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来春、舞台『 ETERNAL CHIKAMATSU 』出演 中島歩インタビュー

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来年2月大阪、3月には東京で上演する『 ETERNAL CHIKAMATSU 』~近松門左衛門「心中天網島」より~は、これまでにそうそうたる俳優たちを演出してきた世界的演出家のデヴィッド・ルヴォーが近松の世界を現代社会に融合させた新作戯曲。深津絵里、中村七之助のダブル主演、中島歩の出演が決まっている。

少し身体をかがめながら「よろしくお願いします」とインタビュールームにあらわれた中島歩。180cmを優に超える長身でスマートな抜群のスタイルで全身ブラックをラフに着こなす。
端正な顔立ちやこれまでの出演作などからクールなイメージの中島だったが、目の前にいる彼のまわりには穏やかな空気が流れていた。
落ち着いてみえるのは「声が低いだけ」と笑うが、それだけではないであろう。
彼のこれまでのこと、これからのことをAstageは聞かせてもらうことができた。

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――『 ETERNAL CHIKAMATSU 』来春上演とのことで、まだ稽古前だと思いますが、出演の話をいただいた時の気持ちは?
憧れの場所だったBunkamuraシアターコクーンでやれることが嬉しいです。
深津絵里さんは大ファンでしたので嬉しい。どういう風に取り組むのか間近でみられるのが勉強になると思っています。歌舞伎俳優の方との共演も初めてなので、中村七之助さんの取り組みから、どういう芝居ができていくのかを一緒に稽古をして吸収できたらと思います。

 ――『 ETERNAL CHIKAMATSU 』のどんなところに注目していますか?
心中という普遍的なテーマをこの現代に置き換えることで、観る人に心中がどう印象付くのか、私自身もとても気になっています。2つの違う時代をどう表現するか、具体的なことはまだわからないけれど、それは不安でもあり、また大きな楽しみでもあります。

――大学時代、文芸学科でしたが、近松のような古典文学も専攻されていましたか?
いえ、やらなかったですね。ただ、落研にいたので心中を題材にした落語はいくつかあります。心中したいという意味ではないけれど、心中は遠いものという感じではないですね。

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――心中しようと思うくらい強い恋愛をしたいですか?
“死にたくない”と考えたら、したくないということになるのかもしれないですね。でも、こういうひとときは楽しいですから。昨日、恋している友人と「自分がイタリア人になった気になるよね」と話してたところです。恋愛をしていると、あぁこんなにロマンチックなことができるんだ。じゃぁどんどん恋したらずっとイタリア人でいられるね(笑)。

――今までそういうロマンチックなことを何かしたことがありますか?
高校生の時かな、お台場の海浜公園で夕日を見ながら告白したことがあります。用意周到に準備しました。それが一番かな…。
最近では、あまりああしようこうしようとは考えないです。
恥ずかしがりやなので、こういうことはできない方だと思います。

――「落研(落語研究会)」だったのはどうしてですか?
目立ちたがりだったので、お笑いをやりたかったのです。勧誘の時に「落研という名のお笑いサークルだ」と言われて、コントや漫才をやるサークルだと思って入ったら、すごく厳しい落語サークルで、話が違うじゃないかと。でも、やっているうちに面白くなってきて、そのまま4年間続けました。きちんと着物も着て、本格的にやっていましたね。

――クールなイメージで、目立ちたがりのようには見えないですね
そうですか?そんなものです。チヤホヤされたいというのが最初にあって、それからお芝居が好きになっていったのです。そもそもは女の子にモテたい!そんなところからです。(ちょっと恥ずかしそうに)みんなは違うのかなぁ…。

――脚本を読んで、気になること、疑問に思うことなどは演出家にどんどん聞く方ですか?
うーん、今はわからないです。聞いたほうがいいのか、自分で考えたほうがいいのか。
結局はこう考えてきたんだということをお芝居で見てもらえるようにすることが一番いいとは思っています。話し合いは必要だと思いますけど。

――学生時代にモデルとして舞台に立ったことは、今舞台に立つようになって、プラスになっていますか?
舞台ということでは、モデルよりも落語の方が楽しかったです。ただ、カメラマンやスタイリストいろいろな人たちに出会うことができたのは、表現云々ではなく、学生だった自分にはとてもよい経験になりました。

――落語は観客が自分一人だけを見ているものですよね。はじめて他の人と舞台に立った時はどんな気持ちでしたか?
どこに観客の目線が向いているか。あの人、今めっちゃ喋ってるけど、じゃぁ今自分はどういう状態でいたらいいか!と自意識がピンピンしてきますけどね。

――とても冷静ですね
そんなことないです。

――あまり緊張しないタイプですか?
いや、します!します!します!
映画の現場などは特に緊張します。
自分が小さくなっちゃったみたいに感じます。舞台は1ヶ月やってきたという思いがありますから大丈夫。ただ脚本が直前に上がって、台詞が変わるなど不安が残っていたら、とても緊張すると思います。それに緊張の度合いというのは、演出家をどのくらい信頼できるかによって変わってくると思うのです。不安の要素があればあるほど緊張するでしょうし。

