Open Close

玉城裕規×相馬理 、セリフ量に苦労も「楽しくて素敵な現場だった」「またバディを組みたい」 映画『NOT BEER』インタビュー!

Fix_008

玉城裕規が主演、相馬理が共演する映画『NOT BEER』が5月30日(金)より2週間限定で劇場上映中だ。

本作は、2013年に劇団オレガユナイテッドによって上演された「Not beer but low-molt beer」を映画化。認知症だった瀧ハルエの通夜の日に集まった4人が、ハルエの財産を巡り嘘を繰り広げる小さな奇跡の物語。人のいい詐欺師・鮫島優を玉城裕規、鮫島をアニキのように慕い発言の軽いチャラ詐欺師・押切淳平を相馬理が演じ、ハルエの孫と名乗る二階堂早妃を永瀬未留、遺言書を持ってくる弁護士・辻和成を伊藤慶徳、そしてキーとなる瀧ハルエは金子早苗が扮する。

今回、詐欺師としてバディを組む玉城裕規さんと相馬理さんにインタビューを遂行。今作が初共演の2人だが、劇中さながらに息ピッタリなトークを展開。撮影を振り返りながら、本作への想い、そして役者として得たものを語ってくれた。

Fix_002

― 最初に出演が決まったときのお気持ちをお聞かせください。

相馬理(以下、相馬):僕はオーディションを受けたのですが、(撮影当時)初めての映画出演ということもあって、決まったときは本当に嬉しかったです。でも、オーディションのときはあまり手応えを感じなかったので、「あ、決まったんだ」と、正直驚きのほうが大きかったです。オーディションは凄く楽しかった!という記憶しかなくて(笑)。逆にそれが良かったのかもしれないですね(笑)。

玉城裕規(以下、玉城):僕は以前お仕事でご一緒したプロデューサーさんからお話をいただきまして、凄く嬉しかったです。ただ、台本を読ませていただいたら、セリフの量に驚きまして・・・すぐに台本と向き合いました(笑)。

― 台本を手に取ってから本番までどのくらいの期間があったのですか? 玉城さんはセリフ量も多かったと思いますが。

相馬:けっこう短かったですよね。
玉城:そうですね、リハーサルも含めて2週間くらいかな。確かにセリフ量が多くて。監督からほぼ長回しの一発撮りでいくと聞いていたので、余計に緊張感が増しましたね。

Fix_059

― その大量のセリフはどのように覚えたのですか?

玉城:僕はいつも僕以外の方のセリフを録音して、自分のセリフのところの間を空けて、そこに(セリフを)入れて覚えるということしています。

相馬:僕も同じです。以前は書いて覚えようとしたんですが、全然ダメだったので、この方法が僕は一番合っていると思っています。そのあとに、どういうふうに表現していこうかを考えていきます。
玉城:今回はリハーサルもしっかりあったので良かったですね。
相馬:そこで実際に相手の出かたや雰囲気もつかめたので覚えやすかったです。あとは、僕は散歩が大好きなので、散歩しながら覚えました。動きながらのほうが覚えやすいんです。

Fix_052

― 初共演でテンポを合わせていくのは大変だったのでは?

相馬:お互い作り込んでいかないタイプだったから良かったのかもしれません。相手を受け入れつつ、その場での新鮮なキャッチボールができたので。

玉城:そうですね、違和感なくできました。セリフではない場面もけっこうあったし、追加でアドリブを入れたりしたので、2人とも自然体でできたのは大きかったと思います。

― お二人の表情豊かな演技がとても魅力的ですが、役作りで意識されたことはありますか?

玉城:監督からは「吹っ切ってやってください」と言われたので、抑えるということは考えずに全力で役と向かい合いました。それがいろんな表情であったり、表現に繋がったのかなと感じます。

相馬:僕は深く考えすぎないというところを大事にしていました。「こうしてみよう、ああしてみよう」とあまり考え込んでしまうと、自分の中で固めてしまうかもしれないので、そこはあえて意識していました。いろんな掛け合いがあるので、その時その時を純粋に楽しもうという気持ちで臨みました。それが映像に出ていると思います。

Fix_074

― 演じられたキャラクターとご自身が重なる部分はありましたか?

