唐沢寿明主演のドラマ「コーチ」が、テレ東系にて絶賛放送中だ。堂場瞬一による警察小説「コーチ」を原作にドラマ化した本作は、伸び悩む若手刑事たちの元に、警視庁人事二課から送り込まれた特命職員・向井光太郎(唐沢)が、“コーチ”として的確なアドバイスを与え、刑事としてだけではなく、人間としても成長していく姿を描く、異色の警察エンターテインメント。
“誰と出会うかで人生は変わる”
約7年ぶりのテレ東連ドラ主演となる唐沢さんが、本ドラマの見どころと、共演する若手俳優たちへの想いを語ってくれた。

― 向井光太郎という個性的なキャラクターを演じる上で、向井という人物像をどのように捉えて演じようと考えましたか?
今までとは少し違うキャラクターだと思います。向井はのらりくらりとしているところがありますが、相手に「これをやれ」とか「あれをやれ」と指示するのではなく、考えさせて成功体験に導いていく。自分で考えないと自分のものにはならないので。他人に言われてできる人は世の中にたくさんいるけれど、自分で考えて行動するのは結構大変なこと。このドラマは、単なるスポ根ものではなくて、人間ドラマもしっかりと描かれています。
― 今回はこれまでとは違う、役へのアプローチの挑戦かと。
僕自身もどうなるかわからないところがありますが、頭の中にイメージはできているので、あとはこの若い俳優たちと組んで、不自然にならないようにできればいいなと思っています。
― 唐沢さんご自身も、現場で若手の俳優さんに教えたり、アドバイスしたり(コーチングを)しますか?
必要があればアドバイスすることもあります。今回の作品は若い刑事たちが出てきますが、彼らが1話1話の主演みたいなもの。それを心して自分のものにしていけば、本当に自分の未来が開けていくんです。今までと同じことをやっていてもダメ。
僕が若い人たち全員を引っ張って事件を解決するというパターンの作品は、山ほどあり(視聴者の方々は)飽きてしまう。時代に合わせてやり方を工夫したり、いろんなことを考えなければいけない。今回、僕は監督たちと脚本も含めて話し合い、最終的にこういう形にさせていただきました。もしかしたら、このドラマを初めて観る方は不思議な感覚になるんじゃないかな。ただ、中身はしっかりしているのでハマると思いますよ。
― 若い刑事たちを導いていくという役柄ですが、逆にご自身が今まで先輩から教えられたり、コーチしていただいたという経験はありますか?
先輩たちにはたくさん助けていただきました。今のプロダクションに入る前の舞台制作事務所の社長にも色々教えていただきました。その当時の僕は20代前半で、ナイフとフォークの使い方もわからなかったから。フィンガーボールの水を飲んだくらいですからね。レモンが入っているじゃない? だから、これ飲む水なのかなと思って(笑)。
― お芝居や現場ではいかがでしょうか?
お芝居は人のものを見て育つしかないと思います。これはオリンピック選手に似ているかもしれません。生まれながらに才能があり、100メートルを走ったら誰よりも速くて、それを誰かが目をつけプロが育て上げる。僕らの業界も一緒です。できる人は最初からできるんです。例えば、こうやってみんなで会話していて、棒読みの人とかいないでしょ?日常では。でも演技をすると棒読みの人がいる。やっぱりその人は向いていないのかも。人生経験が足りないか、才能がないか・・・。すごく残酷なんです、芸能界も。
― 各回に出演する刑事役の俳優の方々にも期待されているのですね。
とてもいいチャンスだと思います。その回は彼らが主役。もちろん僕はドラマ全体の主役としてやることはきっちりやりますが、話の中の主役は彼らなので、彼らがどうするかということです。
彼らがそれをものにして、思いっきり向上してもらいたい。ただ台本だけ読んでそのまま現場に来るようだったらダメ。誰にでもできるようなことばかり繰り返していたら何も変わらないからね。できる人はできるけど、できない人はずっとそのまま行ってしまう。俳優と言う仕事はそういう醍醐味があるから面白いですよ。

― 唐沢さんご自身が「自分は役者に向いている」と思われたときはいつだったのでしょうか?
それはずっと思い込みで来ています(笑)。ただ、 “縁”というものもありますね。以前、ある事務所の社長から、舞台で「蜷川さん(の作品を)やりなさい」とか、「野田秀樹さんやりなさい」とか言われたことがありました。結果的にそれが自分の経験というか、キャリアになっていて。自分も頑張ったけれど、そういう人に出会えたことが大きいんじゃないかな。それに気づかない人もいますよね。凄い人に出会っているのに、知り合いで終わる人もいれば、意味があると思う人もいる。人間関係というのはあらゆる所に必ず意味があるものです。
― 唐沢さんはそういうお声がかかった時に、「あ、これはチャンスだ」って思ったのでしょうか?
