映画『アウト&アウト』の初日舞台挨拶が、11月16日、東京・TOHOシネマズ新宿にて行われ、主演の遠藤憲一をはじめ、共演の白鳥玉季、岩井拳士朗、要潤、竹中直人と、きうちかずひろ監督が登壇した。
本作は、「藁の盾」「ビー・バップ・ハイスクール」などで小説家、漫画家として知られる木内一裕の小説「アウト&アウト」を、原作者自ら“きうちかずひろ”の名で監督を務め完全実写映画化。元ヤクザの探偵と、血のつながらない小学生の少女がバディを組み、ある殺人事件に巻き込まれていく様を描く、一癖も二癖もある魅力的なアウトローたちが織りなすクライムエンタテインメント。主人公・矢能役を遠藤、少女・栞役を白鳥が務め、矢能を追い込む覆面男・池上数馬役を岩井、事件の鍵を握る与党代議士・鶴丸清彦役を要潤が扮する。
遠藤は、埋め尽くされた客席を見渡し「30代の頃、単館の映画でお客さんが4名だったことがあります。今日はこんなにたくさん来ていただいてありがとうございます」と感慨深げに挨拶。「テレビで予告をバンバン流せるほど、ものすごいでかい規模の映画ではないので、得意ではないバラエティーにもたくさん出ました。自分に持っているものを全部はき出しちゃったので、当分バラエティーには出られないね(笑)」と続け、本作への思いを吐露。
白鳥は「今日は『アウト＆アウト』の誕生日のようなものです。撮影中のことを思い出して･･･、なんか私お母さんみたい」としっかり挨拶し「でも私まだ8歳だったね」とチャーミングな笑顔を見せた。
竹中についても、「（劇中の白鳥の呼び名）“しおりん”1つでも、数えられないほどパターンがあってすごいと思いました！」と名演技を絶賛。その言葉に体をクネクネさせながら、「本当？ 無意識にいろんなことやってるんだけどね。ありがとう！」と喜ぶ竹中。
同じく竹中の印象を、遠藤は「竹中さんは、いつもふざけた芝居ばっかりしてるけど、今回は厳しいきうち監督のもと、真面目に渋く演じてますんでグーでした」と告白。竹中は「ちょっと待てよ、僕が全部ふざけてるみたいじゃないか！ 基本的には真面目なんだぜ」と返し、「そろそろ俺が（主演で）やりたいんですけどね」と監督に直訴して、2人が大笑いする場面も。
終始笑顔を見せる遠藤だったが、岩井は「撮影では、遠藤さんの顔を見るだけでちびりそうなくらい怖かった。でも話してみると優しくて、すぐに打ち解けて楽しく撮影させていただきました」と明かす。
また、きうち組初参加となった要は「これからもご縁があったらお会いしたい」と充実した撮影現場を振り返りつつ「さっき、監督のインタビューを読んだら『遠藤憲一と場外乱闘！』みたいなことが書いてあって。現場がピリピリしていたんだと、あとから知りました。僕のときはほんわかしていたので･･･」と語り、微笑んだ。
それについて、遠藤は「僕は現場でいろいろアイデアを出す癖があるんですよ。「こうしたい、これはどう？」と言い続けていたら、撮影3日目に監督から『自分の撮りたい画を撮らせてくれ！』って怒られちゃって(笑)。でもその情熱がすごかったんです」と説明。きうち監督も「遠藤さんが出てくれないのならこの映画はやらないという気持ちだった。結果、（完成作品を観て）遠藤さんも気に入ってくれてよかった」と遠藤に敬意を表していた。
本作の見どころについて、要は「最近はCG処理した作品が多いなか、この作品はCGなしでリアルに、迫力のあるシーンが作られています」とアピール。岩井は「登場人物のそれぞれの生き様がカッコいい。スピードある展開とアクションシーンも見どころです」と自信をのぞかせ、きうち監督は「この場にいない脇役の俳優も素晴らしいです」と伝える。
遠藤は「同級生みたいなもんだもんね～」と優しく白鳥を見つめ、「見どころは、玉季ちゃんお母さんっぷりかな。40歳以上も離れた俺を支えている玉季ちゃんの名演技にぜひ注目してください」と語り、白鳥にメロメロの様子だった。
映画『アウト＆アウト』
原作：木内一裕「アウト＆アウト」（講談社文庫刊）
監督：きうちかずひろ
製作：東映ビデオ 制作プロダクション：東映東京撮影所
配給：ショウゲート 宣伝：東映ビデオ
(C)木内一裕／講談社
(C)2017「アウト＆アウト」製作委員会
公式サイト：http://out-and-out.jp
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