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『坂本冬美特別公演 中村雅俊特別出演』第一部『いくじなし』 玉城裕規 インタビュー 「“こういう人達がほんとにいたんだな”と思えるとても繊細な作品」「すべてが初めてでチャレンジ」

明治座にて、この9・10 月に上演する『坂本冬美特別公演 中村雅俊特別出演』第一部で、平岩弓枝作『いくじなし』が上演される。
演歌の歌姫・坂本冬美と俳優・歌手として活躍する俳優・中村雅俊が夫婦を演じ、「渡る世間は鬼ばかり」など数々のドラマを手掛けた石井ふく子による演出の、下町人情たっぷりの時代劇だ。

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今回Astageにご登場いただくのは、この舞台で影ある姉妹の弟・卯之吉(うのきち)役を演じる玉城裕規。
数多くの舞台に出演し、近年では主演映画の公開も続き、活躍も目覚ましい玉城裕規に、本作への意気込みを伺いました。

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―本作への出演が決まった時のお気持ちはいかがでしたか?
「ホントに僕ですか?」「僕で大丈夫ですか?」という気持ちがありました。演出が石井ふく子先生で、出演者も皆さん大先輩方で、お会いしたことがない方ばかり。唯一知っているのは、明治座さんだけだったので、すぐには実感がわかず、数日してから嬉しさやプレッシャーがわいてきました。

―明治座さんで公開されている動画の“玉城裕規のスチール撮影密着”を拝見しました。「初めて尽くし」「ひたすらチャレンジ」とおっしゃっていましたが、詳しく教えていただけますか。
まずは、大先輩方と「初めまして」からスタートすること。どの作品もそうですが、今回は年齢も一番下かなと思うので、どういう立ち振る舞いで、どういうあり方をするのか…というのもチャレンジです。
そして、時代物の作品には何度か出させていただいたことがありますが、下町の“ザ・時代劇”ともいう作品は初めて。和かつらも初めて、人情物も、演じる役柄も…と、ほとんどすべてが初めてです。
そして、ビジュアル撮影のときに石井先生から表情や居方のアドバイスをいただいたのですが、そこで教えて頂いたことも初めてのことばかりで…。「目線をすっと落として」「遠くを見るように」という表情から、何から何まで、すべてが初めてでチャレンジでした。

 

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―本作のビジュアルでは、存じ上げている玉城さんとは別人のようで驚きました。
はい。作品によっては、メイクの時に「どこをどうしたいとか、ありますか?」と聞かれることがありますが、今回はすっかり身を任せて。メイクの完成が近づくにつれて、鏡を見ながら自分でも自分だという感じがしなくなってきて…。仕事柄、鏡を見る機会も自分でメイクする機会も多いのですが「30数年生きてきて、初めて会いしました!」という感じでした。
ただ鏡を見ているのと、出来上がったビジュアルとはまた違っていたりするので、完成形はどうなのか、不安でもあり楽しみでもあったんです。完成したビジュアルを見て、「初めまして!」の自分に会ったなと思うと同時に、アドバイスを頂いたおかげもあって「卯之吉として存在できてる⁈」と思えたし、「あ、これが卯之吉なんだ」と思いました。
作品によっては、自分がその人物のビジュアルにどれだけ近づけたか、自分でもイメージができますが、今回は卯之吉という人物がどんなビジュアルなのか、それまでは想像つかなかったので、出来上がったビジュアルを通して卯之吉という役を知ることができたという感じがしました。石井先生からのアドバイスを受けて完成されたビジュアルなので、お芝居ではもっと卯之吉を作り上げていかなくてはと、プレッシャーを感じると同時に「頑張ろう!」と改めて思いましたね。

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―石井先生とは他にもお話をされましたか?
プライベートな事よりも作品や役のことを多くお話しました。「表情や所作はこういうことするから覚えておいてください」ということや、卯之吉が抱えているものについてです。ちょっと気になったのは、帰り際に「台本を覚えてきてね」って言われたんです。セリフを覚えて稽古場入りするのは、当たり前だと思っているので「でも改めて言うのはどういう意味なんだろう?」と考えちゃって「台本を全部覚えてくるという意味なのか?」とか、ちょっと気になってはいます。シンプルな意味であってほしいなと思っています。(笑)

―玉城さんは普段からセリフは全部覚えてから稽古場入りされるのですか?
そうです。その方がやりやすいので。手に台本をもって会話すると、目が本に行ってしまって感情が追い付かない。その時に芽生える感情を大切にしたいですし、やり取りを大切にしたいので、台本に目が行くのが嫌なんです。だからセリフを覚えてから稽古場に行く、たとえうろ覚えでも顔を見ながら目を見ながら話すようにしています。

