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横浜流星、広瀬すずの膝枕にトライし距離を縮める!? 松坂桃李の宿命の人とは? 映画『流浪の月』完成披露試写会

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映画『流浪の月』の完成披露試写会が4月13日、東京・イイノホールにて行われ、W主演の広瀬すずと松坂桃李をはじめ、共演の横浜流星、多部未華子と、李相日監督が舞台挨拶に登壇した。

凪良ゆうの傑作小説「流浪の月」を原作に、李相日監督の手で映画化。10歳の時に、誘拐事件の“被害女児”となった女性と、その事件の“加害者”とされた19歳の青年が15年後に偶然にも再会し、人生が揺れ動いていく様を描く。家内更紗(かない さらさ)を広瀬、青年・佐伯文(さえき ふみ)を松坂が演じる。また、事件から15年経った現在の更紗の恋人・亮を横浜流星、癒えない心の傷を抱える文に寄り添う看護師・谷あゆみを多部未華子が演じるほか、趣里、三浦貴大、白鳥玉季(子役)、増田光桜(子役)、内田也哉子、柄本明ら実力派俳優陣が顔を揃えた。

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李監督は、本作の完成を迎え「コロナ禍という状況の中での撮影の難しさ、大変さを痛感した作品で、もしかしたら中止になるかもしれないということが頭を横切りながら、なんとか作りあげようと全スタッフ、キャスト、関係者の皆さんの努力と熱意で今日を迎えることができました」と安堵の顔を浮かべる。

また、本屋大賞にも選ばれた原作を映画にしたいと思った理由について「美しい物語でした。ただ綺麗なだけじゃなくて、いま僕たちが直面している社会の状況を鋭い視線で描かれていて、人と人が求める力、魂と魂の結びつきが書かれていたので」とコメントし、「あと、広瀬すずの代表作を撮らねばと思っていました」と笑顔を見せた。

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李監督とは以前、映画『怒り』でタッグを組んだ広瀬。「あの時はあれが限界でした。自分では出し切ったつもりだった。映画とは、演じることとはということを初めて知った現場でした」と述懐し、「6年経って、色々と経験してきましたが、(今回)どうしたらいいか分からず、監督に相談したら『それじゃこの作品はダメだね』と言われて・・・(笑)」と、今回も役との向き合い方に苦労した様子。

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松坂は今作の参加について、「まず監督とお会いしてお話をしてからオファーを受けました」とし、「(演じる)文は僕史上一番難しい役でした。掘っても掘っても答えが見つからずさまよっていた。それを李さんも一緒にさまよってくれてその役になってくれたんです。『俺もホテルに帰ってやってみたよ』と言われたときは本当に嬉しくて、凄く救われました」と監督に感謝の気持ちを伝える。

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また、原作のファンだったという横浜は、今回の役について「チャレンジしかなかったです。より大きな壁が立ちはだかっていた。自分には1つも亮の要素がないと思ったので、見つけようともがいていました。自分には甘えるという部分がない。ずっと空手をやっていたので、他人に弱みを見せたり涙を見せたらいけないと叩き込まれていたので」と話し、役と自身との違いを明かす。

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そんな横浜を見て、監督は広瀬に膝枕をしてもらったら?と提案をしたそうだが、横浜が「二人だけで過ごす時間をいただけたので、そこで少しずつ距離が近くなっていき、甘えるとはこういうことなんだなと・・・」と語ると、監督が「気持ちよかったでしょう~?」と茶化し会場の笑いを誘う。

膝枕をした広瀬は「まだ2~3回しか会っていない時で、お互いに人見知り。(頭を)全部(力を抜いて)乗せてくれるのかと思ったら1~2kgくらいの重さしか乗せてこなくて・・・カオスでした(笑)」と、横浜はなかなかリラックスするとはいかなかったようだが、「敬語を止めるようにして、肉体的にも少しでも接触することで距離が縮まっていきました。この役を演じるうえではやはり心理的な距離の近さが大切」と話していた。

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その後、宿命の相手を聞かれた横浜だったが「自分」と答え、「常に自分と向き合ってきたし、これからも己と向き合っていき・・・」と続けると、思わず監督から「そういうところなんだよ(笑)」とダメ出しをされる一幕も。

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久しぶりに芝居に挑んだ多部は「久しぶりで緊張していましたが、監督から『僕も6年ぶりだから同じです』と言われ、嬉しかったです」と監督の優しさにしみじみ。

松坂との共演も久しぶりとなったが、「いつも穏やかで優しくて話を聞いてくれる桃李くんでいてくれました。尊敬する部分がたくさんある」と称える。劇中でもコーヒーを入れる松坂から「コーヒーを入れていただいて」と話すも実はコーヒーが苦手だったことを監督からバラされ苦笑い。それでも「美味しくいただきました」と微笑んでいた。

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松坂は「宿命の人」と問いに「樹木希林さん」と挙げ、「僕が初めて主演をした作品に希林さんがおばあちゃん役だったんですが、お芝居のことを含め色々話してくれたんです。番宣の時も希林さんが全部ついてきてくれて。『あなた、記者さんから同じ質問をされて同じ返しをしたらいけない』『こういうスタンスのほうがいいんじゃないの?』とういように」と樹木希林との関係を明かし、「今作で(樹木希林の娘の)(内田)也哉子さんがお母さん役をやられて、なんとも言えない感じになりました」と、宿命からの縁を感じたようだった。

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最後に松坂は「普段はあまり緊張しないんですが、この作品の舞台挨拶は緊張しました。皆さんがどう受け止めてくれるのか興味もあるし、怖くもありますが、しっかりと観てほしいです」と語り、広瀬は「共感、共有するものがあるか、それは一人ひとり違うと思いますあg、更紗を自由に生きました。みんながお腹の中にマグマを吐き出しながら一生懸命作った映画なので、一人でも多くの方に届いたら嬉しいです」とメッセージを送り、舞台挨拶を締めくくった。

映画『流浪の月』
<ストーリー>
雨の夕方の公園で、びしょ濡れの10歳の家内更紗に傘をさしかけてくれたのは19歳の大学生・佐伯文。引き取られている伯母の家に帰りたがらない更紗の意を汲み、部屋に入れてくれた文のもとで、更紗はそのまま2か月を過ごすことになる。が、ほどなく文は更紗の誘拐罪で逮捕されてしまう。それから15年後。“傷物にされた被害女児”とその“加害者”という烙印を背負ったまま、更紗と文は再会する。しかし、更紗のそばには婚約者の亮がいた。一方、文のかたわらにもひとりの女性・谷が寄り添っていて…

原作:凪良ゆう「流浪の月」(東京創元社刊)
出演:
広瀬すず 松坂桃李
横浜流星 多部未華子 / 趣里 三浦貴大 白鳥玉季 増田光桜 内田也哉子 / 柄本明
監督・脚本:李相日
撮影監督:ホン・ギョンピョ
音楽:原摩利彦
製作総指揮:宇野康秀
製作幹事:UNO-FILMS(製作第一弾)
共同製作:ギャガ、UNITED PRODUCTIONS
配給:ギャガ
映画クレジット:(c)2022「流浪の月」製作委員会

5月13日(金)、全国ロードショー