映画『アド・アストラ』来日記者会見が、9月12日、東京・青海の日本科学未来館にて行われ、主演&製作を担当したブラッド・ピットが登壇。また、日本人ゲストとして、毛利衛氏と山崎直子氏が駆けつけた。
ブラッド・ピットが主演、製作を務めた『アド・アストラ』は、宇宙飛行士のロイ（ブラッド・ピット）が、太陽系の彼方で消息を絶った父（トミー・リー・ジョーンズ）の行方と、その謎の答えを探すために宇宙へと旅立つスペースアドベンチャー大作。
“宇宙の日”にあたるこの日、ブラッドは「この作品を紹介に最高のタイミング。そしてこの会場はなんてクールなんだ！最高だね！」と笑顔で登場。
本作で宇宙飛行士役に初挑戦したブラッドは、「このジャンルはほかにも優れた作品がたくさんあったからね」とし、「ジェームズ（・グレイ）がすばらしい企画を用意してくれた。今回はやったことがないような作品で、このジャンルに貢献したいと思っていし、それが実現できると思ったんだ」と意気揚々。「僕は昼間は俳優、朝と夜はプロデューサーをやったんだ」。そして、「宇宙服を着た状態で、まるでピーターパンのようにワイヤーに吊るされたんだ(笑)。かなりきつかったね」と撮影時を振り返った。
ジェームズ・グレイ監督とのタッグについて「今回、僕の演技はとても静かなパフォーマンスなので、もし退屈だったら遠慮なく言ってくれとお願いしたんだ」と明かし、「今の僕は、年に1本くらいしか映画を撮る時間がとれない。題材にも惹かれることも大事だけれど、誰と一緒にやるかが大切なんだ」と力説するブラッド。「理想の監督は、自分の視点を持っている人。ジェームズは僕に道筋や作品のトーンを示してくれる。僕は信用できる監督となら、どんなクレージーなこともできるんだ」と、ジェームズ監督との深い信頼関係を語った。
宇宙を舞台にしながらも、自我の戦いをテーマに描く本作。ブラッドは「この映画は、1人の男の葛藤と自分探しの旅なんだ」と話す。「人間のミステリーを象徴しているのが宇宙。ロイは銀河系のはるか遠い場所で一人になり、自身の喪失感と向き合わなくてはならない。喜劇でもパロディーでも、映画の魅力は人間の葛藤にスポットを当てることなんだ」と説明した。
一部海外メディアで俳優休業をささやかれていたが、「今まで通り、今後も心惹かれるプロジェクトには参加していくつもりだよ。プロデュースもやるし、俳優も続けていくよ」と笑顔で答えた。
今回の滞在もタイトなものになりそうだが、日本の文化には常に興味があるそうで、中でも特に鯉に興味があるとのこと。「鯉の養殖を見学したいんだ。鯉の話なら1時間はできるよ」とチャーミングな笑顔を見せる。
さらに、会見終盤には日本科学未来館の館長である毛利衛氏と、宇宙飛行士の山崎直子氏が登場。本作を鑑賞した毛利は「演じる表情が非常に繊細で、本物以上に思えました。やはりすごい俳優ですね」とブラッドを絶賛。山崎も「私も宇宙に行く時は家族や子供を残して行くので、家族に心配をかけている立場から心をえぐられるような映画でした。だからこそ深い」と感慨深げに語った。
そんな二人を前に、ブラッドは「本物ですよ！」大興奮。「宇宙から地球を見つめた気持ちは？」「また、宇宙に行きたいですか？」と質問攻めだった。
『アド・アストラ』
原題：Ad Astra
監督：ジェームズ・グレイ
製作：ブラッド・ピット他、
脚本：ジェームズ・グレイ＆イーサン・グロス
出演： ブラッド・ピット、トミー・リー・ジョーンズ、ルース・ネッガ、リヴ・タイラー、ドナルド・サザーランド
配給：20世紀フォックス映画
コピーライト：（C）2019 Twentieth Century Fox Film Corporation
公式サイト：http://www.foxmovies-jp.com/adastra/
９月２０日（金）全国公開
