堤 真一×山田裕貴 W主演 / 監督 平 一紘
1945年、沖縄県伊江島――
終戦を知らずに2年間、ガジュマルの木の上で生き抜いた兵士の実話に基づく物語
沖縄絶賛公開中、7月25日(金)全国ロードショー
大ヒットの沖縄から世界へ。終戦から80年、語り継ぎたい実話に基づく物語
山田裕貴・平一紘監督、英語で挨拶「世界につなぐ平和への願い」
山田裕貴「これは人間の心のお話。ハートの問題です」
平一紘監督「僕自身、初めて沖縄戦に向き合った」
1945年、沖縄県伊江島で激しい攻防戦が展開される中、二人の日本兵が木の上に身を潜め、終戦を知らずに2年もの間生き延びた――そんな衝撃の実話から着想を得た作家・井上ひさしが原案を遺し、こまつ座にて上演された舞台「木の上の軍隊」が映画化。
先行公開中の沖縄では、初週の金土日3日間の週末動員がNo.1を獲得、2週目には評判が評判を呼び、前週比115%を記録するなど大ヒット中の本作が、いよいよ7月25日(金)より全国公開する。
宮崎から派兵された厳格な少尉を演じるのは、確かな演技力で日本の映画界を牽引してきた名優・堤 真一。沖縄出身の新兵に抜擢されたのは、数々の話題作で存在感を示す山田裕貴。ダブル主演を務める堤と山田は初の共演ながら、阿吽の呼吸で極限状態の兵士たちを、繊細かつ力強く、そして人間らしい可笑しみをもって表現。監督と脚本を手掛けるのは、『ミラクルシティコザ』のスマッシュヒットが記憶に新しい沖縄出身の新進気鋭・平 一紘。全編沖縄ロケ、伊江島では実際に生い茂るガジュマルの木の上で撮影が敢行された。
7月7日(月)に、日本外国特派員協会(FCCJ)にて、山田裕貴、平一紘監督が登壇する記者会見を実施した。本編を観たばかりの記者たちは、作品の素晴らしさと、作品に込めた想いを熱く語る山田さんと平監督に拍手喝采!感動的な記者会見となった!
<記者会見レポート>
終戦を知らずガジュマルの上で2年間生き抜いた2人の兵士の実話を元にした、映画『木の上の軍隊』(7月25日全国公開)。7月7日には公益社団法人日本外国特派員協会で試写会が行われ、上映後に主演の山田裕貴と平一紘監督が記者会見を行った。
国内外多くのメディアが集ったこの日、平監督は「この作品を終戦80年に撮れたことは大きな意義があると考えています」などと英語で挨拶。山田は「このような世界に発信できる機会を設けていただき、心より感謝いたします。一生懸命伝えるべく、手紙のような形にさせて頂きます」と英語で伝え、「この作品は誰が敵で誰が味方か、そのような戦争映画ではありません。誰もが望む平和な未来、これはどの国にいようと一緒だと信じています。そのなかで、戦争で戦った偉業よりも生きようとすることの滑稽さや生きていることが何よりも大事だと、そんな祈りのような作品です。どうかたくさんの人々に広がることを祈ります」と本作の核となるテーマを紹介していた。
沖縄県伊江島出身の新兵・安慶名セイジュンを演じた山田は「ものが食べられない、水が飲めない中で体重を落とすのは当たり前のことで、それ以外では、演じるシーンの中でこの瞬間に安慶名は何を思っているのだろうか?という事を、監督の『レディアクション!』まで考え続ける事。それしか僕らには出来ない。キャラクターのモデルになったお二人が何を思ったのか、台本にあるセリフなどの設計図をかみ砕いて演じるのが僕の中での役作りであり、安慶名への挑み方でした」と役作りを回想した。
宮崎から派兵された厳格な少尉・山下一雄(堤真一)と安慶名の関係性やその変化を描くために、平監督は「演じるお二人がまるで木の上で暮らすように撮影をしました。沖縄で実際に戦場になった伊江島に本物のガジュマルの木を植え、最初のシーンから最後まで脚本通りにほぼ順撮り(順番に撮影していくこと)をしました。お二人には、脚本に描かれていることに沿って木の上で生きてほしいというお願いをしました」と撮影を振り返った。
また沖縄出身の平監督は「僕が生まれた場所は戦争があった場所だとわかっていたし、小さいころから平和教育とか受けてはきたけれど、本作製作のための取材をするまで(沖縄戦に)真剣に向き合ってきませんでした。この映画を通して一番成長したのは僕だったのかもしれません」と実感。取材には2年をかけたそうで「安慶名と山下という二人のキャラクターに自分の意識や価値観も持っていきたかった。当時どんな思いで戦ったのか知りたくて調べたら、やはり辛い事ばかりだった。ただ僕のような沖縄戦から目を背け続けてきた人たちにこそ本作を届けたいと思いました。なのでたくさん工夫して、コメディシーンや涙が出るシーンを入れたりしてエンタメ作品として仕上げました。僕自身に向けて作ったと言っても過言ではないくらい、僕はこの映画を届かない人にこそ届けたいと思いました」と本作への想いを口にした。
