『岸辺露伴は動かない 懺悔室』の公開記念舞台挨拶が、5月24日、東京・TOHOシネマズ日比谷にて行われ、主演の高橋一生をはじめ、共演の飯豊まりえ、玉城ティナ、戸次重幸、大東駿介、井浦新、渡辺一貴監督が登壇した。
荒木飛呂彦の人気漫画「ジョジョの奇妙な冒険」シリーズのスピンオフ「岸辺露伴は動かない」のドラマ化に続き、本シリーズの映画最新作となる映画「岸辺露伴は動かない懺悔室』。人の心や記憶を本にして読み、指示を書き込むこともできる特殊能力“ヘブンズ・ドアー”を備えた人気漫画家・岸辺露伴。
今作は、漫画「岸辺露伴」シリーズの最初の作品で、伝説的なエピソード「懺悔室」を、邦画初となる“全編ヴェネツィアロゲにて撮影、史上最大スケールで完全映画化。露伴が取材先のヴェネツィアに訪れ目撃した「幸せの絶頂になると訪れる絶望の呪い」･･･好奇心を掻き立てられた露伴は取材を進めるが自分自身がその呪いにかかってしまい次々と幸運に襲われていくストーリー。岸辺露伴役の高橋一生、担当編集者・泉京花役の飯豊まりえらレギュラー陣に加え、あらたに井浦新、玉城ティナ、戸次重幸、大東駿介ら豪華俳優陣が顔を揃えた。
高橋は、「半年前に撮った作品が、あっと言う間に初日を迎え、僕たちのところにも反響は届いていて、そのたびにとても嬉しく思っています」と感無量の面持ち。6年目を迎えた本シリーズについて、「誰の顔色も窺わず、自分たちの好きなものを作っていくというコンセプトで始まったものが、皆さんからの大きな反響をいただいて、いまだに不思議な気分です。自分が憧れていた“岸辺露伴”をやらせていただくことは、嬉しい気持ちとともに身が引き締まる思いがして。その感覚は今も変わらず続いている事はとても幸せです」と、思いの丈を口にした。
渡辺監督も「足掛け6年目、まさかここまで辿り着けるとは思わなかった。かけがえのない大切な作品ということと同時に、本当に自分たちがやってきたのか？という不思議な感覚に襲われる。今回も稀有な作品でもあります」と他の作品にはない、特別感を持っていた。
本作では新しい挑戦もあった、飯豊は「イタリア語です」と明かし、「冒頭だけですが(笑)。先生について日常でも勉強して、日頃からイタリア語を身体に馴染ませていました」と述べ、流暢なイタリア語で自己紹介をしてみせた。会場から大きな拍手が送られると、「グラッチェ！」と嬉しそうに笑顔を見せていた。
一方で、「ちょっとお詫びと訂正したいことがあって･･･」と言い出す戸次。「前回の舞台挨拶のとき、『私ってちょっとだけカッコいいじゃないですか。高橋さんと井浦さんのお二人に比べれば…』となってしまったんですが、本当は『お二人に比べたら全然ですけど』と言おうとしたんですが、途中で会場から拍手が起って（全然ですけどを）言えなかったんです。本当は『お二人に比べて』などとは思っていないので、訂正とお詫びをこの場でさせていただきたい」と平謝り。「お二人が怒っているのではないかと思って･･･」と続けると、高橋と井浦は「怒るわけないでしょう！？」と大笑いし、会場を沸かせていた。
原作、本シリーズの大ファンという大東は、「生命力、そのエネルギーをどう感じられるか、漫画ではできない人間の生身だからこその心拍数や鼓動をどう残せるのか意識して演じました」と、強い思いを持って参加した様子。そして「試写を観たときに、ポップコーンのシーンは自分でも笑ってしまって。自分の作品で笑ったのは初めてでした。極限の恐怖に立ち向かうときの滑稽さって笑えるんだと。あと、鳩もいい芝居をしてくれました」とコメントした。
ヴェネツィアでオールロケを遂行したことに、監督は「昨年4月に行った最初のロケハンで、どこで何を見ても色々なイマジネーションを掻き立てられる所が満載で、これは全部の撮影をヴェネツィアでやるしかないと思いました」とこだわりを吐露。
