Open Close

日曜オリジナルドラマ「連続ドラマW 死の臓器」台湾ロケリポート

WOWOWプライムでは、麻野涼の同名小説を原作とした日曜オリジナルドラマ『連続ドラマW 死の臓器』を7月12日(毎週日曜夜10時、第1話無料放送)より放送します。患者を救うために必要とされる臓器移植をテーマに、現在の医療制度や倫理観を問いかける本作は、小泉孝太郎、武田鉄矢、豊原功補、小西真奈美ら豪華キャストで送る社会派医療サスペンスです。メガホンをとるのは、映画『キサラギ』『ストロベリーナイト』などで知られる佐藤祐市監督。現在、クライマックスに向けて佳境に入ったドラマの撮影ですが、7月上旬、物語の展開上、大きなポイントを占める台湾ロケが敢行されました。

zouki2s

川野直輝 小泉孝太郎

 

WOWOWドラマ初出演となる小泉孝太郎が本作で演じるのは、富士の樹海で腎臓が摘出された女性の遺体を発見したことをきっかけに、臓器売買の闇に迫っていくテレビ番組制作会社のディレクター・沼崎恭太。事件の背後にある真実を追究するべく奔走していた沼崎は、やがて臓器移植ブローカーを務める日本人の存在を知ることとなり、その実態を調べるため一路、台湾に向かいます。

台湾ロケ最初の撮影スポットは、若者のサブカルチャー・ファッションの発信地である台湾一の繁華街・西門町。この地は、市民の日常の足である路線バスや、バイクなどの往来も激しく、台湾ならではのエネルギッシュな風景が特色です。その地に立った沼崎が、刑事の白井(豊原功補)に、台湾に来たことを電話で告げ、雑踏の中を歩いていくシーンから撮影はスタートしました。亜熱帯の国・台湾ということで、この日は35度を超える猛暑となりましたが、台湾側で集められた撮影スタッフの動きは非常にテキパキしたもので、撮影は非常にスムーズに進められました。佐藤監督も「台湾のスタッフは非常に優秀。機転も利くし、頭の回転も速いから、本当に助かっています。あとは監督の腕次第ですね(笑)」と充実した笑顔を見せていました。

zouki1s

川野直輝 佐藤監督 小泉孝太郎

 

佐藤祐市監督と小泉とは連続ドラマを中心にタッグを組み、今回で3度目の顔合わせとなります。「佐藤監督は、普段は陽気で明るい方ですが、芝居のこととなると非常に繊細。芝居の中のリズム感もそうですし、その場のポイントを押さえた演出をされるんです」と語る通り、佐藤監督に全幅の信頼を寄せている様子の小泉。佐藤監督も、彼の芝居に満足げな様子で、小泉に対して親指を立てながらオッケーを出すひと幕も。台湾ロケは幸先のいいスタートを切りました。

また、この日の午後には、汐止と南港において最初に五ツ星を獲得した台湾のホテル「富信大飯店」での撮影を敢行。臓器売買の実態を調べていた沼崎は、台湾で臓器移植のブローカーをやっていると見られる謎の男・船橋甫の存在を知ることになります。この台湾編から登場する船橋甫は本作のキーパーソン。演じるのは、演技派俳優の川野直輝です。「何を考えているか分からない感じがにじみ出たらいいと思い、演じました」と川野が語る通り、沼崎の緊張感が伝わる対面シーンとなりました。

その他、鮮やかなネオンサインがきらめく台北のナイトスポット林森北路、そして異国情緒あふれる屋台街など、台湾ならではの景色の中で撮影は行われました。本作の撮影は、7月下旬のクランクアップを目指して、順調に進んでいます。

zouki3s

【小泉孝太郎さんコメント】
台湾の街中を歩いていると、台湾でしか感じられない空気を感じます。撮影された画も、やはりここでしか撮影できないものであり、説得力があります。作品の内容が、日本から台湾に舞台を移すことで、ご覧になる方もきっと、この作品の世界観に大きく引き込まれることと思いますし、作品の重みも違って来たように思います。ハラハラドキドキするようなこの作品のテイストをぜひとも楽しみにしていただきたいですね。ただ、台湾の蒸し暑さは想像以上。僕は台湾に来たのは初めてだったので、空港を降りた時はビックリしました。

