「連続ドラマW シャイロックの子供たち」の完成披露試写会が、10月3日、東京国際フォーラムにて行われ、主演の井ノ原快彦をはじめ、共演の西野七瀬、加藤シゲアキ、玉山鉄二が舞台挨拶に登壇した。
ベストセラー作家・池井戸潤が作家人生の転機として位置付けてきた同名小説を原作に連続ドラマ化した本作は、銀行という組織を通して、普通に働き、普通に暮らすことの幸福と困難さを鮮烈に描いた傑作群像劇。出世街道を外れるも、部下からの信頼が厚い主人公・西木を、ＷＯＷＯＷドラマ初主演となる井ノ原快彦が演じ、西木の部下役を西野七瀬、支店で起きた事件を追う調査役を玉山鉄二が務めるほか、加藤シゲアキ、三浦貴大、前川泰之、萩原聖人ら豪華キャストが集結。いよいよ10月9日(日)午後10時から放送・配信スタートする。
ドラマ本編を観て、井ノ原は「自分が出演しているのですが、めちゃくちゃ面白くてあっという間に終わってしまった。原作が面白いのですが、それを長い時間をかけて紐解いていきますので、WOWOWドラマはお勧めです！」とアピール。「最後までハラハラ・ドキドキという印象です」と興奮を隠せない。
真面目な銀行員役を務めた西野は、「真っ直ぐで芯があって、上司の西木さんを大事に思っている子」と役がらを分析し、「お金を数えるのが難しかったです。毎日練習しました。いざ本番になると本物のお札を使うのですが、（練習用のお札と）感触が違くて･･･」と苦労を語る。
営業成績トップで支店のエース行員役を演じた加藤は、「どうもエースです(笑)」と笑顔を見せつつ、「池井戸さんの原作は凄い怒涛の展開。複雑な事件や問題が重なっていき、その中でうごめいていく人間たちの一人一人の魅力もあり展開も面白い。これをどうやってリアルに再現していくのだろうと思いましたが、それを忠実にかつ4時間半にまとめていて、息をつく暇がないくらい緊張感が走っているドラマ。キャラクターも個性的で魅力的。面白いドラマになったと思います」とドラマの魅力を吐露し自信たっぷり。
その言葉に井ノ原も「凄く分かる！ 緊張と緩和の連続で、もっと観たくなる作品」と頷いていた。
一方、玉山演じる坂井は支店の外から長原支店の人々を俯瞰で見るストーリーテラーのような存在。玉山から見て共感できる人物を尋ねられると「僕の性格は白黒はっきりつけたいし、意外と根に持つタイプ･･･(笑)。追及する側の坂井に共感しますね。人事部という役職は、銀行業に直接関わる仕事ではないけれど、風紀委員的なところに情熱をかけている男も魅力的だと思いました」と、角度を変えて自身が演じた役どころの魅力を伝えていた。
銀行員を演じる上での役作りについて、井ノ原は「銀行員の方と数人お会いしましたが、『100万円なくなったらヤバイ？』と尋ねたら、『ヤバイに決まってる！ 絶対にその現場にいたくない。1円だってヤバイから』と言っていました。どれだけ大変なことかと。あとは、お客様のお金を扱うので清潔感が大事だと。そこを気をつけながらやらせていただきました」と真摯に語っていた。
「銀行について知らないことって多いよね」と登壇者に語りかける井ノ原。加藤も「銀行の裏側ってこうなんだということも分かって色々勉強になりました」としみじみ。
撮影ではこの4人が集まることはあまりなかったそうだが、玉山は「井ノ原さんとお酒の話になって、僕の好きな焼酎をプレゼントさせていただいたのですが、逆にもっといい日本酒をいただいて。他のものをあげたらもっといいものが返ってくるのかなと(笑)」と現場でのエピソードを披露。
加藤は「撮影中に自分の誕生日を迎えまして、井ノ原さんからウイスキーをいただきました」と嬉しそうに告白し、現場ではお酒の話で盛り上がった様子。
西野とは動物の話で盛り上がったという井ノ原。「ラッコの話で盛り上がりました。二人で動画を見せあって(笑)」と、こちらも和やかな雰囲気に。加藤も「ラッコの話で5分くらい盛りがってね」と続け、井ノ原も「シリアスなドラマですが、ほんわかした雰囲気の中でやっていましたね」とニッコリ。
また、本作のタイトルにある“シャイロック”とは、「ベニスの商人」に出てくる強欲な金貸しのこと。「これまでに自分が強欲だなと思ったことは？」と問われると、井ノ原は「お酒のあてにバターピーナツを食べるのですが、あれっていつ止めればいいんですか？」といつまでも食べ続けてしまう“強欲”を明かすと、思わず加藤から「可愛い！」と言われる始末。
加藤は「僕は釣りが好きでマグロも釣るんですが、自分の歳を超える35kgオーバーを狙っていたら43kgが釣れたんです。でも、すぐに50kgオーバーを釣りたくなっちゃって。いつ止めればいいんですか？」と苦笑い。井ノ原から『加藤シゲアキ、世界を釣る！』という番組をやるまではやったほうがいいよ」と勧められ、まんざらでもなさそうな加藤は「ぜひ、WOWOWさんでやらせてください！」とお願いしていた。
最後に井ノ原が「原作の面白さが映像化され、こういう切り取りかたをして、それがどんどん繋がっていく。本当に最後まで誰が100万円を盗ったのか全くわからない。銀行に詳しくなくても、家族や恋人同士、上司と部下の関係性など、１つでも共感できる部分があると思います。そこから銀行を見たときに『こんなふうに見えるんだ』とどんどん中に入り込んでいけるので、寝られない日々を過ごしていただきたい。何度でも観ていただきたい作品です」と熱いメッセージを送っていた。
連続ドラマＷ シャイロックの子供たち」番組情報
１０月９日(日)午後１０時 放送・配信スタート＜全５話／episode０含む＞
放送：毎週日曜 午後10時 ［episode０無料放送］【WOWOW プライム】【WOWOW ４K】
配信：[無料トライアル実施中]【WOWOW オンデマンド】
原作：『シャイロックの子供たち』池井戸潤（文春文庫刊）
脚本：前川洋一
監督：鈴木浩介
出演：井ノ原快彦 西野七瀬 加藤シゲアキ 三浦貴大 前川泰之 萩原聖人 玉山鉄二
製作：WOWOW 東阪企画
番組サイト： https://www.wowow.co.jp/drama/original/shylock/
【ストーリー】
東京第一銀行 長原支店は、中小零細企業が主な取引先の小さな店舗。出世街道を外れた課長代理・西木雅博（井ノ原快彦）をはじめ、家族を支える真面目な女性行員、エリートで策略家の支店長、業績のためにはパワハラも辞さない副支店長、常に成績トップの業務課のエースなど、個性豊かで一癖ある行員たちが皆それぞれの事情や葛藤を抱えながら働いていた。
ある日、長原支店で 100 万円の現金紛失事件が発生する。女性行員が犯人として疑われるが、紛失事件を追っていたはずの西木が突然、失踪してしまう。現金紛失事件と西木の失踪。2 つの謎と長原支店の行員たちの物語が交錯していく。やがて現金紛失事件の裏に隠された 「不正」が明らかに。西木が姿を消した驚きの真相とは。
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