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平間壮一&大東立樹『無伴奏ソナタ -The Musical-』インタビュー☆平間「ストレートプレイの作品をミュージカルにする、初めての経験。本当に挑戦!」 ☆ 大東「稽古場では一語一句逃さないように聞いて、みなさんについていきたい」

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演劇集団キャラメルボックスが初演し、圧倒的な評価を博した舞台『無伴奏ソナタ』(以下、舞台版)が初めてミュージカル化され、7月26日(金)~8月4日(日)サンシャイン劇場、8月10日(土)~8月11日(日)森ノ宮ピロティホールにて上演される。

描かれるのは、すべての人間の職業が幼児期のテストで決定される時代を舞台に、音楽の天才として見出された男、クリスチャン・ハロルドセンの壮絶な人生。

アメリカの作家、オースン・スコット・カードの短編小説を原作として、舞台版も手掛け、数々の演劇作品を生み出してきた成井 豊が、今回も脚本・演出・作詞を務め、元ピアノロックバンドWEAVERのボーカルで現在はソロプロジェクトONCEとして活動している杉本雄治が音楽を手掛ける。

今回、インタビューをお願いしたのは、クリスチャン役の平間壮一と、クリスチャンに大きな転機を与えるギレルモ(ギター弾きの作業員)役 ほかを演じる大東立樹。名作舞台のミュージカル化に挑むふたりに思いを聞いた。

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-おふたりの初対面はいつですか?
平間:今日が初めてです。

ーそうでしたか。今日、ご一緒に取材を受けてこられてのお互いの印象を教えてください。
平間:きっとお互いに不思議系です。(笑)
大東:はい!(笑)でも魅力が詰まり過ぎているので、もっとずっとお話していたいです。

-平間さんにどんな魅力を感じられましたか?
大東:最初にご挨拶した時に「かっこいいな」と感じたのはもちろん、お話のひとこと一言に重みがあって、内に秘めたかっこよさを深く感じています。
平間:らしいです。ないですけど、そんなの…。(笑)

-平間さんは、なぜ大東さんも不思議系と感じられたのですか?
平間:まったく変じゃないけれど、他の人から変だと言われることがきっと多いんだろうなと思って。実際、自分は「なんか変だね」「変わってるね」とか、よく言われるんです。だから、なんだか「リッキーも言われてそうだな」と思って。
大東:ここ半年ぐらいに出会った人のほぼ全員に「変な人だな」って感じで言われてます。(笑)

-もう息もぴったりですね。
平間:その中でも真逆なところもあったりするとわかってきて面白い感じです。
大東:MBTI診断(性格診断テスト)はご存知ですか?結果をお聞きしてもいいですか?
平間:冒険家みたいなのでした。
大東:冒険家なんだ。うわ~、まんまだな!(笑)
平間:そうなんだ?!
大東:僕は主人公なんです。もっと深く調べていくと、通じるところが見えてくるかもしれない。あとでちょっとデータをいただきますね。
平間:はい!

-本作への出演が決った時のお気持ちや、作品の印象をお聞かせいただけますか?
平間:最初に「キャラメルボックスさんで大人気だった作品をミュージカル化しようと思うんだよ」と聞いた時は『無伴奏ソナタ』という題名からSF・ファンタジーのような作品だとは思ってなかった。その後、舞台版の公演映像を見た後は、ちょっと怖かったです。「自分が今、生きている世界っていうのは、当たり前なようで当たり前でもないんだろうな」とか、すごくいろいろと考えてしまいました。
その作品に主演できるのはとても嬉しかったのですが、舞台版でクリスチャンを演じた多田直人さんが、今回はウォッチャー役で出演されることを、スチール撮影当日まで知らなくて。スチール撮影で多田さんが真横に立たれたときには「え~!」って、ものすごく緊張しました。一緒に稽古していくのだと知って鳥肌が立ちました。

大東:僕もキャラメルボックスさんの作品を拝見したことがなかったのですが、周りの方々から「すごいね!」「キャラメルボックスさんの舞台に出るんだ!」という反応をもらったので「すごいことなんだ」と思いました。すぐに舞台版の映像を見たのですが、今まで見た舞台の中で、一番考えることが多かったです。簡単に解釈することもできるのかもしれないですけれど、深くて細かいところまで見えてくる作品だろうと思ったので、今は「早く演出家さんに話を聞きたい!」という気持ちでいっぱいです。

