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映画『ONLY SILVER FISH』 松田凌&玉城裕規インタビュー! 「人生生まれ変われるとしたら女性になってみたい」松田、「僕も、ふふふ」玉城、その理由は?

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謎と愛と裏切りが交錯する極上のサスペンスミステリー、映画『ONLY SILVER FISH ‐WATER TANK OF MARY’S ROOM』がいよいよ11月24日より公開する。舞台「煉獄に笑う」や「戦国BASARA」シリーズなどで知られる人気舞台演出家・西田大輔の映画監督デビュー作に豪華キャストが集結。2018年1月に舞台版として上演された同じキャストで、映画ならではの緊迫感ある映像を作り上げた。

本作は、とある洋館へと集められた男女たちが、“オンリーシルバーフィッシュ”という一匹の魚の名前を求め、勝者になるべくゲームが進められていくという物語。その魚の本当の名前を呼ぶことで過去を振り返ることができると言われているが、それぞれの過去とは、その正体は? 一瞬たりとも目をそらすことができない。
今回、「黒いネクタイの男」役で主演を務める松田凌と、「白いネクタイの男」役として出演する玉城裕規にインタビューを遂行! 役名からも対照的な雰囲気が漂う2人に話を聞いた。

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― 本プロジェクトは、今年1月に舞台が上演されました。そして、いよいよ映画版が公開されます。今のお気持ちをお聞かせください。

松田凌(以下、松田):実は、先に映画の撮影があって、次に舞台を上演したんです。ですから、僕たちが本プロジェクトに参加したのは映画からだったんです。随所に緊迫感のあるシーンが多いなか、初めてお会いする俳優さんもいたので、緊張感を持って役になりきることができました。
玉城裕規(以下、玉城):関係性を作り上げていく上でも、作品に取り組める環境が良かったですね。

― 舞台でのご活躍も輝かしいお二人ですが、演じる上で舞台と映像での違いを感じることはありますか?

玉城:あるのかな?と思って意識した時期もありましたが、結局“お芝居をする”ということは一緒だなと思って。頭でっかちに考えてしまうと、そこに自分が存在しなくなってしまうので、「映画だから声を張らない、動作を大きくしないようにしよう」とか、何も考えずにその場所にいるようにしています。舞台では遠目でちょっと見えなかったり、逆に失敗しても全部見えてしまったりすることもありますが、演じるということの根本は同じだと思っています。

― なるほど。舞台は2時間~3時間の中で物語が進み完結しますが、映画の撮影は必ずしも時系列で進むとは限りません。そういう時の気持ちの作り方は大変ではないですか?

松田:もちろん、舞台は上演がまるまで十分な稽古をします。映画はその場で出していく瞬発性や、相手が出してくる手札に自分がどういう影響を受け、またどういう影響を与えることができるかが大切。僕も “その場に生きていればいい”と思います。役者よりもスタッフさんの違いの方が大きいかもしれません。どの部分を切り取るか、どういうふうに構成して作品を作り上げていくかの違いはあると思います。舞台でも映画でも観客の皆さんには細かな動きや心根まで見られるので、全てが芝居として成立するように演じるだけです。

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― 今回は、役名がなく「黒ネクタイの男」「白ネクタイの男」として演じられていますが、役作りで大変だったことはありますか?

松田:今回は自分から役がらを作っていくというより、周りから与えられることのほうが多かったと思います。核となる人物像は自分の中で作って現場に臨みますが、撮影では会話しながらその人たちを見ている状況が多く、それぞれのお芝居も違うし、放つ色や空気も違う。役がぶれるという意味ではなく、その環境に感化されて自然に自分の役が出来上がっていく感じでした。

― 玉城さんは、登場人物の中では少し特殊で周りから一歩引いているような役だとお見受けしましたが。

玉城:この役を演じるうえで、最初の段階では違和感のある存在でありたいなと思っていました。舞台の洋館や衣装などがとてもきれいだったので、それに合わせるように自分なりに演じてみたら、監督から「ちょっと、『アウトレイジ』っぽいよ」と言われてしまって(笑)。自分ではそれでいいかなと思っていましたが、そんなに強く違和感を出す必要はないんだなと考え直して演じました。完成作品を観ると、本当に各々の役に個性が出ていて、それが西田監督の世界だなと感じました。

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― これまで舞台演出家として活躍されてきた西田監督の映画デビュー作ですが、映画作品でご一緒されていかがでしたか?