【川野直輝さんコメント】
台湾は想像した以上に暑いです。でもそれだけにこの暑さも含めて、日本では撮れない画が撮れるんじゃないかとわくわくしています。これまで、こういった社会派のドラマに参加する機会があまりなかったので、参加できて光栄です。臓器移植を巡る人たちの思いが交錯しあうこのドラマは、いろいろなことを考えるきっかけになると思います。登場人物は、家族のためであったり、正義のためであったりと、それぞれの立場から自分の正しさを主張し、そしてその主張と主張がぶつかりあいます。船橋という役は演じていて、非常に面白いキャラクターです。彼の行動の是非はともかく、その主張は間違っていないと思うし、行動力に共感する人も少なからずいるんじゃないかと思っています。そのあたりをぜひ観てもらいたいです。

【佐藤祐市監督】
台湾ロケのあった2話のクライマックスから3話にかけては物語の展開が大きく転がり、テイストがガラッと変わっていくところなので、そういったところがうまく出ればいいなと思って撮影を行いました。やはり日本とはガラッと違う景色は撮りたかったですからね。台湾の街中で撮影を行っていたんですが、(歩行者や車で通りかかる人に、撮影の間、)少しだけ待っていてくださいとお願いする時もありました。それでも皆さん、何も文句を言わずに待ってくださった。本当に優しい人たちだなと思いましたね。
こういった作品は、ひとりひとりのキャラクターがしっかりと地に足がついていなくては説得力も生まれない。やはり最終的には、人間ってどういうものなのか、という重いテーマをしっかりと突き詰めて描いていきたいですからね。だから真摯(しんし)に役に向き合って、撮っていくことが大事なのかなと思っています。現場の役者陣はいい感じですよ。孝太郎くんをはじめ、皆さんが自分の役柄を楽しんで演じてくれいているんで、ありがたいですね。

<ストーリー>
テレビ番組の制作会社のディレクター・沼崎恭太(小泉孝太郎)は、富士の樹海で女性の遺体を発見する。法医解剖で凍死と判断されたが、片方の腎臓が摘出されていることも判明。刑事の白井(豊原功補)は心に何か引っ掛かるものを感じる。一方、療聖会日野病院では、患者の高倉治子が人工透析を受けていた。治子の体は限界に近づいており、娘の裕美は主治医の日野誠一郎(武田鉄矢)に自分の腎臓を母に移植するよう懇願。しかし日野は頑として受け付けない。そんな中、救愛記念病院にけがをした男女が搬送されてくる。男女にあったそれぞれの手術痕から院長の大田勇(小木茂光)は、この男女の間で行なわれた腎臓移植を知る。そしてその腎臓が金で売買されたことを知り、警察に通報。執刀した日野は警察に任意同行を求められる。そのニュースに触発された沼崎は、樹海で見つけた遺体と臓器売買の関係について継続取材を決意。やがて医療現場の闇に近づいていく。

原作:麻野涼「死の臓器」(文芸社文庫刊)
監督:佐藤祐市(『キサラギ』『ストロベリーナイト』『脳内ポイズンベリー』)、植田泰史(「世にも奇妙な物語」シリーズ)
脚本:高山直也(「世にも奇妙な物語」シリーズ)、鈴木智(「連続ドラマWトクソウ」)
音楽:末廣健一郎
出演:小泉孝太郎 豊原功補 小西真奈美 小木茂光 川野直輝 新妻聖子 柴俊夫・武田鉄矢 ほか

日曜オリジナルドラマ「連続ドラマW 死の臓器」
7月12日(日)スタート(全5話)[第1話無料放送]毎週日曜夜10:00