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『ロミオとジュリエット』一目惚れはしない(⁈)ふたりが親友役に 高杉真宙&矢部昌暉インタビュー 高杉「その世界をどれぐらい大きくできるかにチャレンジ」 矢部「どんどん吸収して、新しい自分を見つけられたら」

有楽町・よみうりホールにて2023年9月13日(水)より『ロミオとジュリエット』が上演される。(大阪・富山・愛知・福岡・仙台公演あり)
世界一有名な恋人たち、ロミオとジュリエットを演じるのは、映画やドラマでも活躍する高杉真宙と藤野涼子。さらにDISH//のメンバーで俳優としても活躍する矢部昌暉が、ロミオの親友、ベンヴォ―リオ役を演じる。
演出を手掛けるのは、故・蜷川幸雄の演出助手・演出補として『ロミオとジュリエット』にも向き合ってきた井上尊晶。

この万人に愛される名作に挑む高杉真宙と矢部昌暉に、作品への思いと意気込みを聞いた。

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矢部昌暉  高杉真宙

―おふたりは今日が初対面で、この取材直前に「初めまして」とご挨拶されていましたね。共演が決まったと聞いた時の感想は?
高杉
:共通の知り合いが多いので、これまでにお会いできていなかったことが不思議なぐらいです。今回は親友役を演じるので、どんな方なのかと緊張していましたが、「優しくて明るい人」「話が合うと思うよ」と聞いているので、お会いできるのを楽しみにしていました。
矢部:僕も知り合いから色々聞いていましたし、出演作品も拝見していたので、共演できてすごく嬉しいです。ただ「とっても人見知りだよ」(笑)とも聞いています。僕もすごく人見知りなので、人見知り同士で、ゆっくりと仲良くなれたらいいなと思います。
高杉:僕も打ち解けるまで時間がかかる方ですけれど、最近は 「頑張ろう!」と思って生きています。(笑)

―例えば親友役の場合、プライベートでも仲が良い方が、演技でも上手くいくものですか?
高杉
:それはあると思います。お芝居は信頼関係だと思うので、役の上でどんな関係でも仲が良いのはいいことだと思います。でも信頼関係は役の中でも築き上げられるものだと思いますし、仲が良くない役だから仲良くすべきではないとは思いませんし、仲が良い役だから無理やり仲良くするべきではないと思いますけれど。
矢部:本当にそう思います。プライベートでも仲が良くていろいろと話ができたら、お芝居の中でも言葉を交わさなくても「こう思っているな」というのは伝わってくると思います。今回は親友の役なので、お芝居の話など、たくさん話ができるといいなと思っています。

―お稽古はまだ先だと思いますが、演出の井上さんとはお話されましたか?
高杉
:先日、矢部さんは欠席でしたけれど「やってみようか」という感じで読み合わせをやりました。全員がまだ探っているという感じで、井上さんが「楽しく生まれて来るものを大切にしていこう」と話をされて「これからみんなで作っていくんだろうな」と思いました。
ただ終わりに井上さんが「それぞれに課題も見つかったと思うから、一旦持って帰って台詞を覚えて来てね」とおっしゃったので(矢部に向き直って)台詞を覚えていかなきゃいけないらしいですよ。
矢部:そうですね。長台詞が多いので緊張しますね。
高杉:僕も正直、覚えられるか、定かではないです。「頑張らなきゃ!」と思っています。(笑)
矢部:今回は台詞を覚えることへのプレッシャーがすごく大きいです。台詞に言葉遊びのような例えや比喩が多くて、その面白さは、文字で見ればわかりやすいですが、お客様が聞いたときにわかってもらえるように、どう伝えていこうかと…。稽古しながら考えていけたらと思います。

―高杉さんも読み合わせをされて、何か気づかれましたか?
高杉
:今、矢部さんがおっしゃったように、台詞が長いし、現代語だけれど詩で会話しているような遠回しな表現が多いので、言いたいことを伝えるためには、どうしたらいいんだろうと考えています。でも、言葉の美しさはそのまま届けたいと思うので、リズムを崩さないように喋りたい。「“言葉のリズムを崩さずに話すこと”と“伝えること”の両方を、うまくできるようになりたい」と改めて思いました。少しスピード感のある話し方が綺麗に聞こえたりするのでしょうけれど、それだと、もしかしたら見ている方に感情を伝えきれない部分があるかもしれない。いろいろと思うところがありました。

