映画『長いお別れ』の完成披露試写会が、5月15日、東京・よみうりホールにて行われ、キャストの蒼井優、竹内結子、松原智恵子、北村有起哉と、中野量太監督が登壇した。
直木賞作家・中島京子の同名小説を『湯を沸かすほどの熱い愛』の中野量太監督の手で実写映画化された本作は、認知症になった父に戸惑いながらも向き合い、自分自身を見つめ直していく家族の物語。認知症を患う父・東昇平役を山崎努、東家の次女・芙美役を蒼井、長女・麻里役を竹内、昇平の妻で二人の母親・曜子役を松原、麻里の夫・役を北村が演じる。
松原は「今回の作品はあまりにも私の年代に近いことがテーマだったので、胸が苦しくなったんですが、監督が『違うんですよ、もっと前向きにいきましょう』とおっしゃられて、この可愛らしい娘たちと頑張っていこうと撮影してまいりました」と、本作への取り組む様子を語り、「皆さんも観ていただくと心に迫るものがあると思います。じっくり観てください」とPR。
竹内は「この作品に出演できて幸せです。みなさんがこの映画をご覧になって、家族って温かいなと思える時間を過ごせていただけたら嬉しいです」とコメント。
北村は「この作品は7年という月日をギュッとした映画です。自分と隣り合わせのようなテーマです。僕も映画を観ていると辛い思いになったり、思わず吹き出してしまったり、最後はとても温かい気持ちになりました」と述べた。
蒼井は「自分が体感した以上のものが出来上がって、改めて映画っていうのはたくさんの人が携わってできるものなんだなと思いました」と感慨深げに話し、「ここ（の会場）にいる人の数だけ家族間があると思うので、家族のお話をするきっかけになれば」とアピールした。
演じるうえで蒼井は「家族の間に流れる空気を見ていただきたいと思いました」とし、姉役の竹内について「（実際には）私は男きょうだいしかいないので、お姉ちゃん役が竹内さんでよかったです。前に一緒にお食事をさせていただき、たくましい･･･あ、違う、頼もしい先輩だと。男前な先輩なので、竹内さんにお任せすればいいんじゃないかと思って(笑)」と話し、竹内に身をゆだねていた様子。舞台上でもすっかり姉妹のように見える竹内と蒼井。それは、中野監督の手法の成果でもあったようで、リハーサル時から家族観を作り上げたそう。
物語は70歳の父の誕生日のお祝い会から始まるのだが、撮影前に、67歳の認知症になる前の父を想定し、誕生日会を行ったという。中野監督は「料理やケーキまで用意し、半分リハーサル、半分顔合わせでやりました。映画では家族に見えるように心がけました」と吐露。
また、劇中の家族にちなみ、それぞれの家族のルールは？と問われると、蒼井は「うちの家族はやたらハグをします」と明かし、竹内は「竹内家はどんな料理にもお味噌汁が付きます。お鍋でもお味噌汁･･･」と話し、会場を沸かす。北村は「うちはお正月は必ず家族で迎えるというルールがあって、若いころ大みそかにバイトをいれてしまって凄く怒られたことがありました」と苦笑い。それぞれの家族の話で盛り上がるなか、最後に中野監督が「皆さん、今はSNSが大きな口コミになります。僕も寝る前に必ずエゴサーチして“いいね”をしますので、よろしくお願いします」と呼びかけ、イベントを終了した。
監督：中野量太
出演：蒼井優 竹内結子 松原智恵子 山﨑努
北村有起哉 中村倫也 杉田雷麟 蒲田優惟人
脚本：中野量太 大野敏哉
原作：中島京子『長いお別れ』（文春文庫刊）
主題歌：優河「めぐる」
企画：アスミック・エース Hara Office
配給・制作：アスミック・エース
©2019『長いお別れ』製作委員会 ©中島京子／文藝春秋
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５月３１日（金） 全国ロードショー
