映画『父と僕の終わらない歌』の公開初日舞台挨拶が、5月23日、東京・TOHOシネマズ 日比谷にて行われ、主演の寺尾聰、松坂桃李と、共演の佐藤栞里、副島淳、ディーン・フジオカ、松坂慶子、監督の小泉徳宏が登壇。さらに、サプライズで佐藤浩市もお祝いに駆け付けた。
本作は、イギリスで実際に起きた奇跡の実話をもとに、日本を舞台に、横須賀に生きる父と息子に置き換え、それぞれの愛と葛藤、家族や友人たちに支えられながら、アルツハイマーの父が若き日に諦めてしまったレコードデビューの夢を再び叶えようとするまでの感動の物語。横須賀で楽器店を営む、雄太の父・間宮哲太を寺尾聰、哲太の息子で父の病気を機に実家に戻る雄太を松坂桃李が演じ、『タイヨウのうた』「ちはやふる」シリーズの小泉徳宏監督がメガホンを取った。
登壇者たちと1人1人とハイタッチを交わした寺尾が、「皆さん、この顔ぶれ見てください。最高でしょ?」と観客に声をかけ、大きな拍手が会場に響き渡る。続けて「今まで何本か映画の主役をさせていただいた作品はありますが、これだけ宣伝に駆け回った作品はないです。足の届くところは全部行って、ポスターを張りまくってきました。行く先々で、“この顔ぶれでやるんだ”と言ったら『ぜひ観に行きます』と皆さん仰っていたので、それを楽しみに今日を迎えました」と、勢力的に務めた宣伝活動を振り返る。
松坂は、上映後の観客を見渡し、「温かな空気に包まれていて、本当にこの作品を作って良かったんだなと心から思っております」と感慨深げ。
雄太の幼なじみ・聡美を演じた佐藤は「私は実写映画の初日舞台挨拶が生まれて初めてで。凄く温かい(空気で)皆さんに届いいているんだと思えて凄く嬉しいです」としみじみ。寺尾とのシーンにも触れ、「私が演技の経験が少ないということも知っていてくださって、私の目をまっすぐ見て『嘘が本当になる瞬間てあるんだよ。そのセリフが本当になる日が来たら、芝居がもっともっと楽しくなるよ』って言ってくださって。その言葉に凄く希望をもらって、これから頑張っていきたいなと思ったんです」と目に涙をためて話し、寺尾に感謝の気持ちを表した。
聡美の夫・ダニエルを演じた副島は、豪華なキャストたちとの共演に「現場に入るとき、最初は緊張していたんですが、寺尾さんの優しさや面白さ、桃李さんの温かさ、キャストとスタッフの全員の絆が強かったので、毎日現場に行くのが楽しくて本当に有意義な1日1日を過ごさせていただきました」と、充実感を滲ませる。
雄太のパートナー・亮一を演じたディーンは、この日金髪姿で現れ観客を驚かせた。本作出演の決め手について聞かれると、「オヤジ(寺尾)から電話がかかってきて、『出てくれ』とラブコールをいただきまして。いやもう、もちろんこんなに嬉しいことはないですよ」と、喜んでオファーを承諾したことを明かし、「寺尾さんとは以前親子の役をやらせていただいて、いつかまた再会できたらいいなと日々精進してきたので」と共演を喜んだ。
哲太の妻・律子を演じた松坂慶子は、「本当に横須賀にこの家族がいるんじゃないかしらと思うくらい、あの地域の人情を感じながら温かい自然な気持ちで演じさせていただきました」と振り返りながら、「寺尾さんと一緒にシーンを進めていくと、自然と寺尾さんが引っ張ってくださって。共演させていただき光栄です」と寺尾を見やると、寺尾も「こちらこそ、嬉しかったです」と、劇中の夫婦のように仲良く寄り添っていた。
ここで、5月18日に78歳の誕生日を迎えた寺尾を祝い、本作に医師役で友情出演した佐藤が登場し、寺尾に花束を贈った。佐藤の登場に「親の代からの付き合いで、弟のように思ってきました。今回初めて面と向かって芝居ができて嬉しかったです。いま、腰を抜かすほど驚いていますよ!」と感激しきり。寺尾の父・宇野重吉と佐藤の父・三國連太郎からの交流で、特別の関係を持っていた二人。佐藤は「いつもは“寺兄ぃ”と呼んでいるけど、今日は寺尾さんで」とし、「父の代から、シンパシーを感じ、可愛がっていただいています。先日、柴俊夫さんのチャリティーゴルフでご一緒しましたが、飛距離が出ていたので、元気そうだなと(笑)」とジョークを交えながら、寺尾の体調を気遣った。