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―普段、台詞はどのように覚えていますか?
矢部
:僕は台詞を覚える時間が1番苦手なんです。(笑)
高杉:僕はいろんなことに対してとても腰が重いんです。「集中できるな」というタイミングになると、続けてできるんですけど、とりかかるまでが長くかかる。台詞覚えも一緒で、始める前にいろいろと準備をします。部屋を暗くして、歩けるスペースを作って。台本を持って、ずっと同じところをグルグル回りながら台詞を喋り続けてます。でも最近はそれに飽きて、外を散歩しながら台詞を喋っています。
矢部:僕も同じです。一度グッと集中できれば、時間も忘れてどこまでもできますが、そこに入るまでに時間がかかります。
高杉:同じタイプですね。すぐに台詞が入りますか?
矢部:いや、どうなんだろう…。
高杉:あんまり他人と比べる機会がないですものね。ちなみに僕はすごく遅くて。そして、年々遅くなってるような気がしています。
矢部:年々遅くなっているというのもわかります!
高杉:よかった。集中力が切れるのも早くなっていて、最近は「もうちょっと気合い入れなきゃ!」と思ってます。気合いでどうにかなるのか、わからないんですけど。(笑)


―『ロミオとジュリエット』という作品について、あるいは演じる役について、ご自身に響いた部分や共通点があれば教えていただきたいです。
高杉
:あの熱量で愛を説いていくのは羨ましいな!(笑)
矢部:(顔を見合わせて)ロミオはすごいですよね。(笑って頷くふたり)
高杉:ロミオは最初、違う女の子が好きでふらついていたんですよ。「気分転換にパーティーに行こうよ」と誘われてついて行って、ジュリエットに一目惚れして、他の子なんてどうでもよくなった。恋愛はどこで何が起こるかわからないものですし、客観視ができないから、いろんなことが起こるとは思うのです。でも、ロミオの気持ちはわからないです。

―わからないですか?
高杉
:一目惚れって、僕は全然ないから、わからないです。だから、燃える原動力があることが、すごく羨ましいと思います。人生豊かだなと思いますね。

―矢部さんは?
矢部
:一目惚れは……あんまりないかもしれないですね。(二人で顔を見合わせて笑顔)
この作品の登場人物は、みんなが熱い思いを持っていて、世の中に訴えたいものがあって、生まれながらの宿命を背負っている。敵だ、味方だというのは、普段の生活であんまり感じないので、そういう気持ちは大事にして演じたいと思います。
だけど、僕が演じるベンヴォ―リオは、その中では一歩引いて周りを見られる存在ではあると思います。僕はグループ活動もしていますが、その中で一歩引いて周りを見ているタイプなので、そこは自分との共通点かなと思いました。

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―ロミオとジュリエットは命がけの恋でしたけれど、おふたりが“燃える原動力でやったこと”があったら教えてください。
高杉
:僕は「いくら睡眠時間を削っても足りない」と思いながらやっているゲームですね。ゲームが大好きで、どうやったら24時間の中でたくさんゲームができるのだろうと思ったら、やっぱり睡眠時間を削るしかなくて。
矢部:ホントですか?お忙しいのに、睡眠を削ってゲームって!(笑)
高杉:「もっと自由な時間がほしい。でも一日は24時間しかないんだ」と思ったら、どこを削るか?睡眠も自由時間とするならば、そこしかないんだなと。文字通り、命削ってやらせてもらっています!(笑)
矢部:僕は音楽グループではギター担当なのですが、グループ結成まで楽器を弾いたことがなかったんです。グループ結成時に「ギター担当だ」と言われて、そこからギターを弾き始めました。人前に出ることだし、仕事ですから「早くうまくならなきゃ」というプレッシャーも大きくて命懸けでした。

