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『ウタモノガタリ-CINEMA FIGHTERS project-』「アエイオウ」主演・白濱亜嵐インタビュー! 「難しい役だったけれど、役者としての実感が強くて楽しかった」

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6つの詩から生まれた6つの新たな楽曲、その世界観を気鋭の6名の監督がショートフィルムで映像化した映画『ウタモノガタリ-CINEMA FIGHTERS project-』は、EXILE HIROと「SSFF & ASIA」代表の別所哲也、そして作詞家・小竹正人の3人によるショートフィルムプロジェクトの最新作。「カナリア」「ファンキー」「アエイオウ」「Kuu」「Our Birthday」「幻光の果て」の、各作品に登場する主人公たちの思いが物語と音楽に凝縮した、観るものの心を揺さぶるオムニバスムービーとなっている。

「アエイオウ」に主演の白濱亜嵐は、今回短編映画に初挑戦。白濱もメンバーであるGENERATIONS from EXILE TRIBEの楽曲「何もかもがせつない」を安藤桃子監督の感性で映画作品として制作した。孤独な若者が一人海を見つめる先にあるものは・・・。今回、難しい役どころを演じきった彼にインタビューを遂行。「今でも明確な答えがわからない」と言う白濱だが、その目は充実感に溢れていた。

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◆模索しながら演じた役、ひかるは不器用な男なのかも

― 本作は、ずっしりと心に残る作品だと思いますが、台本を最初に読まれたときの印象はいかがでしたか?
正直、最初は上手く理解できませんでした。安藤監督に初めてお会いしたときに作品の概要が書かれたものをいただいていて、実際に台本を手にしたのは撮影初日の前日でした。なので、撮影初日から監督に「これはどういう意味ですか?」と聞いたり、色々お話をさせていただいて撮影に臨みました。

― 監督にはどのような投げかけをされたのですか?
けっこう事細かく聞きました。この作品は抽象的なシーンが多く、「この言葉はどういう意味なんだろう」「ここは何を伝えたいんだろう」など、わからない部分がたくさんあったので。でも、監督に「これは観ている方が、それぞれの捉え方をしてほしいから」と言われて・・・よけいに迷いました(笑)。

― 演じる人は責任重大ですね。
はい(笑)。でも、そのつど監督が僕のところに来てくれて話をしてくださったので心強かったです。

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― では、“ひかる”という男性を白濱さんご自身はどのように捉えられたのでしょうか?
悪い男ではないと思いますが、とにかく真直ぐ。自分の仕事に対しては凄く真直ぐなんですが、そのせいで他の事がついてこない・・・、ちょっと不器用な男だと思います。

― その不器用さと優しさが出ていたと思います。
本当ですか? かなり模索しながらやっていました。

― この作品で俳優として成長できたのでしょうか?
俳優として、「その場所で役として生きるということ」をこの作品で学ぶことができました。安藤監督が、毎シーン、毎カットごとにしっかりと「こういうふうに演じてほしい」と説明してくださったし、僕自身も模索しながら演じていたので、監督と一緒に“ひかる”という人物を作っていった感覚でした。自分だけで役を作ることが多いと思いますが、撮影しながら、こうやって話し合いながら役を作っていく方法もあるんだということを学びました。

― 演じることは楽しかったですか?
楽しかったです! 撮影がオール高知ロケだったんですが、ずっと安藤家の皆さんと一緒にいました。(安藤)和津さんも現場にいらっしゃって、毎日毎晩安藤家と一緒でした(笑)。夜ご飯の時になると、監督の娘さんと奥田さんと和津さんもいて、安藤家の食事に僕が混ざっているみたいな感じでした。

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◆奥田瑛二から、芝居のアドバイスも! 共演者は個性派揃い

