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竹財輝之助&猪塚健太インタビュー! 互いの信頼で自然な演技「猪塚くんは木島の演技を全部受け止めてくれる」(竹財)、「竹財さんは役者として身を任せさせてもらえる方」(猪塚) 『劇場版 ポルノグラファー ~プレイバック~』

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丸木戸マキのBL漫画原作を実写化し、大きな反響を呼んだ話題のドラマ「ポルノグラファー」シリーズ。大ヒットを続けるなか、原作の三作目で最終章となる「續・ポルノグラファー プレイバック」をもとに『劇場版ポルノグラファー~プレイバック~』 として実写映画化!

本作は、官能小説家の木島理生と大学生の久住春彦がお互いを思いながらもすれ違い、二人の未来について葛藤する姿を描いた愛と人生の物語。映画『植物図鑑 運命の恋拾いました』や映画『弱虫ペダル』などヒット作を手掛ける三木康一郎がドラマ版に続いて監督を務め、木島役の竹財輝之助、久住役の猪塚健太らメインキャストも再結集。映画から新たに松本若菜、奥野壮、小林涼子、前野朋哉らが出演し物語に深みを与えている。

この度、メインキャストの竹財輝之助さんと猪塚健太さんにインタビューを遂行。本作への思い、お互いの魅力についてたっぷりと語ってもらった。

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― 映画化を聞いたときのお気持ち、完成作品をご覧になった感想をお聞かせください。

猪塚健太(以下、猪塚):まず、「映画化ですか!?」と驚きました。丸木戸先生がプレイバック編をお書きになっているときから、(実写版を)またやりたいと思っていたので、それが叶って本当に嬉しかったです。

竹財輝之助(以下、竹財):ついにここまで来ちゃったという感じでしょうか。マジですか?本気ですか? 大丈夫ですか? ・・・とちょっと心配になりましたが、素直に嬉しかったです。最初はDVD化すら予定していなくて配信だけと言っていたのにね。本当にファンの皆さんのお陰です。

猪塚:僕は試写室で完成作品を観ましたが、本当に完成したんだという思いと、最後に流れるクレジットを見ながら最初のドラマの時からのことを思い出して、たくさんの方が「ポルノグラファー」という作品に携わってくださっているんだと改めて感じて感慨深かったです。

竹財:僕は時間がなくてデータとして観ましたが、今までの(ドラマの)2作とはイメージが違う感じがしました。そして、映画を観た後に前2作を観るとまた感じが変わってくるんです。別物ではあるけれど、(映画版は)前2作を補完しているところもあって、ちゃんと“映画”でした。 “プレイバック“という物語は、二人が付き合ってからの話なので、あまりドラマ性がないのではないかと思っていたんですが、全然違いました。

猪塚:三木監督の脚本を含めてしっかり映画になっていましたよね。一度、イベントでドラマをスクリーンで観たことがあって、それも感動しましたが、今回はそれとは違ってちゃんと映画を映画館のスクリーンで観たという気持ちになりました。ドラマとしてお届けしていた作品が映画化され、スクリーンで観るという不思議さもありながら光栄なことだと思いました。

竹財:僕は自分の作品をあまりまともに観ることができないのですが、今回は普通に観ることができました。107分、あっという間で、それが何より嬉しかった。もちろん、自分の粗が見えちゃうのはイヤなんですが(笑)。

猪塚:見えちゃいますよね(笑)。107分の間にどれだけ反省すればいいんだっていう(笑)。
竹財:チーン!ってなっちゃう(笑)。なんて顔してるんだ、もうちょっとやりようがあっただろう・・・ってね(笑)。

猪塚:まあ、それも分かります(笑)。それを抜きにすれば素晴らしい映画として完成していましたね。

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― お互いの役者として感じる魅力は?

猪塚:竹財さんは本当に頼りになるし、役者として身を任せさせていただける方です。僕はドラマの時は木島先生に振り回される役だったので、お芝居を全部竹財さんに預け、受け取ったものを返すつもりで演じていました。そこで竹財さんに対しての信頼感が生まれていきました。今回は僕がモヤモヤした気持ちをぶつけるという形で、前回とはアプローチは違いますが、きっと僕の感情を受け止めて返してくれるだろうなという信頼がありました。心置きなく自分が作ってきた感情とお芝居をぶつけることができて、何をやっても大丈夫という安心感がありました。

竹財:木島理生という人物は独特の間と気持ち悪さがあって、「セリフ忘れちゃってるんじゃない?」と思うくらい凄くスローに話すので、相手の役者さんはやりづらいだろうなと思っていたのですが、猪塚くんは最初から全部受け止めてくれるので、その時点で僕は彼を信頼していました。今回も相手が猪塚くんなので、何も心配することなく、自然体で生きることができたと思います。
お芝居をしていて、お互いが凄くいい顔を見せる。前回でも分かっていたことではありますが、さらに「こんな顔するんだ」という場面がありました。特に冒頭で僕のところに尋ねて来てくれた時と、「狭量なヤツだな」と言ったあとの顔は見たこともない顔だったし、「凄い顔してる、怖~」と思いましたね(笑)。僕がお芝居の感情をわざわざ持っていかなくても感情を出せる顔をしてくれるので、とても楽に演じることができました。こちらが役を作る必要がなかったんです。 なんだかんだと2年くらいやっているもんね。

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― そんな魅力を演じていて特に感じたシーンはありますか?