―まだお若い頃ですよね?
矢部
:中学2年生からです。
高杉:すごいなぁ。

―貴重なお話ありがとうございます。さて、本作に戻って、シェイクスピア作品ということで、こだわりや楽しみにしていることがあれば教えてください。
高杉
:シェイクスピア作品の中でも特に有名で、誰もが知ってる『ロミオとジュリエット』をやらせていただくことになって、僕は他の『ロミオとジュリエット』をもう見ないようにしようと決めました。楽しみにしているのは、どれくらい大きい世界を作れるか。先ほど矢部さんがおっしゃっていたように、日本では普段は見ることがない抗争があったりする世界なので、その世界が小さくならないように、どれぐらい大きくできるかにチャレンジにしたいです。
もうひとつ楽しみにしているのは、このキャストの皆さん。大先輩方も大勢いらっしゃるので、その方たちとの台詞のやり取りが楽しみです。同時に、詩的な台詞がすごく多いので、その素敵な台詞を、どれくらい表現できるかもチャレンジだと思ってます。

―ロマンチックな台詞もありますから、ファンの方も楽しみにされていると思います。
高杉
:はい。僕はあまり「ロマンチックだ」と言われたことないですけどね。
矢部:(高杉に向き合って)しっかり台本に、かっこ書きでいろいろたくさん書いてありましたよ。楽しみにしています!(笑)
高杉:(照れたような表情で)「笑う準備をしてもらって構わないです」とお願いしたい。いろんな人に笑われて生きていきたいんで。

―矢部さんのシェイクスピア作品ということでのこだわりや楽しみは?
矢部
:僕も高杉さんと同じですね。僕はシェイクスピア作品を劇中劇のようにやったことはあるのですが、本格的なシェイクスピア作品に出演するのは、今回が初めてなので、今まで自分が培ってきたものを壊してでもいいから、自分が思っている世界より大きくしたい。自分が「こうしよう」と想像してる範囲の一歩でも外に出られたら、新しい世界が開けるのではないかと思っているので、そういうところを探していけたらと思っています。今回、井上さんとも初めてご一緒しますし、他も初めての方ばかりなので、どんどん吸収して、新しい自分を見つけられたらと思っています。

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―最後に、公演を楽しみにしている方へ、まだ観ようか迷っている方へ、メッセージをお願いします。
高杉
:『ロミオとジュリエット』を観たことある方には、キャストが違うと読む人が違う、考えが違うということなので、楽しんで観てもらえると思います。まだ観たことがない方には、愛に溢れた『ロミオとジュリエット』なので、作品に触れることの楽しさに気付いてもらえると思います。そして大切にしまってもらえたらいいなと思っています。
矢部:面白さがいっぱい詰まっています。僕も台本を読み始めたら読み入ってしまって「やっぱり面白い」と感じました。その世界観をこのキャストでしっかり表現して生み出せたらと思っています。是非観に来ていただきたいです。

―ありがとうございました!初対面での取材でしたが、お互いのイメージは変わりましたか?
矢部
:いろいろ聞いていた通りの方だなと。すごく物腰柔らかくて。稽古前にお会いできて良かったです。
高杉:僕もお会いできて良かったです。安心して親友になれます!

『ロミオとジュリエット』
【スタッフ】
作 ウィリアム・シェイクスピア 翻訳 松岡和子 演出 井上尊晶
【出演】
高杉真宙 藤野涼子 矢部昌暉 新原泰佑 三浦獠太 佐伯大地
皇希 田中亨 皆藤空良 菅彩美 木村咲哉 牧野彩季 松浦慎太郎 村井友映
冨樫真 廣田高志 一谷真由美 松澤一之 星田英利 石井愃一

東京公演;2023年9月13日(水)~9月24日(日)有楽町よみうりホール
大阪公演:2023年9月29日(金)〜10月1日(日)森ノ宮ピロティホール
富山公演:2023年10月7日(土)・10月8日(日)富山県民会館ホール
愛知公演:2023年10月14日(土)・10月15日(日)東海市芸術劇場 大ホール
福岡公演:2023年10月21日(土)・10月22日(日)キャナルシティ劇場
仙台公演:2023年10月28日(土)・10月29日(日)仙台電力ホール

【製作】 シーエイティプロデュース
【公式HP】https://2023-romeoandjuliet.com
【公式Twitter】 @2023RandJ
#2023ロミオとジュリエット