６月３日(土)に東京・三越劇場において、新派百三十五年記念 六月新派喜劇公演『三婆』が初日を迎えた。公演に先立ちゲネプロが行われた。
左より 波乃久里子 渡辺えり 水谷八重子
『三婆』は、昭和を代表する女流作家・有吉佐和子の原作をもとに、１９７３年に小幡欣治の脚本によって舞台化されて以来、上演が重ねられてきた傑作舞台。
古き良き日本の香りや美しさを明治・大正・昭和・平成と時代を超えて伝え続けてきた「新派」の二大女優、水谷八重子、波乃久里子と、新派公演に初参加する渡辺えりが出演。三人のおばちゃまがエネルギーいっぱいに繰り広げる熾烈なバトルは、たっぷりの笑いが元気をくれると共に、ほろ苦さもちょっぴり。衣装や着物の着こなし、昭和の風情も楽しい。
社長がぽっくり逝った！社長の妹・タキ（渡辺えり）が駆けつけたのは…
愛人・富田駒代（水谷八重子）の家。社長は愛人宅で亡くなったのだ。駒代は自分のところで通夜をすると言い張り、社員の瀬戸重助（田口守）を困らせる。
そこに本妻・松子（波乃久理子）が乗り込んで来た。さきほどまでの駒代の威勢の良さはどこへやら。これで一安心と思いきや、実は社長には多くの借金があった。その借金を返すため、タキの家を売り払い、タキはアパート住まいに…と思っていたら・・・
タキが松子の家に転がり込んで来た！
そして駒代までもが「一時期だけの仮住まいを」と頼んできたから、さぁ大変。3人での暮らしが始まった！
噴飯ものの三人の駆け引きと、周りの人間も巻き込んでの三つ巴の大バトルに、ハラハラ。そして、笑いの先に待つものは…。
本公演は6月25日（日）まで全28公演。上演時間は、一幕60分、休憩20分、二幕80分、休憩15分、三幕15分、約3時間を予定。
★水谷八重子 コメント
再演の怖さって、前にやった物だから出来るんだって安心感からしくじるものですが、今回は、その上にコロナブランクがありますもの。もはや、初舞台同然、ガクガクでございます。 初めて共演が叶う渡辺えりさんの「おタキ」さまと丁々発止と戦いたいと願うのですが、何しろ初舞台の私。長年の相棒「松子」の久里ちゃんの肩を借りて頑張りたいと思います。応援よろしくお願い致します。
★波野久里子 コメント
初めて松子を演じた時はまだ松子より年齢が下でしたが、いつの間にか追い越しちゃって…今回は若返って演じます。
（渡辺）えりさんにはずっと新派に出て！出て！とお願いしていましたが、念願叶ってやっとご一緒できます。なにしろえりさんのパワーがすごいので、負けないように頑張ります。 お客様にもそのエネルギーをお届けし、元気になってお帰りいただけると嬉しいです。
★渡辺えり コメント
騙された！稽古場ではお婆さんの振りをして、舞台稽古で、大変身！艶っぽい八重子さんと、少年のような久里子さん。若返ったお二人と共演させていただいて舞台上で、見入ってします。
個性的な新派の役者さんたちと初めての体験です。
大丈夫か？私！頑張れ私！
みんなで素敵な舞台を創りましょう！
新派百三十五年記念 六月新派喜劇公演『三婆』
2023年6月3日(土) ～ 2023年6月25日(日)
日本橋三越本店 本館6階 三越劇場
【キャスト】
富田駒代：水谷八重子
武市松子：波乃久里子
武市タキ：渡辺えり
辰夫：松本慎也
お花：鴫原桂
山田和子：上脇結友
瀬戸重助：田口守
只野操 矢野淳子 村岡ミヨ
児玉真二 市村新吾 久藤和子
桂佑輔 斉藤沙紀 春可直子 佐藤英樹
公式HP：https://www.shochiku.co.jp/play/schedules/detail/sanbaba_2306/
