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ミュージカル『ボンベイドリームス』 主演 浦井健治 インタビュー

今回、Astageがインタビューをお願いしたのは、俳優・浦井健治。
演技力・歌唱力ともに高い評価を受け、2014年には舞台5本、ドラマ2本に出演。また2013年に結成したユニット“StarS”としても活動も記憶に新しい。
今、まさに大活躍中の俳優だ。
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彼の2015年の始まりは、心躍るマサラ・ミュージカル「ボンベイドリームス」から。
その制作発表を終えたばかりの浦井健治を訪ねた。

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―制作発表を拝見しました。「ボンベイドリームス」は本当に楽しい舞台になりそうですね。
A.R.ラフマーンさんの音楽が、クラブシーンなどでも通用するノリノリのものあり、ラブバラードで心にくるものもあり。そしてキャッチーでポップな曲もあり、老若男女だれでも楽しめる楽曲がそろって、それが全部、異国情緒あふれる感じにまとまっています。目で見て、耳で聞いて楽しんで頂ける作品になると思っています。

―この作品への出演オファーが来た時には、どう感じられましたか?
嬉しかったです。最近、またインド映画も流行っていますし、やれたらきっと楽しいだろうとも思いました。信頼を寄せる荻田さんがこの作品をやりたいと考え、お話を下さったことに共感し感謝しています。
そして家族愛にあふれている人間らしい温かみのあるアカーシュが、どう成長して変わっていくのか…その過程もしっかりしっかり演じて見せていかなくてはいけない役、素敵な役なので、大切に演じていきたいと思います。

―「ウルルン滞在記」でインドに行かれたとの事ですが。
クシュティというインド相撲を習いに北インド…パキスタンとの国境近くへ行きました。お世話になったのが三世代で暮らす愛にあふれたご家族でした。本当の家族のように接してくれて、帰る時には「健治の部屋はとっておくからね」とまで言って下さるほど、僕のことを心底信頼して家族として受け入れて下さったので、アカーシュのバックボーンとリンクできたら素敵だなぁと思っています。インドで見たもの、触ったもの、食べたもの…、においもすべてが肌感覚で僕に残っているので「ボンベイドリームス」で活かせたらいいなぁと思っています。

―インド映画もたくさん見ておられますか?
なんでもありなところもあって、面白いですね。とても好きです。

―お薦め映画を教えて下さい。
『マッキー』って知っていますか? 蠅が主人公で面白いですよ! それと個人的にお薦めの映画は『スタンリーのお弁当箱』や『きっと、うまくいく』です。

―「ボンベイドリームス」にはまったら、あるいは見に来る前に、この3本を見るといいですかね?
映画は映画としてお薦めですし、観たならより「ボンベイドリームス」と共に、インドっていいな!と感じて頂けるのではないかと。でもこのミュージカルは何も考えずに楽しんで頂ける作品になると思います。ストーリーも分かりやすく、善悪も明確。観終わった後、ノリノリで帰って頂けるエンターテイメントになる予感がしています。新年にぴったりの作品だと思いますので、お正月気分でリラックスして観に来てもらえたら嬉しいです。

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―アカーシュはスターを夢見る青年ですが、浦井さんもかつてはスターを夢見ていた…?
スターといいますか、俳優になりたいと思っていました。

―浦井さんも今はもうスターとなられましたが、アカーシュと重なる部分というのはありますか?
自分がスターだとは思っていませんけれど、何か夢をつかもうとする過程というか、その道のりに意味があると思います。成功であれ挫折であれ。成功であれば、また次の成功に向けて歩みが続くわけですよね。その連続だと思います。集大成の成功というのは、人間…特に役者には訪れないと僕はたくさんの先輩方から教わってきました。そしてそんな先輩方の背中を見つめながら「自分はまだまだだ」と思いもがきながらやっているので…。過程というものの素晴らしさ、そのきらめきが素敵だという意味では、もがいていくアカーシュを魅力的にやらなくては…。それが自分のつとめだと思っています。

―最近は休みなく、幅広い作品に出演されていますね。
有難いです。人とのつながりで「浦井にこれ、やらせたい」「やってみたらどうか?」と言って下さる方が現れてはやらせて頂けている…それが続いているだけなのです。そのために自分は鮮度のある役者、「また違う顔をしているね」と思ってもらえる役者であることを徹底して、自分に負荷をかけています。ハードルを前に置いて…。

