
映画『ほどなく、お別れです』の完成報告会が、11月19日、東京・明治記念館にて行われ、W主演の浜辺美波と、目黒蓮をはじめ、共演の森田望智、鈴木浩介、永作博美、夏木マリと、三木孝浩監督が登壇した。
現在累計40万部を突破している長月天音のベストセラー小説「ほどなく、お別れです」シリーズを原作に、三木孝浩監督がメガホンをとり実写映画化。本作は、就職活動に全敗し途方に暮れる中、とあるきっかけで葬儀会社にインターンとして就職したヒロインと、そんな彼女を厳しく指導する指南役の葬祭プランナーがタッグを組み、“最高の葬儀”を目指すヒューマンストーリー。
新人葬祭プランナー・清水美空を浜辺美波、美空をスカウトし厳しく指導する葬祭プランナー・礼二を目黒蓮が演じ、さらに、森田望智、古川琴音、北村匠海、志田未来、渡邊、野波麻帆、西垣匠、久保史緒里、原田泰造、光石研、鈴木浩介、永作博美、夏木マリら実力派キャストが集結し、作品を彩る。
企画スタートから約6年経ちようやく完成した本作を、三木監督は「これほどまで自分事化できる内容の作品ってなかったんじゃないかなと思う。大切な人との別れはいつか必ずやってくるので、自分だったらどうするかなと思いながら映画を観ることができる、これは本当にチャレンジすべき作品だなと思って監督させていただきました」と万感の思いを口にし、「(登場人物の)誰かしらに感情移入ができる作品になっていると思いますので、本当に多くの方に見ていただきたいなと思います」とアピール。

本作の出演オファーを受けて、浜辺は「最初にいただいた脚本が本当に素晴らしくて、読みながら泣いてしまったのを覚えています。そこから現場で、故人様とご遺族の皆さんと美空として対峙した時に、自分はどれくらい心が動くのか、どんな感情になってしまうのかというものが想像がつききれなくて、そんな作品に挑戦をしてみたいなと思ってお受けさせていただきました」と回顧。

目黒は「オファーをいただき、作品を読ませていただいて、その後にすぐ漫画を読ませていただきました。確かに悲しいお話ではありますが、それと同時に、いま生きることができている喜びや、亡くなった後にある希望みたいなものを感じられるこの作品にすごく惹かれました。自分も素敵な皆さんと素敵な作品に関わりたいなと心から思えて、自分にできることを頑張れたらいいなという思いでした」と語った。
また、敏腕の葬祭プランナーという役を演じたことに、目黒は「現場でも浜辺さんと他愛もない話をして仲を深めていくというわけでもなく、美空にしっかり仕事で背中を見せていく漆原を現場で強く意識して、美空と漆原の関係のように築き上げていけたらいいなと思いながら演じました」と振り返る。

一方で、亡くなった人の声を聞くことができる美空を演じた浜辺は「最初は自分にしか見えない故人様の表情であったり、声が聞こえるというのはとても難しいなと思っていましたが、お話が進んでいくうちに、自分がそういう特殊な環境の役を演じていると、故人様が最後に残したい気持ちや、ちょっとした後悔、その表情をしっかりと対峙して見ることができるというのはすごく恵まれているなと。それをまたご遺族の皆さんにを伝えることができる役割というのはとてもやりがいもあって、それが出来ているのは私だけなんだなと思うと、ありがたみを感じました」と、役を捉えていた様子。
そして、納棺師としての腕を持っているということで、劇中では納棺の際の所作の完璧さや美しさが際立っているが、「ひたすら練習しましたね。家に実際に着物を持ち帰って練習したり、実際に葬祭プランナーの方たちに練習動画とかを撮っていただいて、ひたすら見続けて。美しくなくてはいけいないし、振り付けのようにならず、しっかり故人様、ご遺族の方たちに向けた漆原なりの思いを大事にしながら演じさせていただきました」としっかり準備をして臨んだという目黒。

