
映画『mentor』の公開初日舞台挨拶が、10月16日、東京・TOHOシネマズ六本木ヒルズにて行われ、W主演の磯村勇斗と末澤誠也(Aぇ! group)、共演の綾野剛、監督の吉田恵輔が舞台挨拶に登壇した。
吉田恵輔監督のオリジナル脚本による本作は、無邪気な花火遊びでアパートを全焼させたことをきっかけに人生が変わり、過去に囚われたまま大人になった2人の青年と、その火災で大切なもの全てを奪われた男との歪な再会を描く、新感覚エンターテインメント。罪の意識をアーチェリーで封印しオリンピックを目指す龍之介(磯村)と、過去から抜け出せずにいる拓海(末澤)。2人が起こした火事によって妻子を失った、物語の鍵を握る重要な“メンター”役を綾野剛が演じ、交わらないはずの3人の再会が狂気を暴走させる。
観る者の感情をかき乱す”感情カオス”の映画体験が話題となっている本作。第42回ワルシャワ国際映画祭へのコンペティション部門出品や台湾の高雄映画祭に出品されるなど、海外映画祭でも注目を集めている。


ついに公開を迎えたことを心から喜び、感謝の気持ちを伝える登壇者たち。磯村と末澤が「皆さんの感想が楽しみです」と言えば、綾野は「どう見ても偏った作品に見えますので、この偏りの世界に入る勇気を持ってくださったこと、大変嬉しいです」と話す。監督は「俺はエゴサしまくってますよ。今の時間までのすべてを網羅してます」と意気揚々。MCから観客に反応を問うように促されると、「誰が声をかけるの? 僕から?」と自分の顔を指でさす姿に、思わず「末澤くん、それ可愛いよ(笑)」と微笑む磯村。綾野も「末澤くん、可愛い」と笑顔を見せ、会場が和む。照れた顔を見せながらも、末澤が「衝撃的だった?」と観客に問うと大きな拍手が沸き上がった。

この日まで振り返ってみて、「クランクイン前の自分に今声をかけるとしたら、どんな言葉が浮かぶ?」と訊かれると、末澤は「僕は『そんなに怖がらなくて大丈夫だよ』って伝えたいですね。監督含め磯村くん、綾野さんがものすごく優しくて、すべてを包み込んでくださるような方たちばっかりだったので、僕はすごく肩の力を抜きながら、のびのびとさせていただきました」と晴れ晴れとした笑顔を見せると、すかさず綾野が「のびのびと土下座してたもんね。あのお尻の傾斜、なかなか出せませんよ」とツッコミを入れ、会場を沸かす場面も。
磯村は「あの頃は末澤くんとは目も合わせられなかったけど、“今はいいコンビになってるよ”って言ってあげたいですね」と、すっかり意気投合した末澤を見やる。最初はよそよそしくほとんど口をきかない状態だったそう。その話を聞いて綾野が「そうなんだね。そういう感じか・・・」とひとりで納得。僕の初日は末澤くんと一緒だったんですけど、『末澤く~ん』と手を振っても反応薄く・・・。特殊メイクしていたんだよね(笑)」と苦笑い。末澤は「怖かったですよ」と埜本の不気味さにおののいていたそう。


そんな綾野は埜本を演じるにあたり、「この作品において龍之介と拓海の2人を徹底的に描くための装置として自分は立ち続けようっていう思いだったので、その2人の中にあるマグマのようなものが露わになったら、この作品は1つ成功と言えるのではないかと。そういったお芝居の最中に2人にそういったストレスをたくさん蓄積させていくような芝居の仕方をしていました」と自身の役を分析し向き合った様子。
キャストたちを前に、監督は「特殊っていうか、本当にいそうな、かつ綾野さんしかできないようなキャラクター。2人ともそうですけど、自分が書いたものが飛び出していく感覚を一番前の席で見ている感じで、すごく楽しかったですね」とキャストたちに賛美を送る。

癖の揃った俳優陣の癖のあるキャラクターが揃ったが、それぞれの演技を大絶賛。冒頭の登場する埜本が火事で妻子を失い、自身も大火傷を負いながらも嗚咽するシーンは、実は撮影の中盤に行ったそうで、監督は「それまでの幸せな夫婦の姿を(撮影で)見てきたからこそ現場で見ていて涙が出てきました。『愛だ』と強く感じました」と回顧。それでも、「編集で繋いで観てみたらただただ恐怖でしかなかった」と笑う。その言葉に、綾野は「フルスイングでやった結果で、あらゆる状況が変われば、埜本の叫びの届き方も変わる事を念頭に置いていました」と語った。

