10月6日（金）に日本青年館ホールにて、稲垣吾郎主演の舞台『多重露光』が開幕した。初日に先立ち、舞台挨拶と公開舞台稽古が行われた。
本作は、劇作家・横山拓也が書き下ろし、読売演劇大賞演出家賞を受賞の俊英、眞鍋卓嗣が演出を担当。主演に稲垣吾郎を迎え、真飛聖 杉田雷麟・小澤竜心(ダブルキャスト）竹井亮介 橋爪未萠里 ／石橋けい 相島一之の出演で、10月22日まで上演される。
【公開舞台稽古】
稲垣が演じるのは、町の写真館、山田写真館の2代目店主・山田純九郎。
父は戦場カメラマンとしてベトナムへ。
母は父の帰りを待ちながら、家業の写真館を一人で守り、町の人に愛されてきた。だが母も15年前に他界。純九郎は家業を継いでいた。
家には隣人の幼馴染・浩之（竹井亮介）が始終出入りし、純九郎が行事の写真撮影を任されている私立学校の教員・木矢野（橋爪未萌里）もやって来る。だが家業はあまり芳しくなさそうだ。
ある日、ある親子が記念写真を撮りにやってきた。母親の菱森麗華（真飛聖）は、純九郎の母が家族写真を撮り続けていた菱森家のお嬢さん。離婚を機に、息子のミノル（杉田雷麟）を連れてふるさとに帰ってきたのだった。
純九郎も菱森家を覚えており、なつかしさから話が弾んだ。そして純九郎は二人の記念写真を、昔のようにフィルムで撮った。
フィルムが最後の一枚になったとき、ミノルが「僕に撮らせてよ」と言い出して…
練りに練られた脚本と、重いテーマをいくつも含みながらも柔らかに描きあげた演出、そして演技達者な俳優たちの実在感が「そんな人、いる、いる」と思える登場人物たちを生み出した。誰が持っていても不思議ではない苦悩を抱えつつ生きている人々の姿とその生き方は、観客に自分と自分の家族へと思いを向けさせてしまうだろう。
ユーモアもちりばめながら、伏線回収もお見事！サスペンス要素すら感じさせてくれる本公演は、休憩なし。公演時間は約120分。新たな名作誕生をお見逃しなく。
【舞台挨拶】ゲネプロに先立ち、舞台挨拶が行われ、出演する稲垣吾郎、真飛聖、相島一之、眞鍋卓嗣（演出）が登壇した。
眞鍋卓嗣 真飛聖 稲垣吾郎 相島一之
実はカメラ好きの稲垣。カメラを手にした瞬間、この笑顔。
稲垣：眞鍋さんが優しい。怒った顔を見たことがない。現場でみんなで色々とディスカッションしながらね。あと、ワークショップはちょっと恥ずかしかった、お客さんもいないのに。僕はあまり経験がなかったんですが、とても楽しかった。
僕の家にも暗室があるんです。カメラが好きすぎて、フィルムカメラ大好きで作ってしまいました。
（最後の挨拶として）誰もが抱えている過去への思いみたいなものに、本当に優しく寄り添ってくれる物語だと思います。見終わった後に、改めてこの家族の大切さ、そして何よりも自分を愛することの大切さを感じてもらえる作品になってると思います。演者みんなで、心を込めて上演いたしますので、是非劇場でご覧になってください。
真飛：（眞鍋演出は）私たちが演じたことに対して、否定せずに必ず肯定してくださり、それにプラスしてこういう提案なんですけどと眞鍋さんのお考えを言って下さるので、間違ってない道にいるんだと自信につながり、気付いて無かったところの道しるべを下さるので、すごくやりやすかったです。
私も写真撮ったことあるんですけど、吾郎さんがアングルとか決めてくださるんですよ。私が下手すぎて、もうちょっとここの方がいいよと言ってくださって。私は勉強中です。
相島：眞鍋さんのお芝居を何本が見せて頂いて、どうやって作るんだろうと思ったら、いいですねと言われているうちに出来上がっているから、ちょっとびっくりしています。
私はカメラマンの役で、この古いカメラをどうやってつかうんだろうと喋った時に稲垣吾郎カメラ講座が始まりまして。これが面白いんですよ。（カメラを手に楽しそうな稲垣を見る相島の表情も嬉しそうだった）
モボ・モガプロデュース
『多重露光』（読み：たじゅうろこう）
脚本：横山拓也
演出：眞鍋卓嗣
出演：
稲垣吾郎／真飛聖 杉田雷麟・小澤竜心(ダブルキャスト）竹井亮介 橋爪未萠里 ／石橋けい 相島一之
【公演日程】2023年10月6日（金）～10月22日（日）
【会場】日本青年館ホール
【入場料金】S席 \12,500／A席 \7,500（税込・全席指定）
＊未就学児童入場不可 ＊営利目的の転売禁止
※チケット情報に関しての詳細は、公式ホームページでご確認ください。
【一般発売日】9月2日（土）10：00～（ぴあ、イープラス、ローソン、CHIZU TICKET）
【企画・製作】（株）モボ・モガ
【公式ホームページ】 https://tajuroko.com/
