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「キミをプロデュース~Miracle Love Beat~」クリス・ウー(呉慷仁)インタビュー

「秋のコンチェルト」クリス・ウー×「シンデレラの法則」キミ・シア
音楽ギョーカイを舞台に、きらめきのミラクルが降り注ぐ、恋と夢のシンデレラ・ラブコメディ
「キミをプロデュース~Miracle Love Beat~」<オリジナル・バージョン>
クリス・ウー(呉慷仁) インタビュー

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歌うことや楽器が得意じゃないのに、役柄は音楽プロデューサー。
ドラマの中でMaydayやウェン・リーヨウの曲を歌うことに苦戦しました(笑)

ーードラマに出演を決めた理由は?
最初、僕は脚本さえ見てなくて、話の大筋を知らされただけでした。それでテレビ局の制作スタッフに、内定しているキャストを教えてもらい、キミ・シアさんの出演を知りました。彼女とは一度短い共演経験がありましたが、もう一度共演したいと思っていました。リン・ズーピン監督とジン・シージエさんの名前もありました。この3人の名前を聞いて脚本を見もせず役を引き受けることを決めました。新しい経験をするためにジンさんと共演してみたかったし、リン監督は情熱に溢れる方なので一緒に仕事をしたいと思っていました。

ーークリス・ウーさんはギターを弾けますか?
弾けません(笑)。僕が出るシーンで演奏する楽器はキーボードだと思っていましたが、エレキギターでした。それを撮影に入る1週間前に知らされたので、かなり驚きました。突然の変更に戸惑って共演者のマミさんに相談しました。彼女はバンドをやっていますし、僕たちは昔、同じ演劇クラスで学んだことがある演技仲間です。彼女はギターができるので、彼女の家まで行ってギターを弾く格好を教えてもらいました。弾けなくてもせめて格好だけはプロらしく見せないとね。ジャンプしながらなのか立ったままなのか、ギターを構える位置も極端に低かったりその逆もある。でも最終的にはオーソドックスなスタイルを選びました。

ーーピアノは弾けますか?
それもできません(笑)。弾けるように見えたのは前にも1度ピアノを弾くドラマに出たことがあるからです。当時、まるまる1曲練習して、両手で弾けるまでになりました。だから音楽が流れればピアノを弾く感覚が戻るんです。音楽があればそのメロディーに合わせればいいし、ベースの音からリズムもつかめるからだろうと思います。

ーー劇中で歌を披露しましたね。歌には興味ありますか?
まさか(笑)。歌わなくていいなら極力避けたいです。これは僕の本音です。今回はドラマの初回放送を観たあとで制作側に提案してみました。演技中は歌に合わせて口パクなら自分で歌ってみても構わないとね。テレビ局と制作側は僕の歌声を知らなかったけど試してみようということで思い切って歌わせてくれました。大胆な決断です。キミは元々 音楽が好きで、作詞作曲もできるし歌も上手い。でも僕は音楽を習ったことがないので自分が出せる音域を知らないし、音程やリズム感にも自信がない。そんな感じだったので録音室に入るのが恐ろしかったです。しかも何曲も歌いましたから。

ーー劇中にMaydayの曲やウェン・リーヨウの曲を歌いましたね。録音したときどんな気分でどんな状況でしたか?
自分自身が下手に思えて、ずっと緊張が続いた状態でした。1回目の録音をした時のことですが、6時間かかっても録音が終わりませんでした。歌いすぎて喉の調子も限界に達していました。時間的に失敗したら次回やり直すしかない。でも撮影も急いでいるから次回に録音できる保証もなく企画倒れに終わる可能性もある。幸い最後に録音したものがプロデューサーからOKをもらえたので、原曲の歌手の歌声と差し替えずにすみました。プロデューサーを信じて歌ったことがよかったと思います。半信半疑でしたが出来を聴いたら納得しました。

ーーご自身で点数をつけるとしたら何点ですか?
感情はこもっているけどそれだけです。歌のテクニックが追い付かないですよ。役者というのは歌う時に感情を表現するポイントが掴めるものです。なぜなら歌詞は感情を読み取り、どんなに抽象的なものでも歌を通して聴き手にイメージを伝えられる。みんなに共感してもらうのは役者にとっては難しいことではありません。でもテクニックを使って声で感動させるのは難しい。そういった才能は僕にはないので僕は全力を尽くすしかありませんでした。