― 共演の皆さんも個性的な方が揃いました。奥田瑛二さん、木下あかりさん、そして林寿美さん、それぞれ共演されていかがでしたか?
奥田さんは、初対面が衣装合わせの時だったんですが、めちゃくちゃ怖ったです。何が怖いというよりも、存在感が大きくてオーラもありましたし、お会いした瞬間に僕も背筋が伸びました。でも、お話するととってもフランクで。怒るようなことも一切なかったですし、お芝居についても親身になって一緒に考えてくださったんです。

― 奥田さんから演技に対して何か具体的にアドバイスはありましたか?
砂浜を歩いたり、幼稚園の前を歩くシーンがあるんですが、“歩き方”をアドバイスしてくださったんです。「こう歩いたほうが伝わるぞ」と言って細かく教えてくださいました。とても勉強になりました。

― 木下さんも個性的な演技派女優さんですね。
木下さんはとにかくお芝居が上手。ワンシーン、ワンカットでとても印象を残す女優さんだなと思いました。

― ラブシーンも気になりますが・・・。
監督が、その場で「触ってみようか!」と言いだして(笑)。そのノリで始まったんです。「ああ、こういう流れでこの安藤組は進んでいくんだ」って、その場で理解しました(笑)。とても新鮮でした。

― 林さんも新鮮だったのでは?
めちゃくちゃ新鮮でした。林さんは、現地(高知)のオーディションで選ばれた、普通のおばあちゃんだったんです。その撮り方も独特で。林さんがセリフを覚えられないので、一緒に来ていたお孫さんがセリフを喋って、それを林さんがなぞって喋り、僕が喋るという。実際にはありえない間が1つあるわけですが、そこをないものとしてそのシーンを完結させるように意識を持っていくのは大変でした。でも、林さんはとてもナチュラルな方なんです。劇中には、そんな純粋なおばあちゃんが絶対に言わないようなセリフがあって、安藤監督は「そこに狂気を感じさせたい」と仰っていました。僕が撮影入った日、「(林さんを)スカウトしてきたよ!」と監督に言われたとき、「これは凄い撮影になりそうだな・・・」と感じました(笑)。

― 林さんとは演技以外にお話をされましたか?
色々お話しました。僕の活動に興味を持ってくださいましたし、宿泊したホテルが一緒だったんですが、林さんとお孫さんと僕で食事をしました。リゾートホテルのようなところだったんですが、林さんは温泉あがりで気持ちよさそうでしたよ。とても仲良くなりました。

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◆この作品は、観る方によって捉え方が変わる映画だと思う

― この作品のテーマの1つとして、“戦争”というものがあります。この作品に参加するにあたり、“戦争”について何か考えましたか? 自衛隊員の生々しい感情も出ていると思いますが、何か感じることはありましたか?
僕はもともと軍事オタクなんです。この仕事をしていなかったら本当に自衛官になっていたと思うくらい、防衛大学に行くのが夢でした。偶然にもこのお話をいただいてビックリしました。昔から“戦争”についてもたくさん調べていました。
実際には自衛隊員になっていないので、あくまで想像でしかないのですが、自衛隊員としての感情は随分考えて演じました。その辺も奥田さんがアドバイスをくださいました。
奥田さんから「20代の兵隊がトップの人間に呼び出されて、特命任務を行うことは本当にありえないこと。でも、そういうことが実際に起こったらどうするんだろうね、どういう気持ちになるんだろうね」と問いかけをもらったんですが、その時は正直、僕は答えが出なかったんです。演じてはいますが、いまだにその自衛隊員の気持ちの明確な答えはわからないです。

― ひかるくんは、ひどいことも言いますね。それも自分に置かれている状況からだったのかと想像しますが、そこは理解できましたか?
彼女と商店街で会うシーンでの感情は、自分は何もかも捨てて自衛隊員になろうと頑張っているのに、彼女の態度や行動が気に障ってキレてしまう。全く女の子の対応の仕方がわからない感じでしょうか。安藤監督は「ひかるは絶対に童貞なんだ」と仰ってましたね(笑)。