昨年の春頃に体調を崩した寺尾は「この作品を最後に仕事を辞めようかと頭をよぎりました」と話すも、治療を受けて今は回復。「これからもまだ頑張れる状態です」と目を輝かせる。「こう(浩市)ちゃんは本当に兄弟みたいな関係で、ディーンは“親父”と呼んでくれて、本当に息子のよう。桃李くんとも本当に親子のような絆が生まれました。(皆さん、)羨ましいでしょ? こんな最高の男たちが兄弟だったり息子だったり、本当に嬉しいです」と胸を張り、会場を沸かせた。
さらに、寺尾にはもう1つのサプライズが。劇中で寺尾が歌った楽曲が収録された、キャストのサイン入り“特製レコード”を松坂桃李の手から寺尾へプレゼント。レコードを手に感動する寺尾。松坂が「撮影の準備をしているとき、寺尾さんが突然『ルビーの指環』を歌い出して。僕らも、エキストラの皆さんも大興奮で、もう贅沢でしたね」とエピソードを披露すると、松坂慶子も「私の時も歌ってくださいましたよ」と気さくな寺尾の姿を伝えると、「あれは、『愛の水中花』(松坂慶子の歌)を聴きたかったからだよ」と照れ笑いを浮かべていた。
また、「桃李くんと車を運転しながら歌うシーンがあって。彼は『歌は得意じゃない』と言っていたけど、本当に素晴らしいですよ。それに彼は全曲覚えてきたんです」と称える寺尾。松坂は「当然です。せめて足を引っ張らないように」と、恐縮していた。
<ストーリー>
かつてレコードデビューを夢見たものの、息子・雄太のためにその夢を諦めた父・哲太。
横須賀で楽器店を営みながら、時折地元のステージで歌声を披露しては喝采を浴びてきたユーモアたっぷりで人気者の哲太は、ある日、アルツハイマー型認知症と診断されてしまう。
全てを忘れゆく父を繋ぎ止めたのは、彼を信じ支え続けた息子、強く優しい母、強い絆で結ばれた仲間、そして父が愛した音楽だった――。
大好きな歌を歌う時だけ、いつもの父さんが戻ってくる。父さんの夢は僕ら家族の、皆の夢となって再び動き出す―。
■タイトル: 『父と僕の終わらない歌』
■出演者: 寺尾 聰 松坂桃李
佐藤栞里 副島 淳 大島美幸(森三中) 齋藤飛鳥
三宅裕司 石倉三郎 / 佐藤浩市(友情出演) / 松坂慶子
■原案: 『父と僕の終わらない歌』サイモン・マクダーモット著 浅倉卓弥 訳(ハーパーコリンズ・ジャパン)
■監督: 小泉徳宏
■脚本: 三嶋龍朗 小泉徳宏 ■音楽: 横山 克
■撮影時期: 2024年3月~4月(クランクアップ済)
■製作幹事: 日活 ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
■制作プロダクション: ROBOT ■制作協力: EPISCOPE
■配給: ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
■公開: 2025年 5月23日(金)全国公開
■コピーライト: ©2025「父と僕の終わらない歌」製作委員会
■公式サイト:https://chichiboku.jp
公式X:https://x.com/chichiboku
公式YouTube:https://www.youtube.com/@SonyPicsEiga
ソニー・ピクチャーズ公式 X:https://x.com/SonyPicsEiga
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