玉城:抜けてるところ?
相馬それはお互いにね(笑)。
玉城:そう、お互いそうなんです (笑)。完璧ではない部分はありますね。
相馬:なんだかんだ言って、鮫島はいいヤツという感じがするんですけど、玉城さんもいい人オーラが滲み出ていると思います。僕自身は、やはりちょっと抜けていてバカっぽいところが被るなと思っていたので、演じやすかったです(笑)。
玉城:(相馬さんの)笑顔が素敵だから引き込まれちゃって、思わずこちらまで笑いそうになりましたね。

ー 逆に、自分にはないと思うところは?

玉城:率先して人を騙そうとするところはないです。あの熱量で人を騙して、それが上手くいくと思っているところは僕にはないですね(笑)。
相馬:相当の熱量ですものね(笑)。

Fix_076

― セリフの量以外に、演じていて大変だったことはありますか?

玉城:僕は、相馬くんの役名「押切」の呼び方が訛っちゃって困りました。「押切⤴くん」「押切⤵くん」のイントネーションが定まらないんです。僕は沖縄出身ですが、沖縄訛りでもないんです。段取りのときからずっと訛っていて・・・。ちょっと長回しのシーンの終盤にその「押切くん」が来るので、ずっとドキドキでした。それをクリアしたときは思わずガッツポーズしました。セリフを噛むことと同じくらい、この作品ではまさかの緊張でした。

相馬:この作品の中で、押切にとって大事なポイントになるシーンの撮影が、初日のクランクインの時だったので、とても苦戦したことを覚えています。順を追っての撮影だったらある程度気持ちも入りやすいのですが、ここで入口を間違えてしまうと、その後どうしたらいいのか迷ってしまうので、そのシーンは監督とよく話をしながら進めていきました。最初にそれをクリアできたので、あとは楽しんで120%で演じることができたのかもしれません(笑)。

玉城:最初が山場だったんだね。

― 相馬さんは、初めての映画出演で驚いたことなどありましたか?

相馬:今作だけかもしれませんが、限られたキャストの方との撮影だったので、そのセリフ量には驚きました。こんなにも詰まっているのかと。スケジュールもタイトだったので、その分とても濃い時間を過ごすことができました。映画とドラマというギャップのようなものは感じなかったです。

― 玉城さんは中川監督の現場ならでは、今回の撮影で特に印象的だったことはありますか?

玉城:中川監督とは今回初めてご一緒させていただきましたが、これだけ吹っ切って演じることはなかなかないですね。予告編でも出てきますが、カメラ目線で凄い顔で誰に喋りかけてる?というような撮られ方をしたり。それも現場で決まったとことだと思うのですが、照明さんや他のスタッフさんたちも監督の要望にすぐに対応して連動されるんです。みんなで1つの作品に向けて突き進んで、素敵なもの作りをしている姿が凄く印象的で、そこに居られるだけで幸せでした。本当に楽しくて素敵な現場でした。

相馬:チームワークが凄く良かったですよね。監督が一番楽しそうでしたね。現場で撮影を進めているうちに、どんどんご自分の引き出しが開いていって、これもやりたい、あれもやりたい・・・と色々出してくださるので、こちらも凄くありがたかったです。

Fix_027

― 今回共演して、お互いの印象をお聞かせいただけますか?

相馬:もう“怖い”でした、いちばん最初の印象は(笑)。完全にビジュアル的なところではありますが。今はとても爽やかですけど、当時は髪がオールバックで眉毛もなかったので、とんでもない兄さんが来たな、これからどうすればいいんだろうと(笑)。話してみたら凄くいい人だったので安心しました。

玉城:ちょうど作品が重なっていたこともあって、そういうビジュアルではあったんですが、結果的に怖くなくて良かったです(笑)。

相馬:役も怖い詐欺師というより、ちょっと抜けているのでちょうど良かったですね(笑)。

玉城:相馬くんは笑顔が魅力的でそのまんま。素敵な子で良かったです。一番掛け合いも多いので安心しました。ちょうど夏前くらいの時期だったですが、細ッ!と思いました。

相馬:そのころは全く鍛えていなかったので、今より5~6kgは体重が少なかったです。映像で見ると、こんなに細かったんだと自分でも驚愕しました。

Fix_048

― お二人は今回の役で、コメディリリーフとしての新境地を切り開いたと思いますが、その感触はいかがでしたか?