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― 撮影中に他5本の作品の情報などが耳に入ってきましたか?
実はこの6本の中で、この作品が一番最初に撮影したんです。この撮影が終わったころにTAKAHIROさんがインしたくらいだと思います。なので、他の作品の様子もわからなかったですが、逆に気負うことなくやることができた気がします。

― 他の作品をご覧になって、仲間意識もしくはライバル意識はありましたか?
ライバル意識もなければ、個々で撮っていたので特別に仲間意識というものもなかったかもしれません。純粋に1本の映画を撮っているという感覚でした。安藤監督も「ショートフィルムだけど、1本の映画を撮ろう!」と端々に言っていました。

― ショートムービーだからこそ、きっちりした解りやすい筋書きではなくて問いかけたまま終わったような気もします。
2時間の映画を15分にまとめたように撮っているので、その分その間を想像させる、観ている方によって捉え方が変わる映画になったのではないかと思います。

― プロデューサーのHIROさんは現場に来られたり、差し入れなどありましたか?
現場にはいらっしゃいませんでしたが、差し入れはありました。お菓子を差し入れてくださいました。高知で浜辺でしたからコンビニは届かなかったのかもしれませんね(笑)。

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◆白濱亜嵐にとって、俳優とは?

― この作品はGENERATIONSさんの楽曲「何もかもがせつない」からインスパイアされて作られていますが、この歌詞からこの物語は想像できなかったです。
それは僕も思いました。安藤さんの発想力も凄いです。でも、映画が終わったあとに流れる「何もかもがせつない」を聴いてみると、全てを失った男に最後に少しだけ希望が見えたような気がして、この曲の歌詞にマッチしているんじゃないかなと思いました。
安藤監督は「この歌を聴いて、この作品が出てきた」と自信を持って仰っていたので、一度安藤監督の脳の中を覗いてみたいです。まさか、ここまで広がるとは。今度この曲でパフォーマンスするとき、どこかに“ひかる”が入ってくるかもしれません(笑)。

― 印象に残っているセリフはありますか?
奥田さんが喋ったセリフを、僕が歩きながらボツボツ言っているシーンがあるんですが、そこからラストに向かってのシーンは特に思い入れがあります。実は、そこからラストまでは撮影前日に全て変更されたんです。当初のラストシーンは、渋谷でマイクを持って若者たちに叫びながら今の思いをブチまける・・・という内容だったのですが、都合で撮影できなくなって。前日の夜に監督が書きかえられて、とんでもない長文が送られてきました (笑)。凄く驚いたんですが、やるだけやってやろうと思って。

― では、これからどんな長文がきても大丈夫ですね?(笑)。
大丈夫です。前日の夜11時にものすごい量のセリフがきましたから。あの長セリフは心にくるものがありました。途中カットされているところもありますが、ずっと喋っているんです。色々なことが貴重な経験でした。

― 撮影は何日間くらいでしたか?その中で特に大変だったことは?
撮影は約1週間くらいでした。撮影場所が海岸沿いで、今年の始めに撮ったので寒さとの戦いでした。口も動かなくなるし顔も固まってくるので、直前まで温めて撮影していました。

― 白濱さんは、GENERATIONSやEXILEのパフォーマーとして活躍されていますが、その前は劇団EXILEに所属していました。白濱さんにとって俳優とは?
今、色々なことをやらせてもらっていますが、一番最初に劇団EXILEとして入っているので、そこが根底にあります。今後も役者として活動もしていきたいと思いますし、パフォーマーも役者も同じくらいの気持ちで臨んでいますが、いつかダンスが踊れなくなった時、自分に何が残るのかと言ったら役者なのかなと感じています。
いままで出演した作品も素晴らしい作品ですが、今作は特に役者をやっているという実感が強かったです。

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― 俳優の仕事のオファーがあったときは、「やるそ!」という気合いが入ったりするんですか?
もう、「来たーーー!」っていう感じです(笑)。俳優をメインで活動しているのではないので、毎回毎回(俳優のオファーが来ると)嬉しいです。どんな役が来ても出られることに感謝!です。僕はまだ作品を選べるような立場ではないですし、20代半ばですから、まだまだ色々なことを吸収する時期だと思っています。

― それでも、やってみたい役とかありますか?
刑事ものをやってみたいです。走れますし、体も動くと思いますよ。アクションでも何でもやります!