-『無伴奏ソナタ』という作品名から、クラシック音楽をイメージして、なんとなく「難しいかも?」と思う方もいらっしゃるかと思いますが、そのあたりはいかがですか?
大東:クラシックの難しさはないので、タイトルはあまり気にしなくていいなと僕は思いました。
平間:今、思いついたんですが、音楽は伴奏があってメロディーがあって、当たり前のように成り立っているけれど「無になった時に、音楽って何になるんだろう?」「それは人にも重なっているのかな?」と思ったんです。人生でいろいろとうやり遂げてきて「もうあなたは自由ですよ」と言われて無になった時に「自分に何が残ってるんだろう?」という感じではないかなと。ラストシーンも、そこにつながっているのかなと。
大東:すいません、僕もそれで!(笑)
平間:今思いついただけだから。
大東:直接関連付いていない美しさみたいなのもあるかなと、思っていたんですけど、今、平間さんの話を聞いて「これだな!」と思いました。(笑)
平間:そっちもあると思うよ!

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-ミュージカルにするという点ではいかがでしょうか?
平間:舞台版はミュージカルではなかったですが、音楽劇のように歌もあり、動きで見せるシーンもあったりして。
大東:ジェスチャーも多かったですね。
平間:ただ、たぶん成井さんも多田さんも俺もリッキーも、完成しきっている作品をミュージカルにする難しさを感じていると思います。ストレートプレイの良さは、“黙っている美学”というのがある。黙ってる時に「あの人、何を考えているんだろう」と想像するところに、感動やいろんなものが詰まっているけれど、その間をミュージカルで「僕はこう思ってます!」と歌っちゃうとしたら、どういう仕掛けになるんだろうか?音楽の説得力なのか、歌唱力なのか、いろんなところでそれを見せていけたらと思っていますが、本当に挑戦です。ストレートプレイの作品をミュージカルにするのは、初めての経験ですもん。
大東:レアですよね。
平間:レアだと思うし、初めてのことだから。(大東に)スタートラインは一緒だからね。
大東:さっきもそう言ってましたけど。
平間:先輩・先輩って言うから。
大東:先輩は譲れないですよ!(笑)

-大東さんはミュージカルにすることについて、どう感じておられてますか?
大東:絶対に別物にはなると思います。演じる人によっても変わってくると思うので。あとは、音楽にどこまで頼るのか。そこは全員が共通認識をもってないといけないので、僕は、本当に一語一句逃さないように聞いて、みなさんについていきたいという気持ちですね。

-この作品のために、もうギターを練習されていらっしゃるんですね?
大東:そうなんです。もうじゃんじゃん練習しています!もしかしたらめちゃくちゃかっこよく披露する場合もあり得ますし…
平間:さっきは「まぁまぁかも」って言ってたよ。
大東:あまり期待は…きちんと準備して挑みます!(爆笑)

-脚本を拝見したところでは、大東さんが演じるギレルモについてはあまり深く書き込まれていないようですが、深いバックグランドがありそうな人物ですね。
平間:うん、確かに。
大東:演出家さんと話したいことがいっぱいあるのですが、いろんなバランスなどを考えると、たぶん僕の素のキャラクターや声を活かした役作りをすることになるのかなと想像しています。自分のキャラクターに上乗せしていくみたいな感じがいいのかなと。
平間:いいと思う。自分があっていい。
大東:そう言っていただいたので、それで!(笑)

-平間さんが演じるクリスチャンは?
平間:脚本にはたくさん描かれていますけど、自分でセリフを喋ることは意外と少なくて、関わっている他のキャラクターたちが「その時クリスチャンはこうだった」と代わりに喋ってくれるシーンが多い。自分で喋った方が気持ちは乗ってくるので、内心の葛藤を表現するが難しいだろうと思っています。
舞台版を見ると、衝撃的なシーンもそこまで激しい演出ではなく表現していたので、ミュージカル版ではそこがどんな演出になるのか? 台本を読んでも、まだどう芝居をしたらよいかわからないので、楽しみにしています。

ーではミュージカルになることもですが、舞台版をご覧になった方も楽しみに観に来ていただきたいですね。
平間:そこはやっぱり1番大事にしたいと思います。元々『無伴奏ソナタ』という作品の大ファンだった方々が残念に思うことがないようにやっていきたいと思います。

