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山時聡真、ストレートプレイ初挑戦に期待と覚悟! 「より厚みのある役者になっていきたい」 舞台『オーファンズ』インタビュー!

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1983年シカゴのステッペンウルフ・シアターで初演されて以来、オフブロードウェイ、ウエストエンドはもちろん、日本でも度々上演されてきたライル・ケスラーの傑作『オーファンズ』。

廃屋のような家で、愛を求める孤独な三人の魂が出会う・・・
三人の孤児の男たちの閉ざされた心が共鳴し生まれる愛と葛藤の物語。翻訳を小田島恒、演出を荒井遼が手がけ、切なく、力強く描き出す。

愛情深いが凶暴な兄のトリート役を演じるのは、映画、ドラマなどで活躍し注目を集めている山時聡真。翻訳劇ストレートプレイ初出演となる彼に、本作の魅力と、舞台へ向ける意気込みを語ってもらった。

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― 今回はこれまで出演されてきた作品とはまた違う、重厚な舞台ですが、オファーを受けたときのお気持ちと、脚本を読んだ印象をお聞かせいただけますか?

ちょうどドラマの撮影中にお話をいただいて、「この後は舞台だ。これは覚悟を持って臨まないといけないな」と思いました。僕は体を使った芝居がまだまだ課題だと考えていたので、そういう体の使い方を習得するきっかけにもなるのではないか、ここからまた一回り違った俳優になることができるかもしれない!という期待と覚悟が入り混じった気持ちでした。

― “体の芝居”とは、全身を使って表現するということですか?

そうです。映像でのお芝居のときに、後で(映像を)見てみると棒立ちで喋っていたなと思うことがあって。昔(子役)の時のほうがもっと解放されていたような気がします。それが大人になっていくにつれて、だんだん萎んでしまっているような感覚があったので、改めて昔の子供心みたいなものを思い出していきたいと考えていました。

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― 山時さんが演じられるトリートは、愛情深いけれど少し猟奇的な印象もあり、多面的な感情がたくさん出てくる難しい役どころです。役をどのように捉えて演じようと考えましたか?

トリートは弟への愛情が深いのはもちろん、弟を養っているような気持ちがあると思います。彼は子供なんですが、ある意味大人の部分もある。大人にならざるを得なかった子供なんだなと思いました。親がいないという環境もあり、自分が親の変わりにならないといけないという責任感もあるけれど、その愛の形が歪んでしまって。でも、トリートはそれが普通だと思っていたんです。でも、「違う愛の形もあったんだ」と気づく、少し孤独で寂しい男の子なのかもしれないと感じました。

― 強い愛ですね。それは弟に対する愛かもしれないし、もしくは自分に対する自己愛というものもあるかもしれない。愛が強いゆえに起こした行動や性格だと分析しますか?

愛が強いということもありますし、自分は弱いと分かっているから、ちょっと暴力的な行動をしてしまう。それで自分は強いと言い聞かせるということもあったかもしれません。

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― 今回はストレートプレイが初めてということですが、セリフ量も多く、ほとんど出ずっぱりです。稽古はいかがですか? 大変ではないですか?

大変です(笑)。毎回叫んだり怒ったりしているので、とにかく喉のケアに気を遣っています。舞台では物語が進んでいきながら、徐々にその世界観が変わっていくのですが、自分の感情や性格もその流れの中で変えていかなければならないので、そこが凄く難しいです。映像作品ではカット割りで撮ることもあるので、その都度確認もできるし、やり直しもできますが、舞台ではそうはいかない。その中での感情の移り変わりや性格の変化をどうやって表現するか・・・常に考えています。

― 本番で声が出なくなると大変ですから、喉は十分ケアしてくださいね。

はい。とても熱量の高いお芝居をずっとし続けるので、毎日最高のコンディションで舞台に立てる体力も作らないと!とも感じています。

― 演出の荒井さんからは、どんな演出をされていますか? 何か要求がありましたか?

荒井さんから、僕がセリフを覚えるときに“節で覚えている”と指摘されたことがありました。まずは何も考えずにスラスラとセリフを言えるようになって、初めてここに立って言い方を決めたほうがいいと言われました。自分が最初に決めていたセリフの言い方から抜けないところもありましたが、一度全部自分のやってきたことを忘れて解放してみると、思ったよりそちらのほうがハマったりしました。荒井さんの言葉から気づきがたくさんあります。

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― 頭で覚えるというより、全身で染み込ませる感じでしょうか?

