藤原丈一郎(なにわ男子)がテレビドラマ初単独主演を務める、カンテレ×FOD連続ドラマ『ロンダリング』(カンテレ・フジテレビで毎週木曜深夜放送・FODで配信中)。
本作は、 “死者の声が聞こえる”という役に立たない特殊能力を持つ売れない俳優・緋山鋭介(藤原丈一郎)が、嫌々ながらも社会の闇に足を踏み入れ、非業の死を遂げた人々の人生に寄り添い奮闘する、社会派ミステリー。社会から切り捨てられた人間たちの生き様を描く。
共演には、緋山がアルバイトすることになる不動産会社『アマミ不動産』の社員であり、その場所やモノの危険度を“色”で判別できるという能力を持つ・蒼沢夏凜を演じる菅井友香、緋山に近づく謎の男・P.J.を演じる橋本涼(B&ZAI)。この度、藤原、菅井、橋本の3名が、ドラマの撮影を振り返りながら、役どころや撮影時のエピソードなどを語ってくれた。
― 今作の台本を読まれた感想をお聞かせください?
藤原丈一郎(以下、藤原):前半の台本を読んだだけで、凄くスリルがあって、ミステリー要素、サスペンス要素もあって「この後、どうなっていくんやろう」とドキドキしましたし、はしもっちゃんが演じているP.J.とも絡んでくるので、毎話の展開がすごく楽しかったです。
菅井友香(以下、菅井):ホラー要素があるということだったので、最初は「怖いのかな?」とドキドキ、ワクワクしながら読んでいたのですが、それだけでなく社会の中で光が当たりづらい部分に踏み込んでいく部分もあって。いろんな謎が繋がって紐解かれていくところが、本当にミステリー小説を読んでいるようで、どんどん惹き込まれていきました。
橋本涼(以下、橋本):最初に4話までの台本を読みましたが、めちゃめちゃ面白くて。びっくりしたのは、緋山というキャラクターがそのまま丈くんだったこと。読みながら、頭の中で丈くんが喋っていたんです(笑)。自分が演じるP.J.については、「どんな役なんだろう」と思いながら読んだ結果、「どんな役なんだろう?」となりました(笑)。
菅井:私も今日久しぶりにお会いしたんですけど、本当に緋山くんとお話をしている感じです。私の中では藤原さんと緋山くんが重なっています。現場でもとてもエネルギーを感じました。
― 藤原さんは座長として心がけたことはありますか?
藤原:本当に2人には色々と支えてもらいました。菅井さんが現場に来ると華があるし、はしもっちゃんは同じ事務所の絆もあり、それが役に反映できました。僕にとって初めての座長でしたが、あまり座長ということを意識せず、チーム一丸となってみんなで最後のクランクアップまで頑張っていきたいと思いながら臨んでいました。お昼休憩でも、ちょくちょくみんなでテーブルを囲んでご飯を食べて、和気あいあいとしていました。
― 菅井さんと橋本さんから見た、藤原さんの座長ぶりはいかがでしたか?