ここで、シリーズ史上最大のオールヴェネツィアロケという本作にちなみ、「撮影中の史上最大に〇〇だった事」をそれぞれ発表することに。高橋は「毎回更新できている」としながら、「今回は史上最大に“岸辺露伴していた”。露伴の凄いところは、悪役ですら敬意を表していくこと。それでいて自分の関心のないものには落とし前をつけずに去っていくんです」と愛情たっぷりに話す。
飯豊は「エンドロールに入るラストシーンの長回し撮影場面は史上最大に胸が熱くなりました。ヴェネツィアの街自体が目覚めてくるような時間帯での早朝撮影で、その時間が心地良くて、ほんのりと緊張感もあって。泉としてここに立てているんだと、幸福な瞬間を噛みしめていました。忘れられない時間でした」としみじみ。
玉城は「“ヘブンズ・ドアー”にかけられたままクランクアップしました」と笑い、「そのままクランクアップのコメントをして。高橋さんがコメントされている時もそのまま聞いていて、感極まって涙が出てきたけれど、ヘブンズ・ドアーのままだったので誰にもバレず好都合でした(笑)。作品の世界観そのままで終われたのは幸せでした」と感激する。
戸次は「史上最大メイクに時間がかかった」と。「何度やっても、ベストタイムは90分でした」と苦労を語る。大東は「史上最大の喜びの絶頂に達する瞬間は何度もありました。ポップコーンのシーンは自分で演じながらも、漫画の中に入ったような不思議な体験でした。これは役者である僕たちだけの特権だと思いましたし、感動的でした」と回顧。
井浦は「史上最大に愛に溢れた現場であり作品でした。監督、プロデューサー、一生くんたちが5年かけて作り重ねてきたモノ作りへの純度の高い愛の結晶。この一座は愛そのもの。そこに参加できたことが嬉しくて。ずっと楽しんできて好きしかない作品に、自分の好きを掘り起こして臨みました」とシリーズファンとしての気持ちも言葉にしていた。
最後に、高橋が「取材を受けていると、『露伴が変人だから大好きなんです』という声を聞きます。それを聞くとおこがましくも自分のように嬉しく誇りに思ってしまいます。『変人だから好き』という言葉の裏には、自分の柵の外を覗きたいという憧れの感覚がある。俺たちにできないことを平然とやってしまっている･･･それは僕自身もよくわかります。そんな整っていない登場人物たちが織り成す物語を楽しみに観に来てくださることが、僕にとって何よりも幸福な事。ぜひ奇妙な映画体験を持ち帰っていただき、これが幸福の種だったのではないかと思っていただければ嬉しいです」とメッセージを送り、舞台挨拶を締めくくった。
映画『岸辺露伴は動かない 懺悔室』
【ストーリー】
漫画家・岸辺露伴はヴェネツィアの教会で、仮面を被った男の恐ろしい懺悔を聞く。それは誤って浮浪者を殺したことでかけられた「幸せの絶頂の時に“絶望”を味わう」呪いの告白だった。幸福から必死に逃れようと生きてきた男は、ある日無邪気に遊ぶ娘を見て「心からの幸せ」を感じてしまう。その瞬間、死んだ筈の浮浪者が現れ、ポップコーンを使った試練に挑まされる。
「ポップコーンを投げて３回続けて口でキャッチできたら俺の呪いは消える。しかし失敗したら最大の絶望を受け入れろ…」。奇妙な告白にのめりこむ露伴は、相手を本にして人の記憶や体験を読むことができる特殊能力を使ってしまう…。やがて自身にも「幸福になる呪い」が襲いかかっている事に気付く。
【クレジット＆ビリング】
出演：高橋一生 飯豊まりえ / 玉城ティナ 戸次重幸 大東駿介 / 井浦新
原作：荒木飛呂彦「岸辺露伴は動かない 懺悔室」（集英社ジャンプ コミックス刊）※ジャンプとコミックスの間は半角アキ
監督：渡辺一貴
脚本：小林靖子
音楽：菊地成孔／新音楽制作工房
人物デザイン監修・衣裳デザイン：柘植伊佐夫
製作：『岸辺露伴は動かない 懺悔室』 製作委員会
制作プロダクション： NHKエンタープライズ、P.I.C.S.
配給：アスミック・エース
■コピーライト：© 2025「岸辺露伴は動かない 懺悔室」製作委員会 © LUCKY LAND COMMUNICATIONS/集英社
■公式サイト：kishiberohan-movie.asmik-ace.co.jp
全国公開中！