松田:以前からご一緒することが多かったので、コミュニケーションも取りやすかったし監督の意図するものがわかるので、そういうメリットはありました。でも、西田監督の新しい挑戦です。それを一緒に作り上げていく作業は楽しかったですね。

― 西田監督は「舞台に立っている俳優さんたちが、映像の世界に出るきっかけになるような作品にしたい」と仰っています。

松田:監督はよく言ってましたね。「無名なんだ、俺たちは全員!」「無名から世界へ行こうぜ!」って。
玉城:(撮影の)2日くらいには「この作品、勝ったな!」って言ってましたね(笑)。
松田:誰よりも気が早かった (笑)。
玉城:2日目にもう撮り終えたような感じのテンションで(笑)。
松田:もう打ち上げで飲みに行くかのような(笑)。
玉城:作品作りを楽しんでやっていました。みんなで砂場で砂遊びをして、トンネルや山を作っているような感覚でしたね。

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― 物語は鬼気迫る感じですが、撮影現場は和気あいあいとした感じだったのですか?

玉城:こういう役だから、現場ではこうしなければ・・・ということはなかったですね。みんな自然体でいました。

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― 作品のテーマである「自分の過去を振り返る」ということにちなんで、ご自身の人生を振り返って消してしまいたい過去はありますか? 言える範囲で結構ですが・・・。

松田:よくこの質問をされるんですが、それと同時に「言える範囲で」って言われるんですよ。僕たち2人はそんなにも黒い人生を歩いてきたと思われているのかと・・・(笑)。確かに特徴ある2人ですけど(笑)。
玉城:確かに!(爆笑)
松田:振り返るというより、「生まれ変わるなら」という話になってしまいますが、僕はずっと生まれ変わっても男性で生きたいと思っていたんですが、ちょっと女性として1度生きてみたい気がしてきました。
玉城:ああ、(女性として)生きてみたい! とりあえず、ふふふふ・・・。
松田:あ、もうこれは言えない範囲ですね(笑)。いま彼の脳内は“欲”にまみれました(爆笑)
玉城:人肌が恋しい季節になってきたので(笑)
松田:さて、襟を正しまして・・・。今の家族のもと今の環境が変わらないとするならば、女性として自分の人生を振り返ったらどうなんだろう・・・と考えることはあります。出会う人たちとの関係性も変わってくるだろうし。やっぱり男性にとって永遠の謎は女性。その謎を解明できるチャンスがあれば。
玉城:神秘だよね。女性で生きてみるのもいいかな。でも、僕が女性だったら男を誘惑してると思います(笑)。短いスカート履いてね。なぜなら、僕は女性からあまり誘惑されたことがないので。だから、もっとグイグイ来てくれたら嬉しいのになと思って・・・って、何の話になってるんだ?(笑)
松田:それは、自分の願望からだろ(笑)。僕は女性として生きるなら、強い芯のある女性になりたいですね。

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― スタートから緊張感あふれた本作ですが、この映画の一番の魅力は何だと思いますか?

松田:僕は「答えがない」ことだと思います。「こういう作品です」といったはっきりした目的地があるものではないので、観ていただいた皆さんにとってどういう作品になり得るのか、その可能性に委ねている映画。他にはないような作品に仕上がっていると思います。
玉城:僕はこの映画を観て人間の醜さを感じました。振り返ること自体が醜いことだと思ってしまう。舞台は美しい洋館ですし、死ぬ姿もエグくなくてきれいなんです。だからこそ、より違和感というか人間の気持ち悪さが見えてくるんです。そういう人間味に惹きつけられました。
松田:確かに。鮮やかな色の中に、黒色があったら目立ちますよね。

― 誰を信用していいのか・・・と思ってしまう本作。もしご自身が信用している人に裏切られたらどうしますか?

