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映画『逆光の頃』主演、高杉真宙インタビュー! 「孝豊が僕に近い分、演じるのが難しかった」

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異才のマンガ家・タナカカツキの名作「逆光の頃」から、「僕は歪んだ瓦の上で」「銀河系星電気」「金の糸」の3編のエピソードにオリジナルを加え実写化した映画『逆光の頃』。京都の街を背景に、友情、恋愛などに不安を抱えながらも一歩進み出そうとする少年の揺らめきときらめきを映し出す本作は、オール京都ロケで撮影し、京都のリアルな風景を切り取りながらもアニメーション映像を駆使し、原作の世界観を忠実に再現している。

本作にて京都生まれ京都育ちの主人公・赤田孝豊役を演じているのは、今、映画やドラマ、CMなどで大活躍の注目の若手俳優・高杉真宙。京都に住む高校生の日常と心情を繊細かつ鮮やかに演じた彼に、撮影を振り返りながら映画に対する思いを語ってもらった。

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― 本作出演の決め手は何だったのでしょうか?
脚本がとてもステキでした。そして、なによりも小林監督とまた一緒に映画のお仕事をしたいと思ったからです。監督とは以前、映画『ぼんとリンちゃん』でご一緒させていただいたのですが、「また監督と映画をやりたい!」という気持ちが一番だったかもしれません。

― 高杉さんにとって小林監督の魅力とは何なのでしょうか?
小林監督と一緒に仕事をしていると、何度も心が折れるんです。もちろん、どの作品でも演じていて壁にぶつかることはありますが、特に小林監督の作品は多いんです。自分のなかで「これじゃダメなんだ」と強く思うことで、また一つ壁を越えていく感じがする。監督が色々な経験をさせてくださるんです。

― 映画を拝見すると、とても自然に演じられているように見えますが。
そのように演じることに至るまでが結構大変で・・・たくさんダメ出しをされるんです。今回は特に、自然に演じるということが一番難しくて、何回も練習したり撮り直したりしました。

― 役作りは大変でしたか? 特に気をつけたことはありますか?
孝豊はとても僕自身に近いとは思いますが、僕ではないわけで。近く見える分、かえって難しかったです。あと、役作りと言っていいのかわかりませんが、京都の子になれたらいいなと思っていたので京都の街に慣れるように努力しました。最初は修学旅行で来た子みたい・・・なんて言われていたのですが、“この学校に通っていてここに住んでいる子”になるために、街を散歩してみたり、なるべくその場所にいる時間を持つようにしました。

― 共演者のみなさんも一緒に?
そうですね。一緒のときもありましたし、一人でぶらぶらすることもありました。あと、町家に住んで京都を肌で感じることもできました。公平役の清水尋也くんといっしょでした。隣の音がよく聞こえてくるということもありましたが、それは町家ならではだったのかもしれません。とてもきれいで雰囲気が凄く良かったです。京都だったらこういうところに住んでいるんだなと、体感することができたので自然と京都感が体に染み込んでいったと思います。

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― 劇中で清水さん演じる公平はバンドをやっていますが、高杉さんも音楽は好きですか?
はい、好きです。音楽はよく聴きます。特にバンド系が好きです。

― 清水さんとも音楽の話などされましたか?
清水くんと共演するのは今回で3回目なんですが、一緒にいて落ち着くんです。音楽の話もしたかなぁ。映画の話もしないし(笑)、何気ない話しかしていないかもしれませんが、一緒に洋服を買いに出かけたりして、普通の友達に近いかも。でも、凄く会うわけでもないんです。そこもまたいいんですよね。久しぶりに会っても違和感なくて、落ち着くし、会話がなくても苦じゃなくて、いい感じです。

― 葵わかなさんとの共演はいかがでしたか?
ドラマ「表参道高校合唱部」には一緒に出演していますが、共演シーンはなかったので、今回の映画で初共演という感じでした。演技をしていながら違和感なく、その場所にいてくれるんです。京都がとても似合う人で、幼なじみ感がとても馴染んでいて心地良かったです。

