映画『ヴィレッジ』の公開記念舞台挨拶が、4月22日、東京・TOHOシネマズ 六本木にて行われ、主演の横浜流星をはじめ、共演の黒木華、中村獅童、奥平大兼、作間龍斗（HiHi Jets／ジャニーズJr.）と、藤井道人監督が登壇した。
本作は、「村」という閉ざされた世界を舞台に、そこで生きる人々のきれいごとだけでは生きていけないリアルな姿を、圧倒的な映像美と世界観で描き、同調圧力、格差社会、貧困、そして道を誤ったら這い上がることが困難な社会構造の歪みといった、現代日本が抱える闇をあぶり出す衝撃のサスペンス・エンタテインメント。
多くの話題作を手掛ける藤井道人監督と、日本映画の変革者として絶えず注目作を世に贈り出してきた故・河村光庸プロデューサーの遺志と遺伝子を受け継いだ注目のスタジオ・スターサンズの制作チームが結集。どこにも居場所を見つけられずに生きてきたが、自分とこの世界をつなぐ唯一の希望を守るためダークサイドに転じる青年・優を横浜流星。そのほか、黒木華、古田新太、中村獅童をはじめとした豪華出演陣が顔を揃え、人々のリアルに迫る、いま語るべき私たちの物語を作り上げた。
横浜の迫真の演技に目を見張るものがある本作だが、前半から変化をしていく優という青年を演じて、横浜は「最初は感情を放出する術（すべ）が分からない人間でしたが、感情がコップにどんどん溜まっていって溢れ出してしまう不安定さ、その塩梅が凄く難しかったです。そして美咲と出会って変わろうともがく姿を見て、皆さんがどう感じられるのかが気になりますね」と語った。
そんな横浜を近くで見ていた黒木は「最初にお会いしたときは、内にこもっている状態だったので声もかけづらかったですが、全編通じて糸をピンと張られていて集中力が凄かったです。やっと打ち解けてからは、にこやかにくだらない話もできるようになったので、その変化の行き来は難しかったでしょうし、凄いなと思いました」と横浜を称えた。
また、横浜と初共演となった奥平は「僕も龍太という役を通して、優がどこかつかめない感覚がありました」と話しつつ、「ゴミを埋めるシーンでは、現地がぬかるんでいて足場が不安定だったんですが、バランスを崩すと『大丈夫？』とさりげなく声をかけてくださって･･･。かっこよ！って。ちょっと喰らいましたね(笑)」と事務所の先輩でもある横浜に魅了されたエピソードを明かす。
優（横浜）に憧れる役どころの恵一を演じた作間は、「横浜さんと初めて会った時は髭を生やされてるシーンでした。いつもテレビなどで見ているキラキラしている横浜さんを想像して行ったので、“ヤバイ！髭生えてる！”と思ってビックリしました。でも、その表情ですぐに気が引き締まって、作品のイメージがすぐに分かった。恵一と同じように横浜さんの背中が大きかったです」と横浜の存在感の大きさを実感した様子。
一方、中村も横浜とは初共演だったが、「あんまり喋ったことはなんでね･･･感じの悪いこだなと思ったけどね(笑)」とジョークを交えながらも、「京都で、僕の行きつけのサウナに横浜さんは変装もしないで行っていたという･･･その話しか覚えていませんね(笑)」と裏話を話すと、横浜も「あのサウナいいですよね」と笑顔で返す。横浜は「獅童さんが、流星は俺の言嫌いなんだろ？って言うからそんなことはないと」と言い、二人で和やかに談笑。MCが「その辺は楽屋で･･･」と促し、会場の笑いを誘う場面も。
横浜とは今作で6度目のタッグを組んだ藤井監督は、「今回は最初の決め事として、あまり没入しすぎて周りが見えなくなってしまうのはやめにしようとしました。流星が座長として、大兼や作間くんたちのように若い子たちもいるので、広い視野でやっていこうと言っていたので、いつも通りでした。大人になった流星を見れたなと思っています」と感慨。
今作は“能”をテーマとしているところもあるが、歌舞伎役者の中村は「能は公家社会に捧げるものなので、歌舞伎と比べて格が違う。似たように見えがちですが、細かいところが違くのでとても勉強になりました」と吐露。監督は「故・河村プロデューサーが、“能”という日本最古のものを題材にした作品をやりたいと言っていて。コロナ禍のなか、やっぱりエンターテイメントは不滅であるという、河村さんのただならぬ情熱があったんだと思います」と打ち明けていた。
そして、閉ざされた村を描きつつ、どこにでもいる若者の社会を描いた作品でもあるが、奥平が「自分に近い感覚を持った龍太を演じました。映画の初号試写ではずっと作間くんを見ていて、境遇は違えど優に対する気持ち、優が好きだという感情は一緒だったんだなと思っていました」と述べると、横浜は「二人の空気感がマッチしていた。奥平くんの持つものが龍太と合っていた。感受性が豊かだなと感じていました。優と同じように二人（奥平と作間）には感じていました」と回顧した。
最後に、監督が「この映画は性別や年齢、自分が組織にとってどんな人間なんだろうというところで作品の解釈や感想が変わると思います。河村さんと素晴らしいスタッフで作り上げた作品です。皆さまが観て帰ったときに持っていただいた自分なりの感想が全てだと思っtえいます。ちゃんと皆さまの心に届いていたら幸いです」と挨拶。横浜は「今回、村を舞台にしていますが、会社だったり、学校だったり、いろんなコミュニティの属している方に置き換えてみたいただけると思っています。たくさんの方に観ていただきたいと。観てくださる方の解釈に委ねる作品。その解釈を大事にして、周りの方と共有してくださると嬉しいです」とメッセージを送り、舞台挨拶を終了した。
映画『ヴィレッジ』
閉ざされた世界。閉ざされた心。やがて、一炊の夢から醒める。
夜霧が幻想的な、とある日本の集落・霞門村。神秘的な「薪能」の儀式が行われている近くの山には、巨大なゴミの最終処分場がそびえ立つ。幼い頃より霞門村に住む片山優は、美しい村にとって異彩を放つこの施設で働いているが、母親が抱えた借金の支払いに追われ希望のない日々を送っている。かつて父親がこの村で起こした事件の汚名を背負い、その罪を肩代わりするようにして生きてきた優には、人生の選択肢などなかった。そんなある日、幼馴染の美咲が東京から戻ったことをきっかけに物語は大きく動き出す――。
横浜流星
黒木華 一ノ瀬ワタル 奥平大兼 作間龍斗
淵上泰史 戸田昌宏 矢島健一／ 杉本哲太 西田尚美 木野花
中村獅童 古田新太
監督・脚本：藤井道人
音楽：岩代太郎
企画・製作・エグゼクティブプロデューサー：河村光庸
制作プロダクション：スターサンズ
制作協力：Lat-Lon 製作幹事：KADOKAWA
配給：KADOKAWA／スターサンズ
製作：「ヴィレッジ」製作委員会
©️2023「ヴィレッジ」製作委員会
village-movie.jp
公式SNS(Twitter＆Instagram)：@village_moviejp #ヴィレッジ
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