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『デスノートTHE MUSICAL』 横田栄司インタビュー 「リューク役は自由な精神でやりたい」

2020年1月20日(月)~2月9日(日)に東京建物 Brillia HALLのこけら落としシリーズとして、キャストを一新して上演される『デスノートTHE MUSICAL』。(静岡、大阪、福岡公演あり)
今回、死神・リューク役にキャステイングされた横田栄司さんにお話を伺いました。

SOLO_RYUK B

―今回、演じられる死神・リューク役は、吉田鋼太郎さん、石井一孝さんからバトンを受けた役ですね。
はい、演劇界のトップの方とミュージカル界のトップの方からバトンを渡されて、うっかり握ってしまった。(笑) 握ったからには最後までしっかりやろうと思っていますが、バトンがどんどん太く重くなってきています。それが再々演の大変なところですね。
でも今回はキャストが一新されるので、また新しい出会いと関係の中で、みんなで一緒に探っていければと思っています。

―数多くの舞台に出演されてきた横田さんですが、ミュージカルという点では?
出演したことはあるのですが、慣れていません。なので、今は「どんなクラス、どんな学校に入るのかな?」と転校生みたいな気分です。ワクワクとドキドキ、不安と期待でいっぱいです。

―死神・レム(パク・ヘナ)&リューク(横田栄司)「哀れな人間」のミュージックビデオを拝見しました。迫力があって、とてもドキドキしました!
ありがとうございます。皆さまのお力添えのお蔭としか言いようがありません。

―随分レッスンされたのでしょうか?
他の舞台に出演中だったので、どっぷりレッスンするというわけにはいかなかったのですが、なるべく集中的にスケジュールを組んで頂いて、できる限りのことはやったつもりです。でも「まだまだ」「もっともっとブラッシュアップしていきたい」という思いでいます。
レム役のパク・ヘナさんが日本語に初挑戦ながらも、歌詞を完璧に、しかもとても力強い歌声で歌われている姿を間近に見て、その努力と元々お持ちの歌声の素晴らしさにほだされて「これは自分もがんばらねば。」という気になりました。収録は本当にいい時間でした。

―パク・ヘナさんは映画「アナと雪の女王」韓国版でエリサの歌を歌われている、韓国ミュージカル界のトップ女優。そのヘナさんとガッツリ組まれるのですね。
もう、ヘナさんについていきます! これから稽古に入って、いろいろお話できるのも楽しみにしています。

★「哀れな人間」 パク・ヘナ&横田栄司 MV

―今回の座組みの中では、他にも素晴らしいミュージカル俳優がたくさん揃っていらっしゃいますね。
気持ちは新人のつもりで参加したいと思っています。

―では、歌を特訓してもらったり?
それは、本当に望んでいます。みなさんに教えを乞いたいと思っています。信頼できる方々ばかりだと思うので、いろんな方のアイデアや、ミュージカルの歌唱についてもお知恵をお借りしたいと願っています。

―喉の使い方も、ストレートプレイとは違うのでしょか?
台詞では声の高さを変えることができますが、歌はキーが決まっているのでそうはいかない。台詞で喉を使い過ぎないようにしないと。

―リュークならではの歌い方というのは、ありそうですか?
吉田鋼太郎さんも、そして先日まで『愛と哀しみのシャーロック・ホームズ』でご一緒した柿澤勇人さんも「リュークは、とにかく歌を語る」とおっしゃっていました。それが一番難しいのではないかと思うのですが…。歌い上げるのでなく、語り上げる…というイメージのようです。

―吉田さんから横田さんへ「唄でドキモを抜いて下さい」とのメッセージがありましたが…。
「役者の唄という甘えは許さない」というようなことをおっしゃっていましたね。愛あるプレッシャーだと受け止めています。(笑)

