2025年5月17日(土)より有楽町よみうりホールにて舞台『Take Me Out』2025が開幕する。初日を控えて、初日前会見とレジェンドチームのゲネプロが行われた。
本作は、メジャーリーグを舞台に同性愛者であることを告白した名選手とそのチームを描いた作品。人種差別問題や性的マイノリティ、階級、スポーツにおける男らしさといったテーマを基に、メジャーリーグの華やかな選手たちの関係を捉えながら、そこに渦巻く閉鎖性によって浮き彫りになる社会的マイノリティに深く切り込み、2003年に第57回トニー賞(演劇作品賞)を受賞し、2022年の第75回トニー賞演劇リバイバル作品賞を受賞した舞台。
2016年の日本初演では、第51回紀伊國屋演劇賞団体賞対象作品となり、2018年に再演。 今回3回目の上演は、再演キャストに新たなキャストが加わったレジェンドチームと一般公募計330人の中からオーディションを勝ち抜いた新キャストによるルーキーチームによる2チームが公演を行う。(ルーキーチームは東京公演のみ)演出は令和6年度芸術選奨において、演劇部門の文部科学大臣新人賞も受賞した藤田俊太郎。







ピッチングは素晴らしく、チームは再び勝利を重ねるようになっていく
だが、その裏ではちいさなトラブルが次第に大きくなろうとしていた。彼らは無事シーズンを乗り切り、優勝できるのか?!
一方、野球に触れたことがなかったメイソンは、初めて知った野球に魅了され、その魅力に引き込まれていた。
世界中から選手が集まる大リーグを舞台だからこそ、世界が濃縮されている。そのほんの一部、断面なのだろうが、観客をTake me out して世界を感じさせてくれる舞台となっている。
撮影:田中亜紀
撮影:田中亜紀
【取材会】
藤田俊太郎(演出)
この愛おしい舞台『Take Me Out』2025の幕開けを迎えられることを誇りに思います。最愛のお客様を夢のような劇場空間に連れ出したいと思っています。
稽古を重ね、重厚なせりふ劇のレジェンドチーム、躍動する群集劇のルーキーチーム、全く違う2作品が出来上がりました。オープニングもエンディングも、解釈も、上演時間も各シーン全て違います。キャスト一人一人が個性と魅力を炸裂させています。皆の力を舞台上で発揮できるよう、素晴らしいプランナーやスタッフ、カンパニーの作り手たちも一丸となって両チームを演出することを心がけました。「言葉で始まり、言葉と光で終わるレジェンドチーム」と、「言葉で始まり、言葉と心で終わるルーキーチーム」どちらも自信作です。乞うご期待ください。
「連れて行かれたい場所、連れて行きたい場所は?」という質問が出た。藤田の「昨日、ラストシーンを大変更して、スタッフにたくさん迷惑をかけてしまい、迷惑をかけかけずに物は作れないというところに今たどり着いています。できれば迷惑をかけない現場にしたい、迷惑をかけない現場に連れていきたいって思ってるんですけど、いい作品ができてることは間違いないと思います」という話を聞きながら、キャスト陣全員が頷きながら笑っていたのが印象的だった。
☆玉置玲央
レジェンドチームもルーキーチームも良い稽古をしてきたと思います。より良い作品になるよう努めます。
ルーキーチームの稽古も何度か見させていただいたのですが、演出ががらっと違い、見せたいものも意図も丸っきり違います。通常2チームに分かれる時でも戯曲の根底にあるものは変わらず、核になるものを軸に分岐していきますが、今回はその核すらも違います。それに対してお客様がどういう感想を持つかが楽しみであり、不安でもあります。
前回出演してから7年経ちますが、その間に様々な事を経験しました。それを舞台に反映できれば良いなと思います。
☆三浦涼介
ルーキーチームの稽古を見学することができ、とても楽しく見させていただきました。両チームを比べると、レジェンドチームは世の中に気に入られたい前のめりさがあるので返事がでかい(笑)。いい子だと思われたくて、藤田さんを総出で囲むこともありました。ルーキーチームの皆さんはもっと純粋な感じがします。