玉城:映像でここまで吹っ切ることはないので、そこは監督のおかげだと思います。吹っ切ると自分はこうなるんだ、ああいうセリフのときはこんなに凄い顔になるんだということも新しい発見でもありました。僕の役は他の人よりそれほど抱えているものがないので、吹っ切ると本当にノンストレスというか、コメディ要素も含めて純粋な気持ちで楽しむことができました。

相馬:僕の場合は玉城さん演じる鮫島が暴れているので、それに引っ張られている感覚でした。だからけっこう気楽にできたというか(笑)、今までやったことのない役だったので、こういうことも自分にはできるんだと気付くことができました。

Fix_068

― お二人を取り巻くキャストの皆さんも個性的な面々が揃いました。現場での雰囲気はいかがでしたか?何かエピソードがあったら教えてください。

相馬:ハルエ(演:金子早苗)さんを騙すのは申し訳なかったですね。
玉城:本当にそう。役もそうですし、ご本人もとても素敵な方だったので、おばあちゃんが大好きな僕は心苦しかったです。ああ、信じちゃった・・・って(笑)。伊藤慶徳(弁護士の辻役)さんは徐々に口数が増えていって、終盤の少し深刻なシーンのときに笑わせてくるんです。天然なところがあって、その真面目さが面白いというか、もうツボに入っちゃって。本番が終わるまでこらえていました(笑)。

相馬:撮影の後半では(伊藤さんが)新しいムードメーカーになっていました。永瀬さんはひたすら真面目な方で、役にぐっと入り込めるのが凄いなと思いました。

玉城:全員が絶妙なバランスだったと思います。

― 先日開催されました公開決定記念イベントでは、劇中で2人が遺産品を求めハルエの元に何度も通うシーンにちなみ、「このためなら何度でも足繁く通えることは?」という質問がありましたが、お二人とも「ハリウッド映画の 2 番手、3番手の出演があったら通います」と答えて役者魂を見せていました。そのために頑張りたいことは? そして期待することは?

玉城:やっぱり、まず頑張るのは英語じゃないですか?
相馬:語学の勉強からですね。僕は英語がまったくできないので(笑)。ハリウッドに行くことができたら、お芝居についてもたくさん学んで、知識をたくさん身につけたいですね。
玉城:日本とはメソッドが違うと聞きますが、それをどう感じるか、自分で体験することにも意味があると思います。

― 本作に出演して、ご自身のなかで何か感じたもの、得たものがありましたか?

相馬:ナチュラルなセリフ回しみたいなところは今回、一番大事にしていたし学ぶことができたと思います。短い期間でギュッと撮影したからこそ、みんなでどんどん高めていかないといけなかったし、ギアの上げ方も玉城さんから刺激を受けながら勉強させていただきました。

玉城:1つは自分の演技の新しい見え方がわかったこと。そして、永瀬さんと伊藤さんがあまりにも忠実で、ナチュラルな自然なお芝居をされていたのですが、僕たちは凄く吹っ切っていて、バランスはどうなんだろうか・・・こんなに大げさにやっていて大丈夫なのかな?と撮影中にも相馬くんとよく話をしていたんです。今回、1つの作品の中でお芝居のスタンスが違くても、ちゃんと調和がとれて個性になっていくんだということを実感することができました。

Fix_047

― この映画を観たら、鮫島と押切のバディがとてもキュートでファンになること間違いなしですね。この作品に限らず、もし次にまたダッグを組むとしたら、どんな作品がいいですか?

玉城:違う形のバディをやってみたいですね。今回の兄貴分と弟分が逆でもいいし、探偵とか、殺し屋とか? ちょっと監督に話しておきますね(笑)。
相馬:あとプロデューサーさんにもお願いして。バディ、またやりたいですね!

