映画『彼らが本気で編むときは、』の完成披露イベントが1月18日、東京・丸の内ピカデリーにて行われ、生田斗真、桐谷健太、柿原りんか、ミムラ、門脇麦、田中美佐子の豪華キャストと、荻原直子監督が登壇した。
本作は、優しさに満ちたトランスジェンダーの女性のリンコと、彼女のすべてを受け入れる恋人のマキオ、そして愛を知らない孤独な少女トモの３人が特別な時間を過ごし、それぞれの幸せを見つけていく60日間を描いた心温まる物語。『かもめ食堂』や『めがね』などの世界観から女性に圧倒的な人気を持つ荻原直子監督の約5年ぶりの作品となる。
舞台挨拶の前には、「編みポスター」お披露目イベントが開催され、“毛糸”で制作された本作のポスターがお披露目された。これは、本作の主人公たちがそれぞれの思いを込めて編み物をすることにちなみ、全国100名以上の人が1目1目編み続けた「編みポスター」が完成。生田は「すごい！この編みポスターをニュースのトップにしてほしい」と大喜び。その完成度の高さに、キャストたちは大興奮だった。
「脚本を読んですぐやりたいと思いました」と語る生田は、トランスジェンダーであるリンコ役を演じ、「俳優人生の中でもっとも苦労した役でした。（脚本から）一つ一つの文字にエネルギーが溢れていて、荻上さんの本気を自分も本気で受け止めなきゃと思いました」と振り返った。
生田との息もぴったりな桐谷は「斗真と恋人ということでしたが、僕は5年前くらいに前にも連続ドラマで一緒だったで、斗真と俺にしか出せない空気感を出せたらいいなと思って臨みました」と話すと、生田も「出ちゃったよね～」と目を合わせた。すかさず桐谷が「チューしちゃったよね」と明かす場面も。
荻上監督の本気度も強く、生田と桐谷は午前2時に監督から呼び出され作品について熱く語った夜もあったとか。仲が良くても「男同士の友情を感じる！それダメだから！」という指摘も。
作品タイトルにちなみ、「本気になったことは？」という問いに、「母性ですかね」と生田。「いつかお父さん役をやる日が来るかな？と思っていたら、先にママ役をやることになってしまいました」と笑い、「りんかちゃんが本当に愛おしくて、彼女をぎゅっとするシーンでは、今まで感じたことのない胸が締め付けられるような思いがありました。これが母性なのかと」と吐露。
桐谷は「斗真を美しく見せることが大切だと考えたと答えた。「今まではどんな作品でも『俺が一番目立ったる！』と思っていたんですけど、今回は初めて最高の作品にするお手伝いがしたいと思えた。そのことに本気になりました」と続けた。
生田は撮影現場で「斗真くん、足もっと閉じて」「声がまだ男！」と厳しく指示が飛び役作りにも苦労があったそう。「自分の芝居やビジュアルに自信が持てない瞬間もあったんですが、そんな時、健ちゃんが『大丈夫、可愛いで』と言ってくれて凄く心の支えになりました」と感謝の気持ちを伝え、二人の信頼関係の深さを示した。今回、それが作品にしっかり反映しているようだ。
また、「日に日にリンコさんが美しくなっていく姿が、僕もマキオとして嬉しかった」とニッコリ。そんな生田（リンコ）の美しさの秘訣「良い香り」。荻上監督からも「生田くんからだんだん良い香りしていた」と明かすと、生田は「特別なクリームを使っていたからです」と微笑んだ。
そんななか、劇中でキーとなる編み物について柿原が「上手に編むことよりも、大切な何かを思いながら本気で編むことで、学べると思っています」とコメントすると、生田と桐谷は「しっかりしてるな～。俺たちのワチャワチャしたやつ･･･」「俺らアホみたい」と反省しきりだった。
なお、本作が第67回ベルリン国際映画祭のパノラマ部門正式出品の決定と、ジェネレーション部門でも特別上映されることが発表された。
映画『彼らが本気で編むときは、』
～ ストーリー ～
優しさに満ちたトランスジェンダーの女性リンコ（生田斗真）と、彼女の心の美しさに惹かれ、すべてを受け入れる恋人のマキオ（桐谷健太）。そんなカップルの前に現れた、愛を知らない孤独な少女トモ（柿原りんか）。桜の季節に出会った３人が、それぞれの幸せを見つけるまでの心温まる６０日。
小学生のトモは、母ヒロミ（ミムラ）と二人暮らし。ある日、ヒロミが男を追って姿を消す。ひとりきりになったトモは、いつものように叔父であるマキオの家に向かう。ただ以前と違うのは、マキオはリンコという美しい恋人と一緒に暮らしていた。リンコの美味しい手料理や母親が決して与えてくれなかった家庭のぬくもりとトモへの愛情・・。最初は戸惑うトモだったが、リンコのやさしさに閉ざした心を少しずつ開いていくのだった。本当の家族ではないけれど、3人で過ごす特別な日々は、自分らしさと本当の幸せを教えてくれた。嬉しいことも、悲しいことも、どうしようもないことも、それぞれの気持ちを編み物に託して、3人が本気で編んだ先にあるものは・・・。
出演：生田斗真、柿原りんか、ミムラ、小池栄子、門脇麦、柏原収史、込江海翔、りりィ、田中美佐子／桐谷健太 ほか
脚本・監督：荻上直子
配給：スールキートス
公式ウェブサイト http://kareamu.com
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© 2017「彼らが本気で編むときは、」製作委員会
２月２５日（土）、新宿ピカデリー・丸の内ピカデリーほか全国ロードショー！
