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ミュージカル「マリー・キュリー」愛希れいか&清水くるみ インタビュー 愛希「信念を貫いて生きた人たちの生きざまが凝縮されている作品」清水「新しいちゃぴさんだと思います!」

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「ありえたかもしれない」もう一人のマリー・キュリーの物語、ミュージカル「マリー・キュリー」が、3月13日(月)に 天王洲 銀河劇場にて幕を開ける。
元素ラジウムの発見などで2度のノーベル賞に輝いたマリー・キュリーの物語を、Fact(歴史的事実)とFiction(虚構)を織り交ぜて描き、2018年に韓国で初演。
2021年の韓国ミュージカルアワードで大賞ををはじめ5冠を達成し、2022年にはマリー・キュリーの故郷・ポーランドでの音楽祭に招待され、11月にはロンドンでショーケース公演を開催と、大注目されているミュージカルが日本初公演となる。

今回、Astageにご登場いただくのは、マリー・キュリー役を演じる愛希れいかさんと、マリーの親友、アンヌ役を演じる清水くるみさん。
初共演ながら、普段から親しいおふたりが、本作の見どころやお稽古の様子など、たっぷり語ってくださいました。

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―おふたりの出会いは?
清水くるみ:私が韓国ドラマを好きで、ちゃぴ(愛希)さんもお好きだと耳にしていたので、たまたま観劇で一緒になった時に、突然でしたけど「初めまして。ご飯行きましょう!」とお誘いしました。以来、仲良しです!
愛希れいか:あれは2018年か2019年、コロナ前でしたね。イベントで一緒に出演することはあっても、デュエットもしたこともないので、がっつり共演するのは今回が初めてだね。(笑)
清水:プライベートが先だったので、お仕事で一緒になると、ちょっと恥ずかしい。(笑)
愛希:恥ずかしいって言われると、私も恥ずかしくなっちゃう。
清水:はい!もう言いません!(笑)

―本作の韓国版をご覧になられましたか?その印象は?
愛希:映像で見ました。自分がやるとなったら、楽曲は難しそうだなと思いました。でも、とても耳に残る音楽だと思いました。
清水:私も映像で韓国版を見て、自分の演じるアンヌのシーンだけを繰り返し見ていたのですが、本読みでちゃぴさんと上山さんのデュエットを一度聞いたら、その曲が頭から離れなくてしまって、ずっと頭の中で流れています。おふたりのハーモニーがとっても良くて、大好きです。
愛希:確かにすごく素敵な曲です。
清水:本読みでは、自分の場面でも感情がこみ上げてきたのですが、おふたりの歌とお芝居の場面では一観客になってしまって、ずっとボロボロ泣いてました。
愛希:本当にずっと泣いていたよね。
清水:「本当に素敵な作品だな」と思いながらいました。

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―お稽古も始まって、役作りはいかがですか?
愛希:キュリー夫人のイメージといえば、私も子どもの頃に学んだ、二度もノーベル賞を取った人だということぐらいしか知らなかったので、台本を読んで一からマリーについて知っていきましたが、専門用語ばかりですし、とっても大変な役です!台詞を覚えながら「マリーはこういう考え方をしていたのか」「これを考えて次々とできるとは、なんて素晴らしい」「本当にこの人はすごいな」と感じています。
清水:台詞は理解しながら覚えているの?
愛希:まずは入れる(覚える)けれど、やっぱりイメージができてないと、すぐに忘れてしまうので、内容を理解して覚えるようにしています。でも、完全には理解しきれないので、ずっと調べてばかり。それでも、わからないことの方が多くて。
清水:(演出の鈴木)裕美さんの机の上にも、そんな本がいっぱい積んであります。
愛希:どうやって研究していたのか、実験ではなぜこの動きをするのか、全部調べています。
清水:私から見ると、ちゃぴさんのマリーが、ものすごくオタク…研究一筋の、内にエネルギーを秘めた人に見えます。私の演じるアンヌが、初めてマリーと出会う場面の挨拶一つで、それがわかる。こういう愛希れいかさんは見たことがないです。新しいちゃぴさんだと思います。
愛希:ありがとうございます!(笑)