― それでは最後に、見どころと注目ポイントを含めて、この作品を楽しみにされている皆さんにメッセージをお願いします。

相馬:この2人の掛け合いを観たら絶対に笑顔になると思います。僕らは本当に楽しく撮影させていただきましたが、内容は楽しいシーンだけじゃなくて、それぞれの過去や考えさせられるようなところもあって、喜怒哀楽が73分にギュッと詰め込まれていますので、1秒たりとも見逃さず最後まで楽しんでいただけたらと思います。

玉城:本当にドタバタで73分の中に色んなことが詰まっていますし、キャスト以外のスタッフさんたちの気持ちも映像に滲み出ているので、物語に没入できますし、観終わったときにはデトックスしたような感覚になると思います。その後に美味しいビールを飲んでいただきたいと思います。そして、優しい嘘ってこういうことなのかな?と思ったり思わなかったりしていただければ(笑)。約10年越しに皆さまの目に触れる作品になるので、ぜひご覧いただけた嬉しいです。

【玉城裕規(Yuki Tamaki)】
1985年12月17日生まれ、沖縄県出身。
2004年1月期のテレビ東京系『エコエコアザラク~眼~』で俳優デビュー。2010年にJapan Anime Liveにて「NARUTO -ナルト-」サスケ役を務めたことをきっかけに舞台「少年ハリウッド」へ出演し、その後も話題の舞台や映画で活躍中。
主な出演作品は、舞台・ドラマ「弱虫ペダル」舞台「ライチ☆光クラブ」のほか、主演舞台「曇天に笑う」、「舞台 刀剣乱舞」「魔界転生」など。テレビドラマ「封刃師」「遺留捜査」「罠の戦争」、主な映画作品は『新宿スワン II』、『ゼニガタ』、『映画演劇 サクセス荘』、映画・舞台『邪魚隊 / ジャッコタイ』などがある。6月10日より舞台「霧」に出演、2025年12月からはミュージカル『十二国記 -月の影 影の海-』の出演が控えている。

【相馬理(Satoru Soma)】
1996年10月23日生まれ、静岡県清水市出身。
商社のサラリーマンとして在職中に出演したテレビ番組で注目を集め、4年間のサラリーマン生活に終止符を打ちタレント活動をスタート。CX・FOD連ドラ「スイートリベンジ」ゲスト主演をはじめ「あざとくて何が悪いの?」「美しい彼」など話題作へ出演が続き、2024年3月スーパー戦隊シリーズ「爆上戦隊ブンブンジャー」に振騎玄蕃/ブンオレンジとして出演。幼少期から地元「清水エスパルス」の大ファンで、戦隊でオレンジ役という縁でSNSでも話題となり、今季からは公式アンバサダーに就任。
6月20日には地元・静岡で撮り下ろした1st写真集「S+」の発売も控えている。

映画「NOT BEER」メインビジュアル

映画『NOT BEER』
<ストーリー >
人の良い詐欺師の鮫島とその舎弟・押切は、亡き夫の資産で暮らす老婦・ハルエと純金の入れ歯の買い取りを苦戦しながらも取り付ける。が、約束の日に、買取に訪れるとハルエの通夜が行われていた!
ハルエの孫の早妃や弁護士の辻と居合わせることになり、帰るに帰れない状況に…。
そんな中、辻がハルエからの遺言書を預かっていた。
開封すると、「私、瀧ハルエの財産は、通夜の日に最後まで残った方に、相続いたします」というメッセージが残され、偶然 相続権を得た4人は一夜の騙し合いを始める…。財産は誰の手に渡るのか?そして遺言に込められたハルエの想いとは…。

製作・配給: Go×En
コピーライト: © Go×En
上映尺 :72分
映倫: G
公式X(旧Twitter): @Notbeerbut_M

キャスト: 玉城裕規、相馬理、永瀬未留、伊藤慶徳、金子早苗
園田あいか 今出舞 田村響華 石塚みづき 宗綱弟 神田川侑希

スタッフ:
監督:中川寛崇 脚本:佐渡ツムジ 企画・プロデューサー:川又崇功
プロデューサー:谷口航季 撮影:米澤郁弥
照明:溝江利文 録音:渡部未佳 ヘアメイク:出町莉里・梶山ひな 衣裳:平山空
編集:田村宗大 スチール:JUMPEI TAINAKA

5月30日(金)~6月12日(木)、シネマート新宿にて2週間限定上映中!

◆本予告

★★★玉城裕規さん&相馬理さん 直筆サイン付きチェキプレゼント!★★★
応募はこちらから

Fix_087