そうですね。その場に立って会話が成り立っていないとおかしいので。「相手のセリフをちゃんと聞いてちゃんと答える。それをやるだけなんだよ。でもそれが一番難しいんだ」という話をされたのですが、自分でもちょっと忘れていた部分だなと思いました。

― それは映像作品で演技をするときにも通じることかもしれませんね。

セリフ量の多さや、1シーンをずっと続けている感覚なので、映像作品とは違うスタンスが舞台の難しいところだと感じています。

― 対する相手によっても、自分の感情も変わってくるかと思いますが、弟役の本島さんとは初共演とのこと。ご一緒されていかがですか?

僕たち、性格がすごく似ているんです。劇中のフィリップとトリートはそこまで性格が似ていないのですが、でも同じ血を分けた、同じ家庭で生まれた兄弟なので、似ている部分があってよかったなと思いました。そこは兄弟らしさを生み出せるのかもしれないという期待もあります。純政くんは本当に切り替えが凄いです。稽古が終わり一緒に帰っているときとは目つきも違いますし。遊び心があって、お芝居でもいろんなことをするんです。台本に書いていないアドリブとか。彼から毎日刺激を受けていますし、「純政くんがこれだけいろんなこと挑戦しているんだったら僕もやらなければ」と思って、色々仕掛けてみたりしています。

― お互いにいい刺激を与え合っているのですね。

同じスタートラインに立っている感じがします。同士ですね。分からないところも相談し合って、お互いに切磋琢磨しながら、稽古に励んでいます。

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― そしてもう一人、ハロルド役の村井良大さんも心強い存在かと。村井さんから刺激を受けたりアドバイスをもらったりしていますか?

村井さんはとても優しい方です。本読みのときからハロルドの作り込みが凄いです。『オーファンズ』の世界観は、ハロルドの存在があってこそだと思いました。立ち稽古のときに「本を持っていてもいいですか?」「セリフがまだ完璧に入っていなくても大丈夫でしょうか?」と、初歩的な相談をしたのですが、村井さんは「自分のペースでやればいいし、本番までに(セリフが)入っていればいいんだから」と言ってくださって。絶対に相手が台本持っていないほうがやりやすいと思うし、セリフを覚えていてくれたほうがいいはず。でも全然否定せずに「マイペースで」と言ってくださったのも凄く嬉しかったです。村井さんはいつも荒井さんと話し合っていて、舞台上の机や瓶の位置も一緒に決めていたり、自分の役のことだけでなく舞台全体を見渡せていて、自分にはとても真似できないなと思いました。本当に尊敬します。

― そんな素敵な先輩の姿を身近で見ることができて、勉強になりますね。

そこが今回の物語の関係性に似ているところでもあります。ハロルドがトリートとフィリップに教育をするみたいなところが、似ています。

― また、演じるうえで目の前にお客さんがいるというのはなかなか刺激的なことだと思いますが?

やっぱり緊張するだろうとは思います。僕は意外と人前に立つのが苦手なので、恥ずかしさみたいなものもあるかも。カメラの前は大丈夫ですが、その周りにスタッフさんがいらっしゃるのは恥ずかしかったりします。だから最初はすごく緊張しながら舞台に立つか、顔を赤くしながら演じているかも(笑)。でも同じ空気を吸いながら、同じ空間にいるその熱量をそのままお客さまに直接届けるというのはなかなかない機会ですし、自分のお芝居を生で全部お見せするので、本当に頑張らないといけないなと思っています。

― 観客の皆さんも、どんなものを浴びせてくるんだろうという気持ちだと思うので、一緒に舞台を作っている感じになるのかと。今はまだ恥ずかしい気持ちがあるかもしれませんが、本番の幕が上がったらそんな気持ちはきっとなくなると思いますよ。

そうなれば嬉しいです。演出で客席を通ったりもします。お客さまとそこまで距離が近いというのはなかなかない。1メートルぐらいの距離だと思うので。匂いとかも気になって(笑)。浮浪者の格好なので、すごいいい匂いがしたらおかしいですし、そういうことを考えるのも楽しいです。

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― 今回の舞台は俳優としての糧になると思いますか?

もちろんです! 1つのシーンを何週間もかけてより良いものを探していき、それをお客さまに披露するという一連の流れこそが、すごくいい経験にはなると思います。映像作品でも、これまで以上に1シーン1シーンに熱を込められるようになる気がします。より厚みが出てくる自分に期待しています。
これまで演じていて「もうちょっとできたのに」とか、「こういうアイデアもあったな」と感じることが何回もありました。それは自分の努力不足だった。今回の舞台でたくさん考えたこと、感じたこと、その経験をこれからも活かせたらいいなと思っています。

― 改めて、舞台『オーファンズ』の魅力は何だと思いますか?