玉城:とりあえず、酒を飲みます(笑)。人間不審になって、人が変わってしまうかも。耐えられないですね。僕、すぐ信用しちゃうんですよ。
松田:僕がこの作品の世界に実際に入ってしまったら、結局信じられるのは自分だけです。ちょっと悲しい人間みたいですけど。自分だけを信じるという意味ではなくて、結局人を信じているのも自分なので、自分を信じないとその人にも失礼だと思う。もし、裏切られるなら、信じていた自分がダメだったんだと。
玉城:あの中で生き残る自信ある?
松田:ない・・・。
玉城:俺も。たぶんすぐ死んじゃうと思う。「人狼」というゲームで、いつも雑魚なんですよ。狼になったらすぐバレちゃうし(笑)。

― 観終わってから、いろんな意見が出てきそうですね。

松田:そうですね、楽しみです。
玉城:どう思ったのか、どう感じたのか、観ていただいたお客さまの感想をぜひ聞きたいですね。お客さまの反応に凄くワクワクしています。

衣装:瓢子ちあき
ヘアメイク:<松田凌さん>堀口有紀、<玉城裕規さん>泉脇崇(Lomalia)

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【黒ネクタイの男:松田凌 Ryo Matsuda プロフィール】
1991年9月13日生まれ。2012年、ミュージカル『薄桜鬼』斎藤一篇で初舞台にして初主演を飾る。以後、同シリーズや『Messiahメサイア』シリーズ等数々の舞台に出演し人気を博し、主演舞台の公演は毎回完売し、6,000人~15,000人を動員する。2013年、「仮面ライダー鎧武/ガイム」(EX)に城乃内秀保/仮面ライダーグリドン役で出演し、2017年1月のドラマ『男水!』ではドラマ初主演を務める。主な映画出演作は、『メサイア-漆黒ノ章-』(2013)、『ライチ☆光クラブ』(2015)など。

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【白ネクタイの男:玉城裕規 Yuki Tamaki プロフィール】
1985年12月17日生まれ。2011年の舞台『少年ハリウッド』で伊達竜之介役を好演し注目をあびる。翌年、舞台『弱虫ペダル』東堂尽八役で人気を博し、2017年のドラマ「弱虫ペダルSeason2」にも同役で出演。舞台『ライチ☆光クラブ』では、作中で「奇人で変人」と描かれているジャイボ役を演じきる。辻仁成氏の初の脚本・演出作品『海峡の光』では同性愛者の役を演じ、大ヒットコミックの舞台『曇天に笑う』等で主演を務める他、2018年は、映画『ゼニガタ』や『一人の息子』に出演するなど、幅広く活躍している。

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映画『ONLY SILVER FISH ‐WATER TANK OF MARY’S ROOM』
<あらすじ>
とある洋館へと集められた男女。彼らの目的は”オンリーシルバーフィッシュ”という一匹の魚だった。その魚は本当の名を呼ぶことで過去を振り返ることが出来ると言われている。しかし、魚の本当の名前を知ることが出来るのはただ一人。招待状に則って行われるゲームの勝者だけだという。
最初のゲームは一斉に指をさして脱落者を一人決めるというものだった。
ゲーム開始直前、黒ネクタイの男(松田凌)はユキ(皆本麻帆)が誰を指そうと考えているかを言い当て、負けるはずだったユキを救う。その後も彼女を脱落させないため、誰にも気付かれぬようヒントを与えていくが、徐々にゲームの歯車は狂い始め…。
黒ネクタイの男は何故ユキが負けることを知っていたのか?
そして彼らはユキを救うことが出来るのか?
それぞれの過去と想いが暴かれる時、このゲームが開かれた本当の意味を知る。

出演:松田凌 皆本麻帆 玉城裕規
原作・脚本・監督:西田大輔
配給:ベストブレーン
公式HP: www.mmj-pro.co.jp/onlysilverfish

11月24日(土)よりシネリーブル池袋にて公開他、全国順次公開

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