各所から温かいメッセージに登壇者が感激!
磯村の演技力には信頼さえ寄せていたようだが、「土下座の横にいる時の目線のやり取りや、足がしびれる細かい芝居だったりを入れてきたりして笑わせてくる。さすが玄人だなと思いましたね(笑)」と芸の細かさに舌を巻いていた。末澤については、「こちらからの無茶ぶりに対して、ちゃんとリアルにしてくれるんです。監督に言われてそれが必要なんだと真っすぐな目でやってくれるから、笑えないというか、狂気すら感じる怖いものになっていました」と評価し、今後の末澤の芝居にも期待する。
さらに、作品の内容に鑑み、「自身のメンターのような人から受けた自身が大切にしている言葉」を発表することに。監督は自主映画を友達に見せた際にまともに観てもらえなかったという事を師匠でありメンターとして敬う塚本晋也監督に嘆いた時、「映画ってそんなもんだよ」と言われ、「映画とは客に押し付けるものではないと学んだ。それで気が楽になりました」と明かす。

磯村は17歳の頃に地元で所属していた劇団の演出家から言われた言葉「素直になれ」と言い、「芝居に対して素直に反応する、素直に演じる、人として素直であるという事を学んで。それから今もその言葉が芯にあります」と振り返る。綾野は「さぁ、始めましょう」という言葉を。「今回の作品でも、主演の2人が全部抱えることが豊かだと思わず、みんな一緒に『さぁ、始めましょう』という想いでした」と常にスタートという意味を込めて吐露。

末澤は、ウォルト・ディズニーの名言「夢を追い続ける勇気がある限り必ず夢は叶う」という言葉を大切にしていると話し、「努力することは無駄ではないけれど、努力したからといって必ず夢が叶うとは限らない。自分の中では過大評価しないように常に心掛けながら活動させてもらっています。自分は凄く運が良いと思って臨んでいます」と自らを戒めるように述べた。すると、磯村が優しく「それは末澤くんが運を勝ち取っているんだよ、あなたが」と声をかけ、綾野が磯村に「なんでカッコ良い声で言ったの?」とツッコみ、3人で笑いあい、ほのぼのとした空気が流れる。
最後に、吉田監督は「物凄く思い入れのある大切な作品です。観た分だけレビューを書いて、それを俺がエゴサするという流れを止めないようお願いします」と。綾野は「皆さんの人生の1本に『mentor』を添えていただいて大変感謝しております。映画館でたくさんの優れた映画を巡っていただき、また『mentor』に戻って来てもらえたら嬉しいです」と熱い想いを。末澤は「何度観ても楽しんでいただける作品です。一度とは言わず、2回、3回と劇場に足を運んでいただいて、色々な見方で作品を楽しんでいただけると嬉しいです」とアピール。磯村が「自分の地元・静岡で撮影して、僕の中でも大切な作品になりました。映画館には、舞台挨拶の時だけではない、作品の上映だけがあってそこに人が集まって来る。それが本来僕たちの望みでもあるし、『mentor』はその力がある映画だと思います」とメッセージを送り、舞台挨拶を締めくくった。

<あらすじ>
それは運命の再会だった。15年前に花火遊びでアパートの火事を起こした拓海(末澤誠也)の前に現れたのは、その火事で大火傷を負い、妻子を失った埜本(綾野剛)。恨んで当然の相手なのに、詫びる拓海を優しく包み込む埜本。その不思議な優しさに惹かれ、埜本を”メンター”として慕い急速に距離を縮めていく拓海。一方、拓海とともに火事を起こした龍之介(磯村勇斗)は、アーチェリー競技と出会い、オリンピック日本代表になるという夢を追いかけていた。今の龍之介にとって拓海や埜本との再会は、平穏を揺るがしかねない。埜本に触発されて被害者への謝罪にのめり込む拓海にも、不気味なほどに優しすぎる埜本の態度にも違和感を拭えない龍之介。やがて事態はまさかの方面に転がり、歪な三角関係は狂っていく。そして物語は、誰も想像しなかった結末へ。
<作品情報>
タイトル:『mentor』
脚本・監督:吉田恵輔
出演: 磯村勇斗 末澤誠也 綾野剛
製作幹事:エイベックス・ピクチャーズ
企画製作:スターサンズ
制作プロダクション:SS工房
配給:エイベックス・フィルムレーベルズ、スターサンズ
コピーライト:©︎2026「mentor」製作委員会
公式HP:www.mentor-movie.jp
公式X & Instagram & TikTok:@eiga_mentor
ハッシュタグ:#映画mentor
※吉田恵輔監督の「吉」は「つちよし」が正式表記となります。
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