映画『おみおくり』の公開初日舞台挨拶が、3月24日、東京・有楽町スバル座にて行われ、主演の高島礼子と文音、監督を務めた伊藤秀裕が登壇した。
本作は、7つのお別れのエピソードを通して、自らの心を解き放っていく女性納棺師の姿を描く、見送る人たちと見送られる人との感動のヒューマンドラマ。女性納棺師の弥生役を高島、見習い女性納棺師の亜衣役を彩音が扮する。
高島は、女性納棺師という役を演じて「（女性納棺師は）目立つような仕事ではないし、色々な送り方があるので、その立ち位置が難しいと思います。亡くなられた方に寄り添うことでご遺族を慰めることができるので、（演じることが）難しいというより、やりがいがありました。状況によって演じる形が違うので、一つひとつ大事に演じました」と振り返る。
文音は「人の死に向き合う役なので、中途半端な気持ちではできないと悩みましたが、主演が高島礼子さんと聞いて『おっしゃ！やるぞっ！』と気合が入りました。共演は二度目なんですが、その時から礼子さんが大好きなんです！」と興奮ぎみに話し、再会を喜んでいた。
そんな高島について文音は「動じないんです。何があってもブレない軸がある。佇まいが素晴らしい女優さんで、人としても女性としても大好きです」とゾッコンの様子。その言葉を大照れで聞いていた高島は「嬉しいですね。褒めすぎだけど(笑)」と笑いつつ、「私もこれまで素晴らしい先輩の背中を見て成長してきた部分もあるので。頑張らなくちゃいけないと思います」と応えていた。
高島は文音の言葉にお返しするように「文音さんはとにかく明るい。テンションも高くて、こっちも高くなっちゃう。美味しいものを食べると『美味しい！』、楽しいと『楽しい！』って。喜怒哀楽がはっきりしていて、分かりやすくて一緒にいて楽なの。歳の差を感じないですね」と褒め称えると、伊藤監督も「まさか二人がこんなに仲がいいとは思わなかった･･･」と驚き、「まるで親子･･･」と言いかけ、「いや、姉妹のようですね」と言って会場の笑いを誘った。
本作の特殊メイクは『ゴースト・バスターズ』などハリウッドでも活躍した江川悦子氏が務めているが、その仕事ぶりに感動した高島が「日本人は手先が器用なんですね。細かいメイクが本当に凄いと思いました」とコメント。文音も「世界には日本人のネイリストが多い。やっぱり日本人は手先が器用なんだと思います」と同調。
また、富山県氷見市で行われたロケでは、現地の人々がエキストラとして多数参加。高島は「皆さん演技は素人なのに、本当にポロポロ泣いたりして。その上手さに役者として焦りを感じました。本当に素晴らしかった」と現地の方々の演技力を絶賛。文音も「死体役の方が『自分はどのような死に方をしたのか？それによって死に方も変わってくるので』と仰って。皆さんプロ意識が高いんです」と明かした。伊藤監督は「氷見市の人たちは芸能感覚があるようです」と語り、撮影協力に感謝していた。
最後に文音は「この映画を観て、女性納棺師と復元師の仕事を知ってもらいたい。そしてまた、大切な人が生きているうちに何かをしてあげたいと感じていただければ」と伝え、高島も「7 つのお葬式のエピソードが綴られていますが、自分が亡くなった時にどう見送られたいか、そして大切な人が亡くなった時にどう見送りたいか。その参考にしていただけると思います」とアピールし舞台挨拶を締めくくった。
映画『おみおくり』
【物語】
愛する⼈との悲しい過去を背負う⼥納棺師・満島弥⽣（⾼島礼⼦）。⼀⽅、⼦供の頃、両親を交通事故で亡くした亜⾐（⽂⾳）は、フラッシュバックする事故の悪夢に苦しめられていた。ある⽇、知⼈の葬儀の場で満島弥⽣に出会う。遺体を修復し、きちんとお⾒送りができるようにしてあげる仕事をしている満島の姿が亜⾐の脳裏に刻まれる。そして亜⾐は、⾃分にきちんと向き合うため、満島に弟⼦⼊りしようと決意する。様々な「おみおくり」の現場に接しながら、亜⾐は⾃分の⼼の闇から徐々に解き放たれてゆく。やがて亜⾐は、彼⼥を暖かく⾒守る満島の悲しい過去の出来事を知ることに……。
出演︓ ⾼島礼⼦ ⽂⾳ ／ 渡部秀 ⾵⾕南友 芳賀優⾥亜 井上奈々／藤⽥富 ／ 宮下順⼦ ／ 重盛さと美／加藤雅也（特別出演）
原案及び納棺師監修︓永井結⼦「今⽇のご遺体 ⼥納棺師という仕事」（祥伝社⻩⾦⽂庫刊） 主題歌︓「YOU〜120歳のラブソング〜」2Voice（フジパシフィックミュージック）
脚本・監督︓伊藤秀裕
プロデューサー︓芳賀正光、佐藤敏宏
撮影協⼒︓⼀般社団法⼈氷⾒市観光協会、富⼭県ロケーションオフィス、⽴⼭フィルムコミッション
制作・配給︓エクセレントフィルムズ
配給協⼒︓トリプルアップ
Ⓒ2018「おみおくり」製作委員会
公式サイト：http://www.exf.info/omiokuri/
有楽町スバル座ほか全国順次公開中！