―吉田さんからリューク役について直接アドバイスなどは?
何度もお会いしていますが、何もないですね。(笑) 吉田さんはちょうど僕とひとまわり年が違うのですが、本当に楽しい方で、お会いすると元気が出ます。「まだまだ、あと12年は頑張れるぞ!」と思えます。

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―さて、演じられるリュークは死神です。横田さんが演じてこられた人間でない役…と考えた時に、最初に浮かんだのは寺田心さんと一緒に出演されたTOTOのCMでのビッグベン役です。あのCMを初めて見た時には、「シェイクスピア俳優の横田さんが!!」と、とても驚きました。
後に聞いた話ですが、キャスティングの際に「ギリシャ悲劇やシェイクスピア等、古典の演劇を本気でやっている俳優を」というリクエストがあったそうです。だから監督からも最初に「横田さん、いつも通り、シェイクスピア作品のように壮大にやって下さい」と言われました。(ここで、横田さんは渋い声であのCM風に『リトルベン、このトイレには近付くな』とひと言。あまりにも素敵な声にシビレながらも抱腹絶倒してしまいました。)台詞とのギャップの大きさが狙いだったのでしょうね。

―だからこそ、あんなに楽しいCMになったのですね。人間でない役を演じるのは、ビッグベン以来でしょうか?
そうですね。他には…『ファウストの悲劇』で七つの大罪が出てくるのですが、その中の「怒り」を演じたことがありました。「俺は怒りだ~」と言いながら登場してくる役でした。(笑) でも、それもリトルベンも人間…ですよね。リュークも人間らしいところがあります。そしてリュークには自由なところもあって、すごく楽しそうです。役者として、自由な精神でやりたいなと思います。

―自由な精神で…とは、具体的にどういうことですか?
栗山さんの指示に従わないということではなくて(笑)、「栗山さんにそういう考え方があるなら、こういう可能性もありますよね?」とか「共演者がそうするなら、僕はこうでますよ」「僕がこうしたら、共演者はどうするの?」というふうに、思いついたことを我慢せず遠慮せずに試していく。前任者のみなさんたちの事は尊敬しつつ、僕の発想を新しく入れて挑戦していきたい。共演者を驚かせたいし、3回目の演出となる栗山さんをビックリさせたいですね。

―栗山さんの稽古場は、稽古時間が比較的短くて「自分で考えて」という感じがあると聞いたことがありますが…。
そういう感じはありますね。それはもう、望むところです。演出家に言われたことを拡大解釈してやるのが好きです。「確かにそうは言ったけど、そこまでやれとは言ってない!」と言われるのが好きなんです。(笑) それくらい引かずに、役者としては前のめり気味に挑戦していきたいと思っています。

―では“前のめりリューク”ですか?
リュークとしては、もしかしたら引いているかもしれないので“前のめり横田”でいきます。

―どんなリュークが登場するのか、ますます期待がふくらみました!今日はありがとうございました!

mannaka

『デスノートTHE MUSICAL』
2020年1月20日~2月9日 豊島区立芸術文化劇場
※静岡、大阪、福岡公演あり
スタッフ
音楽:フランク・ワイルドホーン 演出:栗山民也
作詞:ジャック・マーフィー 脚本:アイヴァン・メンチェル
翻訳:徐賀世子 訳詞:高橋亜子
キャスト:
村井良大 甲斐翔真 髙橋颯 吉柳咲良 西田ひらり パク・ヘナ 横田栄司 今井清隆
川口竜也 小原悠輝 金子大介 鎌田誠樹 上條駿 長尾哲平 廣瀬真平 藤田宏樹 本多釈人 松谷嵐 渡辺崇人
石丸椎菜 大内唯 コリ伽路 華花 濵平奈津美 妃白ゆあ 町屋美咲 湊陽奈 森莉那

作品公式SNSアカウント #デスノートミュージカル
ツイッター @dnmusical インスタグラム @dnmusical
作品HP : https://horipro-stage.jp/stage/deathnote2020/

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