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明治座にて「祈りに近い、使命に近い」『大地の子』が開幕!「人間って”わぁ~!”と感じてもらえるように」

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2月26日(木)に明治座にて『大地の子』が初日を迎え、初日に先立ち行われた井上芳雄・奈緒・上白石萌歌が登壇した囲み取材と、舞台映像をダイジェスト動画でお届けする。舞台写真© 2026 MEIJIZA/TOHO CO., LTD.

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上白石萌歌 井上芳雄 奈緒

本作は山崎豊子による同名小説が原作。1995年にはドラマ化され、繰り返し再放送されている大ヒット感動作。今回の舞台化にあたって、そのドラマを知る人は皆「あの物語をどう舞台にするのか?」と考えたことだろう。

25日に行われたゲネプロを観劇した。マキノノゾミの脚本、栗山民也の演出は、この難問を見事に解いた。明治座の舞台の上に、第一幕70分 休憩20分をはさんで第二・三幕110分という上演時間に、日本の昭和と中国の現代史を背景に、そこに生きる人たちの人生をまっすぐに凝縮して見せてくれた。(中国の現代史と聞くと難しそうに思えるかもしれないが、とてもわかりやすく描いてくれている)

ゲネプロの客席は、幕が開いた瞬間から舞台に吸い付けられ、観客の集中は上演中、切れることなかった。囲み取材で奈緒が語っているが、舞台上から届けられるエネルギーを観客がしっかり受け取り、心を揺り動かされた。その結果、観客からあふれ出てしまったモロモロが舞台の上にも届いてしまっていたのだろう。井上はゲネプロを終えた時には「汗と涙でぐちゃぐちゃで、茫然としていた」と語っているが、それは観客も同様に涙でぐちゃぐちゃだった。それほど熱く、心揺さぶられる舞台となっていた。

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井上芳雄は中国で戦争孤児となった日本人の少年で、死線をさまよう苦難を経て、中国人教師に拾われ育てられた、「陸一心」(ルー・イーシン)役(右から3人目)。一心は勉学に励み、中国共産党青年団にも入団を許され、大学に進学。エンジニア(行程師)となるが、日本人であったために、労働改造所(略して労改・ラオガイ)送りにされ、内モンゴルへと下放されるという苦難の人生を歩む。

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奈緒はその妹で、兄と生き別れた後、貧しい農村で童養媳(トンヤンシ―)にされた張玉花(チャンユウホア)役。童養媳とは、貧しさゆえに嫁をもらえない家が、幼い女の子をもらい、成長した後に嫁にするために育てる風習。幼い頃から労働力として酷使された。

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上白石萌歌は破傷風で死線をさまよう一心を救った看護婦で、後に一心の妻となる江月梅役。

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山西惇は一心を我が子同然に育てた中国人の父・陸徳志役。

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益岡徹は一心と玉花の実父・松本耕次役。徴兵されて日本で終戦を迎え、中国に残した家族全員を失ったと信じて生きてきた。

多くの人が心に身体に傷を負い、苦しみながら生きた時代。一心と玉花の人生の軌跡を、観客もたどる。そして彼らとその周囲の人たち、一人ひとりの思いを、観客も受け取る。細心丁寧に、だがダイナミックに描かれる『大地の子」。

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上演は3月17日(火)まで 明治座にて。チケットが手に入るならば、是非とも観ていただきたい1作です。

『大地の子』
2026年2月26日(木)~3月17日(火) 明治座
原作 山崎豊子『大地の子』(文春文庫)
脚本 マキノノゾミ
演出 栗山民也
出演 井上芳雄 奈緒 上白石萌歌 山西惇 益岡徹 ほか
公式サイト https://daichinoko-stage.jp/
主催・製作 明治座 東宝