― 土砂降りの中でのケンカのシーンも印象的です。
凄い雨なんです(笑)。泥臭い激しいケンカにしたかったので、金子くんとしっかり練習をして本番では「本気でやろう!」と臨みました。幸いなことにケガはありませんでしたが、大変な撮影でした。

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― 孝豊と高杉さんご自身が似ていると思うところと、違うなと思うところを教えてください。
孝豊がいろんな人のことを輝いていると見ていて、自分は普通だなと思っているところは僕と似ているところだと思います。逆に似ていない部分は・・・、僕はこの(孝豊が経験したような)青春を体験したことがないということでしょうか。

― 孝豊は女子に少し奥手のようですが、高杉さん自身はいかがですか?
ガンガン行くタイプでもないですし、じっと待っているということもないかな?どうなんだろう。様子を見て・・・という感じかな?(笑)

― 京都で過ごされて、何か美味しい物を召し上がりましたか?
すき焼きが美味しかったです。京都のすき焼きって、まず焼いてから作るんですが凄く美味しかったです! 京都の思い出の一つです(笑)。

― 京都の撮影は暑かったのでは?
最終的に撮り終えるまでの期間が長くて、4月、9月、11月というように飛び飛びで撮影したんです。映画は夏の設定でしたが、寒かった日もあったし暑かった日もありました。期間をおいてから次の撮影は、その時の気持ちをもう一度思い出さないといけないのでそういう点では大変でした。京都弁もせっかく一生懸命練習したのに、だいぶ慣れてきたなと思ったころに一度撮影が終わって、しばらくしてからまた撮影に入ったので本当に京都弁には苦労しました。

― 高杉さんが苦労した分、ステキなほんわかした映画になりましたね。
はい。いい映画になったと思います。

― これからも多くの活躍が期待される高杉さんですが、今後どんな俳優を目指していきますか?
まず、また一緒に仕事をしたいなと思われる人間になりたいです。演技はもちろんですが、求められているものを100%応えて、120%出せる人になっていたい。そして自分を見失うことなく、キチンとした日常も送っていられるそんな人。それが土台になっている俳優でいたいです。

― これからの活躍も楽しみにしています。
ありがとうございます。頑張ります。

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【高杉真中(たかすぎまひろ) プロフィール】
1996年7月4日生まれ。福岡県出身。2009年、舞台『エブリ リトル シング’09』で役者デビュー。2010年には、『カルテット!』で映画初主演。TV特撮ドラマ「仮面ライダー鎧武/ガイム」(2012,2013/EX)の龍玄役で二面性のある複雑な役どころを演じ、演技力の高さで注目を集める。主演映画『ぼんとリンちゃん』(2014年)で、第36回ヨコハマ映画祭最優秀新人賞受賞。2015年「明日もきっと、おいしいご飯~銀のスプーン」(THK)で連続ドラマ初主演。2017年以降、『想影』(SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2016)主演、出演作に『PとJK』『ReLIFE リライフ』『トリガール!』『散歩する侵略者』『プリンシバル~恋する私はヒロインですか?~』の公開が予定されている。本作『逆光の頃』では主人公・赤田孝豊役を演じている。

逆光の頃ポスター

映画『逆光の頃』
<STORY>
日本の歴史を感じさせる古都、京都。
京都生まれの京都育ちの赤田孝豊。どこにでもいるような平凡な高校二年生の孝豊は、同級生たちとの友情やケンカ、幼なじみの女の子への恋などを経験していく・・・。
思春期ならではの人生に対する漠然とした不安を抱えながら、一歩前に進みだそうとする。

脚本・監督:小林啓一(映画『ももいろそらを』『ぼんとリンちゃん』)
原作:タナカカツキ「逆光の頃」(講談社「モーニングKC」所載)
出演:高杉真宙 葵わかな 清水尋也 金子大地 田中壮太郎
映画のコピーライト:(C)タナカカツキ/講談社・2017 東映ビデオ/マイケルギオン
原作のコピーライト:原作/タナカカツキ「逆光の頃」(講談社「モーニングKC」所載)
配給:SPOTTED PRODUCTIONS
公式サイト:http://gyakko.com

7月8日(土)より、新宿シネマカリテほか全国順次公開

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