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松下洸平、広瀬すずは「ずっとヘラヘラしている」 広瀬は松下を「おじさん」呼ばわり!? 夏の思い出は2人とも「びっしょびしょ」!? 映画『遠い山なみの光』公開直前大ヒット祈願イベント

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映画『遠い山なみの光』公開直前大ヒット祈願イベントが、8月24日、東京・神田明神にて行われ、主演の広瀬すずと共演の松下洸平が登壇した。

本作は、カズオ・イシグロの長編デビュー作「遠い山なみの光」を、映画『ある男』の石川慶監督が映画化。終戦間もない長崎を舞台に、大きな「傷跡」と、未来を夢見る圧倒的な「生」のパワーが渦巻いていた時代を生き抜いた女性たちの姿を鮮明に描き出すヒューマンミステリー。1950年代長崎時代の悦子を広瀬すず、悦子の夫・二郎を松下洸平が演じる。

この日は夫婦役を演じた2人が涼やかな浴衣姿で登場。夫婦和合・縁結びの神様であるだいこく様が祀られる神田明神で大ヒットを祈願した。

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公開が近づいてきていることに、広瀬は「ちょうど1年くらい前に撮影をしていて、カンヌの映画祭に行かせてもらったり、少し前からこの作品の公開(宣伝等)が動き始めていたので、逆にまだ公開してないんだという感覚にもなるほど、長かったようで早いような気がします。ドキドキしますけど、すごい楽しみです」と期待に胸を膨らませた。

松下も「僕は長崎パートにしか出てないですし、多く出番があったわけではないんですけれど、イベントや完成披露などたくさん参加させていただいてとても嬉しいです。カンヌの国際映画祭にも行かせていただき、すごく贅沢な時間を過ごさせていただいているので、あとは公開されてお客様に観ていただき、皆様からの声を聞くのが本当に楽しみですね」と笑顔を見せた。

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以前より面識があったことで役に入りやすかったという広瀬と松下だが、本作が初共演となる。互いの印象について、松下は「素の“広瀬すず”そのままですね、現場でも。ヘラヘラしているんですよ、ものすごく」と告白。「本当に本番始まる2秒くらい前までヘラヘラしているんですよ。なんかフラフラって立っていて。でも本番で“よーい、スタート”になった瞬間、パッと別人の顔になり・・・。凄い方だなと改めて思いましたし、一緒にいて勉強させていただくことがすごく多かったですね」としみじみ。

松下の言葉に、広瀬も「勉強させていただいたのは私もそうです。すごくフランクな、洸平くんですが、ずっとふざけているんです」と応戦。すかさず「僕はふざけてないから」と否定する松下だったが、「私にしか聞こえないような声でずっとボケ続けてくるんですよ」と広瀬。それでも「でも、私にしか見えないような、二郎さんのなかでくるくるくるって動いている感情の表現とかがすごく繊細で。二郎さんという人物像を作っていく中で、すごく真面目で器用な方なんだろうなと思いました。セリフのやり取り、キャッチボールしていても、心地いいリズム感を持たれていて楽しかったです」と松下を称えた。

1950年代の夫婦を演じるにあたり、広瀬は「悦子という女性像がつかみにくく、ずっと靄がかかっているような存在だったんですが、監督とざっくりと「そういう方向性のお芝居の方がいいと思います」とか、芝居をしてみて「そっちのニュアンスがいいと思います」というようなやり取りをしていました。当時の女性の生き方もありつつ、自分の意志も強い女性なので、そのニュアンスを色々試しながらやっていました」と回顧。

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亭主関白な夫を演じた松下は「当時は、男は仕事に邁進して家庭のことは妻に任すという時代背景があったので、そこはリアルに出せればなと思いました。その時代を生きていないので、どうしてもそれを大きく表現しすぎてしまいそうになると、監督から抑えていただいたりしました。家族を大切にする気持ちや悦子を愛する気持ちはもちろんあるので、その微妙なさじ加減が少し難しかったですが、監督の持つイメージの二郎に自分がいかに近づけるかという作業をしていました」と、演じる上の苦労を語る。