菅井:本当に分け隔てなく、いろんなスタッフさんとお話して盛り上げてくださっていました。私は藤原さんと同い年ですが、(芸歴は)先輩なので最初はかしこまってお話していたんですけど、「同い年やのに敬語変やろ」と言ってくださって。それからフランクにお話しできたのでありがたかったです。お芝居もアクションもやりやすくて、セリフ合わせもしてくださったり、本当にスーパーマンみたいでした。気さくで気配りもしてくださる、ありがたい座長です。差し入れもたくさんしてくださいましたよ。特にコロッケが美味しかったです(笑)。
藤原:よかった! コロッケは絶対食べてほしかった(笑)。
橋本:座長、本当に優しくてカッコよかったです。丈くんが朝と夜に撮影があったとき、昼に撮影している僕らに、撮影が終わるタイミングで、「座長から大福の差し入れです!」って。コロッケも美味しかったし。そして、これは菅井さんもそうなんですけど、後半になるとセリフ量が凄く多くて、朝から夜まで撮影して疲れているのに、嫌な顔1つしない。その姿を見て凄く刺激をいただきましたし、年下ですけど、カッコいいなと思って尊敬しました。
藤原:僕らキャストって、現場に一番遅く来て、一番早く帰るんです。でもスタッフの皆さんは一番早く来て、一番最後までいてくださるので感謝しかない。いろいろ会話もできて現場の空気が良くなっていく感じがしました。クランクインからアップまで、いい雰囲気のまま終わることができたので、そういう意味では座長の役目をまっとうできたのかなと思います。
― 役作りをする上で意識したこと、難しいと感じた部分があれば教えてください。
藤原:緋山鋭介は関西弁なので、そこはいつもどおりで苦労はなかったんですが、緋山は「幽霊の声が聞こえる」という特殊能力があるんです。“自分しか聞こえない”という演技は初めてだったので少し難しかったですね。“自分だけ見える”という演技なら、誰かに相手として演じてもらうことはできますが、“聞こえる”というのは自分の演技力にかかってしまうので。それと、叫ぶシーンがけっこう多いのですが、家で練習できないんですよ。叫ぶと近所迷惑になっちゃうから(笑)。なので、そこは本番一発勝負でした。幽霊の声が聞こえると叫んだり、逃げ出すというシーンが何回もあって、少し苦戦しました(笑)。
菅井:夏凜は、違和感がある場所や気配がある場所を色で認識できるという役ですが、監督とお話しながら役を作っていきました。自分の中で「どういうふうに感じているのかな」と自分の中でイメージして作る作業が凄く楽しかったです。
夏凜は、私自身とは全然違う部分も多かったので、とてもやりがいがありました。殴ったり蹴ったり、舌打ちしたり・・・それがけっこう爽快で、色々と新しい発見がありました(笑)。
橋本:自分はP.J.をどう演じたらいいか、けっこう悩みましたね。ト書きに「半グレのリーダー」と書いてあるんですが、僕はめちゃめちゃ普通の市民なんだよな・・・って(笑)。台本を読んだときは、男らしい感じなのかなと考えていたのですが、自分は身長も特に高くないですし、威圧感を出すにはちょっと別路線でいかなきゃダメだなと思って。自分が従えているP.J.軍団はみんなデカいんです。僕が一番小さいくらいなので、ちょっと笑いを入れてみたり、あえてニコニコしていたり、別の攻め方で、怖い感じを出せたらいいなとか考えました。そんなことを考えているのが楽しかったですね。
藤原:はしもっちゃんがちょっとニヤッとしたり、細かい芝居をしてくれるので、P.J.の演技に僕が緋山として自然に反応して、良いキャッチボールができたと思います。
― 監督から演出上のリクエストなどはありましたか?
藤原:このシーンで何を伝えたいのか、その時の緋山の心境などは、随時伝えてくださって。夏凜とのシーンでは2人の空気感など、リハーサルの段階から色々話し合いながら、監督が「こうしてほしい」というより、一緒に意見交換していく中で作り上げていったという感じでした。特に僕は“キャラクターを作る”ということを意識しないようにしていました。まずは台本を読んで素直に思ったことを表現する。そこにプラスアルファで監督から「もうちょっとこういうニュアンスを足してほしい」と言われたら、それを表現するみたいな感じで、削るより足していく作業でしたね。
菅井:緋山くんは、自分の能力を「人のために使いたい」と凄く前向きに頑張っているんですが、夏凜は自分の“ギフト”に対して「こんな力欲しくなかった」って思っていて。夏凜が「どうしてそう思うようになったのか?」という過去もしっかり作り込んでくださっていたので、そこを確認しながら臨みました。夏凜は緋山くんの影響を受けて変わっていきますが、気持ちが動く瞬間にデレっとするのではなく、逆にキレるんです(笑)。それがすごく新鮮で、そこが夏凜の魅力として受け取っていただけたら嬉しいです。
橋本:P.J.という役で一番びっくりしたのはビジュアルでした。僕が最初に台本を読んだ時のイメージは、黒髪の “陰”だったんですけど、“陽”のほうの髪型だったんです。「あ、そっちなんだ!」と思いました。P.J.軍団もみんな派手なんですよ。そのイメージでもう一度読んだら、また面白くて。そこからお芝居を逆算していったら、物語と凄く繋がっていって、痺れましたね。
― 本読みの時に髪は準備していたのですか?
