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チャオ!明治座祭10周年記念特別公演「忠臣蔵 討入・る祭」インタビュー 平野良&安西慎太郎 2020年に「すごく、いろいろ考えた」(安西慎太郎)そして「一歩踏み出した者たちと揺るがない気持ちの者たちで、いいものを作れたら」(平野良)

2011年より明治座にて年末恒となった舞台“る祭シリーズ”が、今年も12月28日(月)~31日(木)に、チャオ!明治座祭10周年記念特別公演「忠臣蔵 討入・る祭」(通称:忠る)と題して上演される。
今年は、平野良&小林且弥の二人を主演に迎え、いつもながらの第一部はお芝居、第二部はショーと豪華仕立ての作品を届ける。

今回Astageでは、その主演の平野良と、昨年のこの舞台で平野良と共に主演を務めた安西慎太郎の対談をお届けする。“る祭シリーズ”と演劇への思いをたっぷり語って頂きました。

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安西慎太郎   平野良

☆“る祭シリーズ”への思い☆
平野:慎ちゃんは “る祭シリーズ” には、今回で5回目の出演?座長は2回?
安西:そうです、出演は5回目です。
平野:このシリーズでの出演は多い方だね。辻ちゃん(辻本祐樹)も多いだろうし…
安西:嶺くん(木ノ本嶺浩)は6回目の出演とか。
平野:そうか!そして、けいさん(加藤啓)、かっち(井深克彦)も出演回数多いかな。
安西:そうですね。ネットニュースで僕がこのシリーズの「常連」と書かれていたのを見て驚きました!
平野:でもよく考えたら、10回中5回出演していたら、常連になるね。
安西:なりますねぇ(笑)。良さんの2年連続座長は初めてですよね?
(スタッフ):初めてですね。
平野:慎ちゃんは?
安西:僕は1年とびでした。良さんは連続のタイトルを取っちゃいましたね!!
平野:なんでやねん!(笑) 今回は、こばかつさん(小林且弥)とW座長というのが感慨深いなぁ。慎ちゃんもトークショウにゲストで来てくれたけど、今年1~2月に鈴木勝秀さんの脚本・演出の『ウエアハウス-double-』(以下、『ウエアハウス』)にふたり芝居で出演したから。その流れでの今回かなぁ?
安西:その頃には決まっていたのかな?
平野:分からないなぁ。俺は知らなかった。ただ『ウエアハウス』の頃に動いていた…という可能性はあるかもしれないね。でもその後に、公演ができるかどうか、分からない時期があったからね。

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☆共演者とのつながり☆
安西:(小林)且弥さんとの出会いは?
平野:「戦国鍋」という “る祭” の大本ともいえそうなバラエティ番組の中のコーナーで、大坂冬の陣をテーマにして俺が豊臣秀頼役、こばかつさんが徳川家康役をやったのが初めて。10年位前かな。
安西:10年経って『ウエアハウス』で共演して、そしてこの作品?
平野:そう!つながりがある…ね。
安西:10年経って、変化はありますか?
平野:いい意味で無いね。『ウエアハウス』の時も、変に打ち合わせとかもしない。稽古中に向こうが何かをやってきたら、こっちはこうしましょう…みたいに作っていくから、すごくやりやすい。
今回のメンバーは、どう? “る祭” 初参加のメンバーもいるよね。
安西:初参加の前川くん(前川優希)は、よく知っています。共演済みですし、在籍はかぶってないですけど、高校の後輩なんですよ。
平野:え~?! 普通の高校で?
安西:はい、芸能の後輩ではなくて、地元の後輩に近い感覚です。
平野:前川くんはプライベートの慎ちゃんをよく知っているの?
安西:しっかり知られています。皆さんも仕事している時とプライベートでは、全然違うと思うんですけど、僕も違うので…。
平野:でも在籍はかぶってないんでしょ?
安西:かぶってないですが、僕は毎年、年始に学校に挨拶に行くので知り合いました。
平野:え~?!学生はたくさんいるでしょうに、なぜ、そのうちのひとりと知り合いに?
安西:外国語やペットについてのコースなどいくつかのコースがある高校で、僕たちがいたのは表現を通して人として成長しようという「パフォーマンスコース」です。先生たちに年始の挨拶をした後に「後輩にも何か一言を」と言われて、ちょっと話をして。で、そのときに前川くんから「僕も芸能界を目指しているんです」と聞いて仲良くなって。その後、舞台で共演する機会もありました。
平野:話をするって、学校からお金もらっているでしょ!(笑)
安西:もらってないです!先生に感謝しているので、毎年、会いに行っているだけです。
平野:話をする時は「オレ、売れっ子の安西!」という感じで?
安西:いやいや、違いますよ!!(笑) でも毎回「みんな、夢に挑戦してほしい」ってダサいことは言っています。(笑)
平野:次回はビデオを撮っておいてね!(笑) 前川くんに会ったら、どんな様子だったのか聞こう!楽しみだなぁ~。