最初は不思議な兄弟の話で始まるので、「なんか不思議な世界に迷い込んだな」という感覚になると思います。そこからハロルドがやってきて・・・。みんなが孤独で、みんなが不器用なんです。それでも一番求めているのは愛だったり、家族の存在。それがとても人間らしくて、誰もが一度は持ったことのある感情や、共感できる部分があるはず。そこがこの作品の魅力だと僕は思います。

― 家族の愛といってもいろんな形があると思いますが、山時さんご自身のご家族はいかがですか?

僕は十分すぎるほどの愛情を注がれています(笑)。昔から「愛されているな」と感じながら生きています。でもその愛に気づけるかどうかですよね。昔は「うるさいな」と思っていたことも、後で「親の言う通りだな・・・」と気づくこともある。家族の愛にはその場で気づいて感謝するようにしたいです。今は実家暮らしなのでより感じています。母は僕が朝早い時は本当にヒヤヒヤしているらしくて。僕はちゃんと起きているのですが、「起きた?」「起きてるよ」って。そのたびに僕に合わせて起きてくれて優しい母です。

― そんなふうに息子に思ってもらえるお母さんはとても幸せだと思いますよ。

本当ですか? 僕もなかなか感謝を伝える機会はないんですが、誕生日とか成人式とか、人生の節目では言うようにしています。

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― ところで、映画、ドラマ、そして舞台など、とてもお忙しい山時さんですが、ご自身の癒やしは何かありますか?

友達と会うことが癒やしになっています。一人の時間も大切ですが、やっぱり友達と会うと一瞬でリフレッシュできます。友達としょうもないことで笑い合って、お腹抱えながらたわいもない話をしている時間も僕にとって大事です。友達と今だに「鬼ごっこ」とかしています。友達と「僕ら青春遅くない?」って。誰もサッカー部ではないのに、サッカーボールでパスし合ったり。これからみんなが社会人になっていったら、そんな時間も少なくなるかもしれないと考えると、よけいに今を大事にしたいなと思っています。

― それでは最後に上演を楽しみされている皆さんにメッセージをお願いします。

僕もそうだったのですが、「舞台」は少し難しい印象があるかもしれません。でも、この『オーファンズ』はとても物語に入り込みやすい作品です。「オーファンズ」という言葉は「孤児」という意味がありますが、根底にあるのは愛であり、舞台ではその世界に没入していくことができると思うので、楽しみにしていただけたら嬉しいです。3人3様で、全員に注目できると思います。

【山時聡真(Soma Santoki)】
2005年6月6日生まれ、東京都出身。5歳から芸能活動をスタートし、2016年に映画『ゆずの葉ゆれて』で俳優デビュー。2023年、宮崎駿監督のジブリ最新作『君たちはどう生きるか』では主人公・眞人の声を担当。近年の主な出演作に、テレビドラマ『最高の教師 1年後、私は生徒に■された』(NTV)、『ちはやふるーめぐりー』(NTV)、『終幕のロンド〜もう二度と、会えないあなたに〜』(KTV/CX)、『時すでにおスシ!?』(TBS)など。映画『ラーゲリより愛を込めて』、『あのコはだぁれ?』のほか、主演を務めた『蔵のある街』、『90メートル』がある。

撮影:松林満美

<あらすじ>
廃屋のような閉ざされた家で暮らす孤児の兄弟。
愛情深いが凶暴な兄トリートと、ナイーブな弟フィリップ。
ある日トリートは、ハロルドという謎の男と街で出会い誘拐を目論む・・・・・・。

<公演概要>
『オーファンズ』
2026年6月28日(日)〜7月5日(日)
東京芸術劇場 シアターイースト

出演:山時聡真 本島純政 / 村井良大
作:ライル・ケスラー
翻訳:小田島恒志
演出:荒井遼
美術:池宮城直美
照明:稲田桂
音響:藤田赤目
衣裳:西原梨恵
アクション:渥美博
舞台監督 :倉科史典
制作:三村楽・小見山千里・吉越萌子
制作協力:MA パブリッシング
宣伝美術:藤尾勘太郎
助成:令和8年度 文化庁劇場・音楽堂等における子供舞台芸術鑑賞体験支援事業
主催:一般社団法人幻都

ホームページ: https://orphans2026.com/
X: https://twitter.com/GEN_TO_play