なかなか本音を言えない環境でもあったが、2人はちゃんと言えるか?と問われると、松下は「僕は、『ありがとう』と『ごめんなさい』だけは(言います)」と。広瀬は「年齢を重ねて自分の感覚が変わってきて、ちゃんと言葉にするのも大事だなって思うようになり。でも、そんなつもりないけど「そこ?」って言っちゃうこととか、ちょっと言葉の変換が下手で・・・「気をつけよう」とすごく思います」と苦笑い。

すると、思い出したように松下が「カンヌ国際映画祭行ったとき、食事ご一緒することもあったんですが、僕の食べ方を見て『おじいちゃん?』って。僕はゆっくり丁寧に食べていただけ。『“ハッシュタグ、丁寧な暮らし”って感じ』って。『丁寧な暮らしぶりですね』って言えばいいじゃないですか。『おじいちゃん?』って・・・」とクレームを入れる。

広瀬は「ごめんなさい」と言いながら笑いをこらえきれない様子。「言える人にしか多分言わないです」と言い、松下は「そうですか。良かったですね。心を開いていただいて」と返し、夫婦漫才のような一幕も。

また、暑い夏がまだまだ続くが、「今年の夏の思い出」を問われると、広瀬は「最近連日お仕事が続いていて、夏に真冬の格好をした撮影を久々にしまして。それで、自転車を漕ぐみたいな。『役者さんって汗をかかない』って言うじゃないですか? でも、死ぬほど汗かいた。びっしゃびしゃ!(笑)。コートまで着ましたんで。ある意味楽しかった。もう笑っちゃうくらい汗かいたんで」と笑い飛ばす。

すると、松下も「僕は今年仕事でスペインに行きまして。スペインも連日38度。暑いときは40度近くある中、ファッション系の撮影で、僕もすずちゃんと一緒で、分厚い裏起毛のパーカー着て、セットアップで」と話し、「汗?全然」と涼しい顔を見せるも、広瀬から「本当のこと(言って)。格好つけないで」と言われ、「びっしょびしょ!」と顔を合わせて大笑いしていた。

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ここで、大ヒット祈願の前に絵馬に願いを書くことに。広瀬は「皆さまとごはん食べたい」と書き、松下が「ちょっと待って!本当にいい加減にしな!」と言い、広瀬はクスクス。「キャストの皆さんも監督も忙しいから(笑)」。一方の松下は「多くの人にこの作品が届きますように」と書き、「世界中に、届きますように」と、広瀬の分も含めて願いを込めていた。

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最後に広瀬は「当時の長崎を生き抜いた女性たち、その生き様みたいなものを、今の時代の人がどんな風に受け止めていただけるのか、そして戦後80年という大きな節目の年に、この作品を届けられることが、すごく意味のあることなのかなと。観てもらえるのは怖いんです。だけど、少しでも皆さまの希望になるような作品になったらいいなと思っています。ぜひ映画館で、大きなスクリーンで体感してもらえたら」と述べ、松下が「当時の長崎のことを描いた作品ですが、必ず最後には、登場人物それぞれがしっかりと明るい未来を見て終わる作品です。とても前向きな作品ですし、決して戦争の悲惨さを伝えるだけの作品ではないので、ぜひエンターテインメント作品として楽しんでいただきたいです。これを機に日本の当時長崎、広島をはじめ何があったのかということを少しだけ知るきっかけなれば嬉しいです」とメッセージを送った。

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遠い山なみの光 本ポスター最終

映画『遠い山なみの光』
・原作:カズオ・イシグロ/小野寺健訳「遠い山なみの光」(ハヤカワ文庫)
・監督・脚本・編集:石川慶 『ある男』
・出演:広瀬すず 二階堂ふみ 吉田羊 カミラ・アイコ 柴田理恵 渡辺大知 鈴木碧桜 松下洸平 / 三浦友和
製作幹事:U-NEXT
制作プロダクション:分福/ザフール
共同制作:Number 9 Films、Lava Films
配給:ギャガ
助成:JLOX+ ⽂化庁 PFI 上映時間123分
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9月5日(金) TOHOシネマズ 日比谷 他 全国ロードショー