橋本:写真撮りをするとき、この役は「黒髪」だと思ったので、そのとき茶髪だったんですが黒く染めて行ったんです。そのあと衣装合わせをしたら「P.J.の髪色は明るい」と言われて、また、ブリーチして明るくしたんです(笑)。どうして髪が明るいのかは後半になってくると分かってきて、台本を読んでいても楽しかったです。
― お三方の中で、霊感的なものをお持ちの方はいらっしゃいますか? 恐怖体験したことあるとか、そういう霊に関するエピソードがあればお聞かせください。
藤原:菅井さん、現場であったよね? あれはヤバかった・・・。
菅井:うわ~、ありました!
藤原:菅井さんと僕の2人のシーンで。誰もいない部屋からノックが聞こえたんですよ。「コンコン」って。それが聞こえたのが僕と菅井さんだけやったんですよ。スタッフさんたちはそれどころじゃなさそうな顔をしていて、「ああ…」みたいな反応で。もっと盛り上がって欲しかったな。「え、いま聞こえたんですけど」って言ったら、カメラマンさんは「あ、本当?うんうん」みたいな(笑)。
菅井:もう背筋が凍りました。あれは明らかに誰もいなかったんです。事前にその部屋の中を覗いていたので、段ボールしかなかったのを確認していたんですが、「始めます」って言ってから「トントン」って。人のノックが・・・。
藤原:当たったとかじゃない。ドンとかじゃなくて、「コンコン」。
菅井:本当に怖くて、あれは鳥肌立ちました。
藤原:その後のセリフはビクビクしながら言っていました。なので、たぶん全話通してそこが一番リアリティあった。一番やばかったです。
橋本:リアルホラーですね。
橋本:でもさ、それは昼の出来事の話だよね。その撮影が夕方に終わった菅井さんが東京に帰るというときに、僕に置き話をしてくれたんですよ。僕らは深夜そこに行かなきゃいけないのに。菅井さんは「怖いよ、あれいるよ」「じゃあ私帰るね」みたいな感じで。あれ、ほんと酷かった(笑)。
菅井:「気をつけてね」と言って帰りました(笑)。
橋本:深夜、怖いなぁ・・・と思ったんですが、(撮影に入ると)それどころじゃなくて、セリフに追われていました(笑)。
藤原:本当に(霊が)いたかどうかはわかりませんが、こういうお話なので、敏感になっていたということもあったかもしれませんね。
<作品概要>
【タイトル】『ロンダリング』
【放送枠】2025年7月3日(木)より放送中
カンテレ:毎週木曜 24時15分~24時45分
フジテレビ:毎週木曜 26時15分~26時45分
※放送時間は変更になる可能性があります。
【配信】カンテレ第1話放送直後からFODにて1週間の先行配信
【出演】藤原丈一郎 菅井友香 橋本涼 久保田磨希 趙珉和 / 和田正人・谷村美月 / 大谷亮平
【脚本】古家和尚
【音楽】秦コータロー
【主題歌】「Black Nightmare」なにわ男子(ストームレーベルズ)
【プロデューサー・演出】木村淳
【演出】髙野有里 西村美保
【制作協力】メディアプルポ MEW
【制作著作】カンテレ
<公式ホームページ> https://www.ktv.jp/laundering/
<公式X> https://x.com/laundering0524
<公式インスタグラム> https://www.instagram.com/laundering0524/
<公式TikTok> https://www.tiktok.com/@laundering0524
<FOD> https://fod.fujitv.co.jp/title/80ny/
<TVer> https://tver.jp/series/sri83v7ey7y
<カンテレドーガ> https://ktv-smart.jp/store/series.php?id=KTV8440