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CS衛星劇場にて、KERA CROSS 第二弾『グッドバイ』をテレビ初放送! 藤木直人 インタビュー

素晴らしい脚本と多彩なキャストたちとの出会いがあり
改めて舞台の楽しさを感じることができました

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ーー『グッドバイ』は2015年にケラリーノ・サンドロヴィッチ(KERA)さんが、太宰治の未完の最後の小説をベースに新たにラブコメディとして創り上げた作品です。藤木さんは実際に劇場でご覧になったそうですが、どのような印象を持たれましたか?

「“新喜劇か?”と思うほどお客さんが笑っていて、僕も大笑いして見ていました。台本の素晴らしさはもちろん、キャストにコメディアン、コメディエンヌとして達者な俳優さんたちがそろい、個人技で笑いをかっさらっていくシーンもたくさんあって。本当に素敵な作品でしたので、“僕も演ってみたい!”と思いました。もちろん、当時はまさか本当に自分が演じるなんて1ミリも思っていませんでしたので、今回の出演が決まったときは、驚きがありましたね」

ーーこの作品は、主人公の田島周二が疎開をしていた妻子ともう一度東京で暮らすために、愛人たちと別れる決心をするところから物語が始まります。藤木さんにはこの田島はどのような男性に映りましたか?

「田島のやっていることはたしかに酷いんです(苦笑)。ただ、性格はとても真っ直ぐで、それでいてちょっと抜けているところもある。仕事も雑誌の編集長を務め、そのかたわらで、闇商売で大金を儲ける商才もある。ですので、どこか憎めないチャーミングさが出せればいいなと思いながら演じていました。とはいえ、実際に演じてみたら思いのほか、出番とセリフが多くて……。観るのと演じるのは大違いだと思いました(笑)」

ーーまた、今回のカンパニーにはいろんなジャンルで活躍する多彩な俳優陣が集結しました。共演してみていかがでしたか?

「相手役の永井キヌ子を演じてくださったソニンさんは、2003年にドラマ『高校教師』でご一緒して以来でした。稽古場でのソニンさんは本当に真面目な方で。役を作る上で、演出の生瀬勝久さんから、ソニンさんの出身地である高知弁でセリフをしゃべってみてと提案されたときも、正しい高知弁を忘れてしまったからと知り合いに聞いてみたりして、熱心にいろいろ調べていたのがとても印象的でした。
また、ほかの共演者もジャンルだけでなく、キャリアの違いもあり、それぞれに持っている得意技が異なっているのが面白かったです。入野自由くんはどのステージでも、次の日のことなんかは気にしてないくらいの全力で演じてくれて会場の空気を変えてくれてましたし、長井短さんの怪演もすごかった(笑)。それに真飛聖さんは本番になってからお芝居がどんどんと変わっていって。実はコメディが大好きなんだなと感じました」

ーー藤木さんにとって舞台出演は、2017年の『魔都夜曲』以来でした。久々の舞台はいかがでしたか?

「舞台から離れている時間が長くなると舞台に対する恐怖心が大きくなってしまうなと思っていたんです。そうしたときにお話をいただいたので、すごくいいタイミングだったなと感謝しています。それに、演じることの大変さはもちろん感じましたが、素晴らしい脚本ということもあり、改めて舞台の楽しさを感じることができました。今、世界中が大変な状況になっていますが、皆さんがこの作品をご覧くださっている間のほんの少しでも、そのことから解放されて、楽しんでいただけたら幸いです」

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©東宝 キューブ

▼プロフィール
Naohito Fujiki
1972年7月19日生まれ。千葉県出身。1995年のデビュー以降、俳優、ミュージシャンとして活躍。2004年に、映画『g@me.』で日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。主な代表作にテレビドラマ『ホタルノヒカリ』、連続テレビ小説『なつぞら』など。現在、日本テレビ系『おしゃれイズム』、TOKYO FM 系列『TOYOTA Athlete Beat』にメインパーソナリティで出演中。

取材・文:倉田モトキ

CS衛星劇場にて、KERA CROSS 第二弾『グッドバイ』をテレビ初放送!
放送日:
6月13日(土)午後11:15~深夜2:15
6月21日(日)午後6:15~9:15

KERA CROSS 第二弾『グッドバイ』
2020年2月4日~2月16日 東京・シアタークリエ
[原作]太宰治(「グッド・バイ」)
[脚本]ケラリーノ・サンドロヴィッチ
[演出]生瀬勝久
[出演]藤木直人、ソニン、真飛聖、朴璐美、長井短、能條愛未、田中真琴、MIO、YAE、入野自由、小松和重、生瀬勝久

ケラリーノ・サンドロヴィッチ(KERA)の数々の戯曲の中から選りすぐりの名作を、才気溢れる演出家たちが異なる味わいに創りあげる連続上演シリーズ「KERA CROSS」の第2弾!

太宰治の同名小説をベースに、2015年にKERA・MAP作品として上演し数々の演劇賞を受賞した、超スピードでロマンチックな恋愛狂騒劇(スクリューボール・コメディ)を、生瀬勝久演出で上演。出演に、藤木直人、ソニン、真飛聖、朴璐美、長井短、能條愛未、田中真琴、MIO、YAE、入野自由、小松和重、生瀬勝久、という多彩な顔ぶれで。生瀬勝久と12人のキャストが新たに紡ぐ”恋愛狂騒劇”!

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©東宝 キューブ/撮影:引地信彦

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©東宝 キューブ/撮影:引地信彦

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©東宝 キューブ/撮影:引地信彦