―チャレンジャーですよね?
チャレンジャーというか、そうやって目の前に5年後10年後までのハードルを如何に置くか…。先のハードルが1つとれたら、その先のハードルをどんどん増やしていくことで、自分の歯車が前に進んでいっているという感覚です。でも山登りと一緒で、それがなくなったら、つかむフックがなくなるので落ちるだけ。そういうイメージはありますね。

―2014年の出演作を振り返っても、大変な…苦労の多い作品ばかりのように思いましたが。
大変でしたが、大切な経験ばかりさせてもらいました。

―年の初めの「シャーロックホームズ~アンダーソン家の秘密」にしても2役というか…大変な役でしたが、素晴らしかったですね。
そう言って頂けて嬉しいです。2役というか弟が兄を演じていたという悲しい結末ですが、演じ分けという意味では台詞も違えば、歌い方も違う。それを役のキャラクターできちんと提示しなくてはいけないのはハードル高かったですね。

―そして「星ノ数ホド」も大変な台詞でしたでしょう?
でも今のこの時期にこの年齢で小川さんの演出のもと、徹底して「対話することの大切さ」を学べたことは、自分にとっては必然であり必要でしたし、その環境を頂けたことが財産だと思っています。それを忘れないように、次につなげられるようにやっていこうと思っています。

―自分の血肉にしていくということですか?
血肉にするには、実は月日が必要なんです。これは小川さんがよく話されていることなのですが「自転車は1度乗れると忘れない。こげるようになった、なってない、なった…というのを繰り返さないと、本当の対話というのは出来るようにならない…。演技をしているという感覚が自分の中にある時点で、それはもう対話をしていない」というのが小川さんの教えです。演技はしているんですよ。でも「お芝居をしている」というのは「している風」。お客様は、そこで起こっていることの目撃者になってもらわなくてはならない。雰囲気だけの「芝居している風」は絶対にしてはいけない。そのことはミュージカルの歌にも通じる部分かもと個人的には感じていて。「これだけロングトーンが出ます」「キレイな声でしょう」というのは前もって鍛えておく準備なだけであって、それを超えたところで対話したら、お客様は目撃者になれる。そこが今の自分が目指す部分ではないかと。自分のハードルのひとつとして、それを超えていけば、もっと自由な歌唱法というものに出会えるのではと思っています。

―2014年はドラマ「アオイホノオ」や「新解釈・日本史」にも出演されましたね。
福田組に出させて頂きました。福田さんの人間性に魅かれるところもありますし、着眼点が面白いですよね。『女子―ズ』も『HK 変態仮面』も好きですが「勇者ヨシヒコ」シリーズがとにかく大好きで。勇者ヨシヒコ展にまで見に行ってムロツヨシさん演じるメレブの顔をくりぬいたパネルに自分の顔をはめていたほど「ヨシヒコ」ファンなんです(笑)。福田さんも僕の舞台を観に来て下さったり、とても感謝しています。福田さんは演劇に感動して目覚めて、演劇の力を全力で信じている方という印象が自分にはあります。あの面白い作品の裏には、その信念や強さに裏付けされた土台がある気がします。笑ってない時は目の奥をみれば分かりますし、だからこそ福田組の徹底してやる、絶対にあきらめないエンターテイメント性に僕は魅かれました。現場はいつも笑顔であふれていますし、福田さんの大きな笑い声を聞きたいから、全員が全力で用意してくる。ドラマ「アオイホノオ」は雑誌のテレビドラマ部門で1位をとったり、賞も頂いたりしていますよね。

―浦井さんの出演場面でも大爆笑させて頂きました。白いスーツで自転車に乗る姿も印象的でしたし、巨大化したように大迫力で現れるシーンは本当に驚きました。
あのシーンは、僕が箱の上にしゃがんで「ハハハハ~」と言いながらプルプルしながら立ち上がっただけですよ! そして僕が台詞を言った後に、あの柳楽優弥くんがポーンと飛んで行ってしまう。そんな演出って凄いですよね(笑)。

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―現場でも楽しかったですか?
はい!現場に行くと、スタッフさんが僕をのせるために「シャア先輩、入りました~」と言ってくれるんです(笑)。ファンの方も気に入って下さって嬉しかったです。個人的にも色々買って、シャアグッズが増えました(笑)。