近くで見ていた浜辺は「最初の段階から美しくて・・・。手先が本当に貴い美しさでした。ヨーロッパから帰ってきて、そのまま朝一で撮影がまだないのに納棺の練習されていて、時差ボケもあるだろうにすごいなと。目黒さんは本当に背中で漆原さんとして、現場を見せてくれました」と称える。
すると、目黒も「僕が納棺の儀の練習をしている時に、実際に美空が座ってるであろう位置に(浜辺が)ずっとそこで正座をして座って、僕の練習をひたすら見て付き合ってくださっていました。そういうところから美空と漆原の関係性が出来上がって、積み重なっていたなと思います」と浜辺に感謝。
浜辺は「私は座っているだけなんですけどね」と笑いつつ、「プロの方がやられていると簡単にそうに思ってしまいますが、想像以上に力もいるし動きも複雑で難しそうでした。目黒さんなりに追求されていたのですごいなと感じました」と続けた。
本作が初共演にしてW主演という浜辺と目黒。互いの印象を、浜辺は「忙しいんだろうなと思っていたけど、思っていた50倍くらい忙しい方なんだなと。『まだダンスの振り入れやるんだ』みたいなことを言っていたと思ったら、すぐに海外に行っちゃったりとか。時差ボケは(大丈夫でしたか)?」と心配するほど。目黒が「時差ボケ、あまりないかもしれないです」と返すと、「すごい!『気合いだ、気合い』とよく仰るので、気合いなんだ・・・と学びました」と驚く浜辺だった。
対して目黒は、「浜辺さんも、皆さん忙しいし、やはりこの作品にかける思いが伝わってきました。初めての本読みの段階で、もうしっかり美空を作ってきていらっしゃっていて、まさに美空だなと思いましたし、そういった姿勢が本当に素晴らしい方だなと思いました」と、互いにリスペクトしていた。


そんな二人のキャスティングについて、監督は「この世代で一番落ち着いている、浮ついてないナンバーワンの女優、俳優じゃないかなと思うんです。今回の役どころが、いろんな家族の生と死の狭間で、お別れを見送る役なので、その落ち着きや誠実さが必要。今回お二人に演じていただいてよかったなと思います」と二人に太鼓判を押す。すると、監督の言葉に思わずガッツポーズをして喜ぶ浜辺。目黒が「浮ついてないって、すごい喜んでますね(笑)」、監督も「若干浮ついてるやん」とツッコミを入れると、浜辺は「バレちゃった?(笑)」とキュートな笑顔を見せていた。

完成作品を観て、森田は「お葬式は故人のものだと思っていたんですが、それ以上に残された側がこれからどう進んでいくのかっていう区切りであり始まりであると感じました」と述べる。


夏木は「もう泣きました」と言いながら、「先輩後輩、キャリアは関係なく素敵な方は素敵。とても美波さんの芝居に向かう姿勢を学ばせていただきました。気持ちに沿って、それを豊かに、いかに表現するかということを悩まれたりされてるのをちゃんと監督と話しながら、着々進めてる姿勢を拝見して素晴らしいなと。素晴らしい女優さんだなとご一緒させていただきました」と浜辺との共演を喜んだ。

永作は「センシティブな内容であるために、本当に皆さまがその繊細な技をたくさん使って、思いもたくさん使って、演じられていて、もう皆様に感動しました。素敵でした」と感動の面持ち。

鈴木は「私は癖のある役のオファーが多いんですが、。珍しく癖がない役で。すごく普通のお父さん。10年に1回の普通の役が来たなと思って、すごく嬉しくて、ワクワクして現場に向かった日のことをこの間のように覚えています」と話し、笑いを誘う場面も。そして「ほどなく・・・という言葉に救われました」としつつ、「現場で、目黒くんがずっと立っているんですよ、漆原として。遠くから『目黒くん座んなよ』と相図を送っても、『大丈夫です』って。なんか、高倉健さんみたいだったんだよね。やっぱり気合い入ってる。『まもなく、お別れです』この作品は気合い入っていますよ」と力を込めた。

