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日本人にこそ観てほしい! 『沈黙−サイレンス−』を世界に向けて発信! 窪塚洋介、浅野忠信、イッセー尾形が日本外国特派員協会で記者会見

原作:遠藤周作 × 監督:マーティン・スコセッシ

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世界の映画人たちに最も尊敬され、アカデミー賞にも輝く巨匠マーティン・スコセッシ監督が、戦後日本文学の金字塔と称される遠藤周作の「沈黙」を遂に映画化した。「沈黙」は世界20ヶ国以上で翻訳され今も読み継がれる名作。
スコセッシが原作と出会ってから28年、いくつもの困難を乗り越えての夢の一大プロジェクトには、主演のアンドリュー・ガーフィールドを筆頭にアダム・ドライバー、リーアム・ニーソン、日本からは窪塚洋介、浅野忠信、イッセー尾形、塚本晋也、小松菜奈、加瀬亮、笈田ヨシら各世代の実力派が名を連ねる。

人間の強さ、弱さとは? 信じることとは? そして、生きることの意味とは? 混迷を極める現代において、永遠のテーマを深く、尊く描いた、マーティン・スコセッシの最高傑作にして本年度アカデミー賞®最有力作品の公開を目前に、1月12日、公益社団法人・日本外国特派員協会にて、世界に向けて発信する記者会見を行った。
会見には、日本に潜入するポルトガル人宣教師のガイドとなり、後に裏切るキチジローを演じた窪塚洋介、言葉巧みに宣教師に棄教を迫る通辞(通訳)役の浅野忠信、実在した長崎奉行、井上筑後守の演技が高く評価されLA批評家協会賞《助演男優賞》次点となったイッセー尾形が登壇。『沈黙−サイレンス−』を鑑賞したばかりの200人を越える海外特派員と物語の鍵を握るキャラクターを演じた3人の日本人俳優の記者会見レポートをお届けする。

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会見は挨拶からスタート。「通訳の役柄ですが、今日は日本語でお願いします」とまずは場内を笑わせる。「スコセッシ監督と出会えて成長できたと実感し、共演した二人と仕事ができて多くのことを学んだ」と浅野。開口一番、(劇中、何度も踏み絵を踏む役どころから)「“踏絵マスター”のキチジローです!」と場内をさらに盛り上げた窪塚は、「この映画が持っている力で少しでも良い明日が来ることを心から願い、そう信じています」と続けた。尾形は、「台湾での撮影からは、こんな日が来るなんて考えられなかった。私は毎回言う事が違うので…(笑)今日、1月21日付の私の言葉だと受け取ってください」と笑いを誘った。

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悪役の要素を持った役柄について、通辞役の浅野は「悪役とは思わず、むしろ共感していた。ロドリゴと井上筑後守との間に挟まれ、漫才のボケとツッコミを例えながら、巧みな突っ込みだと解釈した」とのこと。尾形は、「井上はすべて台本に書かれていた。神や信仰心が天空的だとしたら、井上は地上にしがみついている男です」だと判りやすく説明。窪塚は、「弱く醜く狡く、そして汚い人間で、強さと弱さが表裏一体の人物。自分との懸け橋は彼のイノセントさだったのでは」とキチジローへのアプローチを説明、小説と映画の違いについて、「一番違うのは最後のロドリゴの場面です。スコセッシ監督が書き加えた原作にはない場面が原作の力を最大限にアピールするラストだと思う」と語った。

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作品の見どころについて窪塚は、「『神が沈黙している』ということ。自分自身の中にその答えを見つけなければならない」と指摘すると、尾形は「日常とはかけはなれた、過酷な作品。これは果たして”人間”なのだろうか?いや、これこそが”人間”なのだ。私の中では今でも答えが2つに分かれたまま。ところが観終わったあと、清らかなものが心に残っている。そしてそれは一生続くものだと思う」と話す。アカデミー賞の質問に応じた浅野は、「選ばれると思っています。もしこれで選ばれないような事があるとしたら、それはおそらく神様が選考委員に余計なことを言ったということでしょう」と答え、場内を大爆笑させる一幕も。

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マーティン・スコセッシ監督の演出について、尾形は、「演技をすべて見て、褒めてくれるから、感性が研ぎ澄まされる」、浅野は「監督のもとでは誰もが役になりきる事ができる」、窪塚は、「いてくれるだけで安心できる監督。一緒に仕事をしていると、まるで自分が素晴らしい役者になったと勘違いしてしまうくらい」と、自由に演技にトライできる環境を生み出す巨匠との仕事を振り返った。最後に窪塚が「こんな僕にも『ニューヨークに来たらウチに遊びにおいで』と2回も言ってくれたんです。実際にニューヨークに行った時にマネージャーにメールしたら、見事に返事は帰ってきませんでした」とエピソードを紹介すると、場内からは笑いと拍手が巻き起こった。

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この後、1月16日にマーティン・スコセッシ監督による記者会見、17日には監督と日本人キャストによるジャパンプレミアも予定されており、待望の日本公開に向けて益々の盛り上がりを見せる本作にご注目下さい!
『沈黙-サイレンス-』は、1月21日(土)より全国ロードショー!

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◆映画『沈黙-サイレンス-』
原作:遠藤周作「沈黙」(新潮文庫刊)
原題:Silence
監督:マーティン・スコセッシ
脚本:ジェイ・コックス、マーティン・スコセッシ
出演:アンドリュー・ガーフィールド リーアム・ニーソン アダム・ドライバー 窪塚洋介 浅野忠信 イッセー尾形 塚本晋也 小松菜奈 加瀬亮 笈田ヨシ
配給:KADOKAWA
映画素材クレジット: (c) 2016 FM Films, LLC. All Rights Reserved.
公式サイト:http://chinmoku.jp
Twitter:https://twitter.com/chinmoku2017
Facebook:https://www.facebook.com/chinmoku.jp/

【STORY】
17世紀、江戸初期。幕府による激しいキリシタン弾圧下の長崎。日本で捕えられ棄教したとされる高名な宣教師フェレイラを追い、弟子のロドリゴとガルペは日本人キチジローの手引きでマカオから長崎へと潜入する。
日本にたどりついた彼らは想像を絶する光景に驚愕しつつも、その中で弾圧を逃れた“隠れキリシタン”と呼ばれる日本人らと出会う。それも束の間、幕府の取締りは厳しさを増し、キチジローの裏切りにより遂にロドリゴらも囚われの身に。頑ななロドリゴに対し、長崎奉行の井上筑後守は「お前のせいでキリシタンどもが苦しむのだ」と棄教を迫る。次々と犠牲になる人々。守るべきは大いなる信念か、目の前の弱々しい命か。心に迷いが生じた事でわかった、強いと疑わなかった自分自身の弱さ。追い詰められた彼の決断とは。

2017年1月21日(土) 全国ロードショー