―昨年上演された『湊横濱荒狗挽歌〜新粧、三人吉三。』では、台本が稽古の直前に届いたりしたと聞いています。大変でしたね。
はい。渡辺哲さんや先輩方も、その日に届いた台本を稽古前に覚えて稽古に臨もうとされるんです。でも覚えきれないときは「すまん!今日、俺、(台本)持つわ」とちゃんと言ってくださるんですよ。尊敬というか敬愛というか、大好きでした。「第一線でやられている方は、素晴らしいなあ」って改めて思いましたし、刺激をたくさんもらえた稽古場でした。

―そして今回も素晴らしい先輩方とご一緒ですね。
勝手にですけど、絶対に暖かくて優しい方々だと思っているので、その中で調子に乗らないようにしないと…。でも甘えるところは甘えて胸をたくさんお借りしたいなと思います

―台本を拝見しました。坂本冬美さんや中村雅俊さんとがっつりとお芝居されるんですね。
はい、実際にお芝居してみないとわからない部分があるので、自分だけで考えず、やり取りする中で柔軟につくっていきたいなと思っています。

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―作品としての面白さは、どう感じておられますか?
公演チラシに「情けは人のためならず 心あたたまる下町人情物語」とありますが、まさにこれなんです。台本を読んでいるだけで感情が揺さぶられて、涙腺がゆるんでしまう。だからそれを僕が体現して具現化した時に、この台本から伝わる感動や心揺さぶられたものを絶対にマイナスにはしたくない。
舞台は江戸の下町で、この当時を知るお客様はいないんですけど「ああ、こういう人達がほんとにいたんだな」と思える、その人間味や生命力や気持ちのあり方がわかりやすく伝わる作品だと思いますし、それが積み重なって最後の言葉やラストシーンにつながっている。とても繊細な作品だなと思います。

―明治座での上演ですが、玉城さんは明治座でのご出演も多いですね。明治座での公演で楽しみにしていることはありますか?
明治座さんは伝統と格式がある劇場ですが、新しいことへのチャレンジ精神も持たれているのが素敵ですよね。だから「自分も立ち止まっていられないな」と思います。初めて明治座さんに来た時には、楽屋もロビーも素晴らしくて感動しました。そして、やっぱり明治座の外に立つ役者の名前の書かれた幟!嬉しいです。劇場に足を踏み入れる前から “ザ・エンターテイメント!”という雰囲気が感じられるのが、明治座ならでは。その舞台に立てるのは高揚します。精一杯努めたいと思います。

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―さて、作品からは少し離れますが、コロナ禍を経て俳優としての思いに変化はありましたか?
コロナ禍でいろいろな取り組み方が変わり、体調管理により気配りするようになったということはありますが、それ以外は具体的にはあまり変わらないように思います。ただ、たくさんの人が大変な思いをして、やっとひとつの作品が成り立つのだということを、強く感じるようになりました。公演をすること、作品を完成することの大変さと大切さ、そしてそれを見に来てくださるお客様が本当にかけがえのない存在だと改めて思いましたし、自分が舞台に立てる有難さや大切さを、改めて実感しました。ただ気持ちの上で変わったことで、具体的に何がどう変わったのかはわからないのですけれど…。
早く、この厳しい状況が無くなって平穏で純粋にエンターテイメントを楽しめるようになってほしいと切実に思います。
うまく言えないのですけれど、こういう状況を経験して、今後も何があるか分からない中で、自分も強くいたいと思います。役者という職業をしていることを幸せに思い、人前に立つ中で強くありたいなと思います。…。
だから、いろんな新しい部分も見せていきたいです。作品も役も、玉城裕規としても、役者としても、新しいものを見せて、見て下さる皆様に楽しんでいただけたらと思います。新しいものをたくさん吸収して、どんどん幅を広げていきたいです。

―では「初めて尽くし」「ひたすらチャレンジ」の卯之吉役は本望ですね。
はい、がんばります!

 

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『坂本冬美特別公演 中村雅俊特別出演』
公演日程 2022 年9月 20日(火)~10 月18日(火)
会場 明治座
第一部『いくじなし』
作:平岩弓枝 演出:石井ふく子
出演:坂本冬美 中村雅俊
小林綾子 玉城裕規 沢田亜矢子 横内正

第二部『坂本冬美オンステージ 2022 艶歌の桜道
スペシャルゲスト中村雅俊』
チケット料金 S 席(1・2階席)13,500 円 A 席(3 階席)6,500 円
(全席指定・税込・未就学児童入場不可)
公式HP :https://www.meijiza.co.jp/lineup/2022/09/

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