― GENERATIONSメンバーの皆さんは、今回の出演について何か仰っていましたか?
僕が「ちょっと難しい作品なんだ」と言ったら、「逆にそれっていいことだね」って言ってくれました。特に(佐野)玲於は、俳優の仕事もしているので、そういう感覚があるみたいです。

― 皆さん、それぞれの活動もされていますし、俳優としてのライバル心とかありますか?
全然ないですね。本当はあったほうがいいのかもしれませんが(笑)。

― 劇中で、焼きそばを作っているシーンがありますが、あれはご自分で作っているんですか? 手さばきがよかったけど。
あれは本当に作ってます! 料理は好きです。

― 得意料理は? お姉さん(モデルのラブリさん)に振舞ったことはあります?
パスタをよく作ります。食べさせたことあるかなぁ。でも、一緒に住んでいたときは作っていた気がします。もっぱら自分が食べるために作ってます。メンバーとは一緒に鍋したりしますよ。

― 今、ハマっていることはありますか?
海外ドラマを観ることです。「ストレンジャー・シングス」にハマって「ウォーキングデッド」も全部観てます。

― いつもモットーにしていることは?
楽しむことを忘れないようにしています。パフォーマンスするときも、演技するときも。何でも楽しいです!

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【白濱亜嵐(しらはまあらん) プロフィール】
1993年8月4日生まれ。愛媛県出身。
2012年GENERATIONS from EXILE TRIBEとしてメジャーデビュー。
GENERATIONSのリーダーで、2014年にはEXILEに加入。
EXILE、GENERATIONSを兼任しながら活動。俳優としても活躍しており、主な出演作は「シュガーレス」「GTO」、『HiGH&LOW』『ひるなかの流星』。また、DJとしても活動、多方面で活躍中。

【インタビュー撮影:中村好伸】

ウタモノガタリ ポスター

映画『ウタモノガタリ-CINEMA FIGHTERS project-』
『カナリア』監督・脚本:松永大司 キャスト:TAKAHIRO 夏帆 髙野春樹 塚本晋也 主題歌「Canaria」by EXILE TAKAHIRO
『ファンキー』監督・脚本:石井裕也 キャスト:岩田剛典 池松壮亮 前田航基 芹澤興人 岡根拓哉 美山加恋 / 伊佐山ひろ子 麻生久美子主題歌「東京」by三代目 J Soul Brothers from EXILE TRIBE
『アエイオウ』監督・脚本:安藤桃子 キャスト:白濱亜嵐 木下あかり 林寿美 奥田瑛二 主題歌「何もかもがせつない」by GENERATIONS from EXILE TRIBE
『Kuu』監督・脚本:平林勇 キャスト:石井杏奈 山口乃々華 坂東希 筒井真理子 平山祐介 野島直人 麿赤兒 主題歌「あの子のトランク」by DANCE EARTH PARTY
『Our Birthday』監督・脚本:Yuki Saito キャスト:青柳翔 佐津川愛美 ランディ・ジャクソン/芦名星 余 貴美子 主題歌「How about your love?」by JAY’ED & 鷲尾伶菜
『幻光の果て』監督・脚本:岸本司 キャスト:山下健二郎 中村映里子 大城優紀 加藤雅也 主題歌「Baby Shine」by DEEP

◆エグゼクティブプロデューサー:EXILE HIRO
◆企画・プロデュース:別所哲也
◆コンセプトプロデューサー:小竹正人
配給:LDH PICTURES
©2018 CINEMA FIGHTERS
公式サイト:http://utamonogatari.jp

6月22日(金)全国ロードショー!

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