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佐藤二朗 「言葉にしたくない、人の根源を揺らす一作」 丸山隆平が断言「問題作でいい。 それでも観る価値がある」映画『名無し』完成披露試写会

その狂気は、目に見えない

原作・脚本・主演:佐藤二朗 × 監督:城定秀夫

タイトル

佐藤二朗 『言葉にしたくない』 人の根源を揺らす一作
丸山隆平が断言「問題作でいい。それでも観る価値がある」
佐々木蔵之介「殴られるような衝撃」異質なリアリティを語る

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俳優・脚本家・映画監督としても活躍する鬼才、佐藤二朗が初の漫画原作を手掛け、脚本・主演を務める映画『名無し』が5月22日(金)より全国公開する。

鬼才・佐藤二朗が映画にすべく執筆するがその過激なテーマと特殊な世界観ゆえに、お蔵入り寸前となっていたオリジナル脚本が編集者の目に留まり、永田諒の作画によって漫画化した「名無し」。数奇な運命を背負い“名前のない怪物”と化した男の希望と絶望、そして狂気を描破するこのサイコバイオレンスは好評を博し、“映像化不可能”の烙印を覆し昨年10月、瞬く間に映画化が決定した。
自ら生み出したキャラクター“名無し”を演じるのは、『爆弾』(25)で冴えない中年男の皮を被った知能犯・スズキタゴサク役を怪演し、第49回日本アカデミー賞・最優秀助演男優賞受賞をはじめ、様々な映画賞を席巻している佐藤二朗。得体の知れない人間を演じさせたら右に出る者はいない唯一無二の個性と、セリフを徹底的に排除し、これまでのパブリックイメージを真っ向から覆す“静”の狂気を体現した。共演には、近年俳優としての評価を高め続ける丸山隆平、タレントの枠を超え女優、プロデューサー、実業家としても活躍するMEGUMI、同じ演劇畑出身の佐藤の熱望に応えて駆けつけた佐々木蔵之介が名を連ねた。そして『悪い夏』『嗤う蟲』(25)などで知られる当代屈指の映画職人・城定秀夫監督が劇中に仕掛けられた謎とタブーに潜む深い闇をえぐり出す。見えない刃が光るとき、切り裂かれたスクリーンの向こうから、名もなき怪物の魂の叫びが日本を震撼させる。

<イベントレポート>
名優・佐藤二朗が原作・脚本・主演を務めた話題の映画『名無し』(5月22日公開)。4月27日に都内で完成披露試写会が実施され、主演の佐藤二朗、共演の丸山隆平、佐々木蔵之介、そして城定秀夫監督が参加した。

原作、脚本、そして名前のない怪物・名無しこと“山田太郎”を怪演した佐藤は「5年前に一人でウジウジと考えた物語がこうして一般の皆さんに初めて観ていただけるという事で」と喜びを嚙みしめながら「賛否が分かれる作品だと思いますが、試写では絶賛してくれる人が多いです。人も沢山死にますから賛否があってもいいですが、観終わった感想をSNSにどんどん書いてください。…はい、以上で舞台挨拶を終わります!」と笑わせつつ挨拶した。

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また佐藤は過激なテーマ故に特殊な世界観のある作品だと認めながら「お蔵入り寸前になって僕も諦めたやつが、ようやく皆さんにこうして観ていただけるわけなので、賛否は覚悟しております。僕は完成作を観て本当に素晴らしいと思ったので、城定監督には本編では決して出来ない右手を使っての握手を求めました」と作品完成に胸を張った。

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身寄りも名前もなかった少年期の“山田”の名付け親となる巡査・照夫役の丸山は「ここまで刺激的で念のこもった台本に出演させていただくことが、30年くらいの活動の中で初めての事だったので戸惑いもありつつ。プレシャーと覚悟の中で演じさせて頂きました」と挨拶。佐藤同様に賛否ある問題作だと認めながら「でも賛否ある方が、それぞれの考え方で本作に向き合えるという事なので、問題作でもいい。そう言われようが何だろうが、世に届いて沢山の人に観ていただくことに意味がある作品だと思う」と持論を述べた。

バイオレンス映画好きという丸山は本作を「大好物」としながら「血がいっぱい出てきたりするけれど、それだけではない色々な奥行きのある人間ドラマがある。作者が血反吐を吐きながら作ったものが人の心を打ったりするけれど、この映画はまさにそれ」と深い余韻のある作品だと解説していた。

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“山田”を止めるべく奔走する刑事・国枝役の佐々木は「明らかにフィクションで己自身も出ているのに、観終わった後に現実味を帯びた生暖かい感覚があった。それくらい刺さるような殴られるような衝撃、根源的なものがあったのだろうと思う。それくらい僕自身、あまり観たことのないような映画を観たという感じ。虚構なのにリアリティを感じる。これぞエンタメ」と太鼓判を押していた。

城定監督は、佐藤による脚本を一読して「面白いけれどこいつは難産になるぞ」と思ったそうで「二朗さんの熱量が本作の企画を通したと思う。僕が出しても絶対に通らないであろう変で面白い映画をやって良いんだという喜びがあった」と声を弾ませて「現場は凄く楽しくて結果的に安産でした!」と手応え十分だった。

作品の内容にちなんで「消し去ってしまいたいこと・もの」をそれぞれ発表。佐藤は「舞台挨拶ってなんでも“ちなみ”がち!」と笑いつつ「僕は自分の五十肩を消し去りたい」と切実で、丸山は「自分の弱さを消し去りたい」、酒好きの佐々木は「飲んだ次の日の朝の血中アルコール濃度を消し去りたい」と自虐で笑わせた。

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「触れた瞬間に相手は消えて死が訪れる」という山田の右手をリアルに再現した、原寸大右手のオブジェがお披露目。これは約30分かけて実際に佐藤の右手を石膏で模って作成したもので、台の上に固定されて突き出たリアルな自身の右手を見て佐藤は「僕の右手ですね。僕の右手の皺や指紋までしっかりと再現してあって…。くどいようですが本当に僕の右手です」と冷静な感想を述べていた。なおこの右手は各劇場を巡回する予定で、佐藤は「俺の右手が巡回する!?右手を追ってどこまでも…」と奇妙なキャンペーンに驚いていた。

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最後に主演の佐藤は「見どころやテーマを聞かれて答えるのが僕らの仕事の一部ではありますが、本作においてはそれを言葉にしたくないという気持ちがあります。とにかく映画館で観ていただきたいです。観てくれた方それぞれ、本当に色々な解釈があると思いますが、人間の存在という根源を揺らしかねない映画だと思います。賛でも否でもいいので、感想をSNSに書き殴ってください」と呼び掛けていた。

ポスタービジュアル

<ストーリー>
白昼のファミレスを襲った無差別大量殺人事件。防犯カメラに残された容疑者の中年男。
被害者は誰もが鋭利な刃物のようなモノで切りつけられていたが、映っているはずの凶器の姿だけが目視できない。鍵を握るのは男の右手。
その手が向かう先には必ず何かが起こる。目に見えない力の秘密に隠された、恐るべき真実から逃がれることはできるのか?

原作・脚本:佐藤二朗
出演:佐藤二朗 / 丸山隆平 MEGUMI / 佐々木蔵之介
監督・共同脚本:城定秀夫
配給:キノフィルムズ
©佐藤二朗 永田諒 / ヒーローズ ©2026 映画「名無し」製作委員会
2026年|日本|カラー|原作:佐藤二朗「名無し」(HERO’S Web)|PG12
公式HP:https://774movie.jp
公式X(@774movie):https://x.com/774movie

5月22日(金)全国ロードショー