外国特派員協会で会見を開いた意義について平監督は「戦争が起こす悲劇は、子供や民間の力がないような一番弱いものに向く。大国同士の争いになった時に辺境の国、島の人たちが悲惨な争いに巻き込まれる。この作品は日本とアメリカの争いを描いたものではなく、衝突のはざまにいる小さな人たちがどんな風に生き抜くのか描いたつもりなので、本作が色々な国と地域の人々に届くように願っています」と期待。
一方、山田は演じる上で「どこまで(安慶名の)モデルとなった佐次田秀順さんというホンモノに近づけるのか、何ができるかと考えた時に、自分に出来るのは考え続ける事とホンモノを味わうこと」を意識したそうで「僕は虫が大嫌いだけれど、ウジ虫を食べるシーンでは監督にお願いして実際に食べました。これはウジ虫を食べたことが凄いのではなく、僕がどれだけホンモノに近づけるのかの勝負のようなものでした。ウジ虫を実際に噛んで飲み込んで味わった感覚とか、そういったことを自分の身に感じていく。そこが一番大事だと思いました」と熱演を報告した。
迫る全国公開に向けて山田は「銃やミサイル、戦車を使った悲惨な戦争はあっては欲しくない。ただみんなが幸せにご飯を食べることが出来る。それが一番大事。年齢制限のない映画になっているので、子供たちにも伝えられる映画にもなっています。これは日本のお話ではなくて、人間の心のお話。日本人が戦争で嫌な思いをしたとか、そういうことを言いたいのではなくて、ハートの問題。それが世界中の大人たちだけではなく、子供たちにも伝わって欲しいです」と呼び掛けていた。
(オフィシャルレポートより)
映画『木の上の軍隊』
【STORY】
太平洋戦争末期、戦況が悪化の一途を辿る1945年。飛行場の占領を狙い、沖縄・伊江島に米軍が侵攻。激しい攻防戦の末に、島は壊滅的な状況に陥っていた。
宮崎から派兵された少尉・山下一雄(堤 真一)と沖縄出身の新兵・安慶名セイジュン(山田裕貴)は、敵の銃撃に追い詰められ、大きなガジュマルの木の上に身を潜める。仲間の死体は増え続け、圧倒的な戦力の差を目の当たりにした山下は、援軍が来るまでその場で待機することに。戦闘経験が豊富で国家を背負う厳格な上官・山下と、島から出たことがなくどこか呑気な新兵・安慶名は、話が嚙み合わないながらも、二人きりでじっと恐怖と飢えに耐え忍んでいた。やがて戦争は日本の敗戦をもって終結するが、そのことを知る術もない二人の“孤独な戦争”は続いていく。
極限の樹上生活の中で、彼らが必死に戦い続けたものとは――。
【原作:「木の上の軍隊」(株式会社こまつ座・原案井上ひさし】
作家・井上ひさしが生前やりたい事として記していたオキナワを舞台にした物語。タイトルは「木の上の軍隊」。
井上が遺した1枚のメモを基に、井上ひさし没後、こまつ座&ホリプロ公演として2013年、藤原竜也、山西惇、片平なぎさを迎え初演された。その後、「父と暮せば」「母と暮せば」と並ぶこまつ座「戦後“命”の三部作」位置づけられ、16年、19年にはこまつ座公演として山西惇、松下洸平、普天間かおりが出演し、再演、再々演され、19年には沖縄でも上演。世界からも注目され様々な国から上演依頼がある作品である。2023年6月より韓国公演がスタートし8月の終演までソールドアウトの人気を博した。
出演:堤 真一 山田裕貴
津波竜斗 玉代㔟圭司 尚玄 岸本尚泰 城間やよい 川田広樹(ガレッジセール)/山西 惇
監督・脚本:平 一紘
原作:「木の上の軍隊」(株式会社こまつ座・原案井上ひさし)
主題歌:Anly
企画:横澤匡広 プロデューサー:横澤匡広 小西啓介 井上麻矢 大城賢吾
企画製作プロダクション:エコーズ 企画協力:こまつ座
制作プロダクション:キリシマ一九四五 PROJECT9
後援:沖縄県 特別協力:伊江村
製作幹事・配給:ハピネットファントム・スタジオ
©️2025「木の上の軍隊」製作委員会
公式サイト:https://happinet-phantom.com/kinouenoguntai/
公式X(旧Twitter):@kinoue_guntai
沖縄絶賛公開中/7月25日(金)新宿ピカデリー他全国ロードショー