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-楽曲は聞かれていますか?
平間:ちょっとずつ出来上がったものを聞いています。いい感じです。
大東:本当に素敵ですよ。
平間:(大東へ)音楽の杉本(雄治)さんの顔を見たことがある?すっごく優しい人、見るからに優しい人なんだ。
大東:そうなんですね!
平間:そんな「優しい杉本さんの中から出てきたな」というイメージの音楽です。先日、杉本さんとふたりでのインスタライブで、杉本さんが「自分がクリスチャンのように禁じられたら、どういう音楽を作るだろう」と考えているって聞いて「いいな、その考え方」と思って。そしたら、ああいう曲ができたって。
大東:すごいですね。

―次は「クリスチャンにとっての音楽のように、なくてはならないものは何ですか?」とお尋ねしようというところでした。いかがでしょうか。
平間:やっぱり人かなぁ。 ひとりでは生きていけないけど、俺はひとりを選びがちなのよ。他人と違うことを狙ったり、あまり他の人と一緒に食事に行かなかったりとか。でも思い返してみると、みんなが俺のことを見てくれてること、気にしてくれてる人が多くて、それに助けられていると思います。 見放されたら、本当にひとりになってしまうと思うのだけど、いつも気にしてくれているから、今もいられるんだなと思います。それはお客様も同じ。俺はSNSもあまり頻繁にあげない。それはたぶん、周りと違うことをやりたがってるからかな。「ちょっと今、投稿するのは、どうかな」とか、躊躇してる間に時間ばっかり過ぎていってます。それでも見放さないでいてくれているから…。甘えきってます。(笑)

-実は甘えてたんですね。大東さんに無くてはならないものは?
大東:すごい答えを思いつきました。無くてはならないものは、自分の五感ですね。僕、絶対1個も欠かせないです。もっと言っちゃうと六感なんですけど、それを話すとずれちゃうので、五感。視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚。この全てによって表現ができると思っているので、僕が活動していく上で本当に必要不可欠なものです。

-これからの抱負、人生の抱負をお願いします。
平間:ありきたりな言葉なんですけど、本当に後悔しないように生きていかなきゃなと思っています。友達とか親とかに「ちょっと失礼なことを言っちゃったかな」と思う時もあるじゃないですか。そこで「もしこれが最後だったら」と考えてみると、ずっと後悔しちゃうと思うんです。そういうことがなるべく少ないように、他の人に優しく生きていきたいと思います。
先日、実家に帰った時に親が、転んでしまったおばあさんを見かけて、動揺もせず考える間もなく当たり前のように助けて救急車呼んだりする様子を見て、「こういう大人って、やっぱりかっこいいな」「自分だったら直ぐにできるかな」と思って。「その一瞬一瞬で、後悔しない生き方を選択できる自分でありたいな」と思いました。

大東:僕はどこまでも、どこに行っても、いくつになっても謙虚でいることですね。いろいろ考えることも多いですが、そこだけは絶対外したくないと思います。

-最後に、この公演を観に来ようか、迷っている方へ一言お願いします。
平間
:迷うところまできた人には、ぜひ来てほしいと思います。今は作品がいっぱいあって、自分のところに情報が来ない作品の方が多いと思います。でも、この作品が目に入って、どうしようかなと迷ってくれてるんだったら、こんなチャンスはもう無い。この『無伴奏ソナタ』という作品を生で観る機会は、今だけかもしれないと思うと、観ておいた方がいいんじゃないかなと思います。「これは観ない方が良かった」という舞台は絶対やりませんから。迷うところまで来た人は観に来てくれた方がいいなと思います。

大東:この作品で人生観が変わる可能性があると思っています。音楽の大切さを知るとかだけではなく 、人との繋がりについて考えさせてくれると思います。
観終わった後に、家族や友達とどう関わってきたのか、自分はどういう考え方をしてきたのか。答えがないからこそ、自分を振り返る良い機会になると思います。この作品を観て後悔することは確実にありません。そこは間違いないです!

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『無伴奏ソナタ -The Musical-』
【原作】 オースン・スコット・カード 【翻訳】 金子 司
【脚本・演出・作詞】 成井 豊   【音楽】 杉本雄治
【出演】
平間壮一 多田直人(キャラメルボックス) 大東立樹 熊谷彩春 / 藤岡正明
畑中智行(キャラメルボックス) 原田樹里(キャラメルボックス) 染谷洸太 西野 誠 町屋美咲 / 霧矢大夢
【東京公演】 2024年7月26日(金)~8月4日(日) サンシャイン劇場
【大阪公演】 2024年8月10日(土)~8月11日(日) 森ノ宮ピロティホール
企画・製作:ナッポスユナイテッド アミューズ
助成:公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京【芸術文化魅力創出助成】
公式サイト:https://napposunited.com/sonatathemusical/
公式SNS(X):@mubansoumusica