Open Close

ミュージカル「スリル・ミー」松岡広大×山崎大輝 ゲネプロレポート

ミュージカル「スリル・ミー」が、9月7日から東京・東京芸術劇場 シアターウエストで上演されている。
2023年版の“私”と“彼”を演じるのは、2014年版に出演した尾上松也と本作初参加の廣瀬友祐、本作初参加・初共演となる木村達成と前田公輝、そして前回の2021年版で初参加した松岡広大と山崎大輝。
ここではインタビューにも登場頂いた松岡広大と、山崎大輝ペアでのゲネプロをレポートする。(撮影:田中亜紀)
本作の東京公演は10月3日(火)まで。その後、大阪・福岡・名古屋・群馬にて上演。

左下 私役 松岡広大/右上 彼役 山崎大輝s1

ミュージカル『スリル・ミー』は、1920年代にアメリカで起きた誘拐殺人事件をもとに、“私”と“彼”、2人の俳優と一台のピアノだけで繰り広げる100分のミュージカル。2003年にニューヨークで初演され、その後、アメリカ各地、オーストラリアや韓国などで上演され続けている。

日本では2011年の初演で熱狂的ともいえる人気を獲得。その初演以来、栗山民也の演出の下、さまざまな顔合わせで上演が重ねられ、今回が8度目の上演となる。

左 彼役 山崎大輝/右 私役 松岡広大s1

ミュージカル『スリル・ミー』2023の舞台に選ばれたのは、東京芸術劇場 シアターウエスト。ゲネプロではありながら、開演前の客席も、松岡広大がインタビューで「すごい重圧です」と語っていた「この作品の開演前の劇場の厳かな空気」が覆っていた。

舞台上手、一段高いところにあるピアノのもとにピアニストの篠塚祐伴が登場。最初の一音が響いた瞬間、空気の色が深い藍へと塗り替えられた。

そのピアノが響く中、“私”の松岡広大が客席通路を通って舞台へ向かう姿が目に入る。「コロナ禍が過ぎたのだ」との思いがよぎったが、それも一瞬。
舞台上では30数年間、刑に服してきた“私”が、5度目の仮釈放審議を受ける場面が始まる。
「スリルを味わいたかったから」起こしたとされてきた凄惨な事件。その事件と、そこに至るまでのこれまで明かされてこなかった真実を、観客は30数年の時を遡って追体験していく。

裕福で高い教育環境で育った“私”と“彼”。学業は2年飛び級して大学に入ったほど優秀でありながら、大学卒梁を控えても不安定な心を抱えた十代のふたりがそこにいた。

彼役 山崎大輝s1

自らを「超人」と称して、“私”など気にもかけていないふうに振舞いながらも、“私”が追ってくる音を耳をそばだてて聞いているような山崎の“彼”。“彼”の不遜な態度の底には、弟だけが父に愛されているという長年の不満と悔しさが、劣等感となって沈んで積み重なり、“彼”を負の坂道へと押しやっていく。

私役 松岡広大s1

そんな“彼”に不安を抱きながらも、ひたすら追い求めてしまう松岡演じる“私”。“彼”から強いられると悪い事だとわかってはいても従ってしまう“私”。松岡の目からは、ひたすら「なぜ僕だけではダメなのか?!」という心の叫びが聞こえてくる。

時にミュージカルであることを忘れるほどに、芝居(台詞)の叫びとなって響く松岡の歌。クールにみせながら、揺らぐ心を覗かせてしまう“彼”(山崎)。
上演時間は100分。それはそう変わるはずはないのに、気が付くと物語は核心の事件へと突入していた。

彼役 山崎大輝2s1

『スリル・ミー』というミュージカルは何度観ても、大きな衝撃に揺さぶられてしまう。100分を貫く緊張感は、若き美しいい命に秘められた狂気。極度のスリルと激しい恋の濃密な追体験だ。

私役 松岡広大2s1

東京公演の前売り券は発売即完売したが、当日券販売があるとのこと。
キャストが違うと、まったく異なった世界観が広がるのも本作ならでは。
ぜひともお見逃しなく。

TM2023

ミュージカル『スリル・ミー』
<キャスト>
尾上松也(私役)×廣瀬友祐(彼役)
木村達成(私役)×前田公輝(彼役)
松岡広大(私役)×山崎大輝(彼役)

ピアニスト:朴勝哲/落合崇史/篠塚祐伴

<スタッフ>
原作・音楽・脚本:Stephen Dolginoff
翻訳・訳詞:松田直行
演出:栗山民也

<東京公演>
日程:2023年9月7日(木)~10月3日(火)
会場:東京芸術劇場 シアターウエスト
※当初の発表より公演期間が変更になりました

<料金>
9,500円(全席指定・税込)
公式HP:https://horipro-stage.jp/stage/thrillme2023/
【ツアー公演】
大阪公演:2023年10月7日(土)~10月9日(月・祝)サンケイホールブリーゼ
福岡公演:2023年10月11日(水)・12日(木)キャナルシティ劇場
名古屋公演:2023年10月14日(土)・15日(日)ウインクあいち
群馬公演:2023年10月21日(土)・22日(日)高崎芸術劇場 スタジオシアター

ヘアメイク:天野誠吾
スタイリスト:小林聡一郎