『DAYDREAM BABYS*』松岡充、荒木宏文、五十嵐麻朝、真緒、久保田秀敏インタビュー 【前編】から続く
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五十嵐麻朝 久保田秀敏
真緒 松岡充 荒木宏文
―互いを知り尽くした、みなさんですが、『私のホストちゃん』を振り返りつつ、それぞれの長所をどう見ているのか、教えてもらえますか？ では久保田さんからお願いします。
久保田：例えば麻朝くんは「ザ・兄貴肌」なんですよ。『ホストちゃん』の出演を重ねて、どんどん堂々としてきてひっぱってくれている感じが強くなりました。稽古場では、結構ぶつかることもあったんですが…
松岡：（話を引き取って）殴り合ったこともあったよね。(全員が大爆笑)
―えっ～??
久保田：ありましたねぇ～。
松岡：あるんですよ、そういうことも。
久保田：ここで初めて言いましたね。
松岡：男の現場ですから、そういうこともありますよ。
久保田：作品を良いものにしたいという気持ちがそれぐらい真剣だったということです。ぶつかることもあったからこそ、結果的に良い作品が出来たのかな…と思いますね。
荒木くんはもともとしっかりしているし、どっしり構えているので、何も心配せずについていけました。『ホストちゃん～福岡編～』で初めてご一緒させて頂いて、それ以降もご一緒した舞台作品がありますが、その堂々とした姿は変わらない。主役じゃないところでも、しっかりと目を引く存在で、すごいなぁと思っています。
松岡さんはカンパニーを引っぱって下さったのはもちろん、みんなが「アニキ」と慕ってついていきましたね。僕らが安心して演じることができるカンパニーを作って下さったので、本当にやりやすかったです。今後、僕が座長になったときに役立つカンパニー作りのお手本を学ぶことができたと思います。
真緒さんは今回、初めてですね。僕はゲストで1日2回公演だけの出演なのですが、どうぞ仲良くして下さい。よろしくお願いします！
―荒木さんからは、いかがですか？
荒木：本番を見て思ったのは、麻朝くんは「えっ?!そっち？」という答えを出す人なんだなと。(笑) 『私のホストちゃん』のお客様を口説く口説きタイムでは、毎度のごとく予想を裏切られましたね。
五十嵐：トップバッターだったんで、難しいんです！受けに走ってもダメだったりして。(笑)
荒木：アンパイじゃない、意外なところに迷わずいくという勇気はなかなか持てないものですが、麻朝くんは男らしくすっと行く。すごいなぁと思いましたね。
クボヒデ（久保田秀敏）は麻朝くんとは逆に、お客様が求めているであろう王道の答えをちゃんと分かって、ドンピシャで出せる人ですね。王道っていうと、媚びているとか思われがちだから、ひねったりしてちょっと違うことをやりたくなるものですが、シンプルにストレートに「これが欲しいんだろ」って(笑)、ちゃんと分かって、迷わずにきちんと提示できる。しかも失敗がない。ホントにプロだと思います。反面、役者としてのプライドは別にある。口説きタイムというサービスの時間にきちんと発揮できるタレント性を持った人だと思います。
松岡さんは人の根底を見抜く力がスゴイ人です。誰とでも仲良くなれるし、誰もが慕う先輩です。何も分かってないのに頭ごなしに意見をする先輩もたくさんいますが、松岡さんは相手がどんな人なのかを知った上でコミニュケーションされる。しかも、その人の本質を見抜く力がすごい。見抜くのが早いんですよ。こちらも「どうせ見抜かれてしまう」と感じるので、正直になれる。変にかまえなくていい先輩ですね。僕の舞台を観に来て下さって、終演後に松岡さんに楽屋でお会いすると緊張感が全部解かれて、腰が抜けそうになります。それくらいありのままでいられる先輩ですね。
松岡：つきあっているみたいなコメントですよね。「オマエといる時だけは、俺はホントの俺になれる」みたいな。(笑)
―五十嵐さんから見て如何ですか？