本作は、誰もが避けて通れない身近な人との別れを描いているが、「本作を観た後に思い浮かべた人は?」と問われると、浜辺は「自分の祖父母を思い浮かべました。あとは大好きな愛犬2匹を。一緒にいられる時間は限られているので、日々を大切にしたいな」と応え、目黒は「僕もおじいちゃん、おばあちゃんだったり、ワンちゃんです。僕はおばあちゃん子で。おばあちゃんからよく電話がかかってくるんですが、仕事中で出られないこともあって。でも、あと何回おばあちゃんに会えるかなとかって思ったら、仕事中でも移動中でも出たりかけ直すようになりました」と話す。
最後に、目黒は「この作品は死や別れが大きなテーマとしてある作品です。日常でどうしても死というものをどこか非現実的に感じてしまいがちですが、実はは誰かを送るのも送られるのも誰しもが経験することで一番現実的な、一番僕たちに近いものであることを改めて感じさせてくれます。少しでも後悔のないように生きよう、大切な人を1秒でも多く大切にできる時間を作ろうと、希望が持てると思います。観てくださった皆さんの人生にそれぞれが注目してもらえたら嬉しいです。ぜひ大切な方ともらえたら嬉しいです」と伝え、浜辺が「初号試写で観た時に、本当に素敵な作品になっていて涙がこみ上げたのを覚えています。故人様が自分の家族たちを、ご遺族の皆さんを思う気持ち、ご遺族の方々が故人様を思う気持ち、そして葬祭プランナーたちが素敵な区切りになるような式、お葬式にしたいと思う、そんな人を思う気持ちって改めて尊いものだなと感じさせてくれる作品でした。本作ではいっぱいの愛と共に美しく描かれていました。私は親友と一緒に見に行きたいとを思います。家族には石川県でそれぞれ観ていただきたいとを思います」と熱いメッセージを送り、会見を終了した。
映画『ほどなく、お別れです』
<ストーリー>
就職活動で連戦連敗の清水美空(浜辺美波)は、
葬祭プランナー・漆原礼二(目黒蓮)と出会い、
導かれるように、葬儀会社「坂東会館」でインターンとして働き始める。
教育係となった漆原からの厳しい指導の数々に
日々心をくじかれそうになる美空だったが、
彼の遺族や故人にとことん寄り添う心遣いや所作、
そして出棺のときに優しく「ほどなく、お別れです」と告げる姿に
いつしか憧れを抱くようになる。
永遠の別れは、誰にでもやってくる。
残された遺族だけでなく、故人も納得できる葬儀とは何か?
美空は、漆原と一緒にその問いに向き合うなかで
彼の背中を追いかけるように、自身も葬祭プランナーを目指すことを心に決める。
そして漆原もまた、そんな美空の姿に徐々に信頼感を覚え、
二人は「最高のお見送り」を目指し、数々の葬儀に向き合っていく。
作品概要
■タイトル: ほどなく、お別れです
■原作:長月天音「ほどなく、お別れです」シリーズ(小学館文庫刊)
■配給:東宝
■監督:三木孝浩
■脚本監修:岡田惠和
■脚本:本田隆朗
■音楽:亀田誠治
■キャスト: 浜辺美波、目黒蓮 ほか
■公開日: 2026年2月6日(金)
■撮影期間: 2025年2月中旬~3月下旬
■公式サイト: https://hodonaku-movie.toho.co.jp/
■公式X: https://x.com/hodonaku_movie
■公式Instagram: https://www.instagram.com/hodonaku_movie/
■公式TikTok: https://www.tiktok.com/@hodonaku_movie
■コピーライト: ⓒ2026「ほどなく、お別れです」製作委員会 ⓒ長月天音/小学館
2026年2月6日(金)
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