吉岡秀隆主演の本格社会派ミステリー『連続ドラマW 夜の道標 –ある容疑者を巡る記録–』が、現在WOWOWで放送・配信中だ。
吉川英治⽂学新⼈賞、⼭本周五郎賞、本屋大賞、直木賞など数々の⽂学賞にノミネートが続く作家・芦沢央の同名小説を原作にドラマ化。本作は、1996年に起こった殺⼈事件の担当刑事・平良正太郎(吉岡秀隆)が、2年間逃亡する容疑者・阿久津弦(野⽥洋次郎)の⾜取り、殺⼈の理由を捜査しながら事件の“真実”に迫っていく、本格社会派ミステリー。各登場⼈物のバラバラに思えた点と点が“ある容疑者”を巡って繋がった時、思いもよらぬ“社会の闇”が浮き彫りとなっていく。
そんな事件に関わっていく人物として、平良とバディを組み、真相究明に奔⾛する若⼿刑事・大⽮啓吾を高杉真宙が熱演。正義感にあふれたまっすぐな青年を演じた高杉さんに話を聞いた。
― 最初に脚本を読んだ時の感想と、役をどう捉えて臨まれたのか、お聞かせいただけますか?
大矢はずっと自分がなりたいと思っていた刑事になることができて、やる気に満ちていて正義感あふれる青年というイメージを受けました。刑事になって間もない彼ですが、監督から「他の部署ではそれなりに経験を積んできた人間なので、すごく若手ではない」と聞いていたので、そのバランスを考えて、単純な若手刑事という感じではないところを見せられたらと考えながら演じました。
― 大矢は真面目で気合も入っていますが、ちょっと空回りするところもあって、お茶目なところもあります。ご自身が似ていると思ったところはありますか?
やる気がある分、深読みしすぎしてしまう部分があるのだろうなと思いながら演じていました。そんな気持ちはわからなくないと思いながらやっていました。1つのことにすごく熱中してしまう部分が、僕にもあるのかなとは思います(笑)。
― このドラマを高杉さん演じる大矢の目線で観る視聴者の方が多い気がします。
そうですね。いろんな軸が重なっていくので、客観的に事件軸を見ることができているのが大矢かもしれません。ドラマ全体としては犯人のことだけではなく、家庭のことなど色々な軸があるので。純粋に犯人を追うキャラクターですが、追いながら何を思うかという意味では、ドラマをご覧になっている方々に近い存在なのかなと思います。
― 今回、吉岡秀隆さんとバディを組まれましたが、共演されていかがでしたか?
吉岡さんは本当に素敵な方でした。僕がバディになるなんて恐れ多いと思っていたんですけど、今作は吉岡さんもそうですが、僕も長いセリフが本当に多くて。吉岡さんはその日にそのシーンの撮影がない時でも、撮影の合間に僕のリハーサルでセリフ合わせに付き合ってくださったんです。本当にありがたかったですし、先輩の懐の大きさを感じました。今回ご一緒させていただいて、吉岡さんのおかげで本番も緊張せずにリラックスして撮影することができました。撮影では吉岡さんとずっと一緒だったので、いろいろお話をさせいただきました。
― どんなお話をされたのですか?俳優としてのアドバイスなどはありましたか?
俳優として・・・という話は特にありませんでしたが、色々な作品のお話をしました。今作でご一緒できたからこそ、たくさんお話ができてとても楽しかったです。
― 一方で容疑者の阿久津弦を演じられた野田洋次郎さんとの対峙はいかがでしたか?
阿久津は大矢がずっと追っていながらも、全貌の見えない犯人だったので、対面したときは“やっと会えた”という気持ちになりましたね。別の作品を撮っていると思うくらい撮影も別々でしたし、ほとんど会わなかったので。なので、それまでどのようなお芝居をされていたのかを全く知らなくて、映像を観て「こういう風になっていたんだ」と思いました。
― 人間ドラマとしても深く描かれている作品です。演じながら感じたことは?
大矢にとって、色々なものが覆された瞬間がある。刑事として追いながらも、自分の信じているものとはまた違う見え方がすることがありました。その中で、平良主任の一貫している想いもあって。演じていても一緒にバディを組めてよかったなと思う瞬間がたくさんありました。さらに、自分の知らない知識を得られて(この作品に)出会えてよかったです。
― 本作では人権侵害や人の命というようなテーマにも触れていますが、どのように考えますか?
今回このドラマを、僕が多くの人に観てほしいと思った理由が、“正しさ”というものは観る人によって変わるのではないかと感じたからです。
― ドラマでは登場人物の人たちの葛藤や日常がリアルに描かれています。そういうところから、自分が知らないことをまずは知るところから始まるという感じでしょうか?
はい。テレビやネットでのニュースでは、その過程が含まれてない結果だけを知ることが多いかと思います。しかし、その経緯や結末を知るとまた違うものが見えてきたりする。そういう意味では、もちろんドラマはフィクションですが、実際にあった歴史的な事実に基づいて作られたこの作品で、そこにあったはずの人生を観ることによって、また色々考えることができると思います。まずは知る事が大事かと。
― この作品に出演されて得たものは大きかった?
とてもたくさんのものを得させていただきましたし、そして、僕が知ったものを知っていただける機会の一つになればいいなと思っています。今回は本当にいい機会をいただけて凄く感謝しています。
― WOWOWのドラマは他のドラマよりも映画に近いイメージがあります。撮影現場を含めて、高杉さんはどのように感じますか?
僕は凄く好きですね。森監督は以前に映画作品でご一緒させていただきましたが、WOWOWドラマは映画に近い撮り方だと思います。時間をしっかりかけて、思いを込めて撮っている感じがします。僕は撮影現場では時間が勝負だと思っているのですが、その中でじっくり撮らせていただけるので、何回もトライができることも含めて考える時間もいただける。凄くやりがいのある環境だなと思いながらやらせていただきました。
― 特に印象的だったシーンはありますか?
凄いと思ったシーンはいくつかもちろんありましたが、僕が一番印象的だったのが阿久津と(瀧内公美さん演じる)豊子さんの出会いのシーンです。「そんな!うわあ」と思って、森監督は本当に凄いなと思いました。かなり好きなシーンです。
― それでは最後に、この作品をご覧になる皆さんにメッセージをお願いします。
今回、観てくださった皆さんの声を楽しみにして撮影をしていました。普段は他の人の意見を主にして動くタイプの人間ではありませんが、この作品は自分の考えだけはわからないこともあるし、色んな人の感想が欲しいと思いました。ぜひ、多くの方に観ていただいて、声をお聞かせください。
<スタッフクレジット>
ヘアメイク:堤紗也香
スタイリスト:菊池陽之介(RIT inc.)
撮影:松林満美
番組情報
■タイトル: 「連続ドラマW 夜の道標 -ある容疑者を巡る記録-」
■放送配信:毎週日曜 午後10時〜 ※「第1話」無料放送(全5話)
WOWOWオンデマンドにてアーカイブ配信中
WOWOWプライム WOWOWオンデマンド
<スタッフ・キャスト>
原作:芦沢央『夜の道標』(中公文庫)
脚本:倉光泰子 森淳一
監督:森淳一
音楽:Jun Futamata
出演:吉岡秀隆 野田洋次郎 瀧内公美 高杉真宙 / 小谷興会 小林優仁 吉岡睦雄 /
映美くらら 朝倉あき 坂元愛登 宇野祥平 / 和田正人 キムラ緑子
企画プロデュース:小髙史織 野村敏哉
プロデューサー:小林祐介 妙円園洋輝
制作プロダクション:ダブ
製作著作:WOWOW
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