五十嵐：荒木くんの第一印象は近寄りがたいイメージでしたが、最近は僕が一方的に「仲良くなってきたな」と思っていまして(笑)「先輩だけどカワイイじゃん」と思っています。本当にかわいい部分があるんです。ファンの方はご存じなのかもしれませんが、僕の知っているアラヤン（荒木宏文）はお茶目というか、でもクールなんです。僕がたまに下ネタを言って笑ってくれると、とても嬉しかったりします。(笑) 僕が年下ですが「アラヤンはカワイイ！」と思っています。
松岡：何歳違うの？
五十嵐：1歳か2歳ですね…
荒木：1歳違いですね。
五十嵐：そのうち「アラヤン!」って肩に手を置けるようになると思います。今回も稽古でいろいろ勉強させてもらいたいと思っています！
クボヒデは一見すごく真面目そう。稽古中もずっと台本を読んでいたりして、稽古場から出ない男です。皆さん、真面目ですが、最初はクボヒデを「すごく勤勉な方だなぁ」と思っていました。（全員が爆笑）はい。ダンスもキレキレですし…。でもちょっと抜けている部分もあって、クボヒデに出会ってから「人間って面白いなぁ」と思うようになりましたね。『ホストちゃん～名古屋編～』あたりから、距離も近く感じてきました。
久保田：そうですねぇ。
五十嵐：松岡さんについては、才能ある人はたくさんいると思いますが、才能だけでなく、努力も怠っていないからこそ、今も第一線にいられるんだろうなぁと思います。僕らは稽古場に来てからアップしますが、松岡さんはアップし終わってから稽古場にいらっしゃる。僕が松岡さんに出会った頃には、そういう心構えが当り前だということにも気が付いていなかったので、プロ意識というか、プロとしてあたり前のことをたくさん松岡さんに教わって、今に到ります。はい。(笑)
真緒さんとは今日初めてお会いしたのですが、優しい方だなという印象です。僕も人見知りなので、これから仲良くなっていけるかなと稽古が楽しみです。
―初参加となる真緒さんからは？
真緒：今日は松岡さん以外の皆さんとは「初めまして」なんですが、こうして何気なく接している時と舞台の上とは差が大きいと思いました。何分、僕は舞台出演が初めてなので、いろんなことをご教授頂けたらと思います。
松岡さんは同じ関西出身で、ロックバンドのボーカルとして本当にインディーズの時から大好きで、ずっと背中を追いかけていきたい兄貴です。音楽業界の直結の先輩で、恐れ多くて、実はいまだに緊張しています。(笑)
―では最後に松岡さんから、お願いします！
松岡：久保田くんは自分というものがしっかり形成できていて、役者・久保田秀敏というものや価値観をしっかり持っているのでしょうね。そこを通して、すべての役や立ち位置が揺るがない。そして稽古場でも本番でも無駄なエネルギーを使わないエコなスタイルだと思いました。ブレ無く、イメージどおりのよくできた答えを平均して出せる優秀な人です。でもたまに、ちょっとブレた時、踏み外した時にすごく人間らしい久保田くんが見える瞬間がある。ムチャなところ、バカをするところもあって、それがとても魅力的で、久保田くんの本当の面白いところだと思っています。今回は1日2回公演だけのゲスト出演ですが、そこで久保田くんが愕然とする姿を見てみたい。ファンの方もその姿にキュンとなるんじゃないかなと。(笑)
久保田：やりましょう!!(笑)
松岡：アラヤンは…まず音楽についてだけ言うと…、本人は嫌かもしれないですが、僕が東京でデビューしたての頃…、その前にもチケットを売ってライブしていたし、CDも作って売っていたのでプロだと思ってやっていたんですが、東京に来て活動を始めた頃にいろいろなことに疑問がわいてきて、メジャーでやることや音楽がビジネスになることに馴染めなかった。そんな頃に苦しみながら出した嗚咽が実は作品になり、その嗚咽にリアリティを感じた仲間が集まって活動につながっていったんです。今40代半ばになって振り返ってみると、音楽的にはその時にしかできないものだったし、今それをやろうと思ってもできないものだと思います。でもアラヤンはそれをずっと持ち続けている人に見えます。きれいなガラスを作るんじゃなくて、ガラスをバンバン割って「キレイな欠片ができた」と言っているように見えるんです。そこをフィーチャリングしたいと思って「STELLAR」をプロデュースさせて頂きました。
