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大阪松竹座開場100周年記念『わが街、道頓堀~OSAKA1970~』綺咲愛里 インタビュー「関西弁でのお芝居なので、どれだけ役に入り込めるか、集中できるかを楽しみに」

1923年に開場し、今年、記念すべき開場100周年を迎えた大阪松竹座。その100周年を記念して、2023年1月より多彩な公演が行われてきた。その掉尾を飾るべく、2023年12月16日(土)~25日(月)に『わが街、道頓堀~OSAKA1970~』が上演される。

女優・脚本家・演出家・エッセイストとして活躍し、関西演劇界に欠かせない存在のわかぎゑふが書き下ろし、歌舞伎からストレートプレイ、ミュージカルと様々なジャンルで活躍するG2が演出する。

主演を務めるのは、浜中文一、室龍太。
そして、宝塚歌劇団元星組トップ娘役で、退団後も数多くのミュージカル、舞台で活躍を続ける綺咲愛里が出演する。

関西にゆかりのあるスタッフとキャストが勢揃いし、道頓堀にある大阪松竹座で、道頓堀を舞台にした物語を届ける。
どんな舞台になるのか? 綺咲愛里に意気込みを聞いた。

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―本作への出演が決ったときはいかがでしたか?
関西出身の出演者の皆様と、地元の関西の舞台に立てるのも嬉しいですし、関西弁での舞台出演は「これまで一度くらいあったかしら?」と思うくらい、これまで無かったので、とても楽しみにしています。

―関西弁でお芝居をされるのですね。どんな役でしょうか?
実年齢よりは少し若いのですけれど、近い年頃の女性になります。台本を読んで役の気持ちを考えるときに、自分で台詞を関西弁にして、自分の気持ちを確かめることがありますが、今回はそれをしなくてもいいので、台詞がすっと入ってくる感じがします。こんな感覚は初めてかもしれません。

―役作りをされるときに、関西弁にしてみることがあるのですか?
作りこまれた世界観や、違う時代の作品だと、言葉遣いも馴染みがないことがあるので、ストーリーの中で「この人はこの時はどういう気持ちだったのか?」を考える時や、台詞を自分の中に落とし込んで、自分の言葉にするときに関西弁にしてみることが多いです。関西弁にして口に出してみると、その気持ちがわかったりすることがあるので、ちょっと行き詰まった時や悩んだ時に、昔からよくやる方法です。ですので、今回は役を作る時に、自分に近づけながら作れるのではないかと思っています。

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―素に近い綺咲さんが拝見できるかもしれませんね。さて、この作品は大阪が舞台ということで、笑いが大事な要素かと思います。元星組トップスターの紅ゆずるさんが、ある座談会で「宝塚歌劇団時代は四六時中笑わせることを考えていた」とお話をされてるのを拝見したことがあります。綺咲さんはその紅さんの相手役をされていたので、コメディ要素のある作品もお得意なのではと推測していますが、いかがですか?
コメディにおいて、紅さんの近くで学んだことはとても大きいです。いろいろありますが、何が一番大切かというと“全部狙いに行かないで本気でやること”です。
お話自体が面白くできあがっていても、もっと面白くしたくなるのが関西人ですよね。(笑)
お稽古で何回も繰り返す中で「こっちの方が面白いか?」「いや、こっちがいいかな?」と狙いにいったり、それで煮詰まってしまったりすることもあります。そんな欲を捨てて、いかにシンプルにやるか。“シンプルにすればするほどお客様にも届くし、それが本当に面白くなる”ということを学びました。
公演ではお客様は初めて観てくださるわけですから、その都度、私も新鮮な気持ちで演技が出来ますし、結局、ファーストインスピレーションが大事だったりすることも多い気がします。
今回も直観は大事にしたいと思います。
そして、演者の皆様とのコミュニケーションがとても大事だと思っています。特にこの作品のように掛け合いが多いお芝居では、お互いの人となりをわかっているのといないのとでは、まったく違うものが生まれると思うので、コミュニケーションをいっぱい取って深めていきたいと思っています。
人間味に溢れた人たちがたくさん登場してくる作品ですので、私も丁寧に演じられたらと考えています。

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―他に楽しみや挑戦だと思っているのは?
久しぶりのストレートプレイ作品ですので、歌や踊りを考えることがない分、役により没頭できるというのは、自分にとっての挑戦です。特に今回は関西弁でのお芝居なので、どれだけ役に入り込めるか、集中できるかを楽しみにしています。
ただ、今までの経験ですと、コメディだと東京のお客様の方が笑ってもらえる印象があります。

―大阪のお客様の方が笑いに厳しいのですね。
コメディは、特にお客様が入ってやっとピースが揃う感じがあり、お客様と一体になってつくるものだと思うので、毎公演「今日のお客様はどんな感じだろう?」と楽しみです。

ーさて、作品からは少し離れますが、今後の抱負をお聞かせいただけますか?
宝塚歌劇の時からそうなのですが、いつも応援してくださったり、舞台を見に来てくださったりするファンの方が喜んでいただけるような作品やお仕事をやっていきたいと思っています。

―演じる役柄も広がっておられる印象です。そのあたりはいかがですか?
やはりファンの方が喜んでくださるなら、何にでも挑戦したいという思いはあります。
みなさんに喜んでもらえるのが一番だと思っているので、ミュージカルでもストレートプレイでも、いろんな面をお見せできたらと思います。

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―ミュージカル『ラグタイム』では、綺咲さんが登場された瞬間に場をさらってしまわれました。とても印象深かったです。
とても難しい役でした。あの重いテーマを持つ作品の限られた出番の中で、どういう立ち位置にいるべきかについては、とても悩みました。演じている時は「これが一番いい」と考えてベストを尽くしてはいるものの、ご覧になった皆様のお声をいただいて、やっと「よかった」と思えます。
映像作品は作り手側だけで作ってしまいますが、舞台はやはりお客様がいてこそ。そこが一番違うと思います。

―では、公演中も葛藤されるのですか?
します。作品の進化に終わりはないと言いましょうか。ただ、千穐楽が一番良いとも限らない。そこがまた舞台の魅力だと思います。
その時に何が生まれるかわからないし、 それこそ掛け合いでしたら、相手がどう出るかでもまったく変わってしまったりもします。だから一回として同じ公演はありません。それも舞台の醍醐味ですね。

ーでは最後に、『わが街、道頓堀~OSAKA1970~』を楽しみにしている方、まだ迷っている方へ、メッセージをお願いできますか。
大阪のど真ん中を描いた作品を、大阪のど真ん中でしかやらないということに、とても意味を感じてます。主演のお二方を含め、私も関西出身ということで、素の自分に最も近い言葉で話すので、新鮮に観ていただけるのではないかと思います。
お忙しい時期だとは思いますが、道頓堀に観に来ていただけたら嬉しいです。

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大阪松竹座開場100周年記念『わが街、道頓堀~OSAKA1970~』

2023年12月16日(土)~25日(月)大阪松竹座
作 :わかぎゑふ
演出:G2
主演:浜中文一 室龍太
出演:綺咲愛里 ほか
観劇料(税込):1等席11,000円 2等席6,000円 3等席4,000円
公式サイト https://www.shochiku.co.jp/play/schedules/detail/shochikuza202312/