Open Close

映画『蜜のあわれ』 熊本出身の高良健吾、不安を抱えがらも、気丈に舞台挨拶を実施

室生犀星の幻想文学を映画化
金魚と作家と幽霊が織りなす、艶やかで濃密な恋の物語

タイトル

熊本出身の高良、不安を抱えがらも、気丈に舞台挨拶を実施
室生犀星(大杉)VS芥川龍之介(高良)
2大文豪を演じた2人。火花散る現場を告白。

メイン

金沢三文豪の一人である室生犀星が、晩年に発表した小説「蜜のあわれ」が、映画『蜜のあわれ』として2016年4月1日より全国大ヒット公開中。
本作では、室生犀星自身を想起させる老作家と、彼が愛でる少女の姿に変貌する金魚との無邪気かつエロティックな触れ合いを描きます。今回、二階堂ふみが、丸いお尻で自分のことを“あたい”と呼び、金魚から人間の姿に変貌する少女・赤子を熱演!そして赤子と共に暮らす老作家役に大杉漣。また老作家の過去の女である怪しげな幽霊役には、真木よう子。そして金魚売りの辰夫役に永瀬正敏と個性豊かな俳優陣が脇を固めている。

本作品の大ヒットをうけ、4月16日(土)新宿バルト9にて、本作品で室生犀星に扮した大杉漣と、芥川龍之介に扮した高良健吾、そして石井岳龍監督による舞台挨拶が行われた。現在、震災で大変な被害が出ている熊本県が実家である高良を気遣う一幕がありながら、2大文豪を演じた2人の男の芝居に対する進撃な思いを語る熱いトークイベントとなった。

監督

石井監督は「震災が心配される中、熊本に縁のある高良さんが来てくれたことに感謝してます。」と震災を気遣うコメントを寄せた。
高良とは親子役をはじめ、多くの作品で共演している大杉は、『震災のニュースをうけ、朝、高良君に「どうする?」と聞いたんです。そしたら『こういう時だからこそ、舞台に立ちたい』と言ってくれました。本来、自分がいうべき事を言ってくれて、背中を押された思いでした」と本日の舞台挨拶への複雑な思いを告白。

高良さん

それをうけた高良は、「確かに、震災で自分の地元が大変なことになっています。だからと言って、舞台に立たないという選択はない。こっちでしかできない事があるし、あっちでしかできない事もある。いま自分に与えられた仕事はここなので。楽しんでいってください」と気丈なコメントを行なった。
本日のように男3人の舞台挨拶は、本作初の試み。現場では、歴史に名を残す文豪が2人が対決するかのように、火花がちる緊張感のある現場だったことを告白。

大杉さん

室生犀星を演じた大杉は、「高良君より僕の方がずいぶん年上なんですが、いつも刺激を与えてくれる人です。彼は器用にしゃべる人ではないかもしれないけど、気持ちでしゃべる人。ぼくにはそれが本当に心地よく、イイんだよね~」と高良を絶賛。芥川龍之介を演じた高良は「役者を始めた最初の頃に大杉さんに出会って、色々なことを教えてもらいました。背中を見て学ばせてもらった」と役者として大杉を尊敬している思いを語った。

共演作も多く、お互いの事を認め合う二人ならば、さぞ現場は和気あいあいのムードかと思いきや、文豪の対決シーンとあってイイ意味での緊張感に包まれた現場だったことを告白。
「仕事によっては慣れた方がいい事もありますが、役者において慣れない事が大切と思っています。一つ一つ作品は別だから、いつも初めての緊張感を持たないといけないし、緊張感をなくしたらダメだと思うんですよね」と大杉が役者としての思いを語ると、高良も「緊張感は大切ですよね。なくなると怖い。友達同士だからやりやすいという訳ではないですね。知っていれば知っているほど、緊張感は生まれますし。ちょっとドキドキし、ちょっと嫌だなっと思うぐらいの方面に自分を向かわせるのっも、この緊張感を大切にしたいからかも」っと芝居において大切にしている≪緊張感≫について熱く語った。

また今回の共演に関しては、「富山の趣のあるホテルで撮影したのですが、そこに着物姿の高良君がいて、まさに芥川龍之介だっと思うほどの佇まいでした」と高良が扮する芥川を絶賛した。
トーク終了後、マスコミ向けのフォトセッションを行っていた際、大杉の提案で一般のお客様にも撮影を許可する異例のサービスを実施。舞台挨拶を気丈に行いながらも、「本当は心配なんです。撮影した写真をみて、熊本のことも考えてもらえると嬉しいです」と熊本への思いを語った。

<STORY>
赤子(二階堂ふみ)は、ある時は女(ひと)、ある時は尾鰭をひらひらさせる、真っ赤な金魚。赤子と老作家(大杉漣)は共に暮らし、
夜はぴたっと身体をくっつけて寝たりもする。
「おじさま、あたいを恋人にして頂戴。短い人生なんだから、愉しいことでいっぱいにするべきよ」
「僕もとうとう金魚と寝ることになったか―」
奇妙な会話を繰り広げる2人は、互いに愛を募らせていく―。そんな或る時、老作家への愛を募らせこの世へ蘇った幽霊のゆり子(真木よう子)が現れる。作家の芥川龍之介(高良健吾)、金魚売りのおじちゃん・辰夫(永瀬正敏)が3人の行方を密かに見守る中、ある事件が起きて・・・

原作:室生犀星「蜜のあわれ」
監督:石井岳龍
脚本:港岳彦
出演:二階堂ふみ 大杉漣 真木よう子/韓英恵 上田耕一 渋川清彦 高良健吾/永瀬正敏
©2015『蜜のあわれ』製作委員会
公式サイト:http://mitsunoaware.com/

4月1日(金)より、新宿バルト9他にて公開中