ようやく劇場に入り、身が引き締まる思いです。精一杯努めます。よろしくお願いします。
☆章平
キャストみんなで意見を出し合って、とても良い充実した稽古ができました。 「Take out me」の深み、ダレンの深みにたどり着きたいと思います。
レジェンドチームとルーキーチームは、生きている人間は同じでも全然違う場所に生きているようです。ルーキーチームの稽古を見て、初めて出演した当時の自分を思い出しました。前回から7年が経ち、自分の中の解釈もより細かくなっていると思います。『Take Me Out』の深み、ダレンの深みにたどり着きたいです。
☆原嘉孝
稽古中もたくさん濃い時間を過ごせましたが、千秋楽に向けてもっともっと深いところまでたどりつけるように一日一日、精一杯考えながら生きていきたいと思います。たおかげで、チームワークがとても良いです。藤田さんが全シーン全役の解釈を全員で共有する時間を設けてくださり、一見自分が出ていないシーンは関係ないように思えてしまいますが、その時間のおかげで作品全体のことや自分が出ているシーンの役割、責任を考えることができました。すごく充実した稽古期間になりました。
千秋楽に向けて皆でもっと深いところにたどり着けるよう、1日1日考えながら過ごしたいと思います。
☆小柳心
(こぶしを振り上げ)ジェイソン(役)3 回目!(周囲は爆笑!)ありがとうございます!よろしくお願いします!
連れ出してほしいところは御岳山です。難しそうであれば会場の下にあるお寿司屋さんに行きたいです(笑)。
☆渡辺大
4 月から始まった稽古があっという間で、明日が本番だと信じられないくらい濃密な時間を過ごしてきました。せりふのないシーンでの振る舞いは、それぞれのキャラクターの持つバックボーンとリンクすることがあり、台本に書いていなくても密接に関係してきます。1ヵ月半稽古してきたことで役とキャストそれぞれの人柄が地続きになり、それを掘り下げながら一緒に深めていくのがとても面白かったです。
明日が本番だと信じられないくらい濃密な時間でした。最後まで頑張っていきます。
☆陳内将
2018年以来、7年ぶり2度目の出演になります。この7年間色々な演劇に連れ出してもらえたと感謝しています。2025年のこの公演でもお客様を素敵な演劇に連れ出せるように努めてまいります。
今回はここ有楽町、そして地方3公演に連れ出してもらっているので、今度はこの作品を海外へ連れ出すことが目標です!
☆加藤良輔
稽古場でしっかり積み上げてきたものをしっかりお届けできるようラストまで頑張ります。
今作で野球に触れたことで、小さい頃に行ったきりの東京ドームにもう一度行きたくなりました。昔よりもより現実的に感じられると思うので、野球観戦に行きたいです。
☆辛源
風通しが良く、深みを追求できる稽古場でした。才能ある方に囲まれて、こういう作品に出演できる。幸せに思っています。みなさまを野球の世界に“Take Me Out”したいと思います。
☆玲央バルトナー
始まるということは終わりも近いということになるので、既に寂しい思いがあります(笑)。レジェンドチームとルーキーチームの2チームではありますが、大きい1つのチームでもあります。このチームに出会えたことに感謝して頑張っていきたいなと思います。
☆田中茂弘
7 年前に比べてまた歳を重ね、やっと監督役に相応しい年齢になれたような気がします。最後まで精一杯頑張ります。
舞台『Take Me Out』2025
【作】リチャード・グリーンバーグ【翻訳】小川絵梨子【演出】藤田俊太郎
【出演】
レジェンドチーム:玉置玲央、三浦涼介、章平、原嘉孝、小柳心、渡辺大、
陳内将、加藤良輔、辛源、玲央バルトナー、田中茂弘
ルーキーチーム:富岡晃一郎、八木将康、野村祐希、坂井友秋、安楽信顕、近藤頌利、
島田隆誠、岩崎MARK雄大、宮下涼太、小山うぃる、KENTARO
ベンチ入り(スウィング):本間健太(レジェンドチーム)、大平祐輝(ルーキーチーム)
東京公演:2025年5月17日(土)~6月8日(日)@有楽町よみうりホール
他、名古屋、岡山、兵庫公演あり