映画『ジョゼと虎と魚たち』の公開直前クリスマスイベントが、12月18日、東京會舘にて行われ、W主演で本作の声優を務めた中川大志と清原果耶が登壇した。
芥川賞作家・田辺聖子の代表作『ジョゼと虎と魚たち』(角川文庫刊)。2003年に妻夫木聡、池脇千鶴主演で実写映画化され、高評価を得て話題を集めた。さらに海外でも注目を集める本作は、時代が変わっても色褪せることなく愛され続けている本作は、幼いころから車椅子のジョゼが、海洋生物学を専攻する大学生の恒夫と出会い、成長していく様を描く青春恋愛物語。ジョゼ役を清原、恒夫役を中川が演じた。
完成作品を観て、中川は「自分のやったことは本当にちっぽけなことだと思いました。アニメーターの方々の努力でこの作品はできあがっている。そんな作品に参加した1人になれて嬉しい。本当に素晴らしい映像に感動しました」と感想をコメント。
清原も「ジョゼ以外のキャラクターの声優の皆さんの中に交じらせていただいて光栄でした。私は皆さんに助けていただいて切り抜けたと思っています。私も映像の美しさに素直に感動しました」と声を弾ませた。
キャラクターと同い年の中川は「これまでの声優経験の中で、一番自分に近い歳なので、等身大のキャラクターを演じることができました。普段の自分、ニュートラルな感じで演技しました」と振り返る。続けて「共感できるところがたくさんありました。負けず嫌いなところ、頑固なところは似ているかも」と話し、「恒夫はジョゼのギャップに惹かれていったけれど、僕もギャップに弱いんです」と笑った。
声優での共演は初となる二人だが、アフレコは二人で並んで声をあてていたそう。清原は「1人ではイメージできない部分があったけれど、隣に（中川が）いてくださったのでイメージしやすくてありがたかったです」と感謝。中川も「普段僕らは（実写の）役者をしているので、声優の皆さんの中に入っていくことに不安もあります。そこを二人で共有して乗り越えられたと思います」と共演を喜ぶ。
中川は「（清原さんは）凄くストイック。ひたむきにジョゼと向き合っていました。ブースの中でほふく前進を実際にしてみてイメージをつかんで声を出していたんです」と、刺激を受けた様子。大阪出身の清原だが、「自分が話す関西弁より、よりわかりやすく話すように方言指導の先生に教わりました。頑張って関西弁を喋りました」と屈託のない笑顔を見せると、中川は「いつもはパワフルなジョゼが、距離が近づいてくると弱みも見せてくれる。そんな時の関西弁にキュンとしました。可愛らしかったですね」とニッコリ。
また、クリスマスが近づいてきたということで、思い出のクリスマスを披露する場面も。中川は「３～4歳のときに某魔法使いの映画が大好きで、クリスマスプレゼントは空飛ぶほうきが欲しかったんです。でも、25日の朝、玄関に置かれていたのは“絵具セット”で、泣きめいた思い出があります。その時の写真も残っていて(笑)。でも、結局その絵具セットは小学生6年間使いました」と可愛いエピソードを。
清原は「毎年、家族でケーキを作ったりお肉を食べて過ごしていました。みんなでケーキを食べるということが凄く嬉しかったですね」と微笑んだ。
また、来年挑戦したいことをオーナメントに書き、クリスマスツリーに飾った二人。中川は「日記を書く」と。清原は昔からやりたかったという「空手」を挙げ、中川から「空手、似合いそうですね」と言われて、照れ笑いを浮かべていた。
【あらすじ】
趣味の絵と本と想像の中で、自分の世界を生きるジョゼ。幼いころから車椅子の彼女は、ある日、危うく坂道で転げ落ちそうになったところを、大学生の恒夫に助けられる。海洋生物学を専攻する恒夫は、メキシコにしか生息しない幻の魚の群れをいつかその目で見るという夢を追いかけながら、バイトに明け暮れる勤労学生。そんな恒夫にジョゼとふたりで暮らす祖母・チヅは、あるバイトを持ち掛ける。それはジョゼの注文を聞いて、彼女の相手をすること。しかしひねくれていて口が悪いジョゼは恒夫に辛辣に当たり、恒夫もジョゼに我慢することなく真っすぐにぶつかっていく。そんな中で見え隠れするそれぞれの心の内と、縮まっていくふたりの心の距離。その触れ合いの中で、ジョゼは意を決して夢見ていた外の世界へ恒夫と共に飛び出すことを決めるが……。
中川大志 清原果耶
宮本侑芽 興津和幸 Lynn 松寺千恵美 盛山晋太郎 リリー (見取り図)
原作：田辺聖子「ジョゼと虎と魚たち」(角川文庫刊)
監督：タムラコータロー
脚本：桑村さや香 キャラクター原案・コミカライズ：絵本奈央 キャラクターデザイン・総作画監督：飯塚晴子
アニメーション制作：ボンズ
主題歌・挿入歌：Eve「蒼のワルツ」／「心海」(TOY’S FACTORY)
配給：松竹／KADOKAWA
製作：『ジョゼと虎と魚たち』製作委員会
©2020 Seiko Tanabe/ KADOKAWA/ Josee Project
公式サイト：https://joseetora.jp/
１２月２５日［金］ ロードショー