その時はやらされた感じでした(笑)。蜷川さんを紹介していただいてお会いしたとき、僕には(シェイクスピアは)まだ早いと思ったので、「すみません、また今度でいいですか?」と言ったら、蜷川さんも「ああ、全然大丈夫だよ」と。それで帰ろうとして立った瞬間に蜷川さんが「死んじゃうよ!」と叫んだんです。「そんな、いつになるかわからなかったら、僕、死んじゃうじゃないか!」と言われて。「じゃ、死ぬ前にやりましょうか」ということでやることになりました(笑)。蜷川さんとは真剣な俳優と演出家という付き合いではなくて、少し友だちみたいな感覚もありました。何がそうさせるのかはその時じゃないとわからない。そこには計算もないですしね。
― 若手にとってチャンスになれば・・・というお話でしたが、現場では唐沢さんご自身の役へのアプローチや現場でのあり方も変わるのでしょうか?
いや、そんなことないです。僕は僕なりにやるし、彼らを見て負けないようにやらないといけないので。でも、彼らにはギリギリのところまで追い込みますよ。演技の時にやるから、相当ビビるかも。「あ、やばい、俺、このままだと食われる」とか、「頑張らないと!やらなきゃ!」と思わないと。今回、彼らも責任のある立場だと思うので必要なときはプレッシャーもかけます。みんな凄く緊張しているけど、自分もそういう時期があったし、やっぱり自分で乗り越えていかないとね。
― そういうコーチングの仕方は、演じられる向井と似ているところもあるのでは?
若くても演技のことは他人に言われたくないと思うから、あまり言わないようにはしています。演技で「あ、そこがダメだから」ということは一切言わないです。それは個性の違いなので。最低限できれば、あとはそれを自分なりにどう役を理解してやるかで、それは僕らの責任じゃない。俳優ってそこが面白い。それぞれ感じ方は違うからね。このドラマには若い俳優が4人出てきますけど、4人それぞれが負けないようにしていかないといけない。
― 向井というキャラクターと唐沢さんご自身が「ここは似ているな」とか、また「ここは全然違うな」と感じる部分はありますか?
似ている部分はそんなにないかな。僕は意外とマイペースで、人は人、自分は自分という感じですし。人と比較したり、誰かを気にするようなことはないですね。
― これまでいろんな役を演じられていらっしゃいますが、役から影響を受けたりすることはありませんか?
いろんな役を提供していただくことはありがたいと思います。本当にその人に見えなきゃいけないので、そういうことを真剣に考えたりすることが本当に楽しいです。別に格好悪くてもよくて、そこに感動があればいい。喜怒哀楽がそこにあればいいので。
― 自分自身を役を通して出すというより、その役になりきる?
なりきってやるしかないですし、それが楽しいです。それが上手くいったのか失敗したのかは凄く気になるけどね。作品によってはやりすぎてしまうので、コメディとか(笑)。今は何やっても怒られない世代になってきて、あまり(意見を)言ってくれる人がいないからこそ自分で戒めていますよ(笑)。
あとは、テレ東の作品はマイペースにできるからいいですね。作品が面白ければ必ず観てくれる人はいる。それを信じて作っていくだけです。
― 今作の役柄のビジュアルは刑事ドラマらしからぬ出で立ちですが、これも1つの挑戦ですか?
エンターテインメントだから、ちょっと作らせていただきました。リアルに言ったらこういう人はいないですよ。(この日も向井の風貌で出席していたので)これでメガネをかけたらもう向井です。このままメガネをかけて外で撮影をしていても誰も気が付きません。これは成功ですね。
― 本ドラマの魅力をお聞かせください。
今までの刑事ものとは少し違うテイストだと思います。ちょっと大人っぽい、いい話です。華やかではないけれど、心が救われるドラマです。
≪番組概要≫
【タイトル】ドラマ9「コーチ」
【放送日時】毎週金曜夜9時~9時54分
【放送局】テレビ東京、テレビ大阪、テレビ愛知、テレビせとうち、テレビ北海道、TVQ九州放送
【配信】
各話放送終了後から動画配信サービス「Prime Video」にて見放題独占配信
▶Prime Video:https://www.amazon.co.jp/gp/video/storefront/
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▶Lemino:https://lemino.docomo.ne.jp/catchup/2-1-113-7
【原作】堂場瞬一『コーチ』(創元推理文庫)
【主演】唐沢寿明
【出演】 倉科カナ 犬飼貴丈 関口メンディー 阿久津仁愛/古田新太 木村多江
【脚本】大石哲也、及川拓郎、小島聡一郎、三浦駿斗
【監督】及川拓郎、細川光信、室井岳人
【音楽】中村佳紀
【チーフプロデューサー】濱谷晃一(テレビ東京)
【プロデューサー】中川順平(テレビ東京)、都筑真悠子(テレビ東京)、黒沢淳(テレパック)、佐々木梢(テレパック)
【制作】テレビ東京 テレパック
【製作著作】「コーチ」 製作委員会
【公式HP】https://www.tv-tokyo.co.jp/coach/
【公式X】@tx_drama9(https://x.com/tx_drama9)
【公式Instagram】@tx_drama9(https://www.instagram.com/tx_drama9/)
【公式TikTok】@tx_drama9(https://www.tiktok.com/@tx_drama9)
【ハッシュタグ】#ドラマコーチ
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