――緊張することでお芝居に影響はありますか?
緊張ってすごく邪魔なもの。ある程度はした方がいいけど、『黒蜥蜴』の舞台に立っている時に、自分にとってどの状態がいいのか、かなり探ってみたのです。
ぐーっと入り込んで、緊張感の高い中で演技していると、その緊張感のある部分でしかできなくなってしまう。場合によってはそのくらいの緊張感の高まっている中での演技が生かされる時もあるでしょう。
しかし、もう少し緊張度が和らいでいるほうがいろいろなことができ、表現も豊かになれるということを経験しました。緊張度を緩めすぎると、今度はだらけ過ぎてしまい、やっていることが恥ずかしくなってしまうので、自分の中で緊張のラインをどこに持っていくか!というのは芝居をやるにあたって、ものすごく大事なことだと感じました。

――ラグビー日本代表の五郎丸選手のキックの前のルーティンが話題になりましたが、集中力を高めるために、何かしていることはありますか?
特にこれといったこだわりはないですね。ただ、舞台の2時間前には来て、一息ついてストレッチして、筋トレして汗出して、声出して台詞辿って、劇場をブラブラ歩いて、メイクして本番というルーティンになっていましたね。
集中力ということでは、人と話しているのが一番いいですね。楽屋にいる人たちと話をして、出番前になったら、すこしだけ緊張して舞台に臨む。これが自分にとってよい環境なのかなと思います。

――その時にやっている役柄を引きずるタイプですか?
ぜんぜん引きずらないですね。
ただ、去年『生きてるものはいないのか』という舞台に出演していたとき、僕は笑いをとらないといけない役だったのですが、反応のよくない日があって、盛り上げられないまま終わってしまった。その時には悔しくて泣きました。
そうなった原因にはいろいろな要素がある。そういう発見ができたいい経験にもなりましたね。

――忙しい毎日の中、趣味やハマっていることはありますか?
音楽を聴くことです。最近はゆったりしたものが多く、ボサノバやジャズ、初期のストーンズの曲などをよく聴いています。

――舞台、ドラマ、映画と様々な現場を経験され、自分自身が変わったところはありますか?
お芝居を始めた頃は「お芝居楽しいぜー」と楽しさからの取組みだったけれど、経験してきて、この間ふと役者として生活していくことへの怖さを感じたのです。それだけの覚悟がますます必要だと感じています。

――その変化は仕事への取組みにも変化がありましたか?
モチベーションを上げていく方法はいろいろあると思いますが、やはり一番いいのは楽しむことだと思います。

――話をお聞きしていると、とても落ち着いていますね
そんなことないですよ。声が低いだけです。(笑)
普段は年上の先輩方との付き合いも多いのですが、去年のドラマ撮影時は同世代が多く、ワイワイと楽しかったですね。

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――最後になりますが、Astageをご覧の皆さまへメッセージをお願いします
Astageをご覧の皆様、是非!劇場や映画館へ習慣的に来てください。
そして、舞台『 ETERNAL CHIKAMATSU 』も観に来てください。
どんな素晴らしいパフォーマンスがいつでるかわからないので、毎回来てください!(笑)

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 インタビュー中、一つ一つの質問を丁寧に答えてくれる。ゆったりと落ち着いて話す低音の声に耳を傾けていると、とても心地が良い。
インタビュー後の写真撮影では、予定していた場所はかなりしっかりと日差しが入り、光が差し込んだことで顔に影ができてしまう。すると「僕がここに来ればいいんじゃないですか」と自分から影の写り込まないところに移動してくれるというお茶目でやさしい中島さんでした。
俳優の道を進む覚悟を決めた彼が、これからどんな演技をみせてくれるのか、とても楽しみになった。

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中島歩出演の舞台『 ETERNAL CHIKAMATSU 』は来春、大阪・東京にて上演される。

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中島歩
1988年 10月 7日生まれ  宮城県出身 183cm  A型
2013年舞台『黒蜥蜴』雨宮潤一役でデビュー。2014年前期NHK連続テレビ小説「花子とアン」(宮本龍一 役)で一躍注目を集める。
現在は NHK「 とっておきサンデー」MCアシスタント出演(月一)をつとめる他、映像・舞台で広く活躍中。
【出演情報】
2015年11月18日(水)22:00~放送  NHK BSプレミアム 山形発地域ドラマ「 私の青おに 」(森岡広太 役)
2015年12月4日~13日 青山真治×古典プロジェクト『フェードル 』(東京芸術劇場シアターウエスト)

「ETERNAL CHIKAMATSU」近松門左衛門『心中天網島』より
作   谷賢一
演出 デヴィッド・ルヴォー
出演 深津絵里、 中村七之助/伊藤歩/中島歩、入野自由、矢崎広、澤村國久、山岡弘征、朝山知彦、宮菜穂子、森川由樹 /中嶋しゅう/音尾琢真 他

梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ 2016/2/29(月)~2016/3/6(日)
お問い合わせ梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ  06-6377-3888

Bunkamura シアターコクーン 2016/3/10(木)~2016/3/27(日)
お問い合わせ梅田芸術劇場(東京) 0570-077-039

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