アラヤンにとって芝居は歌とは全くの別チャンネルですね。アラヤンも立ち位置や役割を分かって責任感をすごく持っている俳優ですが、そこは彼のスタートライン。誰にも予想できない跳躍力をどこで出すかをずっと考えて、そのためのスキルを持とうと頑張っている人です。今回の『DAYDREAM BABYS＊』では、その異なる２つのチャンネルが1つになる瞬間が見られるんじゃないかと思っています。音楽は自分が前に出るもので、ガラスを持った血だらけの手でアシストもしなきゃいけない…そういう複雑なことを、彼は多めにやらなきゃならないのかなと思っています。
―それは、ここでしか見られない荒木さんですね。
荒木：表現すると言う点では同じでも、音楽と役者はアプローチの仕方が違うので、完全に違うものと考えているのですが、今回の『DAYDOREAM BABYS＊』では、両方を同時に行わなきゃいけない瞬間があると思います。
松岡：結果的にそういうアラヤンが見られると思いますね。
麻朝くんは性格が良くて、う～ん、真綿のような人なんですよ。僕が思う本当にかっこいい男の要素をたくさん持っているのに、でもその純粋な性格ゆえに自分の武器となるものに気が付いてないところが多い。ちょっとしたしゃべり方や目線の動かし方とか、ぱっと見た容姿だけじゃない、男の懐みたいなものがにじみでるようなシーンって、今まであまり見せてこなかったんじゃないかと思うので、彼のそういう魅力を引き出したいなぁと思っています。そして、みんな熱い人たちなのですが、麻朝くんは情に篤いところがある。川で誰かが溺れていたら、真っ先に助けに行って自分も死んじゃうみたいな。(笑) その無垢な心が、すごくかっこいい。それを出せたらいいなぁと思いますね。
―そして真緒さんですが…
松岡：バンドのボーカリストの後輩としてしか、まだ真緒を見たことがありません。でもこれは誤解を招く言い方かもしれませんが、バンドも役なんです。そういう意味では「初めてだらけ」と言っていたのは、ぶっちゃけ嘘です！(笑)
真緒：そんなものですか?!(笑)
松岡：「Sadieの真緒にリアリティの感情を入れています」というのは、俳優も同じだよ。だから芝居もできると思います。ただ滑舌が良くない。ライブのアンコールで感情があふれて話し出すけど、何を言っているのか、さっぱり分からない！(笑) そのあたり、台詞を調整したいですね。でも真ん中に立った時のオーラの出し方が半端ない。そして持って生まれた武器、声が素晴らしいので、それを初めて観る人たちに魅力として伝えられたらと考えています。
―魅力いっぱいのみなさんステージ。何が飛び出すか、楽しみにしています！
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＜『DAYDREAM BABYS*』 公演概要＞
【タイトル】 MITSURU MATSUOKA presents 『DAYDREAM BABYS*』
【構成・演出】 村上大樹
【芝居脚本】 鈴木おさむ
【出演】 荒木宏文 平田裕一郎 五十嵐麻朝 真緒／ 松岡充
special guest musicians・・・Bass: 恩田快人（ex JUDY AND MARY）/Guitar:豊田和貴（MICHAEL）
special guests・・・富田翔（7/27（水）19:00）、廣瀬智紀（7/28（木）14:00／19:00）、秋山竜次（ロバート）（7/29（金）19:00）、久保田秀敏（7/30（土）12:00／17:00）、オキャディー・町田宏器（7/31（日）12:00）、なだぎ武（8/13（土）12:00／17:00）
＜東京＞ 【会場】 赤坂BLITZ （港区赤坂5-3-2 赤坂サカス内）
【公演期間】 2016 年7 月27 日（水）～31 日（日）
