Open Close

藤田俊太郎演出ミュージカル『VIOLET』オフ・ウエストエンド・シアター・アワード”ミュージカル作品賞”他5部門ノミネート!

梅田芸術劇場が、英国チャリングクロス劇場と共同で演劇作品を企画・制作・上演する日英共同プロジェクト第一弾となるミュージカル『VIOLET』が、オフ・ウエストエンド・シアター・アワードで「ミュージカル作品賞」はじめ計5部門にノミネートされた。

●藤田俊太郎_舞台上にてIMG_0115

年間、大量に作品を上演する英国オフ・ウエストエンドで日本人演出家の作品が栄誉ある“作品賞”候補に選ばれるのは快挙!
このノミネートの中から2020年1月にファイナリスト候補が絞られ、翌2月に最優秀賞が選ばれる。
ロンドン公演は4/6迄チャリングクロス劇場にて上演中。

Violet-SRylander-Full-077

Photo by Scott Rylander

シンビ・アカンデ(中央)_ルーラ役Violet-SRylander-BACKUP-028

カイザ・ハマーランド_ヴァイオレット役Violet-SRylander-Full-028

ジェイ・マーシュ_フリック役Violet-SRylander-Full-044

3月12日にはNHK BS1にて、単身渡英し本公演演出を手掛けた藤田俊太郎氏の密着番組の放送が予定されている。

●オフ・ウエストエンド・シアター・アワード(The offies)ノミネート
◆BEST MUSICAL/ミュージカル作品賞
◆FEMALE PERFORMANCE: Kaisa Hammarlund/主演女優賞:カイザ・ハマーランド(ヴァイオレット役)
◆MALE PERFORMANCE Jay Marsh/主演男優賞:ジェイ・マーシュ(フリック役)
◆FEMALE PERF IN A SUPPORTING ROLE Simbi Akande/助演女優賞:シンビ・アカンデ(ルーラ役)
◆MALE PERF IN A SUPPORTING ROLE Keiron Crook/助演男優賞:キーロン・クルック(父親役)
●ミュージカル『VIOLET』公演評(一部抜粋)
★★★★★
Theatre Reviews
2019年で最も好きなミュージカル公演となりそうだ。
★★★★★
Theatremonkeys.com
間違いなくロンドンで最も感情的知性の高いミュージカル

★★★★
London Student
演出家藤田俊太郎がチャリングクロス劇場に素晴らしい公演を持ち込んだことは間違いない

★★★★
London Theatre Reviews
チャリングクロス劇場の芸術監督トム・サザーランドは、日本人演出家の藤田俊太郎との
興味深い国際的なコラボレーションという大きな賭けに出て、確かに勝利を得た。

★★★★
Mark Shenton (London Theatre)
人間の深部を描いた演劇の、シリアスでわくわくする夜

●NHK BS1で藤田俊太郎ロンドン演出密着番組放送(予定)
放送予定日時:NHKBS13月12日(火)午後9:00~9:49

カイザ ハマーランドとKaisa&Fujita1

藤田俊太郎(舞台上にて)ヴァイオレット役カイザ・ハマーランドと

●ミュージカル『VIOLET』ロンドン公演
演出・藤田俊太郎氏帰国後のコメント

EU離脱に揺れる1月のロンドン。この国はどちらの方面に向かうのか、英国の混迷が世界中の ニュースで報じられました。不安定な空気が漂う中、このミュージカル『VIOLET』は開幕しました。

「When in Rome, do as the Romans do. 郷に入れば郷に従え」。今回、単身渡英をして初めてロンド ンで演出をしました。単身の渡英。カンパニーで話し合い、稽古の進行は私の演出プランを、英国の 演劇のつくり方で進めることに決めました。ロンドンでの演出は、稽古場からテクニカルリハーサル、 プレビューと時間の使い方等ありとあらゆる過程が、今までの私の経験とは違うものでした。
個人の時間が尊重されているので、休憩の取り方も厳しく決まっている。1週間あるプレビューの間、 毎日何ヵ所も修正していきました。直す箇所を発見する度に、俳優とプランナーたちは皆喜んで受け 入れてくれました。要となるオープニングとラストを大胆に変更したにも関わらず、むしろ変化を加える事によりカンパニーは結束するのです。私の想像を越えるプランナーの発想と、台本の歌と「言葉」を大事にして真摯に演じる俳優の演技力で、カンパニーが一つになり、作品がどんどん発展していく創
作はとても楽しいものでした。実際のところ、通訳を介して私一人日本人の演出家が存在する事で通常の何倍も時間がかかると厳しい事を言われました。現場では「ジカンガナイ(時間が無い)」という日本語が流行ってしまう事態になりました。今振り返ると、沢山の辛い事、乗り越えるべき事が山積みで問題も多々ありました。それでも、私のビジョンが具体化するまで待ち続けてくれた主演のカイザ・ハマーランドさん、プロダクション
.スーパーバイザーのトム・サザーランドさん、皆さんが助けてくれました。
多くが様々な国の出身でロンドンに演劇を求めてやってきたカンパ二.の皆さん。それぞれの出生や背景を持つカンパニー全員と共同作業で作品をつくりあげたことに心から感謝しています。

初日には160名を超えるロンドンの評論家が来場し、翌日から多くの劇評が世に出ました。その一つ一つが作品を育て、時にメスのように切り裂き、更に作品を豊かなものにしています。また、日本から来ていただいたお客様に大変感謝しています。ありがとうございます。

『VIOLET』のバスは観客とカンパニーが一つになり、毎公演ごとに加速しながら進んでいます。お客 様と一緒に激動の1964年のアメリカ南部へ誘う旅、そして、この劇場空間を共有するお客様とカンパニー、一人一人それぞれの旅を乗せて。

この度、「オフ・ウエストエンド・シアター・アワード」に5部門ノミネートして頂きました。多くの方にこの作品を観ていただける喜びを噛み締めています。

4/6までの上演です。是非チャリングクロス劇場へこの美しい旅を体験しに来てください。

来春の日本版公演も楽しみにして頂きたいです。