ーさて、この2014年を振り返って、学んだこと、嬉しかったことを教えて下さい。
舞台を5本(『シャーロックホームズ~アンダーソン家の秘密』『THE BIG FELLAH ビッグ・フェラー』『[タイトル・オブ・ショウ]』『アルジャーノンに花束を』『星の数ホド』)、映像を2本、コンサートやイベントもあり、本当にたくさんの事をやらせて頂いた有難い一年でした。
けれど『[タイトル・オブ・ショウ]』の時に人生で初めて声が出なくなりました。あってはいけないことが起こってしまった。それはとても反省している点です。ケアもしていたので、自分の体力を過信していました。
その時に支えてくださった周りの方々、スタッフ、キャスト、福田さん…。そして見守り愛あふれる言葉や行動で示して励まして下さったファンの方々ひとりひとりの愛情の強さ、深さを、今年は改めて感じました。それにどう恩返ししていくのか…。それはエンターテイメントで楽しんで頂くことしかないと思うので、自分の中でもう一つ、確固たる決意をするきっかけになりました。ピンチはチャンスと言います。あってはいけないピンチでしたが、再スタートだと思えた一年でした。自分にとってある意味、原動力であり戒めとなった今年一番大きな出来事でした。

―そして2015年は?
いま発表されているもので、主演をつとめさせて頂く舞台が3本(『ボンベイドリームス』『デスノート The Musical』『トロイラスとクレシダ』)続きます。自分を見つめ直しながらも、まずは僕自身も楽しんで、更には役者のみなさんがリラックスし、カンパニー全体が楽しくなるような環境作りも学んでいければと思っています。堅苦しく考えるのではなく、頂いたものに応えられるような役者であるという点は変わらず、そういうトライをしていけたらといいなと思っています。

―その2015年の最初の舞台がミュージカル「ボンベイドリームス」ですね。もちろん、浦井さんも踊られますね?
踊ります!(小声で)たぶん、踊ります…。(大きな声で)がんばります!

浦井健治
1981年8月6日 東京生まれ。
2000年『仮面ライダークウガ』敵の首領役で俳優デビュー。
その後 舞台へも活動の場を広げ、2004年 ミュージカル『エリザベート』ルドルフ皇太子役に抜擢。以降、ミュージカルからストレートプレイまで数々の話題作に出演。2006年初主演ミュージカル『アルジャーノンに花束を』では難役に挑み、ミュージカル『マイ・フェア・レディ』の演技とともに第31回菊田一夫演劇賞を受賞。
2009年シェイクスピアの大作歴史劇『ヘンリー六世』三部作ではタイトルロールを演じ、第44回紀伊國屋演劇賞個人賞を、第17回読売演劇大賞杉村春子賞(ミュージカル『ダンス オブ ヴァンパイア』の演技とともに)を受賞。
2013年にはミュージカル界・演劇界を中心に活躍している俳優三人、井上芳雄、浦井健治、山崎育三郎によるユニット“StarS”を結成し、デビュー・ ミニアルバム「StarS」をリリース。11月には日本武道館公演を成功させる。2014年はミュージカル3作品、ストレートプレイ2作品に出演した他、ドラマ「新解釈・日本史」「アオイホノオ」にも出演。2015年は『ボンベイドリームス』『デスノート The Musical』『トロイラスとクレシダ』とすでに3本の主演公演が控えている。

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公演情報ミュージカル『ボンベイドリームス』
【作曲】A.R.ラフマーン
【作詞】ドン・ブラック
【脚本】ミーラ・サイアル
【演出・訳詞】荻田浩一
【出演】浦井健治/すみれ 加藤和樹/朝海ひかる
久野綾希子 安崎求 阿部裕 川久保拓司ほか

【東京公演】
日程:2015年1月31日(土)~2月8日(日)
会場:東京国際フォーラム ホールC
チケット料金:S席12,000円 A席9,000円 B席5,000円(全席指定・消費税込)
一般発売 2014年11月15日(土)
お問い合わせ:梅田芸術劇場0570-077-039

【大阪公演】
日程:2015年2月14日(土)~15日(日)
会場:梅田芸術劇場メインホール
チケット料金:S席12,000円 A席9,000円 B席5,000円(全席指定・消費税込)
一般発売2014年11月29日(土)
お問い合わせ:梅田芸術劇場06-6377-3800

浦井健治 サイン入りチェキ プレゼント

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