喰鳥を囲んで写真撮影し、水上は「本作は“執着”が重要なキーワードになっています。言葉で説明するのは難しい映画ですが、執着がある人もないと思っている人も楽しんでいただける作品です」とメッセージを送り、舞台挨拶を終了した。
映画『火喰鳥を、喰う』
出 演 : 水上恒司、山下美月、森田望智、吉澤健、豊田裕大、麻生祐未/宮舘涼太(Snow Man)
監 督 : 本木克英
脚 本 : 林民夫
原 作 : 原浩「火喰鳥を、喰う」(角川ホラー文庫刊)
配 給 : KADOKAWA、ギャガ
企画・制作 : フラミンゴ 制作協力 : アークエンタテインメント
©️ 2025「火喰鳥を、喰う」製作委員会
10月3日(金) 全国ロードショー