ーーご自身と演じたシューユーの共通点がありますか?
共通点は全くないと思います。シューユーは自分の考えを絶対に曲げない。でも僕は違います。独立心が強いという点では僕たちは似ている。僕も何でも自分でやろうとする性格です。自分ができることなら時間さえあればわざわざ人には頼まない。それがシューユーとの共通点かな?僕が演じているし…。僕は人との衝突を好まないけど彼は違います。彼は人との衝突を恐れず自分の決めたことに自信を持っています。だから彼は堂々としている。僕は露骨に感情を出さない。たとえば苦手だと思う人がいたら僕は口を利かないけどシューユーは文句を言います。

ーーシューユーは音楽事務所が自分に合わないと感じ独立しました。ご自身は俳優業に関して悩みを抱えることがありましたか?またはこの仕事に向いていないなどと思ったことはありましたか?
向いてないとは思ったことはないですが、疑問に感じたことはありました。一般的に俳優や芸人、歌手などになった場合には、その人たちの呼び名は人から付けられるもので「お前はお笑い芸人だ」と言われて疑問に思う人もいる。その位置づけは自分次第だと思います。業界で生き残るためには自分の呼び名と位置づけを確固たるものにする必要がある。挫折に遭えば諦めたくなるときもあります。どんな仕事をやってもぶつかる問題です。心のバランスが大事です。僕も以前には自分が俳優に向いているかどうか疑問に感じたことがあります。確信が持てなかった。僕には演技の道に導いていただいた先生がいます。その先生の見る目を疑ったこともありました。でもそれは自分に自信がなかったせいだと気づきました。だから自分をリラックスさせてプライベートを楽しみ仕事にも集中するようにしました。仕事とプライベートを切り離して分ければバランスがとれる。重心を仕事に置きすぎるとバランスが崩れやすい。シーソーのようにね。でもプライベートを充実させればバランスを取り戻せます。どちらかに偏らないほうがいいです。

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ーーキミ・シアさんの印象は?また他の共演者さんの印象は?
キミ・シアさんは頭の回転が速く聡明な女性です。いろんな訓練を経験し芸能界デビューも早かった。今の彼女の状況は安定しているように見えます。キミは自分の心をコントロールするのが得意です。仕事と私生活を上手く切り替えて、遊んでいても次の瞬間、仕事の顔に戻れる。すごい特技です。頭のどこかにスイッチがあるのかも(笑)。リー・チェンインさんは、すごくいい人で私生活でもよく話をする仲です。魅力たっぷりな役者で体も逞しい(笑)。それを別にして、彼は集中力のある鋭いまなざしがとても魅力的だと思います。ニータ・レイさんも含めて若い俳優陣も生き生きとしていました。ベテランの俳優陣もいて、ジン・シージエさんとも共演でき楽しかったです。共演シーンは少なかったですが、いろんな演技についてジンさんに質問ができました。しつこいくらいに質問したけど辛抱強く教えてくださいました。彼は演技の神様だから要求レベルも高かった。無駄な経験は1つもない。楽しみを見つければ仕事は楽しいものだと思います。

ーー劇中で四角関係の恋愛があります。ご自身は天真爛漫な女性=キミ・シアさん演じるウェイジェンがと、ニータ・レイさん演じる小悪魔タイプのジアシンとどちらが好みですか?
外見じゃなくて性格に関してはジアシンのほうが好きです。僕は誰かを好きになったとしたらその人に束縛されるのも悪い気はしない。僕が愛した人から僕も愛してもらえている。そこで相手の愛を感じることができます。天真爛漫なタイプもいいけど僕も年をとったせいか濃厚な愛が好みなんです(笑)。できるだけ自分が愛されているのを分かりやすく感じたい。僕には束縛されるくらいがちょうどいいです。

ーー最も印象的なシーンは?あるいは最も楽しかったシーンは?
どのシーンもとても楽しかったです。印象深いシーンは最初のお寺の前でのシーンです。ドラマのオープニングのテントで歌うシーンですけど、あの日はすごく寒かったし風も強かった。風の強さと寒さが相まって震えが止まらなかった。朝方近くまで撮り続けて大変な撮影でした。震える寒さの中で歌い続けていたので、歌声もビブラートのように震えました。気温の低い深夜に10時間以上撮り続け一晩中震えていました。記憶に残る辛さでした。

