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スペクタクルリーディング『バイオーム』中村勘九郎インタビュー「朗読劇といいながら朗読劇じゃないかも」

中村勘九郎主演、花總まり、古川雄大、野添義弘、安藤聖、成河、 麻実れいという豪華キャスト、宝塚歌劇団を退団したばかりの上田久美子の書き下ろし作品、そしてNHK大河ドラマ『麒麟がくる』などを手掛けた一色隆司が演出と、贅沢な布陣が注目を集める朗読劇、スペクタクルリーディング『バイオーム』。

主演を務める中村勘九郎に話を聞いた。

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「朗読劇としてお話を頂いて、脚本を読ませていただいたときに『これ、本当に朗読劇なの?』と思った」と中村勘九郎。
「読ませていただいた上田さんの脚本は物凄いものでした。そして、一色さんの話によると制作発表会見の際に後ろにあったカーテンで映像も使い、舞台機構も使うということなので、それが朗読劇という枠に収まるものなのか?今回は朗読劇といいながら朗読劇じゃないかもしれないなと。(笑) 『朗読劇だと思って観に行ったら、すごいものだった』になればいいなと思っています。」と期待を膨らませてくれる発言から取材が始まった。

ただ演じる役については、ちょっと困ったような表情を見せた。
「今回、僕が演じるのは木をよりどころにする、独特の世界をもつ8歳の男の子と、少し冷静な8歳の女の子。欲の塊のような大人たちの中にいる対照的な8歳で、脚本を見たら、僕がやるほとんどがこのふたりの会話なんです。とてつもなく難しいものを頂いてしまいました。どう表現するのか…、稽古前なので、全然想像ができません。
でもリーディングだからこそ表現できる役だと思います。いろんな引き出しを準備するつもりで稽古に臨みたい」

さらに「今、次男がちょうど8歳。だからといって子供を観察したり…というより『子供ってこういう感覚なんだ。おもしろいな』と日々感じています」と微笑みながらエピソードをひとつ教えてくれた。
「昨晩、次男が少し鼻を詰まらせていびきをかいて寝ているなと思っていたら、今朝起きて昨夜の夢を『宇宙で息ができなくて、ちょっと苦しいなと思いながら泳いでいたら、穴をみつけて、そこでちょっと息が吸えたんだ』と話していて『そうか、宇宙か』と思いました。そんな純粋さを大切にしたいなと思っています」

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出演者がとても豪華で「ミュージカルかなと思いましたよ」と問うた。
「確かに、ミュージカルもできそうですね。でも歌は…無いと思いますよ。僕の歌は無いです。ただ生演奏なので、稽古の段階でどうなるのかな?」とにっこり。
「歌ってくださいとお願いされたら?」と重ねて聞くと「僕はお断りします!」ときっぱり(笑)。
「でも生演奏というのは、出演していてもすごく嬉しいんです。今回は、木々のささやきが音楽になるのかな…とか、いろいろ想像しています」

歌舞伎から舞台、映像、声優、そして今回は2度目となる朗読劇。活躍と挑戦を続ける、その奥にある思いは何なのだろうか。
「今はこういう状況で思うようにできないことが多いので、頂いたチャンスや新たな経験の機会は大切にしたい。何事もとにかくやってみないことにはわからない。恐れずに踏み出すのが一番ではないかと。壁にぶつかることもありますが、役者として舞台で発信していくことは夢のひとつでもあり、夢を叶えるためには苦労はつきもの。常に挑戦する気持ちをもっていたい」

最後に観客へのメッセージをお願いした。
「これまでにいろいろな舞台に参加させていただいてきましたが、どうなるか、一番想像がつかない作品です。お客様も見たことがないものをご覧になれると思います。まだ嫌なニュースが多いですが、上田さんが今これを書いた、今しか見られない作品だと思いますし、感じとっていただけるものがある作品だと思います」

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スペクタクルリーディング『バイオーム』
◇日程:2022年6月8日(水)~ 12日(日)
◇会場:東京建物Brillia HALL
◇出演:
中村勘九郎 / 花總まり 古川雄大 / 野添義弘 安藤聖 / 成河 / 麻実れい
◇スタッフ:
作:上田久美子
演出:一色隆司
企画・制作:梅田芸術劇場
主催:梅田芸術劇場
制作協力:NHKエンタープライズ
◇公式WEBサイト:https://www.umegei.com/biome/
◇Twitterアカウント:BIOME_UMEGEI
◇一般発売日:2022年5月21日(土)AM10:00
◇料金:限定2000部プログラム付きS席11,000円/S席10,000円/A席8,000円/B席5,000円(全
席指定/税込)/学生席3,000円(当日座席引換券/税込み)
※学生席の販売はネット会員・オンラインチケット・チケット

【衣装クレジット】
セブン バイ セブン/サカス ピーアール☎03-6447-2762