＜大阪＞ 【会場】 なんばHatch （大阪市浪速区湊町１－３－１）
【公演期間】 2016 年8 月12 日（金）～14 日（日）
【東京・大阪公演チケット】 全席指定\8,000（税込）
【HP】 http://www.daydreambabys.net
★SPECIAL GUEST 出演回
7/27（水）19:00・・・富田翔
7/28（木）14:00／19:00・・・廣瀬智紀
7/29（金）19:00・・・秋山竜次（ロバート）
7/30（土）12:00／17:00・・・久保田秀敏
7/31（日）12:00・・・オキャディー・町田宏器
8/13（土）12:00／17:00・・・なだぎ武
☆松岡充Birthday SPECIAL 8/12（金）19:00
【お問合わせ】 東京公演：サンライズプロモーション東京 0570-00-3337（全日10:00-18:00）
大阪公演：キョードーインフォメーション 0570-200-888（全日10:00～18:00）
（プロフィール）
松岡 充（Mitsuru Matsuoka）
’71年8月12日生まれ。大阪府出身。SOPHIA・MICHAELのヴォーカリスト。映画『御手洗薫の愛と死』（’14年）、舞台『私のホストちゃん～血闘！福岡中洲編～』（’14年）、ミュージカル『フォーエヴァー・プラット／Forever Plaid』（’13年／’16年）など、俳優活動も幅広く行なっている。
荒木宏文 （Hirofumi Araki）
’83年6月14日生まれ。兵庫県出身。俳優集団「D-BOYS」のメンバー。’07「獣拳戦隊ゲキレンジャー」では、悪の首領・理央役に大抜擢。その後もドラマ「グッドライフ」「シュガーレス」「闇金ウシジマ君」や、映画「ビートロック☆ラブ」「20世紀少年」、舞台「淋しいマグネット」「里見八犬伝」「武士白虎～もののふ白き虎～」、ミュージカル「黒執事―地に燃ゆるリコリス―」、歌劇「明治東亰恋伽～朧月の黒き猫～」などに出演。9月には舞台もののふシリーズ第2弾「瞑るおおかみ黒き鴨」への出演も控える。音楽面でも昨年デビューし、松岡充がプロデュースした2ndシングル「STELLAR」でオリコンデイリー3位を獲得するなど活躍の場を広げている。
五十嵐麻朝（Maasa Igarashi）
’85年1月13日生まれ。青森県出身。2011年に映画『パラダイス・キス』、2013年『図書館戦争』『潔く柔く』に出演したほか、舞台にも精力的に参加。2013年朗読劇『しっぽのなかまたち２』、舞台『私のホストちゃん』、2014年〜2015ミュージカル『薄桜鬼』、2015年舞台『「戦国無双」関ヶ原の章』、2016年『美男高校地球防衛部LOVE！活劇！』ほか。８月３１日（水）～９月８日（木）にかけて、舞台『ホイッスル！～BREAK THROUGH-壁を突き破れ～』（劇場：シアター１０１０）への参加が決定している。
真緒（Mao）
6月７日生まれ。京都府出身。昨年９月にZepp Tokyoで行なったワンマンライヴをもって活動休止期間にはいったバンドSadieのヴォーカル。現在は、ギターの美月とユニット“The THIRTEEN”を結成し、５月25日１st Album『PANDEMIC』をリリース。6月24日には赤坂BLITZで初ライブ＜INDEPENDENT13＞を行なう。松岡充からの声がけで、今回が初舞台となる。
久保田秀敏 （Hidetoshi Kubota）
’87年１月12日生まれ。福岡県出身。ミュージカル『テニスの王子様』2ndシーズンで仁王雅治役を演じ、2013年8月には舞台『心霊探偵八雲 いつわりの樹』で主人公・斉藤八雲役を演じた。その後2015年にも『心霊探偵八雲 祈りの柩』で主役を演じている。2013年からは舞台『私のホストちゃん』、2014年『私のホストちゃん～血闘！福岡中洲編～』、2016年『私のホストちゃん THE FINAL 〜激突！名古屋栄編〜』シリーズにも出演。８月７日から14日かけて舞台『若様組まいる』＠天王洲銀河劇場への参加が決定している。
