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“噛みついてきそうなくらいに負けない目”と対峙中!ミュージカル『マチルダ』木村達成インタビュー「ノリノリで楽しんでもらえたら!」

世界最高峰の劇団ロイヤル・シェイクスピア・カンパニー(以下、RSC)が製作し、世界中で大ヒットしているミュージカル『マチルダ』が、3月22日渋谷東急シアターオーブにて幕を開ける。

映画「チャーリーとチョコレート工場」で知られるロアルド・ダールによる英児童文学「マチルダは小さな大天才」を原作にした本作。
5歳の天才少女マチルダが、子供に無関心な親や『監獄』のような学校、世の中すべてにリベンジする、勇気と”反逆”の痛快な物語。心躍る音楽に乗せて、マチルダを取り巻く個性豊かな登場人物たちも躍動する。

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今回Astageにご登場いただくのは、マチルダが通う小学校のミス・トランチブル校長役を演じる木村達成さん。2月中旬に稽古場を訪ね、一度見たら忘れられない姿で子供たちを恐怖で支配するヒール役へ挑む思いを聞いた。

―キャストが発表されて、多くの方が驚かれただろうと思います。
そうですね。ロンドンでこの作品の上演が始まった時から「なぜこの役をこの人がやるの?!」と言われていたと聞きました。僕も「トライしてみたいな」という気持ちはもちろんありましたし、 今、稽古をしていて「めちゃめちゃ面白いし、うまくいけば自分も楽しみながらできるんだろうな」「舞台上で全てを超越するぐらいのものになるんだろうな」と感じています。まだまだ試行錯誤の途中ですけどね。

―オーディションでこの役を獲得されたのですね?
オーディションは本当に楽しかったです。日本のスタッフさんも海外スタッフの皆さんもフレンドリーで、全くオーディションを受けている気持ちにならなかった。「毎回こういうオーディションであってほしいな」と思いました。

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―お稽古はいかがですか?
稽古はゆっくりと作っている方かな。子供たちと一緒に稽古していない場面もありますし、まだわからないことだらけです。でも、有難いことに3月上旬に稽古場から劇場に移動して舞台で稽古ができるので、本番が始まるまで地道に頑張っていこうと思っています。

―木村さんがちょっと弱気な表情をされるとは…。
弱気というよりも、エンジンのかかるタイミングみたいなものが、作品によって違っていて、何か1つを掴んだら、そこからは早いのですが、今回はまだ見つからない。その役についての自分にあった表現の仕方…役の心みたいなものが、早めに分かったほうがいいのだけど…。

―役を作っている?探している?
今は作っている感覚はあまりなくて、探していますね。若干の焦りと「ここからどうなるのかな」という気持ちがあります。自分の中で「これだ!」と光るものが1つ見つかればいい。がむしゃらにもがいてもみつからないし、それを探すのが稽古時間。だから「絶対に大丈夫です」とは、どの作品でも言えないんです。

―過去の作品では、どのくらいで“その瞬間”がきましたか?
『管理人』の時は早かった。ミュージカル『ジャック・ザ・リッパー』の時はもがきました。

―前作の『管理人』も『血の婚礼』も内面を燃やしている役柄でしたね。
『管理人』は「セリフに表情つけないで、セリフ自体にお仕事をさせなさい」「自分が今どんな感情なのかをセリフに付け加えない」と演出の小川絵梨子さんに言われて、自分がボール(セリフ)を持つ時間なく投げ続けていて難しかったです。それがミュージカルになると、やはり全然違う。むしろ表現しないといけない。でもトランチブルは校長という権力のあるポジションにいて、みんなから恐れられているわけですから、 わざわざ強面にする必要は一切ない。もちろん、いたぶりながら楽しんでいるっていう方向には振っていかなきゃいけないし、存在だけで何かしらのオーラを放っているように、表現も削いでいかないとと思うので、演じ過ぎないように頑張りたいと思います。

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―東京公演だけでも一か月半。大型作品ですね。
子供たちが1番大変だと思います。トランチブルは容姿が全てをカバーしてくれる気もするし、自分でもあの姿になってやってみないと掴めないのかなとも思っています。海外スタッフの皆さんも「本番に入るとみんな変わるんだよ」と言ってくださったので、そこは自分でも楽しみにしています。海外スタッフの皆さんが考える“トランチブルの決まり”みたいなものは確かにあるけれど、それ以外は基本的には俳優の自由なので、お客様にはそこも楽しんでいただけたらと思います。