猪塚:お互いにすれ違っていた気持ちが仲直りして重なり合ったあと、寝ながら向き合って木島が涙を流しているシーンがあります。自分に自信がなくてちょっと弱い理生さんを包み込む春彦という構図が、前回の「ポルノグラファー」の時の関係にちょっと戻った感じがして懐かしさもあるし、「理生さんだ!」と思って愛おしくなりました。
そのシーンは撮影が始まって3日目くらいで、早めに木島と春彦の関係性を思い出すことができたので、その後の撮影がとてもスムーズに進んでいきました。

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― 今作では松本若菜さんや小林涼子さんらの女性の存在も大きいと思います。共演されていかがでしたか?

竹財:松本さん演じる春子さんのシーンがとても素敵で、僕はラブホテルで春子さんが登場して病院でのやり取りまでの間に、完全に春子さんに心をつかまれました。この人好きだ!って。完成作品を観て、これはもう春子を越えてきたな!と。それだけでこの作品は大成功だなと思いました。
松本さんは普段はああいう(春子みたいな)感じではないんです。凄くお茶目で。最初の春子の登場シーンは本当に笑っちゃう(笑)。楽しかったです。「ポルノグラファー」シリーズで初めて笑ったかもしれません。涼子ちゃんも普段と違う姿でしっかり菜月を演じてくれました。

猪塚:菜月も笑っちゃいますよね。そんなにヤンキー?って感じで。
竹財:ちゃんと僕が家に居たくない感を引き出してくれましたね。僕もやりやすかったし、「本当にこいつ嫌いだわ」って思いましたもん(笑)。

猪塚:涼子ちゃんは原作を読んでもの凄く作品を好きになっていてくれていて、彼女自身が僕ら二人の関係性に萌えてはしゃいでくれていました。それを見ているだけでも面白くて、一緒に演じていて楽しかったです。素は菜月さんと真逆な印象の方でした。とてもいい刺激になりました。

竹財:女性が入ってきているということが今回の作品の魅力の一つかもしれません。これまでのシリーズとは違う作品を観ているようでした。とても奥行が出たと思います。そういう意味でも映画版のキャストの皆さんには助けられました。静雄も凄く良かったです。

猪塚:菜月が最後に笑ってくれるところも凄く好きです。
竹財:絶妙な顔をしてたよね。

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― 今作では春彦が大学生から社会人になり、時間の経過による変化も描かれています。キャラクターの成長を表現するにあたって気をつけたことはありますか?

猪塚:そこはとても意識しました。大学生と社会人とは大きく違うので、成長していないといけないと。特に何を変えたということではありませんが、ちょっと大人になっているという意識をもって臨みました。自分が働いて社会人として生きているという自覚を持って理生さんと付き合っている。春彦の内面は前作とはまったく違うと意識して演じていました。

竹財:僕は逆に変わらないようにということを意識していました。でもちょっと老けてましたねぇ(笑)。

猪塚:そんなことないですよ!(笑)

竹財:田舎に帰って疲れているのかなぁ。ストレスなのかな、この家は・・・(笑)。

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― 2018年の夏から続いているシリーズですが、初めてお会いした時と今の印象ではお互いに変わってきたところはありますか?

猪塚:特に変わらないです。

竹財:僕は会ってすぐに変わったので、そこからは変わっていないです。最初は木島理生のお芝居について来れるかなと不安でしたが、それが払拭されてからは何も変わらないです。年下の役者さんの中で一番信頼しています。

猪塚:竹財さんという人をだんだん分かってきて、何を考えているのかも少しずつ分かってそんなに気を使わなくてもいいかもしれないと思ってから、すごく居心地のいい関係になったかもしれません。初めて会った時は何を考えていらっしゃるんだろうと、木島と同じような感じだったけれど、今では「こういうこと思っているな」「ここは口を出さないほうがいいな」とか、色々分かるようになりました(笑)。

ー 5年くらい付き合っているカップルみたいですね(笑)。

猪塚:時間を超越したものがありますね(笑)。

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― また、「ポルノグラファー」シリーズでは吉田宗洋さんも欠かせない人物です。今回は少しですが一緒に演技をされていかがでしたか?