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―清水さんのアンヌ役はいかがですか?
清水:アンヌは架空の人物で、マリーに影響を与えるマリーの親友です。もしマリーがアンヌに出会っていたら、マリーはこうなっていたのではないかという部分が描かれていきます。物語を進めていくパワーが必要な役だと思っています。ただ、私も先に韓国版を見てしまっていたので、つい韓国版の俳優の表情や雰囲気をなぞりがちになってしまうのですが、裕美さんと稽古していくうちに“マリーが一番勉強できる優等生だとしたら、アンヌはマリーとは真逆でスポーツが得意なタイプだ“と言われていて、韓国版よりももっとアクティブなアンヌになるのかなと思っています。でも、活発な感じにしようとすると、私の場合は年齢が下がって見えがちなので、そこは今、悩んでいるところです。

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―元から仲が良いおふたりが親友役というのはよかったですね。
愛希:初めましてだと、一から関係性を築かないといけないので、今回はありがたいです。

―マリーの夫役の上山竜治さんとも、愛希さんはミュージカル『エリザベート』で共演されていましたね。
愛希:台詞を交わすシーンはほとんどなかったのですが、ずっと共演者としていろいろなことを乗り越えてきたので「今回は台詞が交わせて嬉しいね」と話しました。

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―本作の大きな特徴が、単なるマリー・キュリーの伝記ではなく、ファクション・ミュージカルとのこと。その点については、どのようにとらえておられますか?
愛希: Fact(歴史的事実)とFiction(虚構)が織り交ぜられているので、架空の人物も出てきますし、マリーがいろんな出会いやアンヌとの友情によって変わっていく様や、彼女の強い思いが、事実とフィクションを織り交ぜて描かれています。そのマリーの姿に女性としてもとても共感しましたし、一層興味が湧きました。
清水:アンヌは時計工場で働いていたので、ラジウムで侵されてしまいます。(注:当時、ラジウムが蛍光塗料として使われており、筆でラジウムの液を時計の文字盤に塗っていた。その筆を整えるために穂先を舌で舐めてからラジウムを塗っていた)
今日は衣装合わせでラジウムによって健康被害にあった姿を晒すシーンの衣装も試着したのですが、残酷なほどに痛々しい姿で。これが現実にあったことなんだということも、わかりやすく伝わると思います。

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―私は韓国版を観たときには、ファクション・ミュージカルだと知らず、描かれている内容が全部事実かと思って観ていました。
愛希:ラジウムの健康被害があって、多くの人が亡くなってしまったのは事実です。でもマリーは、自分が発見したラジウムを自分の娘・息子のように思っていて、愛情をかけていたし、守りたいと思っていたので、恐らく人体への影響はわかっていただろうけれど…
清水:現実には、マリーはラジウムが有害であることは公には認めなかった。
愛希: そこが今作では事実とは違う、Fiction(虚構)になるところです。すごく厳しい時代の話で、マリーだけでなく、アンヌのようにその時代を精一杯、信念を貫いて生きた人たちの生きざまが凝縮されている作品なので「そんな人たちが本当にいたんだ」「そのおかげで今があるんだ」と、すごく感じます。そこは、きっと伝えられると思います。

―観終わって、持って帰るものが多い作品ですね。では最後に、観に来て下さる方、まだ観に行こうか迷っている方へもメッセージをお願いします。
清水:「難しそうだな」と思われるかもしれませんが、アンヌと同じ目線に立って観てくだされば、全部わかりやすく説明してくれますし、難しいことは何も無いので、その点は心配なく観に来ていただきたいです。音楽も本当に耳に残ります。
愛希:裕美さんが敢えてポップにしてお客様に楽しんでもらえるように、日本の方に受け入れて頂きやすいようにしたりとすごく考えて下さっていますし、皆で良いものにするために頑張っています。メッセージ性もあり、音楽もとても素敵なので、是非、ご覧頂きたいです。

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ミュージカル「マリー・キュリー」
脚本 チョン・セウン
作曲 チェ・ジョンユン
演出 鈴木裕美
翻訳・訳詞 高橋亜子
出演 愛希れいか 上山竜治 清水くるみ
能條愛未 宇月 颯 清水彩花 石川新太
坂元宏旬 聖司朗 高原紳輔 石井 咲 大泰司桃子 / 屋良朝幸
企画製作 アミューズ
公式サイト https://mariecurie-musical.jp/

東京公演
日程 2023年3月13日(月)~3月26日(日)
会場 天王洲 銀河劇場
大阪公演
日程 2023年4月20日(木)~4月23日(日)
会場 梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