―お客様を前のめりにさせてくれるのがミス・トランチブル校長だとか。マスクは着用しなければいけないが、歓声は上げてもよくなったので楽しみです。
ホントに楽しんでほしいです。きっとお客様を前にすると、トランチブルは稽古場とは変わるでしょうし、お客様の反応で、もっと変わってくるだろうと思います。稽古場と本番なら、僕は断然、本番が好き。舞台上で起こる出来事に嗅覚を働かせていれば、面白いところ、それまで見えてなかったところが本番でどんどん見つかってくるんです。
日本のお客様はおとなしい方が多い印象ですが、ノリノリで楽しんでもらえたらと。でも僕もそれに味を占めたら、どんどんお客様寄りのトランチブルになりそうだから自分でブレーキかけないとね。(笑)

―また新たな木村さんが拝見できそうで楽しみです。
自分としては苦しいこともあります。映像作品だと一瞬役に入り込んで、撮影が終われば抜けるのですが、舞台は長いのでナチュラルな自分がわからなくなったり、いろんな責任やプレッシャーが、日々、押し寄せて来ているような気がしたり…。でも、俳優は日々成長できる稀有な職業で、挑戦しなくなったら終わりだと思うので、できるだけ前へ向かって進んでいきたいと思っています。

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―映画「マチルダ」を配信でご覧になった方が「映画おもしろかった!ミュージカルも観に行く」という声も多いようですよ。
わかりやすいストーリーなので、映画を見ないでミュージカルを観に来てくれても全く問題なく楽しめると思います。映画を見て「面白かった」と思った方も、「もっと面白いものがほしい」思っている方にも、この舞台を観てほしいです。
“生の舞台は最強だ”と思っているので、その最強を感じに来てほしいです。その現場に立ち会え、職業にさせてもらえている自分は、すごく幸せです。
それに今回はマチルダを演じる4人の子供たちがすごい!目が本当に素敵で、噛みついてきそうなくらいに負けない目をもっています。“役者は目だ”“目が死んだら終わりだ”と感じる日々です。

―そのマチルダと対峙ですね?
マチルダとにらみ合ったシーンの稽古で、僕も「絶対に負けないぞ」とにらむのですが、マチルダも瞬きもしないから、目と目が離せなくて「あ、今、僕のセリフだったのに」とタイミングを逃してしまったりして…、今のところ、マチルダに負けてますね。(笑)公演ではそんな場面も見逃さないでもらえると嬉しいです。

撮影:岡千里/ヘアメイク:エムドルフィン

Daiwa House presentsミュージカル『マチルダ』
<東京公演>
【プレビュー公演】2023年3月22日(水)~3月24日(金)
【東京公演】2023年3月25日(土)~5月6日(土)
会場:東急シアターオーブ
【大阪公演】
期間:2023年5月28日(日)~6月4日(日)
会場:梅田芸術劇場メインホール

<キャスト>
マチルダ:嘉村咲良/熊野みのり/寺田美蘭/三上野乃花(クワトロキャスト)
ミス・トランチブル校長:大貫勇輔/小野田龍之介/木村達成(トリプルキャスト)
ミス・ハニー:咲妃みゆ/昆 夏美(Wキャスト)
ミセス・ワームウッド:霧矢大夢/大塚千弘(Wキャスト)
ミスター・ワームウッド:田代万里生/斎藤 司(トレンディエンジェル)(Wキャスト)

ミセス・フェルプス:岡 まゆみ/ 池田有希子(Wキャスト)

原 慎一郎
寺井竜哉* 仲本詩菜* 春口凌芽* 山花玲美*
石井亜早実 大久保徹哉 小島亜莉沙 斎藤准一郎 酒井 大 坂口杏奈 白山博基
高原華乃 出口稚子 深沢萌華 本田大河 森 莉那 森内翔大 大場啓博
片岡蒼哉 後藤レイサ 堀 蒼寿 松浦歩夢 / 高橋維束 高橋 輝 廣門来輝 渡邉隼人
*スイング

【販売中チケット】
<一般販売中>
プレビュー料金(全席指定・消費税込) S席:12,500円/A席:10,000円/B席:5,000円
東京公演料金(全席指定・消費税込) S席:14,000円/A席10,000円/B席5,000円
ご購入はこちら>>https://www.s2.e-get.jp/hori/pt/

<アフタートーク> &<カーテンコール一部撮影OK!>
イベント詳細はこちら>>https://horipro-stage.jp/event/matilda20221124/
公式HP :https://matilda2023.jp/