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☆今年の“る祭”予想!
平野:他にも百名ヒロキさんもシリーズ初参加だし、伊藤裕一さんは僕も初共演。今までの “る祭” の風味がありつつも、全く新しい雰囲気になりそうな予感がするなぁ。
安西:そうですね。キャストの人数も少ないですし。
平野:(原田)優一さんとマーシー(大山真志)はずっと歌っているでしょう!(笑)
安西:絶対そう!
平野:要所要所で出てきて、また歌って…
安西:そして、一幕最後にも出てきて歌い上げる!(笑)
平野:そうそう!今回はギュッと中味の詰まった公演になりそうだよね。
安西:そうですね。去年もちょっと例年とは違った公演だったけど…
平野:そうなんだってね。俺にはわかんないけど、やっぱり常連だから違いがわかるんだね。(笑)
安西:演出の優一さんの色が出たと思います。視覚的な楽しみ方が多めな作品だったのではないかと思いました。
平野:そうか、板さん(板垣恭一)は、どちらかといえばお芝居だものね。俺は板さんとは他の作品では、たくさんご一緒しているけど、 “る祭” では初めてなので楽しみにしています。それに、板さんは去年、読売演劇大賞(『FACTORY GIRLS~私が描く物語~』で優秀作品賞)をとったから、「ミュージカルはオレのもの!」みたいになってないかな?(笑)

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☆2020年から2021年へ “忠る”にかける意気込み
平野:コロナ禍での自粛期間が終わってから作品に出演した?
安西:現時点ではないです。本当に色々考えました。舞台というフィールドで言うところのエンタメって、究極、存在しなくても生きていけるとは思うんです。
平野:究極を言えばね。
安西:そう、究極ですけれど…。自分としては、絶対にやりたい。でも、やる中でこれからも強い「何か」を与え続けることが自分にできるのか…という、自問自答がありました。アートは人間が生きていくうえで、「必要なもの」だと思っていて、そう思うならやるしかない。走っていくしかない、走り続けるしかない。もう、止まらない。と思っているのが、今の状態です。
平野:「本当に必要なのか?」「やっていいのか?」は、「自分はできるのか?」「生き残れるのか」も含めて、俳優をやっている人は、みんなが考えたかもしれないね。考えて考えて、今、強めの第一歩を踏み出している…という感じがするよね。
安西:良さんはどうでしたか?
平野:俺は全然、揺るがなかったな。
安西:強いですね。
平野:今は朝のニュースでもエンタメ要素があるでしょ。例えば戦時中のように国が流す情報だけに戻れるのかといえば、無理でしょう。国の幸福度と時代の幸福度は、どんどん変わっていくけれど、今の日本の幸福度はエンタメが食い止めているところもあると思う。日本には日々の暮らしの中で、心を動かしたいと思っている人が多いと思うし、俺自身がそうだから。心が動いてないと、生きる希望がない。サラリーマン時代、毎日パソコンと向かい合っていた頃に、心が腐って手がだんだん壊死しそうになってきたのを感じたことがあったから、今回、俺はまったく揺るがなかった。
そんな2020年の最後に、いろいろ考えた結果、一歩踏み出した者たちと揺るがない気持ちの者たちで、いいものを作れたらと思いますね。
安西:普段なら年越しというワードが強い “る祭” ですが、2020年は全世界の人が様々なことを抱えた年だったと思います。この作品を上演することで、すべてが消し飛ぶとは思わないけれど、一瞬でも観た方の心が豊かになれば。命を賭して、この作品に向かいたいと思います。
平野:2021年も健やかに過ごすための花の種を、皆さまにお届けできたらいいなと思っております!

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チャオ!明治座祭10周年記念特別公演「忠臣蔵 討入・る祭」
第一部:芝居「O-ICCEAN’S11~謎のプリンス~」
第二部:ショー「煮汁プロジェクト」
◆公演日程:2020年12月28日(月)~31日(木)@明治座
※全公演ライブ配信あり
◆演出:板垣恭一
◆脚本:土城温美
◆出演:平野良、小林且弥/
安西慎太郎、木ノ本嶺浩、蒼木陣/
前川優希(Wキャスト)・松田岳(Wキャスト)、大薮丘、
小早川俊輔、井深克彦、谷戸亮太、加藤啓、林剛史/
伊藤裕一、百名ヒロキ、大山真志(Wキャスト)・原田優一(Wキャスト)/
辻本祐樹/水夏希
◆チケット料金(税込/全席指定):
S1席13,000円(1階1列~15列)
S2席13,000円(1階16列~20列、1階上段席、2階席)
(S1席、S2席ともにカウントダウン公演のみ13,500円)
A席5,800円
配信4,500円(カウントダウン公演のみ5,500円)
◆チケット発売:2020年12月5日(土) 一般発売
◆公式HP: https://chu-ru.jp

◆キャスト発表動画:

◆出演者コメント動画 :