ーー芸能界が舞台のドラマですが、実際に芸能界でありがちなエピソードや体験した出来事などありましたか?
演じたのは音楽業界だから役者の世界と実情は少し違うと思います。キミ・シアさんは役者以外でも幅広く活躍していますが、僕は演技しか知りません。だから音楽業界については詳しくないです。でもドラマはあり得る話だと思います。ドラマ以上に素晴らしい世界でもある。芸能界にいる僕は謙遜するべきだろうけど、実際に芸能界は魅力があるからみんなも憧れます。でも業界に入って初めて苦労が多いことがわかります。それでも本気で生き残りたいなら頑張り続けていくしかない。陰の努力は人に見られないし、みんなに見せているのは輝く一面だけです。(笑)。

ーーこのドラマは台湾での視聴率も良く、話題になりました。このドラマが人気の理由は何だと思いますか?
雰囲気が明るいからですかね?明るい要素を取り入れたことでドラマ全編の雰囲気を盛り上げたと思います。躍動感があり、ストーリーも起伏に富んでいて全体にテンポもあり、少なくとも日本の皆さんに新鮮さを感じてもらえると思います。

ーーこの先、挑んでみたい役はありますか?
僕が第一に考えているのはずっと役者を続けることです。そうすれば僕が演じたい役は自ずと向こうから僕を求めてやってくる。良い人を演じ切れる役者はすごいと思う。悪役もとても難しいし、おどけた役を演じるのも大変です。どんな役であっても真剣に演じたい。とにかく努力するしかないと思います。それが僕の信念です。これから演じるすべての役柄に対して命を吹き込んでいくつもりでいます。

ーーお勧めの歌手とか曲はありますか?
好きな歌手と曲を日本のみなさんに紹介するのですか?困ったなあ。僕の精神年齢がバレてしまう(笑)。僕の好きな歌手は80~90年代の歌手、サラ・チェンさんやサンディ・ラムさんが好きです。彼女たちの曲でストレスを解消しています。サラ・チェンさんの「夢醒時分」が最も有名で最も愛されている曲だと思います。彼女の曲ならどれも全部好きですね。サンディ・ラムさんの曲を選ぶなら「走在大街的女子」と「傷痕」が好きです。ふたりは全く違うタイプだけど彼女たちの曲が好きな共通点があり、同じプロデューサーで僕の好きなジョナサン・リーさんが担当しています。

ーー最後に日本の視聴者にメッセージをお願いします。
「キミをプロデュース」は笑いあり涙ありの家族愛や友情に満ち溢れているドラマです。このドラマを観たらきっと子供の頃の夢を思い出すと思います。そしていくつになっても夢に向かって歩んでいこうと思えるはずです。家族や友人のために今の生活を守ることも大切ですが、自分がやりたいことは何なのかをたまには考えてみるのもいいですよね。ドラマをお楽しみに!

「キミをプロデュース~Miracle Love Beat~」<オリジナル・バージョン>
DVD 全16話/セルDVD 全2SET
【2015年8月5 日(水)】
DVD-SET1/GNBF-3457/4枚組・第1話~第8話収録/本編約560分+特典映像約18分
¥15,200+税 ※レンタルDVD 同時リリースVol.1~8
特典映像(予定) ●キミ・シアインタビュー ●日本版予告編

【2015年9月2日(水)】
DVD-SET2/GNBF-3458/4枚組・第9話~第16話収録/本編約560 分+特典映像約15分
¥15,200+税 ※レンタルDVD 同時リリースVol.9~16
特典映像(予定) ●クリス・ウーインタビュー

発売・販売元:NBCユニバーサル・エンターテイメント
DVD公式サイト:http://kandera.jp/sp/kimipro/
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【STORY】
人気子役として過去に活躍したリン・ウェイジェン(キミ・シア)は、今は鳴かず飛ばずで厳しい母親に尻を叩かれてはオーディションを受ける毎日だった。一方、音楽プロデューサーのチョウ・シューユー(クリス・ウー)は、バンド仲間だったヤン・ジアシンを人気歌手に育て上げ、恋人でもあった。ある日、ウェイジェンはオーディションの場でシューユーと出会う。彼は特別彼女のことを気にしていなかったが、後日、ウェイジェンの亡き父親が作曲した曲をジアシンが盗作したことで再会。事を大きくしないためにシューユーはウェイジェンをプロダクションで雇う事に…。ひたむきに、一生懸命働くウェイジェンを見ているうちに、いつしかシューユーは彼女の存在が気になり出し…。

【CAST】
●クリス・ウー「秋のコンチェルト」
●キミ・シア「シンデレラの法則」『祝宴シェフ』
●リー・チェンイン(「巷弄裡的那家書店」)
●ニータ・レイ「幸せが聴こえる」『GF*BF』

【STAFF】
●監督:リン・ズーピン
「ハヤテのごとく!~美男<イケメン>執事がお守りします」