竹財:相変わらず城戸として生きてくれました。吉田自身はちょっとポンコツなんですけど(笑)、城戸士郎としては凄くありがたい存在です。ちゃんと引き戻してくれるし、包んでくれるし、城戸とのシーンと春彦とのシーンは木島としての雰囲気が映画でも違って見えていたので、そこをちゃんと引っ張っていってくれる役者です。

猪塚:城戸さんが出てきたときは安心感がありましたよね。第一声が渋い! 城戸さんもそうですが、大石(吾郎)さん演じる蒲生田も。このお二人が作品を支えてくれていると思いますとても良い作用となってますよね。

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― 本作がシリーズ最後の作品になるかもしれません。理生と春彦を演じられない寂しさはありますか? それともやり切ったという思いでしょうか?

猪塚:今はやり切ったという思いの方が強いです。まずはこの作品を皆さんに届けて、僕ら二人の完結を観て欲しいという気持ちが強いです。

竹財:僕も最後のつもりでやっていたし、これからオファーが来てもやらないつもりで、やり切った感はあります。今回で最後だと思っているので、丸木戸先生が続編を書いても他の人にお願いしますというぐらいのつもりで(笑)。

猪塚:本当ですか!?(笑)

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― 最近ではBLをテーマにした作品が他でもたくさん発表されていて、世の中のLGBTへの理解も深まってきていると思いますが、改めて本作の魅力は何だと思いますか?

竹財:LGBTは今ではだいぶ受け入れられてきましたが、まだまだマイノリティだと思います。でも、僕はこの作品がそのことにどう関わるのかということは全然考えていなくて、最初から変わらず、男同士だからというのではなく、この人だからという気持ちで臨んでいます。ぜひ、この作品を観ていただいて意見をお聞きしたいですね。それがどんな意見であっても観ていただけたら嬉しいですし、BLを知らない方にもぜひ観ていただきたいし、色々な方に観ていただきたい作品です。ドラマをご覧になっていない方にも楽しんで観ていただける内容になっています。

猪塚:この作品の魅力は、純粋なラブストーリー。最近はBL作品が多くみられますが、「ポルノグラファー」はその中でも純粋な愛を描いた作品で、それがたまたま男性同士だっただけ。そこは最初からぶれていなくて、今回のプレイバックも愛し合った二人が離れてしまって、すれ違ってしまった心や好きという気持ちがぶつかり合ってより強硬になっています。ドラマの「ポルノグラファー」とはまた違った物語になっていて、キュンキュンする、モヤモヤするところが詰まっているのでぜひ観ていただきたいです。

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【木島理生役:竹財輝之助】
1980年生まれ。熊本県出身。ドラマ「きみはペット」「東京男子図鑑」主演「マイラブ·マイベイカー」、映画『未来予想図~ア·イ·シ·テルのサイン~』『ハッピーメール』『ママレード·ボーイ』、舞台 タクフェス「あいあい傘」等に出演。
舞台·ドラマ·映画で活躍中。

【久住春彦役:猪塚健太】
1986年生まれ。愛知県出身。主な出演作として、ドラマ「サウナーマン~汗か涙かわからない~」「地獄のガールフレンド」、映画『娼年』『今日から俺は!!劇場版』、ミュージカル「FACTORY GIRLS~私が描く物語~」「星の大地に降る涙 THE MUSICAL」等に出演。
舞台·ドラマ·映画とマルチに活躍中。
3月24日放送 第 32 回フジテレビヤングシナリオ大賞『サロガシー』に出演。

『劇場版ポルノグラファー~プレイバック~』メインビジュアル

『劇場版ポルノグラファー~プレイバック~』
<ストーリー>
官能小説の「口述代筆」。奇妙な出逢いをへて恋人になった、官能小説家・木島理生と大学生・久住春彦。
木島が田舎へ里帰りしてからも、文通で遠距離恋愛を続けていた二人だったが就職したての久住とすれ違い、気まずい空気に…。そんな折、奇しくも再び腕を負傷した木島はかつてを思い出すように、地元で知り合った青年・静雄にペンを握らせる。そこへ久住がやってきてしまい………。
君と生きていきたいから—こじらせ作家の人生と愛をめぐるものがたり。

出演:竹財輝之助 猪塚健太 松本若菜 奥野壮 小林涼子 前野朋哉 / 吉田宗洋 大石吾朗
監督:三木康一郎
原作:丸木戸マキ「續・ポルノグラファー プレイバック」(祥伝社 on BLUE comics)
主題歌:鬼束ちひろ「スロウダンス」(ビクタ-エンタテインメント)
音楽:小山絵里奈
製作:松竹開発企画部
配給:松竹映画営業部ODS事業室/開発企画部映像企画開発室
企画・制作:フジテレビジョン
公式ホームページ:https://pornographer-movie.jp
公式twitter:@pgpb_movie
© 表 記 :©2021松竹株式会社 ©丸木戸マキ/祥伝社

2021年2月26日(金)より新宿ピカデリーほか全国映画館にて3週間限定上映

撮影:松林 満美

竹財輝之助さん&猪塚健太さんツーショット
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